臨済宗の焼香は何回?葬儀の流れと作法を分かりやすく解説

臨済宗の焼香は何回?葬儀の流れと作法を分かりやすく解説

葬儀に参列して焼香をする際に、どうすればよいのか分からなくて困ったことがある方は実は多いのではないでしょうか。宗派によって、葬儀における焼香の回数や作法は異なります。それぞれの作法について、詳しくは知らない方も少なくありません。

焼香の仕方や回数について、確かな知識を持てば、葬儀の準備も安心して進められ、参列する際にも安心です。この記事では、臨済宗における焼香の回数や作法を紹介します。また、臨済宗の特徴や葬儀の流れなども学べる内容です。

こんな人におすすめ

臨済宗の教えを知りたい方

臨済宗の焼香の作法を知りたい方

臨済宗の葬儀の流れを知りたい方

このままWEBで調べたい方小さなお葬式についてもっと知る
喪主が必ず読む本プレゼント!無料でお届けいたします。資料請求する
事前準備をすすめたい方喪主が必ず読む本プレゼント!無料でお届けいたします。資料請求する
小さなお葬式LINE公式アカウント

臨済宗の焼香・線香の作法

仏教式の葬儀では、たいてい焼香をする場面があります。しかし、宗派によって、焼香・線香の作法は異なるため、参列前には宗派を確認しておくと安心です。あらかじめ作法を知っておけば、葬儀を執り行う際にも、参列する場合にも不安はなくなります。ここでは臨済宗における焼香・線香の作法について詳しく確認しましょう。

焼香の方法やタイミング

葬儀ではさまざまな儀式が執り行われます。臨済宗の葬儀では、最後に、葬儀を執り行う僧侶である導師が、引導法語の儀式を執り行います。その後、参列者が焼香をします。

亡くなった方と関係が深い方から順に行います。順番が来たら席を立ち、香炉の前へ行きます。喪主、遺族、親族に続いて、席の順に参列者も焼香へと進みましょう。焼香の際には、「観音経」や「大悲心陀羅尼」(だいひしんだらに)などの経文が唱えられます。

香炉の前に進み出たらまずは仏前で合掌、礼拝です。次に、浄指(じょうし)と呼ばれる、右手の親指と中指と人差し指の3本の指でお香をつまみ、香炉にくべます。この際、一般的にはお香は額に頂きません。ただし、額にいただいてもマナー違反となるわけではないので、必要以上に気にしなくてもよいでしょう。

大切なのは、故人への気持ちを込めて焼香することです。その後、再び、合掌、礼拝して、席に戻ります。

<関連記事>
【動画で解説】もう迷わない焼香のやり方・マナー

焼香の回数

焼香でお香をくべる回数は、宗派によってさまざまです。臨済宗の葬儀においては、焼香の回数は1回が一般的です。ただし、同じ臨済宗であっても宗派によって異なることもありますので、不安な場合はお寺に確認しましょう。焼香回数が1回である理由には諸説ありますが、故人の冥福を一心に祈るためと言われています。

線香の本数

線香の数も宗派によって異なりますが、臨済宗では1本であることが通例です。葬儀会場でのお線香は、始まる前にお供えするのが一般的です。お棺の正面の台に香炉とともに置いてあることが多く、そこから1本を手に取ります。ろうそくで火をつけ、軽く手であおぐか、軽く線香を振って消して香炉に立てます。口で息を吹きかけて消してはいけません。

そもそも臨済宗とは?

臨済宗は禅宗のひとつで、中国で起こりました。鎌倉時代に栄西が中国、当時の宋に渡り修行を積み、日本に持ち帰ったのが日本の臨済宗の始まりです。その後、武家政権などの上流階級を中心に広まっていきました。臨済宗の教えとはどのようなものなのか、また、その教えを踏まえた葬儀の特徴は何かについて説明します。

臨済宗の教え

禅宗は悟りを得ることを目指しています。悟りとは、仏教の開祖であるお釈迦様が到達したといわれる、生死を超えた永遠の真理のことです。

禅宗においての悟りは、自分と向き合い、自分の持っている仏性(仏になれる性質・可能性)に気づいて、さまざまな執着を捨て去ることとされます。修行は、この悟りを得るため積まれるものです。

禅宗の考え方として、「不立文字」(ふりゅうもんじ)があります。お釈迦様の教えは文字や言葉によってではなく、修行体験によって伝えるものだとする思想です。

この考え方を基にして、身体的体験を重んじた座禅や公案が用いられます。特に、臨済宗においては座禅をしながら師に出された公案という問題に答える、「看話禅」(かんなぜん)というスタイルがとられます。

葬儀の特徴

臨済宗の教えに基づいて葬儀は執り行われます。臨済宗では自分の持っている仏性に気づいて執着を捨て去り、悟りを得ることを目指すので、亡くなった方を悟りへ導くように葬儀が構成されるという特徴があります。

ここからは葬儀に流れについて解説します。まず、授戒の儀式です。亡くなった方に仏門に入るための戒律を授けて、仏の弟子とします。次に、僧侶が経文を読み上げる念誦の儀式に移り、最後に仏性に目覚め仏の弟子となった故人を、仏の世界へと導くための引導の儀式が執り行われます。以上が葬儀の流れです。つまり、臨済宗での葬儀は仏の弟子にする授戒と、仏の世界へ導く引導が中心となった構成になっています。

臨済宗の葬儀における3つの儀式

臨済宗の葬儀は、その教えに基づいて亡くなった方を悟りへ導くように構成されますので、流れは授戒、念誦、引導の3つの要素に分けられます。つまり、悟りを目指すという臨済宗の教えが、それぞれの儀式に現れている構図です。ここでは、葬儀全体の流れと儀式が持つ意味について説明します。

授戒の儀式

授戒の儀式は、亡くなった人に仏門に入るための戒律を授けて、仏の弟子とするために行われます。授戒の中に含まれる主な儀式は次の通りです。

1. 剃髪:髪を剃る儀式で、カミソリを当てるふりをする
2. 懺悔文(ざんげもん):亡くなった人が生前の行いを反省して成仏できるように促す
3. 三帰戒文(さんきかいもん):仏・法・僧に帰依して、仏教の修行者となることを誓う
4. 三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)と十重禁戒(じゅうじゅうきんかい):亡くなった方を清めるための水を棺に注ぐ儀式。これで正式に仏門に入ったことになる
5. 血脈(けちみゃく)授与:お香をたき、仏の弟子となった証拠である「血脈」と書かれた紙をお供えする

念誦の儀式

導師が経文を読み上げます。念誦の中に含まれる主な儀式は次の通りです。それぞれに決まった経文を唱えます。

・入龕諷経(にゅうがんふぎん):故人を棺に納める儀式
・龕前念誦(がんぜんねんじゅ):棺を閉める儀式
・起龕諷経(きがんふぎん):出棺の儀式
・山頭念誦(さんとうねんじゅ):成仏のために経文を唱え、鈸(ばつ)や太鼓を鳴らす

引導の儀式

引導は葬儀の最後に行われ、仏性に目覚め仏の弟子となった故人を、導師が仏の世界へ導く儀式です。引導法語と呼ばれ、浄土に旅立たせるための法語を唱えます。法語の後半で、導師が「喝」と叫ぶことによって、故人をこの世から解き放つときが臨済宗の葬儀でのクライマックスです。

導師入場から出棺までの流れ

導師入場から出棺までの流れは次の通りです。

  儀式名 唱えられる経文
導師入場    
授戒の儀式 剃髪(ていはつ) 剃髪の偈(ていはつのげ)
懺悔文(さんげもん)  
三帰戒文(さんきかいもん)  
三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)  
十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)  
念誦の儀式 入龕諷経(にゅうがんふぎん) ・「大悲呪」(だいひしゅう)
・「回向文」(えこうもん)
龕前念誦(がんぜんねんじゅ) 「十仏名」(じゅうぶつみょう)
起龕諷経(きがんふぎん) ・「大悲呪」(だいひしゅう)
・「回向文」(えこうもん)
山頭念誦(さんとうねんじゅ) 「往生咒」(おうじょうしゅ)
引導の儀式 引導法語  
焼香   「観音経」・「大悲心陀羅尼」(だいひしんだらに)など
出棺   「回向文」(えこうもん)の後に出棺

起龕諷経の後に葬列が入ることもあります。その場合、焼香や弔辞などは葬列の前の段階で執り行うため、焼香のタイミングが変わることに注意しましょう。

臨済宗の数珠・香典の作法

臨済宗の葬儀における作法やマナーは、焼香・線香以外にもあります。葬儀の際に焼香の作法と併せて知っておきたいのは、数珠の形と持ち方です。また、葬儀に参列することになったら、香典の取り扱いについても知っておきたいところでしょう。焼香以外の作法として、数珠の持ち方と香典の表書の書き方について紹介します。

数珠の持ち方

臨済宗の正式な数珠は、看経念珠(かんきんねんじゅ)です。これは、親玉1個と、煩悩の数と同じ108個の玉を組ひもでつないだものです。略式の片手数珠も広く使われています。また、日蓮宗以外の各宗派で共通して使える振分念珠という、やはり108玉の長い数珠も使われます。

持ち方は、輪をひねって二重にして左手の手首にかけます。合掌する場合には、左手の親指と人差し指の間にかけ、房の部分は下にくるようにして、右手を合わせます。片手数珠の場合は、二重にせずにそのまま使いますが、持ち方は長い数珠と同じです。

<関連記事>
お葬式での数珠の使い方と宗派ごとの数珠の種類

香典の表書きの書き方

臨済宗では、他の宗派と同じように、葬儀など四十九日より前は「御霊前」と表書きに書いた香典を用意します。四十九日以降の法要においては、「御仏前」です。

一般的には、葬儀では薄墨を使用し、法要では濃墨を使用し、正式には筆で書きます。薄墨用、濃墨用の筆ペンを使っても構いません。表書きが印刷済みの香典袋も販売されています。

「喪主が必ず読む本」無料プレゼント中

「小さなお葬式」では、無料の資料をご請求いただいた方全員に「喪主が必ず読む本」をプレゼントいたします。

病院から危篤の連絡がきたときの対応方法や、親族が亡くなったときにやるべきこと、葬儀でのあいさつ文例など、喪主を務めるのが初めてという方にも役立つ情報が満載です。

いざというときの事前準備にぜひご活用ください。

喪主が必ず読む本

全員に「喪主が必ず読む本」プレゼント 無料資料請求はこちら

「小さなお葬式」で葬儀場・斎場をさがす

小さなお葬式は全国4,000ヶ所以上の葬儀場と提携しており、葬儀の規模や施設の設備などお近くの地域でご希望に応じた葬儀場をお選びいただけます。

まとめ

臨済宗の葬儀では、最後に導師が引導法語の儀式を執り行います。その後、参列者が焼香をする流れです。香炉の前に進み出たら、合掌・礼拝し、お香をつまんで香炉にくべます。一般的には、お香は額に頂かず、ただつまんで香炉に入れるのが作法です。

焼香の回数は、1回が一般的とされています。お線香は、葬儀が始まる前に1本をお供えするのが一般的です。葬儀のマナーは宗派によっても多少異なります。事前に宗派が分かる場合はしっかりマナーを確認しておくことが重要です。

小さなお葬式では葬儀、法要に関するさまざまなご相談をお受けしております。臨済宗の葬儀をどのように執り行ったらよいのか、焼香はどのようにしたらよいのかといったお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。24時間365日、葬儀に精通したコールスタッフが、通話無料でご連絡をお待ちしております。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
運営会社についてはこちら

このままWEBで調べたい方
小さなお葬式についてもっと知る
このままWEBで調べたい方小さなお葬式についてもっと知る
事前準備をすすめたい方 喪主が必ず読む本プレゼント 資料請求する(無料)
事前準備をすすめたい方喪主が必ず読む本プレゼント!無料でお届けいたします。資料請求する
小さなお葬式LINE公式アカウント
小さなお葬式LINE公式アカウント

この記事をシェアする

  • twitter
  • facebook
  • line
基礎知識・マナーを徹底的に解説 葬儀・葬式の流れ