自宅で死亡した方の検視にかかる時間とは?検視の流れを詳しく解説

自宅で死亡した方の検視にかかる時間とは?検視の流れを詳しく解説

自宅で死亡した場合は、警察関係者が駆けつけて検視をします。テレビドラマなどで検視シーンを目にしたことがある方もいるかもしれません。また同じ「けんし」と読むのに、検視と検死があり混同してしまっている方もいるのではないでしょうか。

検視をするときの状況や時間、費用と検死後の葬儀までの流れが分かっていれば、大切な家族とのお別れの時が来ても安心です。そこでこの記事では、検視について基本知識と流れを解説します。検死との違いも理解して、正しい知識を身につけましょう。

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自宅で死亡した方の検視にかかる時間とは?

警察関係者は死亡した理由に事件性があるか確かめるために、自宅で死亡した方の検視をします。

検視にかかる時間は状況によって変わるため、はっきりとした目安はありません。長くかかることもあれば、短時間で終わることもあります。また混同されやすい「検死」との違いも、この機会に知っておきましょう。

検視とは

警察関係者は故人が死亡した場所で検視をします。病院で死亡した場合は対象外です。ただし、故意に殺された可能性がある場合は検視をします。

例えば、自宅で死亡したのであれば、検視をする場所は自宅です。これは自殺や他殺、死亡した経緯に関係なく実施します。検視の目的は、死亡した背景に事件性があるかの確認です。

自殺以外の可能性が全く考えられない場合、短時間で済みます。一方で他殺など事件性が少しでもあると考えられる場合は死亡した真相に迫る必要があるため、半日~最大2ヶ月と長時間となるのが一般的です。

検視と検死の違い

同じ「けんし」と読む言葉に、検視と検死があります。それぞれ共通して「検」という漢字が使用してありますが、意味合いや関わる人が違うことをご存じでしょうか。以下の表に違いをまとめました。

語句 内容 関わる人
検視 ・遺体と周辺状況を調査し、事件性の有無を明らかにします
・「検視、検案、解剖」の3つをまとめて検視と呼びます
・法律用語として正式なものではありません
警察官、検視官
※変死体の場合は医師の立ち合いが必要(検視規則・第五条)
検死 ・死因や死亡状況を医学の観点から判断します
・検視→検死という順序が一般的です
医師

ただし厳密な線引きがしてあるわけではないため、使用する文脈によって語句を選ぶ必要があります。

参考:『検視規則・第五条』

自然死以外は検死が行われる

自宅で死亡した場合であっても、基本的には検視を避けては通れません。しかし、死因が病死だったり自然死だったりした場合は別です。基本的に検視をすることはありません。

その他の自殺孤独死災害が原因で死亡した場合、事故死であれば検視が必要です。事件性がある場合の死のみを、検視対象とするわけではありません。警察官や検視官は、さまざまな死に対して検視をする必要があります。

変死体の検視をする場合は、検視規則の第五条により医師が立ち会わなければいけません。

解剖はどんなときに行われる?

解剖は死因が分からないときや事件性が疑われるときに行います。それぞれの解剖には名前があり、特徴が異なるため知っておくとよいでしょう。

以下の表に解剖の種類と特徴をまとめました。この他にも正常解剖といって、人体の構造を学ぶ目的で行う解剖もあります。

解剖の種類 特徴
行政解剖 ・死因が分からない時に行う
・遺族から許可が出れば解剖できる
司法解剖 ・事件性が疑われる時に行う
・裁判所から許可が出れば解剖できる
・遺族から許可が出なくても解剖できる

検視の流れ

遺体の死因が自然死かどうかによって、検視対象になるかどうかが決まることを知っておきましょう。病死や自然死の場合、検視の必要はないため警察が遺体を引き取ることはありません。ここでは、検視をどのような流れで進むのかを解説します。

死因が分からない場合は警察が遺体を引き取る

検視が必要な場合は死因が分からない場合です。初めから事件性があると考えられる遺体に限定せず、自殺、事故死、孤独死、災害を理由とした死亡なども検視の対象になります。

事件性があるかを明らかにするために、場合によっては故人の金銭面や生命保険に加入していたかどうかなど身辺調査を行うことも可能性としては十分あるでしょう。

検視が済み、事件性がないと判断されれば医師は検案をして「死体検案書」を作成します。この書類は、死亡からの経過時間や死因を記載するものです。

警察が遺体を引き取らない場合

死因がはっきりとわかっている場合、警察は遺体を引き取り検視することはありません。例えば病死や自然死がこの場合に当てはまります。病院で死亡しており、治療中の病気や持病による死亡と分かっている場合も同様です。

また、自宅で死亡した場合でも、持病や治療中の病気が原因で死亡したことがかかりつけ医の診断によって証明できる場合は必要ありません。理想は、死亡から24時間以内に診断を受けることです。24時間を超過してしまっても、先ほどと同様の死因であると証明されれば検視対象にはなりません。

検視の時間が長引くことがある

検視が終わるまで、書類上の手続きを進めたり葬儀を執り行ったりすることはできません。死因が病死や自然死などであれば、検視の時間は比較的短く済みます

一方で死因が分からない場合は、検視に時間をかけて警察関係者や医師が原因を究明しなければいけません。

検視で事件性がないと判断されれば、医師が検死したり解剖したりするのが一般的です。遺体の保管状態が悪い場合は、その分時間がかかりますので最大2ヶ月は遺族の元に遺体が戻ってこない場合もあります。

遺体の引き取りまでに葬儀会社を決めておく

遺族の元に遺体が戻ると、すぐに葬儀を執り行う準備を始めなければいけません。検視にかかる時間は死因が病死や自然死でない限り、明確な時間は警察から教えてもえないでしょう。地域や事件性の有無によって変わりますが、最短で半日長くて2ヶ月かかることもあります。

遺体が遺族の元にないときに、どこの葬儀会社に依頼するか決めておくとスムーズです。生前に決めている場合は別ですが、そうでない場合はいくつかの葬儀会社に相談して見積りを取ると費用面で安心できます。

検視完了後の対応を行う

検視に数日かかる場合は、検視完了後に警察から連絡が入るのが一般的です。遺体を引き取る場合は以下のものが必要となります。

・身分証明書(故人・遺体を受け取る人)
・印鑑(シャチハタ不可)
・現金(遺体の搬送・保管・検案に関わる費用で遺族負担の金額分)

また遺体を引き取る際は、「死体検案書」を受け取ることが可能です。この書類は、死亡届などの手続きの際に必要となります。また提出すると返却されません。死亡後の手続きをスムーズにするには、コピーを取っておくとよいでしょう。

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検視の流れ|ご遺体が警察に安置されたらやるべきこと

自宅で亡くなった場合の遺体の搬送手順

大切な家族が自宅で亡くなった場合、遺体はどのように搬送すればよいのか知っておきたいと考える方もいるかもしれません。

最愛の方の死を目の前に冷静に搬送の準備を進めるのは難しいことではありますが、スムーズにお別れするためにも必要最低限のことは済ませておきましょう。ここでは、シチュエーション別に手順を解説します。

自宅療養で亡くなった場合

自宅で療養中の病気や持病が原因で亡くなった場合、すぐに医師に連絡しましょう。医師が傍に居た状態で亡くなった場合は、「死亡診断書」の発行を依頼します。

連絡する医師に細かい決まりはありません。故人が治療していた分野以外を専門とする医師に連絡しても、死亡診断書は書いてもらえます。

また、遺族は故人の遺体に触らないようにしましょう。少なくとも医師が死亡診断書を書き終わるまでは、動かさないようにします。書類を書き終えたことが確認できたら、遺体を動かしても問題ありません。

自宅で急死した場合

療養中ではなく、自宅で急死した場合はまずは警察に連絡しましょう。医師の立ち合いのもとで、「死体検案書」を作成します。その間は、遺族は遺体を動かしてはいけません。

検視・検死で死因の原因が分からない場合は、解剖(司法解剖)することになるかもしれません。その場合、遺体が遺族の元に戻ってくるまでに期間を要します。

それまでは、葬式を執り行うことはできません。遺族はその間に依頼する葬儀会社を決めたり、葬儀を執り行う場所を決めたりするなどして葬儀の準備を始めておくとよいでしょう。

自宅以外から遺体を搬送する場合

病院など自宅ではない場所で亡くなった場合、自宅や遺体を安置できる場所に搬送することになります。

例えば病院で死亡した場合は、「死亡診断書」を医師が作成して病室から別室である霊安室などに移動し、その後自宅などへ搬送するのが一般的です。病院の霊安室の使用状況によっては、移動せずに直接自宅に搬送となることもあります。

病院から自宅への搬送は、多くの方が葬儀会社へ依頼するのが一般的です。依頼する葬儀会社が決まれば、迷うことなくそちらの会社に専用車の手配を依頼できるのでスムーズでしょう。

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病院で亡くなった場合の遺体搬送の流れ|安置方法や費用の目安も解説

自家用車で遺体を搬送する場合の注意点

葬儀会社に依頼せず、自家用車で遺体を搬送する場合は以下の点に注意しながら準備を進めることになります。

・死亡診断書(原本)を持って行く
・棺が載せられるサイズの車を使用する
※トラブルを避けるためにレンタカーは利用しないほうがよいでしょう
※自家用車で遺体搬送しても法律違反にはなりません
・車内が汚れてもよいように、シーツの下にビニールを敷く必要がある
・霊柩車や専用寝台車は国土交通省から認可を受けた事業社を使用する
※認可を受けていないタクシーを使用するのは法律違反です

以上のことを踏まえた上で、自家用車の準備をしましょう。また警察から詳しく事情を聴かれても疑われずに済むためには、最低でも同乗者を一人乗せておくと安心です。

棺が収まるサイズの車を所持していない場合は、費用はかかりますが葬儀会社の専用車などを利用するのもひとつの方法だといえるでしょう。

遺体搬送後の葬儀までの流れ

遺体搬送後は医師による死亡確認と死亡診断書の受け取りを経て、末期の水や死化粧などの身繕いを行うのが一般的な流れです。故人や遺族にとってベストな葬儀を執り行うためには、一連の流れを知っておくとよいでしょう。

死亡確認と死亡診断書を受け取る

医師は以下のことを確認した上で、死亡宣告を行うのが一般的です。その後、死亡診断書を作成します。

・睫毛反射、対光反射が消失しているか
・胸部聴診(心音・呼吸音の確認)
・触診(橈骨動脈・頸動脈)
・脈拍がなく平坦であるのか(心電図モニター使用)

死亡診断書の作成は、検案を担当した医師が作成・発行するのが一般的です。また似たものに死体検案書があります。これも記載してある内容は同じです。再発行する場合は手数料の支払いが必要となります。

検視後の遺体の安置

警察関係者による検視が済んだら、遺体を安置するのが一般的です。自宅で死亡した場合は、故人が使用していた寝具があれば検視後に寝かせられるように準備を済ませておきましょう。自宅で死亡する例として多いのが自殺、孤独死、突然死、事故死などがあります。

また自宅で療養生活をしている中で死亡した場合は、状態にもよりますがベッドの上で一日の大半を過ごす方も多いかもしれません。その場合は、使用していたベッドなどに寝かせてあげるとよいでしょう。

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自宅で遺体安置を行う際のポイントは?安置期間と末期の水をとる方法も解説

末期の水

葬送儀礼のひとつに「末期の水」があります。「まつごのみず」と読み、以前は生きている間に行うものとされていました。

現在は死亡してすぐに行うのが一般的です。この儀礼を行う理由には諸説ありますが、死亡を判断する方法のひとつであったり、喉を潤わせてから死を迎えさせてあげるためだったりなどがあると考えられてきました。

また末期の水は「死に水」ともいわれており、水をガーゼや綿に含めて故人の唇につける方法で進めます。その場に居る人で行いますが、順番としては血縁関係が強い人から順に行います

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臨終直後に行う儀式「末期の水」とは

死化粧など身繕い

末期の水が済めば、次は遺体のケアをしてあげましょう。葬儀会社や納棺師に全て任せても良いのですが、可能であれば遺族も一緒に取り組むと故人も喜ぶかもしれません。

湯灌(ゆかん)身繕い(みづくろい)死化粧(しにげしょう)の順に進めます。以下にそれぞれの特徴をまとめました。

湯灌(ゆかん) 遺体を綺麗にして来世に向けた準備をします。入浴させて体を清潔にしてあげましょう。
身繕い(みづくろい) 故人のお気に入りの服を着せてあげるのがベストです。本来は死装束を着せていましたが、現在はその形も変化しつつあります。
死化粧(しにげしょう) 性別に関係なく化粧を施します。やつれなどが目立つ場合は綿を濡らして皮膚を伸ばしてあげましょう。

順序立てることで、葬儀に向けて少しずつ準備を進めることができます。死化粧は女性だけでなく、男性がしても問題ありません。最期のお別れを迎えるときは、故人が綺麗な状態で最後を迎えられるように準備をするのが遺族の務めだといえるでしょう。

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葬儀の湯灌にかかる費用は?手順やマナーも解説します

遺体の安置から葬儀へ

準備が整ったら、遺体を安置して葬儀の準備を始めましょう。遺族は葬儀を依頼する葬儀会社を決めたり、葬儀を執り行う場所を決めたりします。生前に依頼先を決めていた場合は、そちらの葬儀会社に連絡を取れば準備を進めてくれますので安心です。

葬儀を葬儀斎場などで執り行う場合は、葬儀会社の車が到着するのを待ちましょう。自宅で執り行う場合は、遺体はそのままにしておきます。

すぐに葬儀を執り行わない場合、一日くらいであればそのままにしても問題ありません。どちらの場合も、納棺を済ませ葬儀を執り行われる日を待ちましょう

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まとめ

自宅で死亡した場合でも、警察関係者による検視をします。自殺など事件性がないと判断できる場合は短時間で終わりますが、事件性が疑われる場合は半日単位と長時間に及ぶ場合が大半です。

自宅で亡くなった場合を想定して、葬儀をスムーズに執り行うためには事前に葬儀会社に相談しておくことをおすすめします。小さなお葬式であれば、葬儀前から葬儀後まで幅広くサポート可能です。ベストな葬儀を望む方は一度ご相談ください。

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監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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