人生で葬式に参列する機会はそう多くはありません。急な訃報を受けても、喪服を持っていないと慌ててしまうかもしれません。マナーとしてどのようなものを用意すればよいのか、手持ちのスーツでもよいのか気になる方もいるでしょう。
この記事では、葬式に着ていくスーツの選び方を紹介します。遺族に失礼のないように、マナーを守った服装で参列しましょう。
<この記事の要点>
・弔意を示すためにも、葬式には喪服での参列が望ましい
・ブラックスーツは略喪服にあたるため、葬式や告別式に着て行ける
・ブラックスーツはシングルタイプでもダブルタイプでもよい
こんな人におすすめ
葬儀に参列する際の服装にお悩みの方
葬儀に着ていけるスーツの種類を知りたい方
葬儀に適した小物を知りたい方
冠婚葬祭では、一般的なマナーや地域の習慣に従うことが求められます。結婚式などの行事とは違い、葬式は急に決まることがほとんどです。頻繁に参列するものではないため、喪服を持っていない人もいるかもしれません。
葬式に参列する際は喪服やブラックスーツを着用するのが一般的です。社会人であればビジネススーツを持っている方も多いかもしれませんが、たとえ黒の無地であってもビジネススーツは喪服やブラックスーツとは異なります。
ビジネススーツは色が漆黒ではなかったり光を反射しやすかったりすることから、葬式にはふさわしくありません。急な連絡で喪服を用意する時間がなく、黒無地のビジネススーツで代用する人もいますが、本来はマナー違反です。故人への弔意を示すためにも喪服での参列が望ましいでしょう。
どのような種類のスーツなら葬式に参列してもよいのでしょうか。ここからは、葬式で着用可能なスーツを紹介します。
ブラックスーツは略喪服にあたるため、葬式や告別式に着て行けます。ビジネススーツの黒色よりも濃い黒で、光を反射しにくいのがブラックスーツの特徴です。パンツの裾はシングルのものを選びましょう。
喪服は頻繁に着るものではないため、何年も同じものを着続けることが多くなります。5年~10年程度は着られるように、余裕を持たせたサイズで無難なデザインのものを選ぶとよいでしょう。どの季節でも着用できる素材のものを選ぶと便利です。
通夜は葬式の前日に行われることが多いため、喪服を持っていなかったり遠方からの移動があったりする場合は、着るものを用意するのが難しいかもしれません。通夜も葬式と同じで喪服やブラックスーツでの参列が望ましいとされています。
しかし、通夜は仕事終わりに参列することも多いため、ダークスーツで駆けつけても問題ありません。
ストライプやチェックなど柄ものは避けて、濃紺やダークグレーの無地のものを選ぶようにしましょう。シャツは白無地のものを選び、ネクタイや靴下、ベルトなどの小物も黒や地味な色のものを合わせます。
ブラックスーツは「略喪服」であることを紹介しましたが、「喪服」にあたるのがブラックフォーマルです。ビジネススーツよりもブラックスーツの方が黒の色が深いですが、ブラックフォーマルは更に黒が深く厳かな雰囲気があります。
一般的に、ブラックフォーマルは喪主や遺族が着用します。最近では喪主や遺族もブラックスーツを着ることが増えていますが、喪に服している期間は喪服を選んだほうがよいでしょう。参列者は遺族よりも格式が高い喪服で参列しないように注意が必要です。
葬式に着ていくスーツを選ぶ際は、どのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。ここからは、葬式に適したスーツの種類やシャツ、ネクタイのマナーを紹介します。
ブラックスーツは、ボタンが1列に並んでいるシングルタイプのものと、2列に並んでいるダブルタイプのものがあります。
ダブルのほうが格式が高いと思っている方もいるかもしれませんが、実際はデザインが異なるだけで同等のものです。そのため、どちらを選んでも構いません。好みに応じて選べばよいでしょう。
シャツは白無地のものを着用します。ストライプや柄入りのもの、ボタンダウンシャツはカジュアルな印象になるので避けましょう。襟はレギュラーかワイドのものを選びます。
ネクタイは黒無地の光沢のないものを選びましょう。柄入りのネクタイは葬式には不適切なので着用しないようにします。
いざというときにすぐ駆けつけられるように、一着はブラックスーツを持っておきたいものです。ここからは、葬式に着て行くスーツを選ぶ際のチェックポイントを紹介します。購入する場合とレンタルする場合、どちらも参考にしてみてください。
できるだけ深い黒色のスーツが葬式にふさわしいとされています。値段が高いものや格式のあるものほど品のある深い黒のものが多いでしょう。色も大切ですが、素材や着心地もチェックしておきたいポイントです。頻繁に買い替えるものではないので、着心地がよいものを選びましょう。
ウールとポリエステルを混ぜた素材で作られているブラックスーツもあります。ウール100%で作られる喪服と比べると素材の質は劣りますが、ポリエステルを使うことで耐久性が生まれるというメリットがあります。
葬式は季節に関係なく行われます。夏用と冬用のブラックスーツの違いは、主に裏地の有無です。夏は裏地がなく通気性のよいもの、冬は裏地のある保温性の高いものを着用します。
どちらも持っているのが理想的ではありますが、2着用意するのは金銭的に難しい場合もあるでしょう。そこで便利なのが、一年中着られるオールシーズン用ブラックスーツです。
オールシーズンタイプは夏場でも過ごしやすいように背中部分には裏地がないため着心地がよい作りになっています。冬でも寒すぎないため、コートと合わせることで暖かく着られます。オールシーズン用のブラックスーツが一着あると安心でしょう。
葬式のためだけにスーツを購入する金銭的余裕がない方もいるでしょう。そのような場合におすすめなのがレンタルです。紳士服専門店のレンタルサービスを利用したり、喪服専門のレンタル店もあったりします。もともとのスーツの値段にもよりますが、3万円のスーツであれば5,000円程度、10万円のスーツであれば8,000円程度でレンタルできます。
「着用後のクリーニングといったお手入れが大変」「家に保管しておく場所がない」という方にもレンタルはおすすめです。
ここからは、葬式で着用するスーツのマナーを解説します。喪主や遺族に失礼のないように、前もってしっかり確認しておきましょう。
葬式では光沢のあるスーツを着るのはマナー違反とされています。ビジネススーツは少し光沢のあるものが多いので、黒色を選んだとしても葬式にはふさわしくありません。通夜や葬式では喪服やブラックスーツを着用しましょう。
<h3>綺麗な保存状態のスーツを使用する</h3>
喪服は着る機会が少ないため、正しく保管しないと状態が悪くなってしまうこともあります。たとえ場にふさわしいスーツでも、シワやヨレのあるスーツは印象がよくありません。着用回数が少ないからこそ、綺麗に保管しておくようにしましょう。
喪服やブラックスーツを着用する際は全身のコーディネートを合わせることも大切です。まずは自分に合ったサイズのもの、季節に合った素材を選ぶようにしましょう。
シャツは白ですが、ネクタイやベルト、靴下など他の小物はすべて黒無地のものを着用します。マナーを守りながら、全身のバランスを考えたコーディネートを意識すると印象がよくなります。
遺族から葬式に参列する際は平服を着用してほしいと依頼されることもあります。平服とは略喪服であるダークスーツを指します。この場合は、格式の高いブラックスーツを着用する必要はありません。ただし、平服は略喪服のことであり、普段着ではない点に注意が必要です。
ここからは、葬式でスーツを着用する際の注意点を紹介します。6つのポイントに分けて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
スーツを着用していったとしても、葬式会場で上着を脱いでワイシャツ姿になると、どうしてもカジュアルな印象になってしまいます。
暑い夏であっても、上着はできる限り着用するのがマナーです。ただし、熱中症などの危険がある場合は、体調が悪くなる前に脱いで問題ありません。
ブラックスーツ、ダークスーツともに、上着の一番下のボタンは飾りなので外しておきましょう。
ボタンが2つある場合は上だけを留めて、3つある場合には上の2つを留めます。
葬式に参列する際には、ネクタイの結び方にも注意が必要です。結び目の下に「ディンプル」と呼ばれるくぼみを作ると、華やかな印象になるので弔事では作らないようにしましょう。結び方は、もっともシンプルな「プレーンノット」がおすすめです。
ベルトは光沢のない黒無地のものを選びましょう。ワニ革やヘビ革など、殺生を連想させるものはマナー違反です。バックルは光を反射しにくいものを選びます。
靴下は黒が基本ですが、紺でも構いません。靴を脱ぐ場面があるかもしれないので、細部にまで配慮しましょう。
下着は白いワイシャツから透けて見えないように、濃い色のものや柄入りのものは着用しないように注意が必要です。
葬式にふさわしいスーツを用意したら、髪型やアクセサリーにも気を配りましょう。ここからは、スーツ以外のチェックポイントを紹介します。
葬式は故人を偲ぶ式典なので、清潔感のある髪型で参列しましょう。色は黒や暗めの茶色など、落ち着いた色味が望ましいです。髪の毛を明るい色に染めている方は、スプレーでその日だけ黒色にしても問題ありません。
また、ワックスやジェルを使って派手な髪型にしたり、香りがあるヘアコスメを使ったりするのはマナー違反となります。前髪が長すぎたり、お辞儀をしたときに顔にかかってしまったりするような髪型も清潔感がなく、葬儀にはふさわしくありません。身だしなみをきちんと整えてから参列するようにしましょう。
男性の場合は、スーツを着用する際にカフスボタンやチーフ、ネクタイピンなどを身に着けることもあるでしょう。しかし、葬式では結婚指輪以外のアクセサリーはふさわしくないとされています。
仕事終わりに通夜に参列する場合は、そのままの服装でもマナー違反にならないか確認してから向かうようにしましょう。
仏式の葬式に参列する際は、数珠を持参します。一口に数珠といっても、宗派によって色や形など種類が異なるため、故人の宗派に合ったものを用意しましょう。
一重で片手にかけて使う略式の数珠は宗派を問わず使うことができます。正式なものとは異なりますが、どの宗派の葬式に参列することになっても使えるため、一つ持っていると便利です。
女性はハンドバッグなど小さい鞄を持って参列します。男性は必要なものをポケットに入れて、バッグは持たずに参列するのが一般的です。どうしても鞄が必要な場合は小さめのものを選び、殺生を連想する革製や光沢のある鞄は避けましょう。
鞄の素材は合皮が望ましいですが、靴は本革でも構いません。デザインはプレーントゥやストレートチップが適しています。装飾のあるウィングチップなどは葬儀にはふさわしくないため、着用しないようにしましょう。
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葬式に参列したことがないと、どのようなスーツを着ていけばよいか分からないこともあるでしょう。葬式では、喪服やブラックスーツを着用しましょう。たとえ黒の無地であってもビジネススーツは喪服やブラックスーツとは異なります。色が漆黒ではなかったり光を反射しやすかったりすることから、葬式にはふさわしくありません。
また、葬式では光沢のあるものや殺生を連想させるものを身に着けないようにしましょう。シャツは白を着用しますが、その他の小物は黒無地のものを選びます。
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