家庭の事情で住居を変える場合、引っ越しのために荷物を梱包します。その際に自宅にある神棚も新居に持って行く必要があります。しかし、神棚の引っ越しには気を付けるべきポイントがあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
この記事では、神棚の引っ越しに必要な準備や手順、注意したいポイントを解説しています。これから引っ越しをされる方は、ぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・引っ越しする際は、産土神様や氏神様に感謝の気持ちと引っ越しする旨を伝える
・神棚や神具は専用の布で乾拭きし、お札は白い布や和紙に包んで保管する
・神棚の設置場所は、目線よりも高い位置で、南または東向きが望ましい
こんな人におすすめ
神棚を飾っている人
神棚の引っ越しを考えている人
引っ越しに伴い神棚を移動させる場合は、まず神様への報告から始めましょう。神棚に祀っているのは、自身が生まれた土地の神様である「産土神様」や現在住んでいる地域を守ってくださる「氏神様」などです。
特に氏神様は引っ越しによってその土地を離れることになるので、守っていただいた感謝と土地を離れる旨を伝えることが大切だといわれています。
古くは、仏壇のように神社で神棚に宿る魂を抜いていただく儀式を実施していましたが、最近は参拝による挨拶のみで済ませる場合も多いでしょう。
神棚の引っ越しの前には、神様に報告をするのがマナーです。このほかにどういった準備を進めればよいのでしょうか。
ここからはスムーズに神棚を運び出せるよう、また引っ越し先でも滞りなく神棚を祀れるようにしておくための準備について解説します。
神棚はデリケートなものなので、壊れてしまわないように扱いに注意する必要があります。自身で新居まで持ち運べる場合は、できるだけ自力で運ぶのがおすすめです。
しかし、自家用車がないなどのさまざまな理由から自身で運ぶことが難しい場合もあります。その際は引っ越し業者に依頼して運んでもらいましょう。
ただし、引っ越し業者によっては神棚の運搬を引き受けてくれないこともあります。事前に神棚を運んでもらえるか、その際の注意点は何かなどを確認しておくと当日の動きもスムーズです。
神棚の中にはお札やさまざま神具があり、配置を覚えていないと引っ越し先で間違った祀り方をしてしまう場合もあります。そのため、神棚の元の状態が分かるように写真を撮っておきましょう。写真を撮っておけば、引っ越し先で神棚を設置する際にどこに何を配置するかを確認でき、設置がスムーズに進みます。また、万が一割れや傷が入っていた際に前の状態と比較できるのでおすすめです。
神棚を現在の住居から新居に移動するときには、「どういった手順で運んだり設置したりするのか」という順序が気になる方もいるのではないでしょうか。大まかな流れは一般的な引っ越しと変わらないでしょう。
ここからはお札を取り出したり祀ったりする工程も含め、引っ越しの手順を確認します。
神棚本体はもちろん、神具は細かな作りのものもあるため荷造りの際には細心の注意を払いましょう。神棚や神具の荷造りの際は、神棚専用の布で乾拭きし、ほかの場所を掃除するものとは分けるようにしましょう。その後、神棚の中のお札は取り出したら放置せず、白い布や和紙に包んで大切に保管します。その際、お札の上に物を置いたりしないようにしましょう。
お札を取り出したら神棚を降ろします。神棚は直接床に置かないようにし、きれいな布などの上に置くようにしましょう。全て降ろし終えたら、壊れないようにできれば専用の箱を用意して納めましょう。
新居に到着したら、他の荷物よりも先に神棚を設置します。設置場所は高さや方角など、事前に撮影していた神棚の写真を参考に配置しておくと、引っ越し当日に慌てずにすむでしょう。
神様が新居でも安心して腰を据えられるよう、丁寧に作業することをおすすめします。
神棚を設置したら新たな土地でも守っていただけるよう、心を込めて神棚にお札を納めましょう。地域が変わる場合は、氏神様も変わるため新しい氏神様のいる神社でお札をいただきます。
古いお札は元の氏神様が祀られている神社に納めましょう。難しい場合は、他の神社のお札の返納を受け入れてくれる神社もあるので、返納前に確認しておくことをおすすめします。
通常の荷物は中身や置き場所によって、引っ越し業者の方が搬入出の順番を決定するのが一般的です。しかし、神棚も引っ越しする場合には、搬入出の順序にも注意が必要になります。
ここからは、神棚の引っ越しの際に注意したいポイントを紹介します。
神棚は「家を護るもの」ということから、引っ越しの際には一番最後に運び出して、新居に一番最初に運び込むという作法があります。
神棚だけでなく仏壇もある家庭の場合、仏壇も神棚と同じタイミングで梱包作業をしましょう。神棚と仏壇は「どちらが先」というきまりはないため、複数人で同時に作業をしてもよいでしょう。
<関連記事>
神棚にはどんな意味がある?正しい祀り方や神具についても確認しよう
引っ越しに際し、日取りや設置場所、運搬のための費用など、さまざまな疑問を抱く方は少なくないでしょう。ここからは神棚に関するよくある質問をまとめました。
暦には吉日や縁起のよくない日などがあります。しかし、神棚を移動させる際に吉日はなく、吉日を選んで神棚を放っておくことの方がよくないため、素早く新居に運び入れてお祀りすることを心がけましょう。
神棚を新居のどこに設置するか迷った場合、以下のポイントに注意しながら設置場所を決めましょう。
【神棚の設置におすすめの場所】
・家族全員がお参りやお供えをできる場所
・清潔で明るい場所
・目線よりも高い場所
・南、もしくは東向きの場所(北側か西側)
・家の中の最上部(一番天に近いところ)
2階建て住宅やマンションなど、住宅事情の関係から最上階への設置が難しい場合もあります。その際は白い紙に「雲」や「天」などと書き、天井に貼ることで「神棚の上には何もない」ということを意味し、神様に敬意を払うことができます。
また、神様は穢れを嫌いますので、水回り(洗面所やトイレの近く)やキッチンなどの油汚れや熱気で榊が枯れやすい場所も基本的に避けるようにしましょう。
他にもお仏壇と神棚を同じ部屋に置く場合は、一方にお参りする際には片方にお尻を向けることになってしまうため、向かい合わせになる場所は避けましょう。
さらに、上下の配置も神様と仏様に優劣を付ける形になってしまうため、神棚を取り付けた棚板の下側にお仏壇を置くといった配置も失礼にあたるとされています。
<関連記事>
神棚と仏壇を置く場合にはどうすればよい?位置・方角なども詳しく解説
引っ越しに伴い、神棚を新調しようと考える方もいるのではないでしょうか。新居に新しい神棚を設置する場合、古い神棚は引っ越し前に処分する必要があります。
神棚の処分方法は、神社でお焚き上げをしてもらう、ごみとして自分で処分する、業者に依頼して処分してもらうという3種類です。神社で処分していただく場合は神棚を持ち込み、「玉串料」を納めます。自分で処分する場合は、塩を振ってから自治体のルールに従いましょう。
不用品回収などを行っている業者や引っ越し業者でも、神棚の処分を行ってくれる場合があります。業者に依頼する場合は費用だけでなく、お焚き上げの有無についても事前に確認することをおすすめします。
<関連記事>
神道の法事で用意する御玉串料とは|神道の法事参列マナーを徹底解説
「小さなお葬式」では、無料の資料をご請求いただいた方全員に「喪主が必ず読む本」をプレゼントいたします。
喪主を務めるのが初めてという方に役立つ情報が満載です。いざというときの事前準備にぜひご活用ください。
\こんな内容が丸わかり/
・病院から危篤の連絡がきたときの対応方法
・親族が亡くなったときにやるべきこと
・葬儀でのあいさつ文例など
「小さなお葬式」では、お電話・WEBから資料請求をいただくことで、葬儀を割引価格で行うことができます。お客様に、安価ながらも満足できるお葬式を心を込めてお届けいたします。
小さなお葬式は全国4,000ヶ所以上※の葬儀場と提携しており、葬儀の規模や施設の設備などお近くの地域でご希望に応じた葬儀場をお選びいただけます。(※2024年4月 自社調べ)
大切に扱っている神棚を移動させる際は、、マナーや注意点を知っておくことでスムーズに引っ越しができます。人生の一大イベントとなる引っ越しの負担が少しでも軽減されるよう、神棚の引っ越し方法について事前に確認することも重要です。
引っ越しの準備や新居での設置に疑問が生じた場合は、「小さなお葬式」のお客様サポートダイヤルも活用いただき、安心して作業を行ってください。
小さなお葬式では、葬儀に精通したコールスタッフが24時間365日通話料無料でご連絡をお待ちしております。ぜひお気軽に小さなお葬式までご相談ください。
お亡くなり後の手続き・直近の葬儀にお悩みの方は 0120-215-618 へお電話ください。
亡くなった方や仏に向けて、香を焚いて拝む行為を焼香(しょうこう)といいます。ホゥ。