真宗大谷派とは、仏教の浄土真宗の宗派の1つです。鎌倉時代に親鸞が開いた浄土真宗は、阿弥陀如来に帰依することで誰でも仏になれると教えています。この記事では、真宗大谷派の教えや葬儀の特徴、帰敬式などについて詳しく解説します。
<この記事の要点>
・真宗大谷派では「浄土三部経」と呼ばれる、極楽浄土への往生について説く3つのお経を読む
・真宗大谷派の法要の中でもっとも重要な行事は報恩講で、親鸞に感謝を捧げる
・真宗大谷派の葬儀は、故人の供養や成仏のために執り行うものではないのが特徴
こんな人におすすめ
浄土真宗の宗派について知りたい方
真宗大谷派の歴史や教えを知りたい方
真宗大谷派の通夜や葬儀の流れについて知りたい方
真宗大谷派とは、どのような宗派なのでしょうか。ここからは浄土真宗の歴史と派閥、主要な寺院について紹介します。
親鸞によって鎌倉時代に開かれた浄土真宗は、室町時代に庶民に広まりました。16世紀末に、織田信長と石山本願寺の争いを巡って浄土真宗の中で意見が分かれ、「和睦派」と「対立派」に二分されました。
その後、徳川家康に京都府の土地を寄進され、新しい本願寺が建立されました。この本願寺が真宗大谷派の本山となり、こうして浄土真宗は龍谷山本願寺を本山とする「浄土真宗本願寺派」と「真宗大谷派」とに分かれました。
真宗大谷派の本山は、京都府の東本願寺です。正式名称は「真宗本廟」で、御影堂には親鸞の御真影があります。
本尊である阿弥陀如来は、阿弥陀堂に置かれています。北海道から沖縄まで全国52か所に別院があり、ハワイ、ロサンゼルス、ブラジルなど海外にもあります。また、真宗大谷派に所属している寺院は8,000以上ともいわれています。
浄土真宗の宗派の1つである真宗大谷派は、どのような教えを持っているのでしょうか。ここからは、浄土宗との違いや念仏と他力本願、経典について解説します。
親鸞は浄土宗を開いた法然を師と仰ぎ、その教えをさらに発展させて浄土真宗を開きました。「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることによって、誰でも極楽浄土に往生できるというのが浄土宗の教えです。浄土真宗では、阿弥陀仏の救いを信じてゆだねれば往生できると教えています。
浄土真宗では、阿弥陀如来を信じるだけで仏になり、極楽浄土へ往生できるといわれています。つまり、念仏を唱えるのは往生するためではなく、阿弥陀如来の救いに委ねる「他力本願」の考えを持ち、救いに対するお礼の気持ちを伝えるためです。
浄土宗では「般若心経(はんにゃしんぎょう)」を読みますが、真宗大谷派では法然が定めた「浄土三部経」と呼ばれる、極楽浄土への往生について説く3つのお経を読みます。
念仏によって浄土に往生できることを説いた「無量寿経(むりょうじゅきょう)」、お釈迦様が浄土について説く「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)」、極楽の光景を描写した「阿弥陀経(あみだきょう)」です。
また、親鸞が書き著し、生涯をかけて手を加え続けた「教行信証(きょうぎょうしんしょう)」や、その一部である「正信偈(しょうしんげ)」などもあります。
浄土真宗では、派閥にかかわらず同じ念仏・数珠を用いますが、真宗大谷派の作法には、浄土真宗本願寺派と異なるものがあります。ここからは、真宗大谷派の念仏、数珠、勤行、報恩講(ほうおんこう)の作法について解説します。
「南無阿弥陀仏」という念仏は「なむあみだぶつ」と読まれます。ただし、少し崩して「なんまんだぶ」と読まれることもあります。また、浄土真宗本願寺派では「なもあみだぶつ」と発音することもあります。
真宗大谷派の数珠の使い方は、房を上にして合掌した手の親指に挟んでかけて、房を左手側に垂らします。浄土真宗本願寺派では、房を下に垂らして親指で上を押さえるようにして持ちます。
毎日行う勤行に「教行信証」の一部である「正信偈(しょうしんげ)」を読みます。これは、親鸞が仏教の教えが伝えられてきたことに対する感銘を「偈文(げもん)」という詩で表現したものです。
また、報恩講は真宗大谷派の法要の中でもっとも重要な行事です。御正忌(ごしょうき)、お七夜(しちや)とも呼ばれます。親鸞の祥月命日の11月28日頃に行われ、親鸞に感謝を捧げます。
「故人はすぐに仏になる」という教えを持つ、真宗大谷派の葬儀とはどのようなものなのでしょうか。ここからは、通夜や葬儀の特徴について紹介します。
真宗大谷派の葬儀は、故人の供養や成仏のために執り行うものではないという特徴があります。亡くなったらすぐに、阿弥陀如来により極楽浄土に迎えられるという教えがあるからです。
また、葬儀の際、参列者は故人に対して礼拝をすることが一般的だと考えている方が多いかもしれません。しかし、真宗大谷派の葬儀では、礼拝は故人に対してではなく阿弥陀如来の救いに対してお礼の気持ちを込めて礼拝します。
真宗大谷派の通夜は、次のような流れで執り行われます。
1. 僧侶に勤行をしてもらい、阿弥陀如来への感謝を述べる
2. 生前に法名をもらっていない場合は、帰敬式を受けて法名を授かる
3. 僧侶に通夜の説法をしてもらいます。
4. 僧侶と参列者をもてなす食事会を開く(通夜振る舞い)
斎場で行われる真宗大谷派の葬儀は、次のような流れで進みます。
1. 葬儀式第二
真宗大谷派の葬儀は「葬儀式第一」と「葬儀式第二」の二部構成になっています。斎場での葬儀の場合は「葬儀式第二」が執り行われます。最初に参列者全員で念仏を唱えて、その後読経、正信偈、焼香などが行われます。
2. 出棺式
念仏を唱えてから故人とのお別れをします。
3. 火葬・拾骨
火葬して遺骨を骨壷に納めます。
4. 初七日法要
故人は仏になっているため、遺族の精進明けの意味があります。
帰敬式(ききょうしき)とは、浄土真宗に入信する際に受ける儀式のことです。浄土真宗を信じて人生を歩むことを誓う大切な儀式です。かみそりを信者の頭に当てて、剃髪するふりをすることから、「おかみそり」とも呼ばれています。
帰敬式を受けると「法名」をもらいます。帰敬式を行い法名を授かることで、阿弥陀如来の教えに導かれて生きていくことの始まりとなります。生前に法名を授かっている場合は、死後に再度法名をいただく必要はありません。
真宗大谷派の本山である東本願寺では毎日帰敬式が行われていますが、各地の所属寺では帰敬式の日が定められています。入信を検討している方は事前に確認しておきましょう。
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この記事では、真宗大谷派の教えや作法、葬儀の特徴や帰敬式について解説しました。真宗大谷派ついてよく理解した上で、葬儀に参列しましょう。
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お通夜とは、家族や友人たちが集まり、故人と最後の夜を過ごす儀式のことです。ホゥ。