家族が亡くなると、死亡届を書くことになります。しかし、死亡診断書・検案書との違いが分からず、「書類に不備はないだろうか」と不安になる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、死亡診断書・検案書の違いをはじめ、名義変更や保険などの手続きに必要不可欠な死亡診断書・検案書(死亡届)をコピーし忘れたときの対処法について解説します。
<この記事の要点>
・死亡診断書は、事件性がなく死因が明らかな場合に担当医師から発行される
・死体検案書は「事件性がある」「事故」「自殺」「死因がはっきりしない」場合に警察から発行される
・死亡診断書・死体検案書(死亡届)は、市役所に提出する前に必ず10枚ほどコピーしておく
こんな人におすすめ
死亡診断書と検案書の違いを知りたい方
死亡届の提出方法を知りたい方
埋葬までの流れを知りたい方
大まかにいうと、死亡診断書は医師が書く書類で、検案書は警察医が書く書類という認識です。内容はほとんど同じで、故人の名前や死亡日時、死亡原因などが記されます。
この2つの書類の書式は同じで、書類名は「死亡診断書(検案書)」です。不必要な表記は、二重線で消してから必要事項を書き記されます。例えば、「死亡診断書」として出されるときは、横に書いてある「検案書」の部分には二重線が引かれるということです。
そして、死亡診断書・検案書の片側は、死亡届になっています。死亡届のほうは自分たちで書く必要があるので、忘れずに書きましょう。死亡診断書・検案書それぞれについて、以下で詳しく説明していきます。
死亡診断書は、事件性がなく死因も分かっていた場合に、担当の医師から出されるものです。例えば、入院先で死亡したり、治療していた病気が死因だったりした場合などがあてはまります。病院によって金額は異なりますが、数千円~1万円ほどが目安です。
一方で、医師が診断しても「診療したが死因が分からない」「死因が通院中の病気と違う」といったケースは、死亡診断書はすぐには作成されません。事件性がある可能性が残っているためです。この場合は、警察側によって遺体が検視・検案された後に、死亡診断書ではなく検案書が警察医から作成される流れになります。
かかりつけの医師ではなく、警察医が検案後に作成するのが検案書です。「事件性があると考えられる」「事故」「自殺」「死因がはっきりしない」などの場合は、警察が検視・検案します。
検視とは事件性があるときに行われるものです。事情聴取や現場の調査なども検視に当たります。
検案とは、警察医が死体の外傷や事件性の有無を調べることをいいます。事件性があったときは、司法解剖をする流れになるのが一般的です。司法解剖は基本的に断ることができませんが、公費で行われるため、遺族が支払いをする必要はありません。
検案書は、警察の検案後に出されるので、作成までに1日~1ヵ月ほどかかります。また死亡診断書とは異なり、いろいろな手順を踏むため、料金も数万円~10万円ほどと高額になることがほとんどです。遺体の搬送代や検案代、解剖などに大きく費用がかかります。
入院していて亡くなったケースを例にして解説しましょう。まず医師が死亡を確認し、死亡診断書を作成します。その間に、看護師が「エンゼルケア」といって、遺体をきれいに整えてくれるのが一般的です。その間、家族は葬儀社の手配をすすめておきます。
葬儀をお願いしたい葬儀社がすぐに見つからないときは、一時的に遺体を預かってくれる葬儀社をまず探しましょう。葬儀社には「葬儀社が見つかるまで一時的に預かって欲しい」という旨を必ず説明しておきます。
死亡診断書が医師から渡されたら、死亡届に必要事項を書き記しましょう。手配した葬儀社が病院へ到着したら、死亡診断書(死亡届)と遺体を葬儀社へ預けます。死亡診断書がないと遺体を搬送できないためです。その後、葬儀から埋葬までの流れを葬儀社と確認しましょう。
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死亡診断書よりも手順が多く、作成までの日数も多いのが検案書です。死因によって検案書が作成されるまでの流れが少し変わります。検案書作成にかかる金額も、手順が増えるごとに高額になっていきます。
以下では「事故などで死因がすぐに判明した」ときと「事件性があった」ときで、どう変わるのかを解説します。
警察の検視・検案後に死因がすぐに分かれば、検案書が警察医により作成され遺族へ渡されます。例えば、事故や自殺などで死因がすぐに判明した場合などです。1日~数日と、比較的すぐに検案書が作成され、同時に遺体も家族へ返されます。
警察の検視・検案で、事件に巻き込まれた可能性が考えられる場合では、死因や状況を突き止めるため、遺体を解剖します。検案には日数がかかり、その期間は数日~1ヵ月ほどです。
遺体の解剖は、遺族に許可を得て行う「承諾解剖」と、基本的に拒否ができない「行政解剖」や「司法解剖」に分けられます。ただし、事件性があると認められたときの解剖は、司法解剖であることがほとんどです。そのため、承諾解剖のケースは少ないと考えてよいでしょう。
検案が終わり、警察医が検案書を作成したら、遺体は家族の元へ返されます。
市役所に提出する前に、死亡診断書・検案書(死亡届)の書類は、必ず10枚ほどコピーしておきましょう。というのも、銀行などの金融機関、保険会社、携帯会社の解約や、その他名義変更の手続きなど、さまざまなことに死亡届のコピーが必要になるからです。市役所へ1度提出された死亡届は、返却してもらえないので注意しましょう。
死亡届は亡くなったことを知った日から、7日以内に市役所に出さなければなりません。海外にいて、7日以内の提出が難しい場合の期限は、3ヵ月以内です。提出する市役所は、故人の本拠地か現住所、もしくは、死亡地の市役所になります。提出期限を過ぎると、2万円の罰金を支払う必要があるので注意しましょう。
また、火葬をするために必要な「火葬許可証」は、死亡届の提出と同時に、市役所で申請する書類です。葬儀社では、市役所への死亡届の提出や、火葬許可証の申請を代行してくれることもあります。担当の葬儀スタッフに確認しておきましょう。
市役所へ死亡届を提出できるのは、戸籍法により同居している家族や親族、家主や地主と定められていますが、戸籍法でいう「提出」とは必要事項を記すまでのことを指します。そのため、記入は遺族が行い、提出などを葬儀社が代行するのは問題ありません。
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死亡診断書・検案書(死亡届)は条件付きで再発行ができます。再発行ができるのは3親等内の家族か配偶者のみです。また、「身分証明証」「戸籍謄本」「委任者からの署名・押印がある委任状」といった書類が必要なので準備しましょう。
市役所へ提出後は原本の返却はしてもらえませんが、死亡診断書・検案書(死亡届)を提出した市役所や、その管轄の法務局にて「死亡届の記載事項証明書」という、死亡届の写しを発行してもらうことが可能です。発行してもらった死亡届の記載事項証明書をコピーして、故人に関する手続きに使用することができます。
ここで注意したいのが、死亡届の記載事項証明書は、年金関連や郵便局の100万円を超える簡易保険金の支払手続きに使用するケースでしか発行できないということです。使用用途が証明できないときは、死亡届の記載事項証明書は発行してもらえないので気をつけましょう。
死亡届の記載事項証明書が発行できない場合や、市役所へ提出前に死亡診断書(死亡届)を紛失してしまったときは、死亡診断書を医師に再発行してもらえます。電話などで病院に事情を説明して、再発行に必要な書類や発行までの期間、金額などを確認しておきましょう。
検案書は、警察署に申請すれば再発行してもらえます。同じく必要書類などを確認しておきましょう。
死亡診断書・検案書(死亡届)は、コピー後に市役所へ提出することで終わりと思われがちですが、実は埋葬までに必要な書類と繋がっています。埋葬から逆算してみるとわかりやすいでしょう。
埋葬するためには「埋葬許可証」が必要です。埋葬許可証は、火葬後に火葬場でもらう書類です。そして、火葬をするためには「火葬許可証」が必要です。火葬許可証は、死亡診断書・検案書と死亡届を市役所に提出するのと同時に申請する書類です。このように、手順を踏まないと埋葬までの書類が揃わないようになっています。
次に、埋葬までの流れを解説します。家族が亡くなると、医師、または警察医から死亡診断書・検案書を作成してもらい、片側の死亡届に必要事項を書き記します。そして葬儀社に死亡診断書・検案書(死亡届)を渡し、葬儀の準備を進めていきましょう。
死亡届は、亡くなったのを知ってから国内なら7日以内に、国外なら3ヶ月以内に該当の市役所へ提出します。ほとんどの葬儀社は、代理で提出と火葬許可証の申請までしてくれるでしょう。火葬許可証が無いと火葬ができません。
火葬許可証を火葬場へ持って行き、火葬を済ませると、埋葬許可証が作成されます。埋葬許可証は寺院や墓地、納骨堂に埋葬する際に必要な書類です。どこへ埋葬するのか、埋葬の仕方などは家族内でよく話し合いましょう。
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死亡診断書・検案書の書式は同じですが、大きな違いは医師から作成してもらうか、警察医から作成してもらうかという点です。また、再発行は可能ですが、条件付きなので手続きが面倒になります。市役所へ提出する前に必ずコピーを取っておきましょう。
家族が亡くなり慌ただしくなったことで、書類のことまで手が回らない方がほとんどです。分からないことは、小さなお葬式スタッフにお気軽にご相談ください。24時間365日体制でお答えいたします。
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四十九日法要は、故人が亡くなってから48日目に執り行います。ホゥ。