「遺言は死が近づくと書くもの」というイメージを持っている方も多いでしょう。しかし、何があるか分からないため、まだ若い40代であっても早めに書いておくのがおすすめです。
この記事では、遺言の書き方やポイントについて解説します。
こんな人におすすめ
遺言の書き方について知りたい方
遺言と遺書の違いが分からない方
遺言を書く上での注意点やポイントが知りたい方
「遺言」「遺言書」「エンディングノート」は、同じもののように思う方も多いでしょう。確かに似たような意味で用いられますが、実際は異なるものです。ここでは、遺言・遺言書・エンディングノートの違いについて解説します。
遺言とは、生前に自分の意思を伝えるための私的文書です。書式や内容に決まりはないため、法的な効力はありません。便箋に書いた手紙やビデオメッセージなども遺言の一種で、あくまでも個人的なメッセージとして用いられます。相続のことを記載しても、効果はありません。
遺言とは異なり、遺言書は法的効力を持った文書です。書式や内容など、民法の規定に従って記載しなくてはいけません。遺言書に不備があると、法的効力が発生しない点に注意が必要です。
遺言書には被相続人が自筆で記載する「自筆証書遺言」、公証人に作成してもらう「公正証書遺言」、被相続人が内容を伏せたまま公証役場に持ち込む「秘密証書遺言」の3種類あります。
エンディングノートとは、自分の人生の終末について記載するノートのことです。「人生の終わりをどのように迎えたいか」「何かやるべきことはあるのか」など、自分の人生を振り返りながら記載します。
エンディングノートは自分の意思や希望を遺族に伝えられるのが魅力です。
以下は遺書・遺言書・エンディングノートの違いやメリット・デメリットを表にまとめたものです。
内容 | メリット | デメリット | |
遺言 | 自分の思いを記すもの | 遺された家族に思いを伝えられる | 法的効力がない |
遺言書 | 財産分与や遺産処分について記載するもの | 法的効力がある | 形式に不備があると効力を発揮しない |
エンディングノート | 自身の終末に関することを記載するもの | 自分の人生を振り返られる | 法的効力がない |
それぞれ特徴があるため、用途に応じて使い分けるとよいでしょう。遺された家族が財産分与で揉めないようにするためには、遺言書を作成することをおすすめします。
遺言には決まった書き方はありません。自由に想いを伝えるとよいでしょう。ここでは、遺言を書くタイミングや遺言を残す方法について解説します。
遺言を残しておいた方がよい理由には以下の6つがあります。
遺言にはさまざまなメリットがあるため、万が一に備え、早いうちに用意しておくとよいでしょう。
遺言を書くタイミングは、高齢になったり、死が近づいたりした際に書くものというイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、遺言はいつ書いても問題ありません。人生は何が起こるか分からないため、早めに書いておくことをおすすめします。
遺言は遺言書と違い、決まった形式はありませんが、手紙や動画などで残すのが一般的です。直筆の手紙であれば、手書きの温度感が家族に伝わりやすいでしょう。動画も自分の口で伝えられるため、遺された家族の宝物になるはずです。
近年では、遺言をまとめやすいアプリもあります。アプリのメモであればいつでも手軽に書けますし、書き直しも簡単です。自分に合った方法を選ぶとよいでしょう。
遺言を書いたことがない方も多いのではないでしょうか。いざ遺言を書くとなると、どのように書いたらよいか悩んでしまうものです。ここで紹介する4つのステップを参考にしてみてください。
まずは、遺言を誰にあてて書くのか決めましょう。配偶者や子ども、両親、伝えたい人を明確にしてみてください。遺言は家族以外の人に向けても問題ないため、お世話になった親友や会社の上司に向けて書くのもよいでしょう。
誰に書くのか決まったら、連絡先や通帳の保管場所、パスワードなど伝えておくべき事柄をまとめましょう。遺言だけでなく、エンディングノートも併用するとまとめやすくなります。
遺言では自分の想いを伝えるメッセージとして利用し、エンディングノートで自分の終末について記載するといった分け方もおすすめです。
普段言えない感謝の気持ちや、遺された家族の将来についてなど、伝えておきたい想いや気持ちを伝えるとよいでしょう。その遺言は、遺された家族にとってかけがえのない宝物になるはずです。かしこまる必要はないため、素直に自分の気持ちを伝えてみてください。
遺言を書き終えたら、大切に保管しましょう。保管場所は遺言を見つけてもらえるような場所を選ぶことが重要です。
見つけにくい場所に遺言を残しておくと、書いた遺言が無駄になってしまうため注意しましょう。また遺言を保管してある場所を知らせるメモを、別途残しておくのもおすすめです。
遺言に何を書いたらよいのか分からないという方も多いでしょう。ここでは、年代別で書いておくべき事柄について紹介します。
20代の場合は、自分の身の回りの情報について記載するとよいでしょう。スマホのパスワードや利用しているサービスのIDなど、家族が知らない情報を記載しておくとよいでしょう。
30代の場合は、友人や知人の連絡先について記しておくとよいでしょう。自分に万が一のこと起きた際に、家族から友人へ連絡を取ってもらえます。
40代の場合、持病や既往歴について書いておくのがおすすめです。万が一の際に、死因の特定につながる場合があります。
50代はまだ若いほうですが、自身の終末や葬儀について記載するとよいでしょう。高齢になった際の施設や、葬儀はどのように行なって欲しいかなど、希望を書いてみてください。
遺言を残しておきます。万が一のことが起きたら、下記の人に連絡してください。
・会社の電話番号:〇〇-〇〇
・親友の〇〇君:〇〇-〇〇
家族へ
かけがえない時間を過ごしてくれてありがとう。
寂しい思いをさせてごめんね。
天国で〇〇のことを見守っています。
遺言書は民法の規定に従って作成することで法的効力を発揮します。以下の内容を記載するとよいでしょう。
上記のほかにも、「生命保険金の受取人の指定や変更」「祭祀主宰者の決定」なども記載できます。
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遺言は遺された家族や大切な友人に送るメッセージです。40代であっても、何が起こるか分からないため、万が一に備えて遺言を残しておくとよいでしょう。遺言は書き直しもできるため、変更があれば都度書き直すことをおすすめします。この記事で紹介した書き方とポイントを押さえ、自分の想いを記してみてください。
直葬とは、通夜式や告別式などの式をはぶき、火葬のみを行う葬儀のことです。ホゥ。