葬儀の際には、故人に戒名をつけてもらうものだと思っている人も多いかもしれません。しかし、つけるのには理由があります。また、宗派によって構成が変わるため、自分の宗派の特徴を理解しておいたほうがよいでしょう。
真言宗の戒名について、構成、お布施の目安、生前戒名などを詳しく解説します。
<この記事の要点>
・真言宗では、戒名の上に「梵字」を入れるのが特徴
・真言宗の戒名のお布施は30万円~100万円以上が目安
・生前戒名とは生きている間に戒名を授けてもらうことを指す
こんな人におすすめ
真言宗について知りたい人
真言宗の戒名について気になる人
宗派による戒名の違いについて知りたい人
真言宗とは平安時代に開かれた、密教の1宗派です。真言宗の教え、総本山、本尊、経典などについて解説します。
真言宗は、平安時代に空海が唐で密教の修行を行い、日本に持ち帰った仏教宗派です。現在の身のままで仏となり悟りを開ける「即身成仏」という考え方が、教えの中心にあります。
体と言葉と心に関する密教の修行を通じて、仏になることを目指し、徳が得られるとされる「光明真言」などを唱えます。総本山は、和歌山県の高野山金剛峯寺です。
唐に留学した空海は、師である恵果のもとで密教を学びます。インドで発祥して中国に伝わった密教には2系統がありました。恵果は大日経と金剛頂経の両方の継承者であり、2つ共を空海が受け継いだのです。
空海は密教を日本に持ち帰っただけではなく、自分自身の力で独自の思想体系として組み上げてから、真言宗を開きました。高野山と京都の東寺を拠点として、全国に教えを広めていきます。
真言宗の本尊は大日如来です。ただし、仏壇に祀るのはどの仏様でもかまわないとされています。他の仏様は、大日如来の化身であると考えられているからです。
基本経典は、大日如来が説法する様子を描いた「大日経」と、「金剛頂経」です。金剛頂経の一部が「理趣経」であり、悟りの心について述べられています。
亡くなったら葬儀までに戒名をつけてもらうのが習慣となっていますが、その意味を理解していない人がいるかもしれません。また、戒名をつける風習が広まったのには理由があります。
戒名とは、仏門に入り仏弟子となった印であり、戒律を守る者として授けられる名前のことです。通常は僧侶に依頼してつけてもらいます。
戒律とは、仏教徒が守るべきであるとされる規範のことなので、出家者に生前に戒名が与えられるのが元々のあり方です。亡くなった人に授けるようになったのは、時代が下ってから広まった風習のためだと考えられています。
亡くなった人に戒名をつけるのは、仏弟子として、極楽浄土に往生できるようにするためです。生前に仏教の修行をしていなかったとしても、戒名を授かることによって、浄土で仏になれるという思想のもとで風習が広まりました。
宗派ごとに戒名の構成は異なりますが、真言宗では先頭に梵字がつくという特徴があります。以下、院号、道号、戒名、位号と続きます。それぞれの意味について解説しますので、構成を押さえておきましょう。
真言宗では、戒名の上に「梵字」を入れます。梵字はサンスクリット語の文字のことであり、仏教発祥の地である古代インドで、経典などを記述する際に使われていました。
本尊である大日如来を意味する「ア」の梵字や、子どもの場合には地蔵菩薩を意味する「カ」の梵字が用いられます。梵字を読むことは難しいので、形で意味を押さえておきましょう。
梵字の次に置かれるのが「院号」です。寺院に多大な貢献を行った人、身分の高い人などに与えられます。
院号の次につけられるのが「道号」です。院号がない場合には、梵字の次に置かれます。本来は厳しい仏教修行を行った高僧に与えられていましたが、現在では、故人の性格や仕事や願い、別名などを表す文字が使われるようになりました。
本来の意味としての「戒名」は、道号の次に置かれる2文字のことを指します。2文字の構成としては、まず、生前の名前から1文字をもらうケースが一般的です。また、もう1文字は宗派に関係した経典などから引用されることが多いでしょう。
戒名の下には「位号」が置かれます。意味としては俗名における「様」にあたる尊称です。位号を見れば、故人の性別などがわかります。
戒名は僧侶に依頼してつけてもらうのが一般的です。その際に、お布施をいくら渡せば良いのかわからない場合があるかもしれません。決まった金額はありませんが、平均的な目安を紹介します。ただし、あくまでも目安ですので、親族や僧侶に相談するのがおすすめです。
「院居士」や「院大姉」のお布施の目安は、100万円以上です。「居士」や「大姉」のお布施の目安は、50万円~70万円程度です。「信士」や「信女」のお布施の目安は、30万円~50万円程度です。
現在では、亡くなってから戒名が授けられるのが一般的ですが、生前に授けてもらうという選択肢もあります。生前戒名とは何か、授かるための方法について解説します。
戒名は、本来は生前に出家者に与えられるものでした。そのため、生前に戒名を授けてもらうことは、出家していなくても可能なケースが一般的です。
生前戒名とは、自分が生きている間に戒名を授けてもらうことを指します。自分自身で戒名を確認したいという人や、終活として準備する人といった、さまざまなケースがあるでしょう。
菩提寺がある場合には、生前戒名をつけてほしいと僧侶に相談してみることが第一歩です。宗派やお寺によって考え方はさまざまですが、まずは頼んでみましょう。菩提寺がない場合には、菩提寺となってもらえる寺を探すか、戒名だけをつけてもらえる寺がないか探すことになります。
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真言宗は、平安時代に空海が中国から持ち帰った密教を、独自の思想体系として組み立てた宗派です。真言宗の戒名は、先頭に梵字がつくという特徴があります。構成要素それぞれの意味を理解しておきましょう。生前戒名を授かりたい場合には、菩提寺に相談することをおすすめします。
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忌引き休暇は、実は労働基準法で定められた休暇ではありません。ホゥ。