故人という言葉は知っていても、具体的な意味や使い方について知らなければ、誤った表現をしてしまうかもしれません。ここでは「故人」や「故人を偲ぶ」とは何か、故人と対面する際のマナーについて解説します。
<この記事の要点>
・故人とは「亡くなった人」を表す言葉である
・「故人を偲ぶ」とは生前の日々やエピソードを思い返すことを意味する
・お悔やみの言葉を伝える際は、重ね言葉や忌み言葉を使わないのがマナー
こんな人におすすめ
供養を行うタイミングを知りたい人
故人との対面作法を知りた人
基本的なお悔やみの言葉を知りたい人
お通夜や葬儀の場で、「故人」という言葉を耳にすることがあるでしょう。その意味を理解している方は多いかもしれませんが、あらためてどのような言葉なのか説明します。ここでは、「故人」の2つの意味を確認してみましょう。
故人とは、「亡くなった人」を表す言葉です。「故」には、昔や以前という意味に「死」も含まれているためです。「故人を見送る」「故人を偲ぶ」「故人とは親しくしていた」という使い方ができます。
故人は、「旧友」の意味で用いられることもあります。ただし、昔ながらの用法なので、一般的な表現ではありません。言い換える場合には、旧友や幼馴染、昔馴染みが使いやすく馴染みのある言葉でしょう。
故人を使う言葉に、「故人を偲ぶ」があります。葬儀や法事の際に、よく使用される表現です。ここでは、「故人を偲ぶ」の意味や具体的に何をするのかを解説します。
「偲ぶ」という言葉には、3つの意味があります。
1.過去の出来事や離れている人や場所を懐かしむ
2.美しいものに感心し味わうこと
3.心惹かれて思いを巡らせる
「故人を偲ぶ」とは、亡くなった方との日々やエピソードについて思い返すことを意味します。単に死を悲しむだけではなく、故人の人柄や思い出を懐かしみ、思いを馳せることが「故人を偲ぶ」ことになるのではないでしょうか。
故人を偲ぶ方法に、「追善供養」があります。お墓参りや仏壇に手を合わせることで、死者に尊敬の念や感謝が伝えられるでしょう。
また、お墓や仏壇を掃除する、線香を上げる、花を飾るといった行為も追善供養になります。その場合には、故人の好きな食べ物も一緒に供えるとよいでしょう。
故人を偲ぶ方法の1つに、供養が挙げられます。ここでは、供養の目的やタイミングについて確認してみましょう。また、葬儀とは異なる、新しいスタイルの「偲ぶ会」についても触れています。
供養の目的は、故人の死と向き合うことです。生前の人生や関わりを思い出して、自分自身の人生を見つめ返すきっかけにもなるでしょう。また「見守ってくれてありがとう。安らかにお休みください」と、魂への祈りや平安を願うことも目的の1つです。
日常的に仏壇に手を合わせる供養のほかにも、節目でする供養のタイミングがあります。仏式で供養する場合は、下記のスケジュールが基本です。
・初七日(7日目)
・二七日(14日目)
・三七日(21日目)
・四七日(28日目)
・五七日(35日目)
・六七日(42日目)
・七七日(49日目)、満中陰(まんちゅういん)
・百カ日(100日目)、卒哭忌(そっこくき)
ただし、近年では、初七日の法要を葬儀と同じ日にする「繰り上げ法要」も増えてきています。
偲ぶ会とは、近親者のみで葬儀をしたあとに、あらためて開催する故人とのお別れ会のことです。開催の日取りは自由で、葬儀の当日や四十九日法要、一周忌の日をめどにする場合もあります。
偲ぶ会の目的は、葬儀に多くの方を招待できなかった場合に、あらためて偲ぶ場を設けることです。儀式的な行事ではないため、服装は平服指定の会もあるでしょう。
訃報を受けて弔問する場合や通夜式の始まる前に、故人と対面する機会があるかもしれません。故人との対面とは、亡くなった方のお顔を拝見することです。ここでは、対面する際のマナーや流れ、注意点についても説明します。
故人との対面は、誰でもできるわけではありません。遺族からすすめられてもいないのに、対面することは失礼に当たります。
そして、死亡時の状況によって、遺体の状態がよくない場合もあるでしょう。遺族が葬儀をするだけで精一杯で、遺体を参列者に見せたくない」と、心中穏やかでない可能性も考えられます。遺族に配慮し、場の雰囲気に合わせて対応しましょう。
遺族から「顔を見てやってください」と、すすめられた場合は、お受けするのがマナーです。「ありがとうございます。お顔を拝見させていただきます。」と、お礼を伝えて、遺族がお棺の扉を開けたら、そっと故人に近づきましょう。
故人と対面するときの、一般的な作法を紹介します。
1.遺族に対面のお礼を述べる
2.故人に対して一礼する
棺の場合:故人の顔の下あたりで一礼する
布団の場合:故人の枕元で両手を床について一礼する
3.そっと故人に近づいて対面
4.再び一礼する
5.最後に遺族に一礼する
6.その場を離れる
故人との対面時には、いくつか注意すべきポイントがあります。下記は、マナー違反とされる行為です。
基本的に遺族が、白布をはずしたり棺の扉を開けたりします。それまで待機しましょう。
遺族の許可なく触れるのは、マナー違反です。また、感染症の恐れもあるため、気を付けなければなりません。
遺族は葬儀の準備をするため、長居するのはよくありません。
亡くなったときの状況や病名を深く尋ねると、遺族の悲しみを深めるかもしれません。
故人との対面をすすめられなかったが希望する場合は、遺族に「お顔を拝見してもよいでしょうか」と確認しましょう。可否に関わらず、確認するのはマナー違反になりません。
ただし遺体の状態によっては、断られる場合もあるでしょう。遺族に確認しにくい場合は、葬儀社のスタッフに前もって尋ねます。
お悔やみの言葉は、遺族のお気持ちに配慮しつつ、自然な言葉で伝えるようにしましょう。ただし失礼になる表現もあるため、前もって確認しておくと安心です。
基本的なお悔やみの言葉として、下記が挙げられます。
・「このたびは、心からお悔やみ申し上げます。」
・「このたびは、思いがけないことで、さぞお力落としでございましょう。」
・「このたびは、突然のことで言葉も見つかりません。心からお悔やみ申し上げます。」
・「ご生前はお世話になりました。恩返しができなかったことが悔やまれてなりません。」
故人と遺族の関係性によって、お悔やみの言葉は異なります。
【関係性】 | 【お悔やみの言葉の例文】 |
故人が夫や妻 | 「ご主人様(奥様)の急なご不幸、さぞお力落としのことと存じます。」 |
故人が息子や娘 | 「突然のことで、何と申し上げてよいものかわかりません。ご両親のお悲しみは、計り知れないものでございましょう。」 |
故人が父親や母親 | 「お父様(お母様)の訃報に接し、驚きと悲しみを深くしております。」 |
故人が祖父や祖母 | 「このたびは、ご家族の皆様さぞかしご無念のことでしょう。」 |
お悔やみのを述べるとき、辛いお気持ちの遺族に配慮しなければなりません。マナー違反となる言葉は避け、非常識な態度には注意しましょう。
「まだまだ」「つくづく」「くれぐれも」という重ね言葉は、不幸の連想を想起させます。
「この先も」「これからも」「追って」「続く」という言葉には不幸を繰り返すイメージがあります。
「死亡」「死去」「亡くなった」というような忌み言葉は言い換えましょう。「ご逝去」「ご生前」「お元気な頃」が適切な表現です。
「9」は苦しむ、「4」は死を連想させるため、避けましょう。
ここでは、よくある質問をまとめています。故人との続柄の書き方や、故人の敬称を確認してみましょう。訃報の連絡や弔電を送る際に、役立つ知識です。
訃報を知らせる場合には、喪主と故人の関係によって続柄の書き方が異なります。続柄は葬儀の主催者である喪主から見た関係で書きます。
【喪主から見た関係】 | 【続柄の書き方】 |
父 | 父、実父、亡父 |
母 | 母、実母、亡母 |
妻 | 妻、家内 |
夫 | 夫、主人 |
息子 | 息子、長男、次男、末子 |
娘 | 娘、長女、次女、末子 |
祖父母 | 祖父、祖母 |
兄弟 | 兄、弟、長兄、次兄、義兄、義弟 |
姉妹 | 姉、妹、長姉、次姉、義姉、義妹 |
親の兄 | 姉伯父、伯母 |
親の弟 | 妹叔父、叔母 |
息子の嫁 | 嫁 |
娘の婿 | 婿、女婿 |
葬儀への参列ができない場合、お悔やみの電報(弔電)を送る人もいるでしょう。弔電の受取人には、一般的に喪主を指定します。そのため、弔電では喪主(受取人)から見た続柄で故人の敬称を書きましょう。
【喪主(受取人)から見た続柄】 | 【故人の敬称】 |
父 | ご尊父さま、お父さま |
母 | ご母堂さま、お母さま |
夫 | ご主人さま、旦那さま |
妻 | ご令室さま、奥さま |
祖父 | ご祖父さま、御祖父さま |
祖母 | ご祖母さま、御祖母さま |
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故人とは、亡くなった方に使う言葉です。お悔やみの言葉や、弔電を打つ場合は、故人との関係性によって続柄や敬称を使い分けましょう。また、故人と対面するときには、遺族からすすめられる前に対面しないことや、棺を勝手に開けて触れない、死因を尋ねないなど、対面する際のマナーもしっかりと守ることを心がけましょう。
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