日蓮宗とは?特徴やお経、葬儀の流れや焼香のマナーをわかりやすく解説

日蓮宗とは?特徴やお経、葬儀の流れや焼香のマナーをわかりやすく解説

鎌倉時代に日蓮が開いた日蓮宗は、災害や戦に苦しめられている民衆を仏教の力で救おうとしてきました。宗派名に日蓮の名を冠していますが、いったいどのような宗派なのでしょうか。日蓮宗の歴史、教義、思想や葬儀の作法について詳しく解説します。

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日蓮宗とは

日蓮宗は鎌倉時代に日蓮によって開かれた仏教宗派であり、総本山は山梨県の身延山久遠寺です。寺院は日本各地に約5300か所あります。

法華経を根本経典として、法華経の功徳は「南無妙法蓮華経」というお題目に集約されているとされています。そのため、お題目を唱えることを重要視しています。

日蓮宗の歴史や教義

日蓮宗とはどのような宗派なのか、基本的な知識を身に付けておきましょう。ここからは歴史、教義、経典、お唱えする言葉、仏壇の飾り方について解説します。

日蓮宗の歴史

鎌倉時代、比叡山で修行した日蓮は、法華経こそがお釈迦様の唯一の教えであると確信しました。当時は、地震や噴火が相次ぎ、飢えや疫病に人々は苦しめられていました。

日蓮は日蓮宗を開き、「立正安国論」を著し、仏教により社会を安定させる方策を提言しました。しかし、浄土宗を邪法と非難したため、迫害を受けることになりました。流罪から放免された後には、身延山にて弟子を育て、布教に努めました。

日蓮宗の教義

法華経がお釈迦様の最高の教えであると位置付け、お題目を唱えることが重要な信仰の形であるとされています。

誰でも仏になれるという法華経の教えをもとに、信仰に励み広めることで、全ての人の幸せを実現できると説かれています。

日蓮宗の経典

日蓮宗が最も大切にしている経典は「妙法蓮華経(法華経)」です。法華経は、大乗仏教における代表的な経典の1つであり、元々はサンスクリット語で書かれています。

漢訳されたものはいくつかありますが、その中で最も普及しているものが、鳩摩羅什が訳した「妙法蓮華経」です。

日蓮宗でお唱えする言葉

お唱えするお題目は「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」です。これは、「法華経に帰依します」という意味の言葉です。

お題目を繰り返し唱えることにより、法華経への信仰を表します。死後には、「霊山浄土(りょうぜんじょうど)」と呼ばれる浄土において、釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)に会って成仏できると考えられています。

日蓮宗の仏壇の飾り方

仏壇では、中心に本尊である「十界曼荼羅(じっかいまんだら)」を祀ります。「十界曼荼羅」とは、中央にお題目が墨で大きく書かれており、周囲には仏様などが描かれている図です。脇侍としては、向かって右側に鬼子母神、左側に大黒天を安置しましょう。

久遠実成や南無妙法蓮華経の思想

日蓮宗を支える思想とはどのようなものなのでしょうか。法華経を中心に据えた、久遠実成や南無妙法蓮華経の思想について解説します。

久遠実成の釈尊とは

法華経の中で説かれている「久遠実成の釈尊」とは、インドのブッダガヤで悟りを開いたお釈迦様は仮の姿であり、本当は永遠の命を持った存在で、はるか昔にすでに悟りを開いていたのだという考え方のことです。

久遠実成の釈尊は、ずっと人々を教え導き続けてきており、これからも救い続けてくれる存在だと考えられています。

自我偈とは

自我偈(じがげ)とは、「妙法蓮華経」の「如来寿量品第十六(にょらいじゅりょうほんだいじゅうろく)」の後半に掲げられている、「自我得仏来(じがとくぶつらい)」で始まる偈のことです。偈とは、仏の教えを表したり仏の功徳を称えたりする詩のことです。自我偈では、仏の命は永遠であるという、久遠実成の釈尊について述べられています。

お題目の意味

お題目である「南無妙法蓮華経」のうち、「南無」は「帰依する」という意味です。すなわちお題目の意味は、「妙法蓮華経に帰依します」ということです。

お釈迦様の功徳が集約されているお題目を唱えると、自分の心の中にある仏の心が導き出されます。

観心本尊抄とは

観心本尊抄は日蓮が教えを説いた、代表的著作であり、「一念三千(いちねんさんぜん)」の思想が書かれています。仏の世界も含んだ三千もの世界が、誰の心の中にも含まれているという教えです。

お釈迦様の悟り、すなわち仏の世界のことはお題目に集約されているため、すでに目の前に現れており、お題目を唱えることは仏の世界を心の中に持つことと同じであるとされています。

撰時抄とは

お釈迦様の死後、次第に仏の教えが衰えていくという考え方が「末法思想」です。日本では平安時代にその時期が到来したと考えられていました。

日蓮は「撰時抄(せんじしょう)」を著し、今の時代に合わせて仏法を説き、今生きている人々全員を救わなければならないと述べました。そのために必要とされるのが、「南無妙法蓮華経」というお題目であると主張したのです。

日蓮宗の葬儀の作法

日蓮宗の葬儀はどのように執り行われるのでしょうか。葬儀の流れ、焼香の作法、香典の包み方、葬儀費用の目安について解説します。

日蓮宗の葬儀の流れ

日蓮宗の葬儀は次のような流れで執り行われます。

1.総礼(そうらい) 僧侶がお題目を唱えます。
2.道場偈(どうじょうげ) 仏を請い招く声明(しょうみょう)を流します。
3.三宝礼(さんぽうらい) 三宝(仏・法・僧)を、一節ごとに立礼して礼拝します。
4.勧請(かんじょう) 日蓮上人や菩薩、諸仏諸尊を請い招きます。
5.開経偈(かいきょうげ) 法華経の功徳をたたえます。
6.読経 法華経を読経します。
7.咒讃鐃鈸(しゅさんにょうはち) 声明と器楽演奏により諸仏を供養します。(僧侶が複数人の場合のみ行われます)
8.開棺(かいかん) 僧侶が棺を軽く叩き、読経します。
9.引導(いんどう) 故人の徳をたたえ、仏様に故人を引き合わせます。
10.焼香・唱題 題目を唱え終わるまでに遺族、参列者が焼香します。
11.宝塔偈・回向 宝塔偈は、回向の前に唱える偈文です。法華経の功徳を讃えます。回向では、現世の安穏や死後良い所に生まれることを願います。
12.四誓・三帰・奉送 四誓では、人々を救う誓いの言葉を唱えます。三帰では、三宝に帰依して仏道に精進することを誓います。奉送では、諸仏諸尊をお送りします。

日蓮宗の焼香の作法

合掌して一礼し、抹香を額に押しいただいてから香炉にくべます。正式な焼香の作法としては3回繰り返します

参列者が多い場合には、1回でもかまいません。数珠を左手にかけた状態で合掌して一礼し、自分の席に戻りましょう。

日蓮宗の香典の包み方

香典の不祝儀袋の表書きは、「御霊前」か「御香典」と書きます。水引の下、中央に差出人の氏名を書きます。

包む金額の目安は、勤務先の関係者であれば5,000円、友人であれば5,000円~10,000円、祖父母であれば10,000円~30,000円、兄弟姉妹であれば30,000円~50,000円、親であれば50,000円~100,000円程度です。金額は地域や関係性によっても大きく変わりますので、周囲の方に相談するのがおすすめです。

日蓮宗の葬儀費用の目安

葬儀費用は、参列者の人数、会場、葬儀形式などによって大きく異なります。日蓮宗の場合は、特有の葬具があるかどうかによっても費用が変わります。

一般葬を執り行った場合の葬儀費用総額の目安は190万円程度※で、家族葬の場合は110万円程度※です。ただし、状況によって変わることを考慮しておきましょう。
(※対象期間:2021年2月~2022年5月 2022年5月 自社調べ)

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まとめ

日蓮宗は鎌倉時代に日蓮によって開かれた仏教宗派です。法華経がお釈迦様の最高の教えであると位置付け、お題目を唱えることが重要な信仰の形であるとされています。日蓮宗についてよく理解した上で、葬儀に参列しましょう。

小さなお葬式では、葬儀に精通したコールスタッフが、24時間365日、通話料無料でご連絡をお待ちしております。日蓮宗について知りたい方や、葬儀についての疑問をお持ちの方は、ぜひ小さなお葬式へお気軽にご相談ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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