墓守は、私たちのルーツになるご先祖様をお祀りし、心のよりどころになっているお墓を受け継いで守ります。墓守という名前からも、その役目が所有する墓地や墓石の管理をすることだとわかるでしょう。
しかし、管理といってもさまざまな仕事があり、実際にどのようなことをするのか詳しいことはあまり知られていません。そこでこの記事では、墓守の仕事や知っておきたい知識について紹介します。
現在、墓守について「次を誰にすればよいのか考えている」や「これから墓守になるが何をすればよいのか」などの、悩みをかけている方も多いでしょう。墓守について知りたい方はこの記事を読んでお役立てください。
<この記事の要点>
・墓守の仕事には墓地の区画内の清掃、年中行事への参加、管理費の負担などがある
・墓守が負担する費用として年間管理料、墓守の名義変更手数料、お布施などがある
・墓守になった場合「墓地の使用者の名義変更手続き」が必要
こんな人におすすめ
墓守とは何かを知りたい方
墓守にかかる費用を知りたい方
墓守になったら行う手続きを知りたい方
墓守とは、個人のお墓を管理する人のことです。一般的な慣習として、お墓を所有する家の後継者である長男が墓守を継ぐことが多い傾向にあります。もしも長男が継げない場合は、長男の兄弟・姉妹などが継ぐこともあります。
近年では、少子高齢化で墓守を継ぐ人がいないケースが多くなっています。そのため、現在墓守を担っている方にとっては「次の墓守をどうすべきか」「お墓をどうしたらよいのか」などの悩み事があることも多いのではないでしょうか。そこで、ここからは墓守の選び方について解説します。
祭祀財産(墓・仏壇・位牌・家系図など)を相続するのは、ほとんどの場合が長男です。戦前は、祭祀財産といった家の財産を長男が相続していました。現在も戦前からの風習が残っているので、家はもちろん、墓守も代々長男が継ぐのが一般的とされています。
ただし、祭祀財産を相続した方が墓守をしなければならないという法律があるわけではありません。そのため長男でなくてもほかの兄弟・姉妹や、それ以外の方が墓守になることも可能です。
しかし、近年では少子高齢化で家を継ぐ子供がいないなどのさまざまな理由で、墓守のなり手が決まらないこともあります。墓守の選任についての法律はありませんが、民法第897条を決め方の基準にすることが多いでしょう。条文において、重要な決め手の順番は次の通りとされています。
1. 祭祀財産の被相続人の遺言
2. 慣習で決める
3. 家庭裁判所で定める
上記の条件に当てはまる適任者がいる場合でも、住んでいる場所がお墓から遠いなど、何らかの理由で墓守の務めが難しいこともあります。そのような場合は、代わりに家族以外の別の方が墓守を務めることも可能です。
一般的に、一つの家のお墓を守っている家族や関係者を墓守と呼びます。また、それ以外でも、墓地の管理人が墓守と呼ばれることもあります。両者は就く人もすることも違いますが、勘違いして同一に捉えられていることもあります。ここからは、墓守と墓地の管理人との違いについて解説します。
霊園や寺院の墓地の管理人を墓守と呼ぶこともあります。しかし、あくまでも墓地の管理人は墓地内の共有施設やエリアの簡単な清掃や設備管理を職業にしている人です。
一般的に墓地と呼ばれる施設は、公営霊園、民間霊園、寺院墓地の3種類があり、次のようにそれぞれで管理運営する団体や人に違いがあります。
公営霊園は、都道府県や市区町村の地方自治体が運営している公営の墓地です。そのためほとんどの場合は、墓地が所在している地方自治体によって管理されており、中には地域住民が行っている所もあります。
民間霊園は、財団法人や社団法人、宗教法人が運営している墓地です。管理は委託先の民間企業によって行われています。
寺院墓地は、お寺の敷地にある墓地です。概ねが所在している寺院によって管理運営されています。そのため墓地の管理は寺院に勤めている人が担当しているのがほとんどです。
墓地の種類で、管理運営する団体と管理人に違いがあります。そして、これらの管理人の主な仕事は、霊園や寺院内にある墓地の共有施設やエリアの清掃・設備管理です。各々の家が所有するお墓一つひとつの手入れ・管理などは仕事に含まれません。
清掃や設備管理といった墓地の管理人の仕事と、墓守の仕事は異なります。ここからは、墓守がやらなければならない仕事について解説します。
「墓守の仕事はお墓の管理」と聞くと、ほとんどの方がお墓参りをイメージするでしょう。墓守はお盆やお彼岸などにお墓参りを行い、墓石と墓地の区画内の清掃を行います。
また、法事の施主・お盆やお彼岸・年末年始の年中行事に参加するのも墓守の仕事になります。その他、法要やお墓の維持に必要な清掃や、メンテナンスを行った際の費用、霊園や寺院で利用する施設の水道や光熱費といった管理費も負担することが一般的です。
お金に関することは、これから墓守に就く方が一番気になることではないでしょうか。そこで、ここからは墓守にかかってくる費用や税金について解説します。
墓守になる場合、自身が負担する費用と税金は気になることであり、トラブルにならないように知っておくことが大切です。
一般的に墓守が負担する主な費用は、次の4つです。
墓守は、お墓がある霊園や寺院に年間管理料を支払わなければなりません。年間管理料は墓地全体の維持に充てられます。霊園の場合、年間管理料は3,000円~15,000円くらいが目安でしょう。
また寺院では、年間管理料のほかに、檀家になる入檀料が必要な場合もあります。一般的には数千円~2・3万円ほどが目安です。年間管理料は地域や管理する霊園、寺院で異なるので、わからないことがあれば詳しい人に相談しましょう。
墓守が代われば霊園や寺院で名義変更の手続きをします。その際は手数料が必要になります。霊園・寺院で異なりますが、名義変更にかかる費用は1,500円~5,000円が目安です。
法要で僧侶に読経を上げてもらうとお布施が必要になります。法要の場合のお布施は、30,000円~50,000円が目安で、葬儀になると150,000円~500,000円ほどになるでしょう。
故人の納骨をする際に行う戒名などを墓石に刻む彫刻費は、30,000円~70,000円ほどになります。場合によってはメンテナンス費用も必要です。
このほかでは、法要の後で行う会食の費用も施主である墓守が費用を負担します。
先代から祭祀財産を相続した者が墓守になれば、固定資産税と相続税の納税義務が発生すると考える方もいるでしょう。しかし、基本的には納税義務は発生しません。その理由は次の通りです。
一般的に財産を相続すると相続税の納税義務が生じますが、墓守が受け継ぐ祭祀財産は非課税対象なので相続税は発生しません。
一般的に土地を所有すると固定資産税を納税しなければなりませんが、墓地の場合は永代使用権(代々、お墓の区画を使用する権利)を購入するので土地と墓石に固定資産税は課税されません。
相続税と固定資産税については課税されませんが、墓石の彫刻やメンテナンス、年間管理料などにかかる消費税は納めることになります。
ここからは、墓守になった場合に必要な手続きについて解説します。
祭祀財産を相続して墓守になると、行わなければならない手続きがあります。それは「墓地の使用者の名義変更手続き」です。手続きで提出する書類は霊園や寺院で異なりますが、共通している主な書類は以下の通りです。
・承継使用申請書
・申請者の実印と印鑑登録証明書
・申請者の戸籍謄本
・使用者(旧名義人)と申請者(新名義人)の戸籍上のつながりが確認できる戸籍謄本など
・霊園の使用許可証
このほかに、遺言で前の墓地の名義人が次の指名をしているときはそれが書かれた遺言書、指名がない場合は協議成立確認書と協議者全員の印鑑証明が必要になります。手続きについて詳しい内容は、霊園なら管理事務所、寺院なら住職や関係者に問い合わせましょう。
墓守は家族にとって大切なお墓を守っていくのが役目です。しかし、「お墓の近くに住むことができなくなり、管理が難しくなった」「家を継いでくれる子供がいない」といった理由で、墓守ができなくなる、あるいは継ぐ人がいなくなるときがあります。その場合に多くの方が選ぶ方法が「墓じまい」と「永代供養」です。
墓じまいとは、墓地からお墓を撤去して、遺骨をほかの場所に移す改葬のことです。墓じまいをするためには、次の4つのことを行います。
遺骨を移す改葬先を決めて、受入証明書を発行してもらいます。
①現在お墓がある地域の役所に改葬許可申請書をもらい記入します。
②霊園、寺院の墓地の管理者に改葬を承諾してもらった証に埋葬証明書を発行してもらいます。
③受入証明書・改葬許可申請書・埋葬証明書の3つを役所に提出して、改葬許可書を発行してもらいます。
僧侶を招いて、お墓の移動や撤去前に開眼供養や魂抜き、改葬先で開眼供養をしてもらいます。
墓石を撤去して改葬先に移動するか、もしくは廃棄するので石材店に依頼します。
墓守を継いでくれる人がいない場合や、お墓の管理とご先祖様の供養ができなくなった場合の方法として、永代供養があります。
永代供養とは、遺骨を霊園や寺院に預けて供養をしてもらうことです。永代供養では、遺骨を一般的なお墓や納骨堂、樹木葬などに納めて供養します。
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家族のルーツである大切なご先祖様の供養を後世に続けていくのが墓守の役目です。墓守はお墓を所有する家族が引き継ぐのが一般的ですが、場合によっては家族以外の人が務めることもできます。
墓守が担う役目は、地域や宗派・霊園・寺院によって細かいところで異なる場合があるため、どうすればよいのか戸惑うこともあるでしょう。そのような場合は、小さなお葬式へご相談ください。知識を持ったスタッフが丁寧にアドバイスいたします。
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