お葬式をしない選択とは?「直葬」の手順や費用

お葬式をしない選択とは?「直葬」の手順や費用

葬儀に参列したことはあっても、直葬(ちょくそう)に参列したことのある方は少ないかもしれません。直葬という言葉を聞いたことはあるが、どのような葬儀かはわからないという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では直葬のメリットやデメリットのほか、直葬を行う前の注意点、直葬の流れなどもご紹介します。直葬について知識を深められれば、いざというときにも対応できるでしょう。

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お葬式をしないという選択「直葬」とは?

人が亡くなると葬儀を行うのが一般的だと思う方も多いでしょう。しかし葬儀は、必ずしも行わなければならないものではありません。小規模な葬儀を望む方が増えるなど、形式にとらわれない葬儀スタイルが広がっています。ここでは直葬とはどのような葬儀なのかを解説しましょう。

葬儀を行わず火葬だけする

直葬とは、通夜や葬儀などを行わずに火葬のみを行う葬儀形式です。故人の遺体を自宅や病院などの安置場所から火葬場に搬送し、見送るシンプルな葬儀スタイルだといえるでしょう。火葬だけを行うため、火葬式とも呼ばれます。

告別式などを行わないため、故人を見送れるのはごく一部の関係者です。親族など故人と関係の深い方だけで見送ることになります。近年は家族葬など小規模な葬儀を望む方も増えており、葬儀の形式にこだわらず故人を見送りたいという思いへの理解が進んでいるのかもしれません。

法律上義務があるのは火葬・埋葬のみ

医学的に死亡が確認されても、死亡届を提出しなければ法律的に故人の死亡は認められません。遺族は故人の死を知ってから7日以内に死亡届を役所に提出する必要がありますが、法律的にはその後、土葬か火葬を行なえばよいとされています。日本では土葬できる地域が限られているため、基本的に火葬をすることになるでしょう。

葬儀をするかしないかは遺族の判断に委ねられているため、直葬も増えています。葬儀は遺族に経済的な負担がかかるため、故人の意向により直葬を選ぶこともあるでしょう。

直葬のメリット

直葬は通常の葬儀に比べて簡素な印象を受けるかもしれませんが、参列者への対応が不要になったり、葬儀費用を抑えられたり、香典返しをする必要がなかったりと、さまざまなメリットがあります。直葬を選ぶことによって減らせる負担をご紹介します。

参列者への対応が不要

通夜や告別式には、多くの方が故人とのお別れに訪れます。親しい友人だけでなく、職場関係の方やご近所付き合いのあった方なども弔問に訪れることが多いでしょう。葬儀を行う場合は、このような参列者の方々に対応する必要があります。悲しみに暮れる中、丁寧に対応するのは大変だと感じる方もいるでしょう。

しかし直葬なら、参列者への対応はほとんど必要ありません。通常の葬儀に比べて、精神的にも肉体的にも負担を減らせるでしょう。

葬儀費用を抑えられる

葬儀を執り行うには、まとまった費用が必要です。参列者の接待費用や僧侶へのお布施のほか、式場使用料や祭壇の費用などを合わせると葬儀費用の相場は約200万円といわれます。直葬では接待費用やお布施などが不要なため、かかる費用の相場は20万円前後です。葬儀社の中には8万円前後のプランを用意しているところもあります。

直葬は通常の葬儀の10分の1程度の費用に抑えられると考えてよいでしょう。できるだけ葬儀費用を抑えたい方や、遺族に負担をかけたくない方に選ばれています。

香典返しをしなくてもよい

葬儀に参列する場合、香典を持参するのが一般的ですが直葬には必要ありません。直葬は知人や友人がお別れを伝える機会がなく、香典は基本的に辞退することになります。だからといって香典をもらってはいけないわけではありませんが、お礼の言葉を添えて丁重に辞退するのが望ましいでしょう。

香典をもらうことがなければ、香典返しを用意する手間もかかりません。葬儀の後に続く負担を減らせるでしょう。

直葬のデメリット

直葬にはメリットもありますが、よいことばかりではありません。葬儀を執り行うのが当たり前だと思っている親族の理解を得られなかったり、故人とのお別れの時間が短くなったことを後悔したりする方もいるでしょう。また菩提寺に納骨を拒否されることもあります。すべて終わった後に後悔しないよう、直葬のデメリットも押さえておきましょう。

親族の理解が得られない場合がある

直葬が増えているとはいえ、人が亡くなったら葬儀を行うものと考えている方は多いでしょう。また通夜や告別式という形で故人とのお別れをしたいという方もいます。そのため、直葬を選択することに親族や参列希望者の理解が得られないこともあるでしょう。

そのような場合は事前にしっかりと説明することが大切です。「故人の希望をかなえるために直葬を行う」など、親族や参列希望者に納得してもらえるようにしましょう。

別れの時間が短くなる

直葬は通常の葬儀よりも火葬に出すまでの時間が短いため、故人とのお別れの時間が短くなってしまいます。

精神的にも体力的にも疲労は軽減できますが、もっと故人とのお別れの時間をとりたかったと感じる方もいるかもしれません。故人を見送った実感がわかない方や後になって後悔する方もいます。故人とのお別れの時間が短くなることをあらかじめ理解した上で、直葬を選ぶかどうかを決めましょう。

遺体を安置する場所を確保しなければならない

日本の法では、故人の死から24時間後でなければ火葬できません。現代では可能性の低い話ですが、昔は故人が蘇生する可能性があると考えられたからです。そのため、1日は自宅や火葬場の霊安室などに遺体を安置する必要があります。

火葬場は混み合っているとすぐには火葬できず、霊安室に置いてもらえるかどうかわかりません。難しい場合は自宅に安置するなど、遺体を安置する場所を確保する必要があります。

参考:『墓地、埋葬等に関する法律 - 厚生労働省』

お寺に納骨できないことがある

葬儀は菩提寺の僧侶によって執り行われることが多いでしょう。菩提寺とは先祖代々のお墓があるお寺のことで、葬儀が終わった後は菩提寺のお墓に納骨するのが一般的です。しかし宗教儀式を執り行わない直葬の場合、納骨を断る菩提寺もあるかもしれません。菩提寺がある場合は事前に直葬を行うことを伝え、了承を得たほうがよいでしょう。

<関連記事>
直葬で納骨が断られる可能性がある!断られたときの対処法は?

直葬を行う前の準備

直葬を行う場合は事前にきちんと準備することが大切です。直葬を行うことに対して理解を得られないと、後々の人間関係によくない影響を及ぼすかもしれません。故人を気持ちよく見送るためにも、しっかりと準備を行いましょう。

話し合いをして理解を得る

直葬は遺族への負担を減らしたい方や、宗教儀式になじみのない方に選ばれることもあります。しかし故人を弔う側の方全員が同じ考えだとは限りません。葬儀を執り行うのが一般的だと考える方や、通常の葬儀を行うほうがよいと考える親族もいるでしょう。

遺族が直葬に賛成していても、親しい友人など葬儀への参列を希望する方から「お別れがしたいのにできない」といわれる可能性もあります。誰もが気持ちよく故人を見送れるよう、直葬を行う場合は慎重に話し合うことが大切です。

お別れの方法を決める

葬儀を行わずに直葬のみを行った場合、ごく一部の方しかお別れができません。それが故人の意向だったとしても、知人や友人の中にはきちんとお別れがしたいという方もいるでしょう。

故人が亡くなった後も、故人を取り巻く方たちの人間関係は続いていきます。直葬によってわだかまりができることのないように、お別れの場を設けるなどの対応を検討してもよいでしょう。後にも続く人間関係を踏まえた上で、納得できるお別れの方法を決めることが大切です。

直葬の流れ

直葬はシンプルな葬儀スタイルのため、通常の葬儀に比べて短い時間で終わります。火葬場でのお別れの儀式も短いため、火葬するまでに故人としっかり向き合っておきましょう。ここでは葬儀社に連絡したり、遺体を搬送したりといった直葬の一連の流れを解説します。

1.遺体の搬送

ご臨終を迎えたら、遺体を安置場所まで搬送する必要があります。病院で亡くなった場合は霊安室に移されますが、長時間置いておくことはできません。亡くなってから1時間ほどで自宅や葬儀場へと搬送することになるでしょう。

搬送は葬儀社に依頼すると安心です。葬儀社は遺族が手配するのが一般的ですが、病院から紹介してもらうこともできるため事前に決めていないときは相談してみましょう。

2.遺体の安置

日本の法では、死後24時間が経過しないと火葬できないと定められています。そのため、最低でも24時間は適切な場所で遺体を管理する必要があります。

一軒家の場合はスムーズに遺体を搬入できますが、マンションなど集合住宅の場合はエレベーターや時間の問題でうまく搬入できないかもしれません。そのような場合は、火葬場の安置所に保管するケースも多いでしょう。火葬までの間は、遺体を管理するためのドライアイスなどが必要です。

3.各種手続き

遺体を搬送し安置したら、火葬までの間に直葬の準備を行います。直送の場合、ごく近しい親族のみが参列するのが一般的ですが、もしほかに参列してほしい方がいれば日程の連絡をします。

死亡届を提出し、埋葬許可証の申請を行うのも忘れてはいけません。しかし葬儀の準備に追われていたり気持ちの余裕がなかったりする場合、自分で対応することが難しいこともあるでしょう。そのようなときは葬儀社に手続きの代行を依頼することも可能です。

4.納棺

故人の体を清めて死化粧を施し、死装束を着付けて身支度を整えましょう。葬儀社や納棺師が行うケースもありますが、故人とじっくり向き合える最後の機会です。故人との思い出を思い出しながら、旅立ちの準備をしましょう。

棺には花のほかに故人の好きだったものを一緒に入れることも可能です。納棺までの間に、入れてあげたいものを探しておくのもよいでしょう。ただし、不燃物は入れられません。入れてもよいか迷ったときは葬儀社などに相談すれば教えてもらえます。

5.別れの式

火葬場ではお別れの儀式を行います。直葬の場合は火葬炉の前で数分間のシンプルなお見送りとなりますが、僧侶を呼んでお経を読んでもらうことも可能です。直葬では告別式などを行わないため、お経を読んでほしい場合は火葬の前にお願いしましょう。

6.火葬

お別れの式が終われば、火葬が始まります。心残りのないように、故人に声をかけたり顔を確認したりしましょう。棺のふたを閉め、火葬炉へと故人を見送ります。火葬には1時間ほどかかるため、控室で待機しましょう。

直葬では基本的に親族の方で故人を見送りますが、縁の深い方が火葬場まで足を運ぶこともあります。受付を用意しないため、弔問に訪れる方がいる場合は事前に時間や場所を確認しておきましょう。

7.お骨上げ

火葬が終わったら、故人の遺骨を骨壷へと納めます。係員の指示に従って進めましょう。故人と血縁の深い方から順に、2人1組になって骨上げ箸で遺骨を挟み骨壷へと納めていきます。納める遺骨の順は足元から頭のほうへと進み、最後に喉仏です。遺骨を骨壷に納めることは「お骨上げ」や「拾骨」と呼ばれます。

これで直葬の一連の流れは終了です。あとは納骨のために埋葬許可証を受け取り、散会となります。

「お葬式をしない」「お墓もいらない」場合は?

直葬は葬儀を行わないだけでお墓は用意するのが一般的ですが、中にはお墓もいらないという方もいるでしょう。そのような場合は、どのように埋葬すればよいのかと悩む方もいるかもしれません。自然に還したり霊園で管理してもらったりするなど、さまざまな供養の方法を紹介します。

散骨する

遺骨を粉状にし、海や空・山などに撒いて供養するのが散骨です。海に撒く海洋散骨が有名ですが、飛行機から撒く空葬散骨やカプセルに入れて宇宙へと飛ばす宇宙葬などもあります。自然葬のひとつとして散骨を選ぶ方も増えているようです。

ただし散骨は違法ではありませんが、遺骨をパウダー状にせずに遺骨とわかる形で放置した場合には刑法に抵触する恐れがあるので注意しましょう。また、場所によっては条例で散骨が禁止されているところもあります。どこでも可能なわけではないので、葬儀社などに相談して進めるのが安心でしょう。

散骨には全部散骨一部散骨があり、故人の意向で散骨をするもののすべての遺灰を散骨するのはつらいという場合は、一部の遺灰を残す一部散骨がおすすめです。

永代供養墓に預ける

永代供養とは、遺族がお墓を継承せずに霊園や寺院が遺骨を管理していく方法です。身寄りのない方や遺族に負担をかけたくない方に選ばれています。お墓を購入するよりも費用が抑えられるのも、永代供養のメリットでしょう。お墓よりもお金を残してあげたいという思いで、永代供養を希望する方も増えています。

永代供養は、ほかの方との共同のお墓である合祀墓(ごうしぼ)で管理されるのが一般的です。火葬後すぐに合祀墓に納骨するケースもあれば、個別に安置した後に合祀墓へと移すケースもあり、仏壇式やロッカー式などさまざまな形があります。

樹木葬にする

自然葬のひとつとして、樹木葬という選択肢もあります。日本では1999年から始まったといわれる樹木葬は遺骨と一緒に樹木を植える方法や、墓地や霊園の草木に囲まれて埋葬される方法など、いくつかの方法があるので希望するものを選びましょう。

お墓を建てる必要がなく、遺骨を埋めるスペースを確保すれば埋葬できるため通常のお墓を用意するよりも費用を抑えられます。血縁関係や婚姻関係になくても一緒に入れたり、ペットと一緒に入れたりするのも特徴でしょう。宗派や宗教も問われません。

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まとめ

できるだけシンプルに、宗教儀式にもとらわれることなく見送ってほしいという故人の意向から、直葬を選ぶ方も増えています。直葬は通常の葬儀よりも費用を抑えられるのもメリットで、参列者への対応もいらないなどさまざまな負担を減らせます。

しかしシンプルとはいえ、準備や対応にはプロの手を借りたほうが安心な部分もあります。小さなお葬式では、火葬式や希望に沿った納骨方法をご予算に合わせて選ぶことができます。経験豊富なスタッフが当日まで親身にサポートしますので、直葬をお考えの際はぜひご相談ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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