近年、四十九日を迎えたあともお墓や納骨堂などに納骨をせず、遺骨を手元で保管する「手元供養」をする方が増えています。しかし、手元供養をしたいと考えていても、遺骨の置き場所に悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、自宅で遺骨を保管する際の適切な置き場所や保管方法、注意点について解説します。
故人を身近に感じることができる手元供養をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
こんな人におすすめ
遺骨の保管場所にお悩みの方
手元供養品の種類を知りたい方
遺骨を自宅に保管する際の注意点を知りたい方
遺骨の置き場所といえば、昔は仏間にある仏壇のそばが一般的でしたが、最近では仏間や仏壇がない家が増えています。
ここからは、手元供養をする際の遺骨の適切な置き場所を紹介します。
「仏間(ぶつま)」とは、仏壇や仏像、位牌を安置するために作られたスペースです。遺骨を保管する場合にも使用できる空間です。自宅に仏壇がある場合は、仏壇のそばに遺骨を安置することが一般的です。本尊や先祖を祀る場所である仏壇の中に遺骨を置くことは避けましょう。
仏壇がない場合や床に遺骨を置くことに抵抗のある方は、ミニ仏壇や小さな台を用意したり遺骨を加工して飾ったりして自宅安置することをおすすめします。
火葬から四十九日を迎えるまでの間は「後飾り祭壇」を用意して、遺骨を一時的に安置します。
後飾り祭壇は、仏壇がある場合は仏壇の前かそばに、仏壇がない場合は安置する部屋の北側または西側に設置することが一般的です。置く場所を選べない場合は、家族がお参りしやすい場所に置いても問題ありません。
後飾り祭壇は四十九日を過ぎると、処分したりお寺でお焚き上げをしてもらったりすることが一般的ですが、納骨をしない場合は遺骨の安置場所として残しておくこともあります。
仏間や仏壇がない場合は、部屋の一部に遺骨の安置スペースを設けることをおすすめします。
部屋の一室に供養専用のスペースを設けて遺骨を安置するのも一つの方法です。リビングなど他人の目に触れる場所に遺骨を置くことに抵抗がある場合は、お参りしやすい別の部屋に安置しましょう。
最近では「ミニ骨壷」や「ミニ仏壇」など、デザイン豊富な手元供養品が販売されているので、インテリアに馴染むものを選べます。
手元供養をする際は、どのように遺骨を保管すればよいのでしょうか。専用の供養スペースが確保できない方もいるでしょう。
ここからは、手元供養品の種類について解説します。限られたスペースでも安置可能な骨壺や、身に着けられるアクセサリーなどもあるので、遺骨の置き場所に困っている方はぜひ参考にしてください。
一般的な遺骨の保管方法は骨壷に入れて安置する方法です。遺骨は火葬後に骨上げをして骨壷に納められたのち、遺族とともに自宅に戻ります。
骨壷のデザインや素材はさまざまで、それぞれ大きさや機能性も異なります。遺骨の量や大きさによって適切な骨壺を選びましょう。納骨場所によっては骨壺の大きさに制限を設けていることもあるので、安置場所にあったサイズの骨壺を選ぶことも大切です。
粉骨した遺骨を自宅に保管する場合は、少量の遺骨を納めることができる「ミニ骨壷」がおすすめです。
手元供養品として人気を集めているのが、粉骨した遺骨をアクセサリーの中に入れる「遺骨アクセサリー」です。ペンダントなどを身に着けることで、故人をより身近に感じられるでしょう。
また、遺骨を納める入れ物は必ずしも骨壷である必要はありません。故人の愛用品などに遺骨を納める方もいます。
粉骨した遺骨を手元供養する場合は、遺灰をオブジェやフォトフレームに入れて飾る方法もおすすめです。
手元供養の中でも近年需要が高まっているのが、遺骨の加工品です。中でも遺骨をダイヤモンドに加工する「ダイヤモンド葬」と呼ばれる供養方法が注目されています。遺骨に含まれる炭素を抽出して、人工ダイヤモンドを作成します。
遺骨の加工は法律上禁じられている行為ではありません。ダイヤモンドをはじめ、真珠やプレート、オブジェなど様々な遺骨加工品を作ることができるので、好みのものを選ぶとよいでしょう。
遺骨加工品は粉骨することで骨の形状ではなくなります。遺骨を連想しにくくなるので、置き場所に困ることなく飾れる点がメリットです。
自宅に仏壇を設けずに、仏壇の代わりとして遺骨加工品を作る方も増えています。
自宅で遺骨を保管する場合は、家族や親族の理解を得たうえで責任をもって管理する必要があります。
ここからは、遺骨の状態を良好に保つための注意点について解説します。
遺骨を自宅安置する場合は、湿気や結露の発生を予防することが大切です。1,000度前後の高温で火葬された遺骨は、吸湿性が高くとても乾燥しています。
密封されているように見える骨壷にも壺と蓋にわずかな隙間があるため、そこから外気が入り込みカビが発生する恐れがあります。直射日光が当たらない風通しのよい場所を安置場所に選ぶとよいでしょう。
遺骨を真空パックにして桐箱に入れたり、骨壷の底に吸湿剤を入れたりする工夫をするとカビが発生しにくくなります。
家族や親族の中には、遺骨がお墓に納骨されていないことに違和感を持つ方がいるかもしれません。自宅安置を考えている方は、家族や親族の理解を得てから遺骨を手元供養するようにしましょう。
遺骨をアクセサリーやオブジェなどに加工して保管する場合は、後から周囲の反対を受けても遺骨の状態に戻すことができないため特に注意が必要です。
トラブルを未然に防ぐために、遺骨の置き場所や保管方法などをあらかじめ周囲に伝えておくことをおすすめします。
時代の変化とともに供養方法が多様化しているとはいえ、遺骨の置き場所として自宅を選ぶことに抵抗を感じる人もいます。
お墓に埋葬できない場合や遺骨の安置場所がきまらない場合は、お寺や納骨堂の「遺骨の一時預かりサービス」を利用することもできます。
預かりサービスは有料ですが、あくまでも一時的なサービスであるため永代供養や新しくお墓を建てる場合に比べて費用を抑えることができます。
供養方法の多様化に伴い、現代ではお墓に納骨をすることが当たり前ではなくなりつつあります。
仏間や仏壇の有無を問わず、遺骨を手元供養する方は増えています。しきたりや宗教の垣根を超えて、家族それぞれの価値観で遺骨の置き場所をきめられる時代になってきたといえるでしょう。
骨壷で遺骨を保管する方法以外にも、アクセサリーや加工品にするなどたくさんの選択肢の中から手元供養品を選ぶことができます。遺骨の状態で自宅安置する場合は、直射日光の当たらない湿気の少ない場所に置きましょう。
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