1930年(昭和5年)に創価学会は「創価教育学会」という名前で誕生した、日蓮正宗の一門です。その後徐々に独自の路線を歩むようになり、1991年に日蓮正宗宗門から破門され、独自路線を歩む仏教・法華経の宗教団体となりました。
独自路線を歩んできた歴史もあり、ほかの仏教式とは異なる葬儀を行う宗派であるので、供花を贈りたいと思ったときにどのようなものがよいのか悩む方もいるのではないでしょうか。創価学会の葬儀で用いる供花には独自性があります。
ここでは、創価学会の葬儀で行われる儀式の特徴や、葬儀における供花についてまとめました。この記事を確認すれば、独自性のある供花もマナーを守って贈れるようになるでしょう。
<この記事の要点>
・創価学会の葬儀では、供花として「しきみ」や白い花を用いる
・創価学会の葬儀「友人葬」では、僧侶を呼ばずに友人がお経をあげる
・創価学会の葬儀では香典は必要ない
こんな人におすすめ
創価学会の葬儀に参列予定の方
創価学会の「友人葬」について知りたい方
創価学会の供花のマナーを知りたい方
創価学会員が亡くなったとき、葬儀は「友人葬」というかたちをとります。友人葬では、一部ほかの宗派とは違うポイントがあり、供花もそのひとつです。
使われる花の種類や選び方などに関して、ほかの宗派にはないような独自のポイントがあります。ここでは、創価学会における独特な供花について解説します。
「しきみ(樒)」とは、黄色い花を咲かせる常緑樹です。花から葉、茎、根にいたるまで猛毒をもっています。
日本で土葬が通常だった時代、葬儀や埋葬にときにこの「しきみ」が供花として使われるのが一般的でした。これはしきみのもつ猛毒で、野犬など野生動物に墓を荒らされることを防ぐためだったといわれています。
そのため地域によっては今でも納骨の際にしきみを供えたり、祭壇や棺の周囲にしきみを飾りつけたりする地域もあります。
一般的な葬儀の祭壇は、菊を中心に故人が好きだった花や季節の花が色とりどりに飾られます。しかし創価学会で行われる友人葬という形式の祭壇では、しきみを用いて白い花をアレンジに加えながら装飾されることが一般的です。
創価学会の友人葬に、供花を贈りたいと考えている場合は、遺族に供花について確認するようにしましょう。友人が贈ってくれた供花とあって色つきであっても、祭壇に飾ってくれるケースもありますし、受け取りつつ、祭壇には飾らず別のところに供えるケースもあるようです。
勝手に形式の異なる供花を贈ることはマナー違反になってしまいますので、事前にしっかりとご遺族に確認を取っておくことでトラブルを避けられます。
創価学会の葬儀では、「しきみ」という植物が用いられることが一般的ですが、宗派の独自のマナーについては尊重しておきたいところです。
ではここで創価学会に限らず、葬儀においてよく贈られる花についてまとめておきましょう。宗派や宗教によって使われる花の種類にも特徴があります。
仏教式で多く用いられるのは菊の花です。菊の花には色に関係なく「高貴」、「高尚」、「高潔」という花言葉があり、この花言葉からも葬儀に最適な花として用いられています。また花のもちがよいことから宗派を問わず葬儀では中心的に使われています。
葬儀の際に選ばれる色は白が多いものの、仏教式の祭壇では彩として黄色の菊も使用されるケースがあります。
キリスト教の葬儀で多く見られるのが百合の花です。百合の花は「マリアさまの花」とされており、カトリックでもプロテスタントでも葬儀では多く見られます。宗派によって失礼になることはあまり考えられませんので、キリスト教式では百合の花を贈るとよいでしょう。
また白百合が供えられることは仏教式でも多く、葬儀においては宗派を問わず人気の供花といってよいでしょう。贈る際には、花粉は先に取っておく必要があります。
カーネーションも宗教を問わず多く使用される花といえるでしょう。色は白が中心で、淡いピンクなども用いられます。母の日の花という印象が強いカーネーションですが、葬儀の供花としても重用されている花です。
白いカーネーションの花言葉は「純粋な愛」「私の愛は生きています」というものであり、故人への愛を感じさせる葬儀にはぴったりの花のひとつだといえるでしょう。
多くの花びらをもつラナンキュラスは、一見バラに似たイメージの花です。葬儀の供花としてバラを贈りたいという方もいるかもしれませんが、バラにはトゲがあるため、葬儀用の花としては不向きといわれています。
その点バラに似ていながらトゲのないラナンキュラスは重宝されているのかもしれません。特に近年人気となっている花です。
日本において葬儀で贈る花は菊を連想する方が多いでしょう。しかし、菊以外にも宗教によって贈られることの多い花は多くの種類があります。
創価学会における友人葬ではしきみとともに白い花を選ぶことが一般的なマナーです。ほかの宗教でも重用される花があります。宗教によってマナーがそれぞれあるため、NGとなるような供花は贈らないようにしましょう。
仏教式の葬儀の場合、絶対にいけないというほどの厳しいルールはありません。強いていえば「生花である」ことくらいでしょう。菊やカーネーションが贈られることが多く、関西では宗派を問わずしきみも贈られます。
避けておいたほうがよいものとして、派手な色合いの花があげられます。供花の基本は落ち着いた色合いです。白い花を中心に、淡いピンクや紫などを取り入れるとよいでしょう。もしどうしても故人の好きだった花を贈りたい場合は、葬儀ではなく後のお墓参りや、お仏壇にあげるようにお家へ贈ることもひとつの方法です。
キリスト教は西洋からもたらされた宗教であるため、供花も洋花を中心に考えましょう。百合やカーネーションを使うのがポピュラーです。とくに白い百合は「マリアさまの花」とされていることから一般的だといえるでしょう。キリスト教の場合スタンドや名札は用いず、バスケットなどにアレンジメントして持参するのが一般的です。
仏教式と同様に花は生花に限られ、葬儀を行う教会には送らず、自宅に送るか参列者が自分の手でもっていくようにします。
神式の葬儀でも供花は使用されます。仏式と同様に、菊や百合が中心となり、色合いもやはり白を基調としたものが好まれる傾向です。神式の葬儀は地域や神社によって細かいルールに違いがある場合があります。
神式の葬儀に供花を贈りたい場合、葬儀を仕切る神社や葬儀社に連絡し、その土地の神社のルールを聞いてから贈るのがベストでしょう。ご遺族に連絡しても、ご遺族も細かいルールは把握していないケースが多く、その上葬儀の準備であわただしいので、できれば神社に問い合わせるようにしましょう。
葬儀に参列する際にはマナーを守って、故人やご遺族に失礼のないようにお花を贈ることが大切です。一方で、創価学会の葬儀には供花のほかにも独自性のある部分が多く存在します。ここでは、独自性のある創価学会の葬儀「友人葬」について、お布施や戒名などの特徴をまとめてみました。
創価学会の葬儀を「友人葬」と称する理由は、僧侶を呼ばずに「友人」がお経をあげることが考えられます。創価学会の葬儀で「南妙法蓮華教」の経典を読むのは僧侶ではなく、「導師」と称されている人で、一般の信者です。
創価学会の教えでは、成仏をするのは死後ではなく生前の信仰心で決まっているという考えがあります。そのため葬儀でも僧侶が読経する必要がありません。導師は冠婚葬祭の儀礼に詳しい「儀典部」という部署に所属し、創価学会の中でもベテラン信者であることが一般的なようです。
導師は創価学会の支部などに属している一般信者であり、必ずしも生前に大変お世話になったような人ばかりではないことも特徴です。創価学会では信者同士は「友人」という考え方があるため、このような「友人葬」という呼ばれ方になっています。
葬儀に僧侶を呼びませんので、お布施は不要です。また、亡くなった時点で成仏が決まっているという教義であるため、戒名をつけることもありません。このあたりは既存の仏教他宗派とは大きく違う点といえるでしょう。
創価学会では成仏をするのは死後ではなく、生前の信仰心で決まっていることから生前より成仏したという扱いになっています。そのため、死後に戒名をつける必要がありません。
創価学会の友人葬の祭壇は、ほかの宗派とはイメージが異なります。まず使用されるのはしきみが中心で、「しきみ祭壇」「白い生花祭壇」を使って葬儀を行うのが一般的です。ほかの花は基本的に用いません。
遺影の上、祭壇の中央上部には「ご本尊」を祀ります。ご本尊は非常に重要とされているため、写真を撮ったり触れたりしないように創価学会の葬儀では気をつけましょう。
友人葬には独自の作法があります。参列する際にはマナーを守って、遺族や参列者に失礼のないようにしましょう。創価学会も仏教のひとつの宗派ですから、仏教式の葬儀とさほど大きな違いはありません。しかしながら、参列にあたっては、あらかじめマナーを覚えておいたうえで葬儀に向かうとよいでしょう。
創価学会の葬儀では香典は必要ありません。厳格な信者ほど受け取りを拒否する傾向にあるようです。しかし場合によっては受け取ってもらえるケースもあるため、お悔やみの気持ちを香典でと思った方は用意してもよいでしょう。
ただし、香典を収める記帳台のような場所はありません。親族の方にどのタイミングで受け取ってもらえるか確認するようにしましょう。
参列者の服装は、ほかの仏教の宗派で行う葬儀と同様で喪服での参列が基本です。女性でバッグをもっていく場合は、皮のバッグは避けましょう。動物の皮を使用したバッグは、動物を殺生して得た皮ですから、創価学会に限らず葬儀には不向きです。このあたりは一般的な葬儀に参列する際の喪服のマナーが守れていれば、基本的に問題ないでしょう。
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告別式・葬儀での服装について
創価学会では「数珠」は「念珠」と呼ばれています。両手にかけるため、一般的な数珠よりもかなり長く特徴的な見た目です。自身も創価学会員であり、念珠をもっていれば参列時に念珠を持参しましょう。
念珠をもっていなければ普通の数珠でも問題ありません。断られることはありませんし、マナー違反にもあたりませんので、わざわざ念珠を用意する必要はないでしょう。
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お葬式での数珠の使い方と宗派ごとの数珠の種類
創価学会の葬儀でも、参列者が順次お焼香を行います。ほかの宗派の場合、焼香は2回が一般的ですが、創価学会の場合には3回お焼香をするのが一般的です。香をつまんだら額の位置まで上げて追悼の念を表します。そのときひねるようにすると煙が出やすくなります。それを3回繰り返しましょう。
また、お焼香のときには遺族に一礼をするのが礼儀ですが、創価学会の葬儀の場合には、祭壇に飾られているご本尊にも一礼を行います。ほかの参列者の所作を参考に、礼を欠くことがないように気をつけましょう。
弔問の際に特別な挨拶はありません。ほかの宗派の葬儀と同様のお悔やみを述べても失礼にはあたりませんので、通常どおりのお悔やみの言葉を伝えましょう。
ちなみにお悔やみの言葉に注意が必要なのは、神式の葬儀の場合です。神道の場合、死は残念なことではなく、神になるという考え方ですので、挨拶の言葉には注意が必要です。
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「友人葬」と呼ばれる創価学会における葬儀は、一種の独特な雰囲気のある葬儀になります。とくに初めて参列する方が驚かれるのは、「南無妙法蓮華経」の部分を参列者全員で一斉に唱えるところかもしれません。
ほかには香典を受け取らないケースがあったり、祭壇が緑一色、しかもしきみという植物だけであったり、数珠の形状が特殊であったりというものがあります。
とはいえ、創価学会も仏教の一宗派であるがゆえに、基本はほかの宗派の葬儀と大きな違いはありません。供花や参列マナーも一般的な葬儀のマナーを遵守していれば失礼にあたることはあまりないでしょう。
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