葬儀に参列したことはあっても、火葬場に立ち会った経験がない方は多いかもしれません。そのため、火葬の仕組みについて気になる方もいるでしょう。
この記事では、火葬の仕組みや火葬の流れについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
<この記事の要点>
・ロストル式火葬炉は火葬時間が短いが、遺骨の原型を維持できないのがデメリット
・台車式火葬炉は遺骨をきれいな状態で残せるが、時間がかかるのがデメリット
・最新式の火葬炉は温度が900度~1,200度まで上がるため、火葬時間が大幅に短縮できる
こんな人におすすめ
火葬の仕組みを知りたい方
「ロストル式」と「台車式」の違いを知りたい方
火葬後の流れを知りたい方
火葬場にある火葬炉には、「ロストル式」と「台車式」の2種類があります。ここでは、火葬炉の仕組みや特徴について解説します。
ロストル式での火葬は、金属棒を張り巡らせた格子の上に棺を乗せて火葬する方法です。仮に遺体が金属棒から落ちても、受け皿で受け止めて火葬することができます。シンプルな構造で燃焼効率もよいのが特徴です。
ただし、日本ではロストル式の火葬炉を採用している火葬場は少ないようです。
日本にあるほとんどの火葬場では、台車式の火葬炉が採用されています。主燃料炉と呼ばれる場所に棺を乗せた台車を運搬し、バーナーで棺を台車ごと火葬する仕組みです。
バーナーの設置場所が2層構造になっており、遺体用の火葬炉と、焼却時に出たガスを焼いて無害にする炉が設置されています。
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ロストル式の火葬炉を採用している火葬場は、日本ではそう多くはありません。それはロストル式の火葬が日本の文化である拾骨に適していないことが理由の1つでしょう。ここでは、ロストル式のメリットとデメリットを紹介します。
ロストル式は火葬時間が短い点が魅力です。密閉された空間ではなく、網状で風通しのよい設計のため、燃焼効率がよくなります。早ければ40分程度で火葬が終わるため、遺族の拘束時間を大幅に短縮できます。
ロストル式は、遺骨の原型を維持できないのが難点です。ロストル式は、火葬中に骨がロストルという格子から落ちても、骨受け皿に落ちて燃え続ける仕組みです。遺骨が骨受け皿に落ちて散乱してしまうため、拾骨をする場合には適していません。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
日本のほとんどの火葬場は、台車式の火葬炉を採用しています。ここでは、台車式の火葬炉のメリット・デメリットを紹介します。
台車式の火葬炉は、遺骨をきれいな状態のまま残せることが大きな特徴です。日本では火葬後に拾骨する文化があるため、遺骨がきれいなまま残ることで、部位ごとに1つずつ拾骨できます。
台車式での火葬は、遺体を完全燃焼するのに時間がかかるのが難点です。密閉されて隙間がない構造のため、燃焼効率はよくありません。火葬が終わるまでに1時間程度かかり、火葬終了後は拾骨のために台車を冷やす必要があります。
火葬炉には旧式と最新式があり、温度や時間、煙突の有無、職員の作業量などの違いがあります。ここでは、旧式と最新式の特徴や違いについて解説します。
旧式の火葬炉は温度が800度~950度までしか上がらず、遺体を火葬するのに2時間~3時間かかるのが特徴です。火葬中には火葬技師が火葬炉の中を観察して、適宜温度を調整する必要があります。
さらに、旧式の火葬炉の燃料には石炭や薪、重油が使用されているため、煙突の設置が必須です。煙突からは黒い煙が上がるので、有害物質の排出が懸念されています。
最新式の火葬炉は炉の温度が900度~1,200度まで上がるため、火葬時間が大幅に短縮できる点が大きな特徴です。旧式では火葬に2時間~3時間かかっていたところ、最新式の火葬炉では1時間程度で終わります。
また最新型の火葬炉は、コンピューター制御による温度調整が可能です。旧式とは異なり、火葬技師の技術に頼らなくてもよくなりました。
ほかにも最新型の火葬炉では、都市ガスや液化石油といった燃料が用いられるため、煙が減って煙突が不要となったことも大きな特徴です。有害物質の排出を防ぐための再燃焼室も設けられています。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
火葬場は施設によっては火葬炉だけでなく、葬儀場や霊安室などを併設している場合があります。ここでは、火葬炉以外に設けられている火葬場の部屋を紹介します。
火葬だけでなく、通夜や葬式ができる葬儀場を併設している火葬場もあります。併設していることで、その場で儀式から火葬までを一貫して行うことができるのが特徴です。
移動がない分、工数を削減でき、費用も抑えられます。特に参列者に高齢者が多い場合は、葬儀場などが併設していることで負担を大きく軽減できます。
遺体を葬儀当日まで安置する場所が霊安室です。霊安室は病院や葬儀場、警察署にあるという印象がある方も多いと思いますが、火葬場に併設されていることもあります。
告別室は線香を手向け、故人と最後のお別れを告げるための部屋です。火葬する前の故人の姿を見られる最後の機会となります。火葬直前には僧侶による読経が行われます。
炉前室はご遺体を焼く火葬炉の前にあるスペースのことです。炉と扉を区切ることで、火葬炉の内部が見えないようになっています。火葬後に拾骨を行う際にも使用される部屋です。
火葬が終わるまでの間、遺族やその関係者が待機する部屋です。控室では飲食が可能で、遺族が参列者へ接待をしたり、精進落とし(会食)を行ったりすることもあります。
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火葬に立ち会う機会は葬儀に参列するよりも少ないため、どのような流れで進むのか知らない方もいるでしょう。火葬の流れを事前に把握しておくことで、戸惑うことなく進められます。ここでは、火葬を行う際の流れについて紹介します。
出棺とは、遺体を火葬場まで運ぶことです。基本的には遺族や故人と縁の深い人が同行します。出棺前に「別れ花」「釘打ち」が行われた後に出棺されます。
また、別れ花とは、生花をご遺体の周りに飾ることをいいます。菊や百合、カーネーションなどのお花を入れるのが一般的です。
別れ花が終わると、棺に釘を打って蓋をする「釘打ち」が行われます。棺の四隅に火葬場の職員が釘を打ち、最後は遺族が打ち込むという流れが多いようです。
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火葬前に炉の前で、「納めの式」が行われます。僧侶が読経と焼香を行い、喪主や親族、故人と縁の深い人の順に焼香と合唱礼拝をします。
納めの式が終わると、火葬炉の中に棺を納めて、火葬が始まります。遺族や参列者は火葬が終わるまで控室にて待機します。火葬にかかる時間は、火葬炉の性能や故人の体型によって異なりますが、1時間~2時間程度が目安です。
火葬が終わると葬儀社や火葬場のスタッフからアナウンスが入り、遺族や参列者は収骨を行います。収骨は2人1組になり、違い箸(ちがいばし)を用いて遺骨を骨壺に納めます。
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火葬の焼却方法には「ロストル式」と「台車式」の2種類がありますが、日本の火葬場では台車式を採用しているところがほとんどです。
台車式であれば、火葬後の遺骨がきれいに残るため、収骨を考えている人は台車式が採用されている火葬場を選ぶとよいでしょう。
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