故人が逝去したその日を命日と呼びますが、命日にも種類があることをご存知でしょうか。また、命日に行うことや、やってはいけないことについて明確なきまりは存在しませんが、厳粛な場のためマナーを守ることが非常に重要です。
この記事では、命日にやること、やってはいけないことを解説します。
<この記事の要点>
・肉や魚などの殺生を想像させるお供え物はふさわしくないため控える
・香りの強い香水や派手な装いは避け、落ち着いた色の服装を心掛ける
・法要に参列する場合は、送り主のことを考えて速やかに返信を出すようにする
こんな人におすすめ
命日について知りたい方
命日にやることを知りたい方
命日にやってはいけないことを知りたい方
命日でやってはいけないことを知る前に、まずは命日そのものについて詳しく解説します。一般的に「命日」とは、どなたかが逝去した日のことを指す言葉です。多くの方が思い浮かべるのもこのイメージでしょう。
ただし、命日には「祥月命日(しょうつきめいにち)」と「月命日(つきめいにち)」の2つが存在します。字面も読み方も似ているため、実際に混同してしまう方も少なくありません。「祥月命日」と「月命日」はまったく意味が異なるため、まずこの2つを理解しておきましょう。
祥月命日とは、故人が逝去した月日と同じ日にちを指す言葉です。例を挙げると、どなたかが4月1日に逝去した場合、そこから毎年訪れる4月1日が祥月命日にあたります。
「祥月命日」という名前の由来は「祥月」がどなたかが逝去した日の1年後からの逝去月のことを指しており、命日は逝去したその日を指すため、その2語を合わせて「祥月命日」という言葉が生まれたといわれています。
祥月命日には追善法要などの行事が執り行われます。追善法要とは、逝去後の故人の幸福を祈ることを目的とした供養です。逝去した方の代わりにこの世に残っている方々が善行をすることで、その対価として逝去した方が安全に極楽浄土へと導かれるといわれています。
善行にきまりはなく、仏壇に手を合わせたりお経をあげたりとさまざまです。その善行は逝去した方だけではなく、自身にもかえってくるといわれています。また、追善法要の他にも年忌法要と呼ばれる法要があり、命日から1年後や3年後の祥月命日に行われる法要を指します。
年忌法要の時期と名称は、逝去した日から1年後が一周忌、2年後が三回忌、6年後が七回忌、12年後が十三回忌、16年後が十七回忌、22年後が二十三回忌、26年目が二十七回忌、32年目で三十三回忌となっています。なお「弔い上げ」といって三十三回忌で年忌法要を終了するのが一般的です。
ただし、地域や家庭によっては逝去してから49年後の五十回忌で弔い上げとするケースもあります。
月命日は別名「月忌」とも呼ばれ、故人が逝去した日にちと同じ日のことを指す言葉です。例を挙げると、どなたかが逝去した日が5月1日だとすると月命日は毎月1日となります。
一般的に、月命日の目的は故人を偲ぶことです。具体的にはお墓を清掃したり、お供え物を備えたり、参拝をしたりします。
また、月命日はほぼ毎月訪れるからといって、必ずしも何かを行わなければいけないわけではありません。仮に月命日に故人を偲ぶための行いをせずとも、マナー違反ではありません。月命日にお経を読んでもらう際は、お布施として3,000円ほど包むとよいでしょう。
祥月命日では、逝去した方のことを思ってさまざまなことを行いますが、決まったことを行わないといけないといったルールは存在しません。例えば、お墓参りに行かない、墓石の清掃をしないことがマナー違反だとはいえません。
とはいえ、逝去された方のために何かしてあげられることはないかと考える方がいるでしょう。命日に行うことにきまりはありませんが、何らかの行事をしている家庭も多いため、ここからは命日に行われる一般的な行事について詳しく解説します。
祥月命日に行う法要では、お寺の僧侶にお経をあげてもらうことが一般的です。特に、逝去した翌年の1周忌法要では、逝去した方と仲がよかった方や縁の深かった方を招待して法要を行います。亡くなってから日も浅いため、法要の参加者や参加したい方、故人に手を合わせたい方も多いでしょう。そのため年忌法要の中でもとりわけ重要なものにあたります。
法要を行う日時と会場の手配が済んだら、1ヶ月前~半月前までには案内状を送ったり、連絡を取ったりしましょう。
祥月命日にはお墓参りを行うケースも多く見られます。しかし、祥月命日は年に1度しかなく、参拝者の都合に合う日付かどうかがわかりません。どうしても参拝者が集まりにくい日時である際は、集まりやすい日時に変更できます。なお、お墓参りに関しても行うか否かは自由です。
家庭によっては、卒塔婆供養を行うところもあるようです。卒塔婆とは、お墓の後方に連ねて立てる木の板を指します。
卒塔婆には梵字・戒名・逝去した日付・経文・施主名等が墨で書かれており、仏教における自然観の5要素を表現した形をしています。この卒塔婆を立てることが、故人の冥福を祈ることを意味します。
なお、卒塔婆が増えてどこにも立てられるスペースがなくなった際には、「焚き上げ」を行うとよいでしょう。
月命日は、祥月命日ほど大々的に行事を行うわけではありません。きまりに関しては、祥月命日と同様に、月命日にもきまりは特にありません。月命日では、親族の方々が集まって比較的小規模の供養を行う家庭が多いようです。
供養方法は、お供え物を供えてお焼香をあげたり、お坊さんにお経を読んでもらったりが一般的です。お供え物などはせずに手を合わせるだけの家庭もあります。また、複数の故人の命日が近日中にある場合は、まとめて行っても問題はありません。
祥月命日や月命日には特に厳しいきまりが存在するわけではありません。とはいえ、命日は逝去した方に関わる行事で非常に厳粛な場となるので、最低限のマナーが存在するのも事実です。
ここからは命日にやってはいけないことや、最低限のマナーについて紹介します。
お墓へのお供え物は、以下のようなものを墓前へお供えしましょう。またお供え物には気をつけるべきポイントがあります。お供えするものによっては故人や他の参列者に対して失礼になることもあるため、注意が必要です。
・飲食物
お供え物といえば飲食物をイメージする方もいるでしょう。しかし、お供え物としてふさわしくない飲食物もあります。
例えば、肉や魚は殺生等をイメージさせるため、お供え物としてふさわしくないとされています。
また、大きくてかさばるようなお供物も避けた方が賢明です。例えば、必要以上に大きなお菓子の詰め合わせや一升瓶のお酒等です。これらは、遺族に対しての配慮が欠けているとされ、悪い印象を持たれることがあります。
・線香
線香をあげる数は奇数がよいとされ、3本であることが一般的です。
また、マナーとして、線香をあげる前に墓石を掃除しましょう。お供え物を用意している場合は、お供え物を墓前に供えてから線香をあげるようにします。
・花
お花は逝去した方が好んでいた花をお供えすることが多いですが、むやみに選んでしまうとお供え物に適していない花を選んでしまうことがあります。棘のある花や強烈な匂いを放つ花はお供え物としてふさわしくないとされています。
また鉢植えの花も避けた方がよいでしょう。どうしても花選びに不安がある際は、菊の花か白を基調とした花を選ぶのが賢明です。
命日の際、お墓等に出向くときに華やかな衣裳を身に纏ったり、匂いの強い香水をつけたりしていると故人や他の参列者に対して失礼にあたります。命日の行事では、地味な色の服装にして、できるだけ香水はつけないようにしましょう。
命日の法要の案内状は、参加者の都合を考えて期日まで余裕を持って送りましょう。命日の法要までに1ヶ月程度の余裕があると理想的です。
また案内状を受け取った方も、期日まで待たず、送り主のことを考えて速やかに返信を出しましょう。お互いに日程に余裕を持つことで、当日までの準備もスムーズに進められます。
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故人が逝去したその日を命日と呼び、毎年訪れる命日を祥月命日と呼び、毎月訪れる日付だけが同じ日を月命日と呼びます。これらの命日で行うことに明確なきまりはありませんが、厳粛な場のためマナーを守ることが重要です。
命日の法要でふさわしくないお供え物をお供えしたり、案内状の返答をギリギリにしたりすると、他の参列者からの印象が悪くなる可能性があるため注意しましょう。
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