香典袋には黒白の2色の水引か、銀一色で作られた水引が付いています。香典袋を選ぶときに、どの水引が付いた香典袋を選ぶのがいいのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
水引の色や種類の違いには理由があり、宗教によっても変わってきます。マナーが重視される葬儀の場では、香典袋の選び方にも気配りが必要になるのです。この記事では、水引の種類や選び方のポイント、香典袋の書き方や注意点をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・水引の色の組み合わせと作りで香典の金額が分かるようになっている
・仏式では黒白の結び切りか双銀で結び切りの香典袋を使う
・宗派が分からない場合、香典袋は白地のものを選ぶ
こんな人におすすめ
香典の水引の種類について知りたい方
香典の水引の選び方のポイントを知りたい方
香典の書き方・包み方を知りたい方
水引とは、贈り物を包んだ封筒や紙にかける帯紐のことです。水引は魔よけや未開封の証拠といった意味もこめられており、祝いごとの時には赤白の水引で、葬儀などの時には黒白のものと使い分けをします。
葬儀で使われる水引の色は黒白や銀一色が多いのですが、それ以外にも様々な色や結び方があり、そこにはきちんとした意味があるので知っておくのがマナーです。
香典で使われている水引には、いろんな色や形の違いがあります。代表的な色は黒白、黄白、銀白で、この色の組み合わせと作りで香典の金額が分かるようになっており、さらに水引が印刷か本物かでも入れる金額が変わってくるので注意が必要です。香典袋を選ぶマナーとして覚えておくといいでしょう。
よく使われている水引は青白または黒白の水引で、1,000円から5,000円を包むときに使います。お店で売っているものは封筒に水引が印刷してあるものが多く、結び切りかあわじ結びの水引が書かれています。印刷しているものは黒色が青色のように見えることもあるので、購入する時には注意して見ておきましょう。
黒白の水引が付いている香典袋は定番の組み合わせで、どの地域でも葬儀や法事で使うことが出来ます。青白の水引の組み合わせの香典袋も、葬儀や法事で使うことが可能です。青白の水引は、半分が白でもう半分が紺色に染められているもののことを言います。
1,000円から5,000円の時には、印刷してある水引でも構いません。10,000円から30,000円の時には、印刷しているものではなくきちんと結んである水引が付いた香典袋を使いましょう。
黄白の水引は、10,000円から50,000円を包むときに使われます。関西地方から西で主に使われており、葬儀と法要以降で使い分けることが多いです。特に京都では、黒白の水引の香典袋は使わないことが多く、黄白の香典袋を使うことが定番になっています。
関西地方で黄白が一般的なのは、日本の首都が京都だったころの公家社会の習慣が残っているからだと言われています。皇室に贈り物をする際「紅井水引」という玉虫色の水引を使っていました。一見黒に見えてしまうため、香典で黒白の水引を使うと間違える恐れがあるということから、黄白の水引を使うようになったという説があります。
銀色一色の双銀の水引は、50,000円以上の時に使われることが多く、大きさの種類も豊富です。10,0000円程が入るものもありますが、50,000円以上の金額を包む場合は、金額に合ったサイズのものを使い分けることが必要です。
50,000円以上で100,000円未満であれば中金封の香典袋で、10,0000円以上の時は大金封や特大金封といった袋の使い分けをするのがマナーです。
水引の色の違いで金額が違うように結び方も違います。よく見る結び方は、結び切りとあわじ結びです。主に使われているのはあわじ結びで、どのタイプの香典袋にも使われています。
あわじ結びは2色の水引を8の字にクロスして結ぶ結び方となっていて、左右に引っ張ると更に固く結ばれ同じことが起きないようにという意味が込められています。他にも、末永く付き合うということでお布施に使われることも多いです。
もうひとつの結び切りは一度結ぶと二度と解けない結びになっていて、あわじ結びと同じ意味や一度で終わるという意味合いで使われています。不祝儀の時に使う水引の形はこの2つの結び方しかないので、使い分けに気をつけておくこともポイントです。
水引は何本かの紐を合わせて結ばれており、本数は5本が基本です。この本数は、陰陽五行説から来ていると言われています。基本的に左側が明るい色の陽の色、右側が暗い色の陰の色を配色しています。
基本は奇数の5本ですが、格式を重んじる場合は7本で結んでいるものを使うことも多いです。本数で格式が上がるとも言われているので、100,000円以上の金額の時に偶数の10本のものを使うところもあります。
数字の10は偶数なので、地域・宗教・宗派により考え方が違い使ってはいけないところもあるので注意しておくことが必要です。
日本では仏式の葬儀が多くを占めていますが、神道やキリスト教など仏教以外を信仰している人もいます。宗教が変われば考え方もマナーも変わってくるのですが、それは水引も同様です。ここでは、宗教ごとの水引や香典袋についてご説明します。
亡くなった直後の仮通夜葬式や告別式の前日である本通夜・葬儀などで使うときは、黒白の結び切りのものか双銀で結び切りを選びます。本数は、基本の5本もしくは7本のものを使うといいでしょう。金額が多い時には、宗派、地域で10本の水引を使うのが可能であれば10本のものを使っても問題ありません。
法要の時には地域によって水引の色が変わります。関東では黒白の結び切りが一般的です。地域によって黄白もしくは銀銀(双銀)、結び方は結び切りのものを使うこともあります。
水引の色・本数・種類も重要ですが、表書きの書き方にも注意しておかなくてはいけません。仏式の表書きには御霊前、御仏前のどちらかを使います。その他、御香典、御香料、通夜のみ使う御悔などもありますが、先の2つを覚えていれば問題ありません。
御霊前が使えるのは四十九日までです。仏教では四十九日を過ぎてから仏になるため、それまでは御霊であることから御霊前と書きます。一方の御仏前は、御霊から仏になった四十九日以降に使います。この違いはしっかりと覚えておきましょう。
仏教の中にも宗派がいくつかありますが、浄土真宗では亡くなった人はすぐに仏様の所に行くという教えなので、お通夜や告別式のときでも御仏前と書きます。四十九日前だからと御霊前と書いてしまうと失礼にあたるので気をつけましょう。
宗派によっても書き方が変わるので、宗教や宗派が分かる場合にはそれに合わせた書き方をしなくてはいけないので注意が必要です。
神式の通夜祭・葬場祭では御玉串料、御榊料と書きます。御玉串料の玉串とは、神事を行う時に神前に捧げるもののことです。
玉串の代わりにお金を渡すので、御玉串料が最適な書き方です。水引は、双白の白一色で作られた水引か銀銀(双銀)または黒白の水引で結び切りを使います。御榊料も御玉串料と同じような意味で使うことができる書き方なので、水引の色や結びも同じです。
神式の霊祭では、御神饌料と書きます。神前に供える食べ物の代わりをお金として渡すからです。霊祭の時の水引は、通夜祭、葬場祭の時と同じく双白の水引もしくは銀銀(双銀)もしくは黒白の水引で結び切りを使います。
キリスト教の通夜や葬儀では、御ミサ料もしくは御花料と表書きに書きます。主にカトリック教会での葬儀に使われることが多いです。
宗教改革でできたプロテスタントの葬儀では忌慰料とも書きます。御花料と表書きに書いた場合はお花をあげて下さいと言う意味になるので、カトリックやプロテスタントのどちらにも使うことが可能です。
基本的にキリスト教の葬儀では水引は使いませんが、水引をつける場合には黒白の水引で結び切りの香典袋を選ぶのが無難です。
キリスト教の香典袋は、文具店や専門店で購入できます。注意点としては、御香典と印刷している香典袋や蓮の花が印刷してあるものは使わないほうがいいということです。キリスト教での葬儀では、十字架や百合の花が書かれている香典袋を使うことがマナーなので注意しておきましょう。
宗教が分からない場合は、御霊前と書くことが無難です。御霊前は神式でもキリスト教でも使うことが可能だからです。ただし、浄土真宗の場合は御霊前が使えないので注意ましましょう。
また、香典袋は白地のものを選びます。香典袋に蓮の花が書いているものは仏教のみでしか使えません。十字架や百合の花が書かれているものは、キリスト教でしか使わないので、よく見て購入することもポイントです。
香典袋の水引の種類以外にも、渡す時にも知っておくと良いポイントがあります。上記で説明したこと以外にも、水引が折れることや香典袋の破損を防ぐために袱紗に包むことが大切です。そして、中袋の金額の書き方や、お金を入れる向きなどマナーとして知っておきたいポイントをご紹介します。
香典袋の中袋には包んだ金額や住所などを記入しますが、表側には包んだ金額、裏側には住所を書きます。表側の金額を書くポイントは、漢数字の大字で書くこと、金額の前には「金」と書くことです。
5,000円の場合だと、金伍仟圓と書き、10,000円は金壱萬圓と書きます。金額の不正を避けるために「壱・弐・参」といった旧漢数字を書くようになりました。重要書類や金銭に関わる書類などに使用します。
金額の最後に「也」はつけなくても問題ありません。最近の香典袋には、横書きで金額を書く欄が印刷されていることもあるので、その場合は算用数字で「1・2・3」のアラビア数字で金額を記入します。
裏側に住所を書くときには、楷書で郵便番号や住所を正確に書くことがポイントです。書く欄が印刷されていない場合は、一般的な縦書きで書きます。会社など連名で記入の場合書ききれないこともあるかもしれません。この場合、別紙に年齢の高い順に住所と名前を記入して中袋に同封しておきます。
夫婦で香典を出す場合は夫婦それぞれの名前を連名にして書いてもいいですが、夫の名前だけでも問題はありません。地域によって夫婦連名を避ける場合もあるので、分からないときには近所の方に確認するなどしましょう。
友人と連名で香典を出す場合は、2人のうちの年齢の高い方の名前を右側に書きます。3人の場合は、中央に年齢の高い方の名前を書いて左側にその他の人の名前を書くことがポイントです。年齢が同じであれば、五十音順に並べて書くのも問題ありません。
香典袋の表書きの部分では、薄墨で書くことがポイントです。市販の香典袋では表書きの文字が薄墨で書かれたように印刷しているものも多くあります。自分で書くときには、サインペンやボールペンは避けるのがマナーです。
中袋への金額や住所の記入の時にはサインペンでも構いませんが、できるだけ表書きと同じように薄墨で書くほうが好ましいです。ボールペンで書くことはマナー違反とされています。
薄墨を使うことにも意味があり、薄墨は涙が交じって黒色のインクが薄くなったことを意味します。故人を思って悲しんでいることを示すので、毛筆か薄墨の筆ペンで表書きと中袋に記入しましょう。
中袋へお金を入れる時には、向きをすべて揃えて裏向きにしておくことがマナーです。金額を書いた表側から見て反対側に向けて揃えて入れます。裏向きにするだけではなく、肖像画を下側にして入れることもポイントです。
肖像画を裏向きにして下向きに入れる理由は、故人の不幸に対して遺族にお悔やみをするという意味から来ています。肖像画を裏向きにし、顔を伏せるといった思いが込められています。
市販のものの中には、中袋が付いていないものもあります。入れ方は同じなので向きと上下をよく見ていれることが大切です。葬儀などでは、新札やしわが付いたお札・破れているものは使わないように注意しましょう。新札しかない場合は、綺麗に折って折り目をつけておきます。
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香典袋には水引の色の違いや結びの違いで金額が変わったり、宗教や宗派によって表書きや水引が違ったりもします。自分が行くお葬式の地域や宗教・宗派を調べて香典を用意しておくと無難です。難しいようであれば、一般的な水引のものや表書きにしておくといいでしょう。
その他にも表書きや中袋に記入する際は薄墨を使って書くことや、金額や住所を正確に正しく書くこと、名前の書き方やお札をいれる向きなど様々なポイントがありました。このポイントを香典袋の準備に役立ててください。分からないことがあれば、小さなお葬式へご相談ください。
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四十九日法要は、故人が亡くなってから48日目に執り行います。ホゥ。