霊柩車の中身はどうなっている?特徴や種類を紹介します

霊柩車の中身はどうなっている?特徴や種類を紹介します

亡くなった方を葬儀場などから火葬場までお送りする霊柩車は、大きく4種類あります。死後、多くの方が乗ることになる霊柩車ですが、中身がどうなっているか、何人乗れるのかなど具体的なことを知っている方は多くはありません。

今回は、霊柩車の中身や特徴について解説します。現在減少傾向にある伝統的な宮型霊柩車がどうして作られたのかもまとめていますので、霊柩車について知るきっかけになれば幸いです。

こんな人におすすめ

霊柩車の種類について知りたい方

霊柩車ってそもそもどんな車なのか気になる方

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霊柩車の中身や乗れる人数は?

霊柩車を外から見る機会はあっても、なかに乗り込む、中身をよく見るチャンスはあまりありません。乗車人数や内部の構造について気になっても、見学に行く方は少ないでしょう。

霊柩車はあくまでもご遺体をお送りすることを目的に作られているので、基本的は2人乗りです。ただし、大型の霊柩車なら、多くの方が乗れる場合もあります。

基本は人が乗車することを想定していない

見た目の種類によらず、一般的な霊柩車は人が乗ることを想定して作られていないので、運転席と助手席の2人乗りが主流です。

運転手は葬儀会社の委託したドライバーなどが務め、助手席には喪主が乗ります。大きな車種の場合は、運転席と助手席を含む4人までの乗車が可能です。

乗用車の後部座席にあたる部分は、棺が乗せられるよう改造されています。フラットですが棺がグラグラしないような工夫も凝らされているので、ご遺体を安全に火葬場まで運べるでしょう。

バス型の霊柩車なら多くの人が乗れる

マイクロバスを改造した大型の霊柩車は、従来の霊柩車よりも多くの方を乗せられます。バスのサイズにもよりますが、14人から20人ほど乗車でき、火葬場まで遠い場所や移動が困難な雪国などに多い傾向です。

ただし、こうした地域の全ての葬儀社がバス型の霊柩車を保有していたり手配できたりするわけではありません。利用を希望する場合は、事前の確認が必要です。

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霊柩車の基礎知識│どんな車なのか

「霊柩車は亡くなった方を乗せる車」とはわかっても、具体的にどういった場面で使用するのか、その歴史はいつから始まったのかまでは、知らない方も多いかもしれません。

霊柩車に関する基礎知識として、まずは霊柩車の特徴や役割、霊柩車の歴史、そして寝台車との違いについて解説します。

霊柩車の特徴と役割

霊柩車は、故人のご遺体を搬送するための車です。ご自宅や葬儀場へは多くの方がお別れに訪れますが、火葬には一般的に、ご遺族や親族など親しい方のみが参列します。つまり、霊柩車をお見送りすることが、故人との最後のお別れとなる方も多いのです。

霊柩車には、大きく2つの特徴があります。まず、棺を安全に搬送できるよう、ストッパーやレールがついている点です。搬送中にご遺体に傷がつかないよう、棺を固定します。

また、霊柩車は特殊用途車両のため、ナンバープレートは緑色の「8」です。これは、救急車やパトカーなどと同じですので、霊柩車を見かける機会があったらチェックしてみましょう。

寝台車との違い

霊柩車と似たような役割のものに、寝台車があります。寝台車はバン型で、ストレッチャーごと人を乗せて搬送できるものです。

病気や怪我の方、つまり生きた方を乗せることもありますが、ご遺体を乗せるための寝台車もあり、これを「バン型霊柩車」と呼ぶこともあります。

大きな違いは搬送場所で、霊柩車はご自宅や葬儀場から火葬場へ、寝台車は病院など亡くなった場所から、ご自宅や葬儀場へご遺体を搬送するものです。付き添いの方が乗る座席が設けられているのも、寝台車の特徴でしょう。

霊柩車が広まった歴史

昔から、故人を乗り物に乗せて運ぶ文化はありましたが、現在の霊柩車のような形の始まりは、スコットランドの風習からだといわれています。スコットランドでは、ご遺体を馬車で運ぶ(霊柩馬車)が一般的でした。

日本でもこの霊柩馬車が取り入れられ、自動車が広まった大正時代頃から、霊柩車が登場します。大正11年、総理大臣も務めた大隈重信の葬儀の債に、寺院を象った屋根を荷台につけたトラックで搬送したのが、現在の霊柩車の始まりです。

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霊柩車の種類は4つある

霊柩車と聞くと、多くの方は豪華な装飾の車を想像するかもしれません。しかし、最近は霊柩車といってもさまざまで、その種類は大きく4つです。それぞれ形はもちろん、乗車人数なども異なります。

古くからある宮型霊柩車をはじめ、4つの霊柩車の特徴を確認しましょう。

宮型霊柩車

車の上部分に、御神輿のような飾りがついているタイプが、宮型霊柩車です。その形から輿型霊柩車とも呼ばれます。大正時代、霊柩車が広まりだした頃から存在するもので、高級車などを改造して作られているのが特徴です。

豪華なのは外観だけでなく、車内の天井などにも蓮の花や極楽浄土が描かれていることが多くあります。宮型霊柩車は故人を盛大に死後の世界へ送り出す雰囲気があるとともに、高い芸術性を感じられる車だといえるでしょう。

リムジン型霊柩車

近年、多く見られるのが洋型ともいわれるリムジン型霊柩車です。「リムジン」の名の通り大型の高級車を改造しており、クラウンやレクサスなどの国産車はもちろん、リンカーン、キャデラックなど海外製の高級車を使用することもあります。

前列がベンチシートになっており3人まで乗車できるもの、後部座席があるものもあり、こういったタイプは喪主の方以外にもご遺族、親族が複数人乗車可能です。霊柩車のベースは黒が多い傾向ですが、リムジン型はシルバーやパールホワイトのものもあります。

バン型霊柩車

ステーションワゴンやミニバンの後部座席を改造したものが、バン型霊柩車です。もともとは寝台車として作られましたが、料金を抑えて利用できること、使い勝手がよいことから霊柩車としても多く利用されています。

寝台車と同様の構造のため後部座席が半分残っているものも多く、ご遺族の方などの乗車も可能です。ご遺体をストレッチャーごと乗せることもできます。

バス型霊柩車

多くの方が乗車できるようマイクロバスなどを改造したものを、バス型霊柩車といいます。北海道や東北地方などの寒冷地や、火葬場が遠い地域など、移動が大変なところに多い傾向です。

バス型霊柩車は多くのご遺族、親族の方が乗り込み移動できるため、1人ひとりの負担を軽減できます。雪道の運転、葬儀で疲れているなかでの長距離運転は危険ですので、リスク回避に最適だといえるでしょう。

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宮型霊柩車はどのようにつくられたのか

リムジン型やバン型、バス型の霊柩車は、外観がそのままである場合が多い一方、古くからある宮型霊柩車は、外観も特殊な造りとなっています。宮型霊柩車は同じ特殊車両である料某車両のように、受注生産が行われているわけではありません。

宮型霊柩車は一般の車を改造しており、ベースの車両を切断、延長して装飾部分を取り付けます。こうした作業には高い技術が必要です。よって、霊柩車の改造は、自動車メーカーではなく、霊柩車専門の工場やメーカーで行われています。

宮型霊柩車が減少している背景と現在の行方

少し前までは霊柩車というと宮型霊柩車が主流でしたが、近年はリムジン型やバン型など、シンプルな外観のものが多い傾向です。宮型霊柩車が減少しているのには、費用面の問題のほか、特徴でもある見た目も影響しています。

宮型霊柩車が減った理由

火葬場周辺は、霊柩車の行き来が頻繁です。当たり前のように思えますが、いつからか、火葬場周辺の住民から「宮型霊柩車を見ると葬儀を連想して縁起が悪い」「日常的に頻繁に霊柩車を見たくない」といった苦情が入るようになりました。

そこで、宮型霊柩車の走行や火葬場への出入りを禁止する自治体が増えていることが、減少のひとつの原因となっています。

また、宮型霊柩車は改造や維持に費用がかかるため、葬儀社が購入費、メンテナンス費を抑えるために別タイプを導入しはじめたこと、職人が減少しており、新たに作るのが難しいなども、減少の理由だといえるでしょう。

葬儀形式も時代とともに変化しており、「豪華に送り出す」「葬儀に費用をかける」というご家庭も減少傾向にあります。

宮型霊柩車の現在

日本では目にする機会が大幅に減少してしまった宮型霊柩車は、現在、海外で使用される様子が見られます。モンゴルでは、日本で活躍したモンゴル人力士がその存在を伝えたことから僧侶が寄贈を依頼し、多くの宮型霊柩車がモンゴルへ輸出されました。

死者を盛大に弔う観衆のあるモンゴルでは、宮型霊柩車が人気を集めており、また「移動できるお寺」として、仏教迫害時代に壊されてしまったお寺の代わりに、仏教徒の方々に親しまれています。

また、アフリカのウガンダでは、もともと故人を軽トラックなどで搬送するのが一般的でしたが、豪華な見た目から「特別感がある」と、輸入された宮型霊柩車が注目、受容されるようになりました。

このように、日本で行き場を亡くした霊柩車も、新たな土地で多くの方に親しまれ、現在もその役割を果たしています。

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まとめ

霊柩車には大きく4つの種類があり、それぞれに見た目や乗車人数などに特徴があります。日本で主流だった豪華な見た目の宮型霊柩車は、葬儀を連想すること、費用がかかることから大幅に減少しており、現在はリムジン型やバン型が増加傾向です。

ご自身の葬儀での霊柩車のタイプに希望がある場合は、エンディングノートなどに記しておくと、分かりやすいでしょう。ご希望の葬儀の形式などと合わせて、生前にご検討ください。

小さなお葬式」では、豊富な知識を持つコールスタッフが、24時間365日、葬儀に関する疑問にお答えしております。霊柩車に関する疑問なども、お気軽にご相談ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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