「納棺の儀式の際の服装がわからない」「必ず喪服でないといけないのか」と考えている方もいるのではないでしょうか。
結論を言うと、納棺を葬儀場でする際には喪服がマナーですが、家で行う場合は平服でも問題ありません。
ただし、しっかりマナーを理解していないと、故人との最後のお別れで恥をかいてしまう可能性もあります。
そこでこの記事では、納棺の際の服装からマナー、流れまで解説します。一連の流れを理解して、突然の訃報にも対応できるよう、ぜひ最後までご覧ください。葬儀全体の流れについても、あわせて理解を深めておきましょう。
<この記事の要点>
・納棺とは、故人の体をきれいにしてから旅立たせることで、来世を迎えるための準備を行う意味がある
・納棺を葬儀場でする際には喪服の着用がマナーだが、家で行う場合は平服でもよい
・ジーンズなどのラフすぎる格好や、派手な色・柄物、露出が多い服装はマナー違反となるため注意する
こんな人におすすめ
納棺の儀式や流れについて知りたい方
納棺を葬儀場でする際の服装が知りたい方
納棺を家で行う場合の服装が知りたい方
納棺の儀式は頻繁に行うものではないため、不安な人も多いかと思います。納棺について聞いたことがあり、ある程度理解しているとはいえ、言葉の意味やかかる時間など細かな流れまで把握している人は少ないのが現状です。
納棺の儀式について詳しく理解していることで、スムーズに行うことができ余裕を持って故人を送り出せます。こちらでは納棺の儀式について詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
読みは「のうかん」です。納棺はその名の通り、故人を棺に納める儀式を意味します。
ただ棺に入れるのではなく、温水で体を拭き清め、メイクを施す工程も納棺の一部です。
納棺は、人前に出る機会が増える通夜や告別式の前に行われることが多く、重要な意味を持つ行事です。
故人の最後の身支度という意味があるため、基本的には親族や親しい関係者のみで儀式を行います。通夜や葬儀に比べるとあまり知られていませんが、非常に大切な行事です。
納棺は主に、故人への思いやりを込めて行われます。故人の体をきれいにしてから旅立たせることで、来世を迎えるための準備を行うという意味も込められているのです。
また納棺は「湯灌」という別の言葉で表す場合もあります。
湯灌とは故人を湯船に入れ、温水などできれいにすることです。洗浄した後は着衣させて納棺するため、こちらの呼び方で納棺全般を表す場合もあります。
入浴は日常の中で、その日一日の疲れをゆっくり癒す行為として行われます。故人にも同じ気分を味わってもらい、気持ちよく次の世界へ旅立つことが大きな目的です。
納棺にかかる時間は、約1時間です。ただ棺に入れるだけではなく、体をきれいにする湯灌が含まれているため、それなりの時間を要します。ただし、簡易的なものだと30分程度で終わることも多いです。オプションや葬儀社が行っているプラン内容によって変わるので、あらかじめ確認しておきましょう。
反対に、2~3時間かけてじっくり行いたいという要望を持っている方もいます。どちらにせよ通夜の前の行われることが多いため、おおよそ16時ごろからスタートするのが一般的です。
実際にどのようにして故人を湯灌し、納棺していくのか一連の流れを解説していきます。
大きな流れとしては、体を拭いてから「逆さ水」をかけ、メイクをした後故人との思い出の品物を納めて納棺となります。
大まかな手順を確認し直すことで、予算の削減やスムーズに進行できます。
こちらでは一連の流れを5つの手順に分けて紹介します。
まずは清潔な布団の上に移動して綺麗に体を拭き、次に「逆さ水」を故人にかけます。「逆さ水」は水にお湯を足して作ったぬるま湯で、その名の通り足元から膝、お腹、胸元と逆さまにかけていきます。こうしてじっくり清めることが重要です。
マッサージを施しながら故人の関節を曲げ、自宅の浴槽や持ち込み浴槽などで入浴を行います。体を洗い、清め終わったら男性なら髭剃り、女性ならメイクなど、髪や顔を整えていきます。
髭剃りは基本的に男性スタッフが行いますが、産毛を剃る場合は女性スタッフが担当するケースが多いです。メイクは自然に見えるように、ナチュラルなものを施します。
最後に身支度を整えるため、死装束という衣服を着せます。死装束は白い浴衣のような見た目で、死後の世界へ旅立つ際に着るとされている衣服です。
ただし最近では、故人が生前によく来ていた服装を死装束として着付ける場合も多くなっています。
他にも鼻と口などを脱脂綿で詰めます。脱脂綿は体液などが出るのを防ぐ役割をしているため重要です。
脱脂綿を詰める作業が完了した後は、そのままご遺体を棺の中に移し、布団をかけて納棺します。納棺の作業は親族や親しい人を中心に行います。納棺した後は祭壇に安置し、通夜を行います。
その後僧侶を迎え、18時ごろから焼香を行うケースが多いです。
納棺した後は担当者から説明を受けながら、副葬品を入れて花を飾ります。この時入れる副葬品は、故人の愛用していたものや、思い入れのあるものが好ましいです。
副葬品は「死者があの世で使うもの」とされています。よく入れられるものとしては花や手紙、洋服などです。入れてはいけないものとしては、生存している人も写っている写真、燃えない指輪やメガネ、燃やすことを法律で禁止されている紙幣などがあります。
生存している人が写っている写真を副葬品として入れてしまうと、その人も死者の世界に連れて行かれるという言い伝えがあります。こちらはトラブルになる可能性もあるため、注意が必要です。
葬儀場で納棺を行う際には、喪服の着用がマナーとされています。葬儀場の場合、納棺の後に通夜が行われます。葬儀には喪服での参列が常識とされているため、平服で来てしまうと着替える手間がふえてしまいます。
ここでは喪服のマナーや着方について男性、女性、子ども別に分けて解説していきます。
男性の喪服は黒のスーツが基本です。暗めのグレーやネイビーなども避け、黒も漆黒に近い黒色を選びましょう。
注意なのはアクセサリーとサイズです。他にもアクセサリーは派手な印象が大きいため、つけていくと不謹慎と思われる可能性も高くなります。
よって男性のアクセサリーは結婚指輪のみに留めておくことがポイントです。他にも殺生を連想させてしまうためレザーなどの革製品も避けるべきです。靴やベルトは問題ないですが、蛇柄などの派手なものは失礼に値します。
女性の喪服は黒のワンピースやスーツが基本です。ワンピースを選ぶ場合、光沢感のあるものや、スパンコールやラメなどがあるものは避けるべきです。
またワンピースでもスーツでも男性と同じく漆黒に近い黒を選ぶことが基本となります。
アクセサリーやバッグ、靴にも注意が必要です。かかとの高いピンヒールや派手なレザー製品、殺生を連想させる毛皮なども失礼にあたります。
他にも手荷物が増えることも頭に入れておくことが大切です。よって黒のサブバックや少し大きめの鞄で参加しても問題ありません。
子どもにとっての喪服は制服です。ただし制服がない学校や未就学の場合は、大人と同じ基準で考え、用意する必要があります。
女の子なら光沢やラメのない無地の黒のワンピース、男の子なら黒のズボンやジャケットが必要です。大人と同様、派手なアクセサリーや金属の見えるバックなどはマナー違反にあたります。
納棺の際に着る衣服について注意点を3つ紹介します。納棺は通夜や葬儀とは違い、場所によっては平服でも参加可能というケースも多いです。
ただしその中にもマナーが存在するので、どういった服が失礼に当たらないか注意点をしっかり理解しておきましょう。
よくある注意点についてまとめているので、納棺時の衣服に知見がない場合はぜひ参考にしてください。
私服可と伝えられているのであれば、ジーンズやラフな服装でも問題ありません。ただし、ジーンズやTシャツなどの服装はマナー違反になるケースがあります。
葬式は故人様との最後の別れの場です。マナーを知っておかないと何をしにきたのかわからず、親族の方に対しても失礼に当たってしまうため注意が必要です。
よって私服可能といえども、ラフすぎる格好はなるべく避けるようにしましょう。
派手な色や柄物、レザーなどの革製品も避けましょう。靴やベルトは問題ないですが、蛇柄などの派手なものは失礼にあたります。特にレザーは殺生を連想させてしまうため、納棺の衣服としては不適切です。
基本的には黒一色の服装であることをしっかり意識する必要があります。黒が用意できない場合は、濃いグレーや紺などの落ち着いた色味のものを選びましょう。
露出が多い服も、もちろんマナー違反にあたります。故人を偲ぶことが目的なので、ファッション性の高い服装は好まれません。
ワンピースの場合だと、膝下のロング丈が基本です。さらにストッキングも、できれば無地の黒を用意しましょう。ただし通夜に関しては準備が間に合わない可能性もあるので、肌色のストッキングでも特に問題はありません。
露出を控えめにして、控えめな服装を心がけましょう。
納棺を葬儀場ではなく家で行う場合は平服でも問題ありません。平服とは通常の私服を指すわけではないので、日常で着ている服装で参加するのはマナー違反になります。
葬儀での平服は「略喪服」という意味です。しっかりマナーを守らなければ不謹慎と思われてしまうこともあるため注意しましょう。
こちらでは平服の内容について解説します。
漆黒な喪服と異なり、平服はダークグレーなどの落ち着いたスーツでも問題ありません。
男性の場合紺やグレーでも認められます。また女性も黒に限らず、シンプルなものでしたら柄が入っていても問題ありません。
特に納棺や通夜の場合、突然おこなわれることが多く、準備が間に合わない可能性があります。その場合は準備できる中で、最も落ち着いた服装を選びましょう。
家で行う葬儀の場合、ほとんどが身内のみで済ませるケースが多いです。大勢の招待客に服装を見られる心配もないため、平服でも良いとしている場合があります。
ですが場所によっては、平服は禁止のところもあるため、参加前にしっかり確認しておくことが重要です。あくまでも故人を送り出す行事として、つつましい格好を意識しましょう。
自宅で行う葬儀だからといって、喪服はNGという決まりはありません。喪服での参加でも、もちろん認められます。特にそのまま通夜が行われる場合は、喪服のほうがスムーズに移動可能です。
ただしわざわざ喪服を用意するのも手間になるため、平服可とされている場合は合わせたほうが、負担が少ないでしょう。ご自身の準備の時間などを考えた上で、服装を選択してみてください。
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納棺は頻繁に参加する行事ではないため「服装は何を着ていけば良いのだろう」と不安になる人も多いです。喪服のマナーを心得ていることで、余裕を持って故人様の旅立ちを見送れます。
服装は、基本的には暗い色味で、落ち着いたものを選ぶよう心がけましょう。派手すぎたり、露出が多かったりしない限りは、失礼に当たる可能性は少ないです。記事を参考に、準備の負担になりすぎない衣服を選んでみてください。
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