検死を実行しなくても死亡診断書は付与されるのか?

検死を実行しなくても死亡診断書は付与されるのか?

公的年金や損害保険を受け取る手続きの際には「死亡診断書」が必要です。死亡診断書を付与してもらうには、「検死を実行しないといけない」と考えている方もいるでしょう。しかし、検死という言葉は一般人にはあまりなじみがないため、できれば検死をせずに死亡診断書を受け取りたいという方もいるでしょう。

検死と死亡診断書の関わりがわかれば、死亡診断書をもらうときの手続きをスムーズに行えます。そこでこの記事では、検死に関する概要や死亡診断書を手に入れる方法について解説します。検死や死亡診断書のことで疑問がある方はぜひ参考にしてください。

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検死とは

サスペンスドラマなどの中で「検死」という単語を聞いたことがある方もいるでしょう。そのため多くの方が、「検死」という単語の意味を「警察が遺体を調べること」だと捉えています。上記の意味が間違っているわけではありませんが、厳密にいうと意味合いが少し異なります。

日本において「検死」という法律用語はなく、明確な定義もありません。一般的には、「検視」「検案」「解剖」の3つをまとめた言葉が「検死」にあたります。中でも「検視」という言葉は、「検死」と字面が似ていて読み方も一緒なので、混同されることがよくあります。そこで、次項では「検視」について詳しく解説します。

検視とは

「検死」とは、主に逝去した原因が突発的なものである場合に、検察官や司法警察員という認定された警察職員によって実行される行為です。検視では、遺体の身元確認や犯罪の疑いがあるかどうかを調べます

検視と死亡診断書の関わり

本来、死亡診断書は故人が逝去したときに医師より付与されるものです。ただし、医師の判断で付与される場合は、以下の3つの状況に限られます。

病院で入院中に逝去した場合 医師がそのまま死亡診断書を発行し、付与されれば遺体を引き取り可能です。
かかりつけ医の診察を24時間以内に受けた後に自宅で逝去し、かつ患っていた病気が死因である場合 医師より死亡診断書を付与されます。
かかりつけ医の診察を受けて24時間以上が経ってから自宅で逝去し、再度医師が故人の確認を行い、今まで患っていた病気が死因であった場合 医師より死亡診断書を付与されます。

上記のような状況でない限り、医師の独断で死亡診断書を発行することは不可能です。また、その際に必要となるのが「検視」です。

いつ検視を実行するのか

「検視」を実行するタイミングは以下の通りです。

・逝去した時点で診察や治療を受けていない
・診察した結果、異常な点や疑わしい点が見つかった

具体的な例を挙げるとすると、薬物中毒などで逝去した、他殺もしくは自殺と考えられる状況で逝去した、交通事故によって逝去した、などです。これらの状況では「変死」として扱われ、「検視」が必要になります。

また何らかの事情があり、送り届けた先の医師によって死亡診断が実行されなかった場合でも「検視」は必要になります。

検視の流れ

検視の大まかな流れは以下のようになります。

1. 死亡場所のリサーチなどを実行する
2. 着類を調べる
3. 遺体の外面に異常がないか調べる
4. 死因のリサーチや診断が実行される
5. 遺体を要する場所へ送り届ける

「検視」の大まかな流れについて、下記で詳しく説明します。

1. 死亡場所のリサーチなど実行する

まずはじめに、警察署員が逝去した場所の状況をリサーチしたり、記録や証拠保全を実行したりします。その後、遺体は葬儀社や専門の業者の車両で、警察署の霊安室に送り届けられます。この際、搬送業者の手配は、警察署が実行してくれることもあれば、自分で手配しなくてはいけないこともあります。

警察署が手配する場合、遺族に贔屓にしている業者の有無を聞き、あればその業者に委託、なければ近くの業者に委託する流れが多いでしょう。

2. 着類を調べる

霊安室に到着した後に、遺体が帯している着類は全て脱がされます。その着類は事件性や犯罪性の有無を調べる際に使用され、何も異常がなければ遺族へと遺留品として返されます。

3. 遺体の外面に異常がないか調べる

肌や髪など、遺体の外面的な箇所を調べます。この際、指紋採取や写真撮影などが行われます。

4. 死因のリサーチや診断が実行される

死体検案書を発行するために、警察署が委託した医師によって死因のリサーチが実行されます。書類には推定死亡時刻や死因などが記入されます。

この死体検案書が遺族の手に渡るタイミングは、検視後に遺体を送り届ける葬儀社の元に遺体が渡った後になります。

5. 遺体を要する場所へ送り届ける

「検視」が終わると、送迎を担当している業者が自宅や斎場などへ遺体を送り届けます。検視には早くても半日、遅くても1日半程度の時間を要するため、その間に検視後の送り届け先を決めておくと、一連の流れを効率よく進めることが可能です。

検視を実行しないことは可能なのか

「検視」には時間も費用もかかるため、中には「行いたくない」という意見を持つ方もいるでしょう。しかし、「検視」を無視して手続きを進めることは不可能です。故人が変死とされる状況だった場合、必ず「検視」を実行しなければいけないという法律(刑事訴訟法)があります。

「検視」という手続きには犯罪性の有無を調べるための事情聴取も含まれているため、この事情聴取もまた、拒否することはできません。なお、検察官や特定の警察職員は、仮に遺族が拒否したとしても捜査のための令状を要せず、職権として「検視」を実行できます。

検案とは

検案とは、監察医や法医学者等が遺体の外面的な箇所を調べ、死因や逝去した時刻を医学的に判じることを指します。死因等を判定するには、過去に患っていた病気や逝去時の状況などを踏まえて導き出すのが一般的です。

検案をする際は、まず遺体の事件性の有無をリサーチして、かかりつけ医や近くの病院に連絡します。このときに発行される死体検案書は歯科医では発行不可能なので、検案の委託が目的の連絡であれば、歯科医以外の医師に連絡するようにしましょう。

死体検案書の発行には2万円~7万円ほどの費用を要しますが、法律などで正確な値段は定められておらず、医師によってばらばらです。

死体検案書に記載される情報は以下の通りです。

・名前
・生日
・逝去した場所
・死因とその種類
・外因子の追加事項
・生後1ヶ月未満で逝去した状況の追加事項
・その他の追加事項


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解剖とは

解剖とは本来、人間などの生物の体を切開して、体の構造を観察することです。検視や検案では、逝去した原因や犯罪の可能性を見出せないときに実行されます。

解剖にはいくつかの種類があり、それぞれ名称は以下の通りです。

・正常解剖
・司法解剖
・行政解剖
・病理解剖

ここからはそれぞれの解剖の種類について解説します。

正常解剖

正常解剖は人間の体のつくりを調べるために実行される解剖です。別称を「系統解剖」といい、身体の仕組みを学ぶという目的があります。

人間の体の構造が明らかになっていなかった時代ではその構造を明らかにするために実行されていましたが、今では医学教育の一部として実行されている解剖です。その際に用いられる遺体は、逝去した方の遺族が提供することが一般的です。しかしその場合は、故人の「献体する」という意向が生前になければいけません。

献体という制度が普及していなかった時代では、死刑囚の遺体が解剖に回されていました。なお、遺体を正常解剖に献体する場合は、献体を希望する本人が大学への登録をしないといけません。

司法解剖

遺体に事件の可能性があるか、疑わしい点がある場合は司法解剖を行います。専門の知識を持った法医学者が実行し、他殺の疑いがある遺体だけでなく、自殺や事故に遭った遺体も司法解剖に回ります。この司法解剖を実行するか否かは、遺族の意向では決められません。

警察や検察が司法解剖が必要だと決断したら、裁判所から「鑑定処分許可状」を発行してもらい、遺族の同意なしで解剖ができます。反対に、遺族が司法解剖を望んでも不要と判断されれば実行されません。

行政解剖

事件性がない場合は、正しい死因を明白にするため行政解剖が実行されます。こちらも司法解剖と同様に遺族の同意を要しません

行政解剖を実行できる人は監察医のみで、監察医制度は限定された地域にしか置かれていません。その他の地域では、遺族の同意なしで警察署長が解剖の指示を出します。

病理解剖

病気で逝去した方を対象に、診察の適切さや治療の効果を確かめるといった目的で実行されるのが病理解剖です。基本的には、臨床医が病理医に委託して解剖が実行されます。そのときの結果は医師間で共有され、今後の治療や医療の発展に活かされます。

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まとめ

死亡診断書を付与するときに必須となる「検死」は、「検視」「検案」「解剖」の3つを包括した言葉です。「検視」は事件性の有無を明白にするために実行され、「検案」は遺体の外面的な箇所をリサーチし、「解剖」は人の体を切開し内面的な箇所をリサーチするために行われます。これらを遺族が拒否することは基本的には不可能で、費用も遺族が負担しなくてはいけない場合があるでしょう。

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監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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