小規模で執り行われる葬儀の新しい形として家族葬は定着しつつあります。以前は都市部のみでしたが、現在では高齢化が進むにつれて全国的に浸透しています。また、経済的な負担を家族にかけたくないという考えから、家族葬を選択している方が増えているのです。
家族葬について、通夜や告別式の流れや一般葬との違いなどを詳しく知りたいという方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、家族葬についてご紹介します。また、あわせて喪主の挨拶例文についても見ていきましょう。葬儀に関する知識を事前に持っていれば、いざというときに迷わずに対応ができます。ぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・家族葬の通夜は約2時間、告別式は約3時間かかる
・「告別式のみ」や「通夜・告別式なし」など家族葬の形式はさまざま
・喪主の挨拶では、縁起の悪い「重ね言葉」や「忌み言葉」を避ける
こんな人におすすめ
家族葬をお考えの方
通夜・告別式なしの家族葬を検討中の方
一般葬と家族葬の違いを知りたい方
家族葬における通夜や告別式の一連の流れについて解説します。
家族葬といっても、大まかな流れは一般葬とあまり変わりません。一般葬と比べて参列者が少ない分、所要時間は短めとなる場合が多くあります。家族葬の通夜や告別式の流れ、所要時間について、詳しく見ていきましょう。
家族葬の所要時間は、特別な通夜にしない限り2時間程度で終わります。流れについても、一般的な通夜とあまり変わりはありません。
まず、通夜は親族の集合から始まります。集合が開始時間より早すぎても手持ち無沙汰になるため、30分前程度がよいでしょう。多くの場合、30分前であれば待合室が使用可能になります。家族や親族が先に入場し、僧侶を待ちます。無宗教で通夜を行う場合、僧侶の入場は省かれます。ここまでで1時間程度となります。
通夜の開式宣言は、式場のスタッフがおこないます。その後、焼香です。喪主から焼香をして、遺族の焼香が終わった後に弔問者の焼香がおこなわれます。焼香をする人数によって時間は変動しますが、家族葬なら15分~30分で終了する場合が多いでしょう。
焼香が終わると、僧侶が法話を行い退場します。法話の長さにもよりますが、5分ほどかかります。その後、司会者が通夜の閉式の宣言をして通夜は終わります。通夜振る舞いをおこなう場合、通常1時間~2時間で解散となります。
たとえば、17時に開始した場合は、20時までには終了すると考えてよいでしょう。
告別式の流れと所要時間を見ていきましょう。告別式は、9時に集合する場合、12時には終わることが多いようです。つまり、家族葬の告別式は3時間ほどとなります。
告別式は、開始時間が早いことも多いため、遅れないように注意しましょう。多くの場合、30分前から待合室の利用が可能となります。遺族・親族の入場完了後に僧侶が入場して、司会が告別式の開式宣言をします。ここまでで約1時間かかります。
その後、喪主から順に焼香をおこない会葬者の焼香となります。焼香にかかる時間は、家族葬の場合、30分程度となります。
焼香が終わると、告別式の閉式宣言を司会が行います。その後、出棺準備とお別れの儀式が始まります。故人の棺に愛用品や花を入れ、出棺挨拶を喪主がおこないます。家族葬でも挨拶をすることが一般的です。
その後、火葬場へ出発します。約30分で火葬が終わり、骨壺へ納骨します。葬儀式場と火葬場が離れている場合は移動時間がかかりますが、火葬から納骨までの時間は1時間ほどとなる場合が多いでしょう。
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葬儀の参列にはマナーが重要!スムーズに参列するにはどうすればよい?
家族葬は一般葬とは異なり、新しい葬儀のスタイルです。家族葬の場合、家族以外が参列してもよいのか迷う方もいるのではないでしょうか。
ここでは、参列を避けたほうがよい場合と参列が可能な家族葬について違いを見ていきます。ただし、家族葬との連絡が来た場合は、一般的には参列を見合わせた方が無難です。
家族葬への参列について、訃報の連絡に「参列を遠慮する」や「お断りする」という旨の文言が明記されている場合は、参列すべきではありません。
また、葬儀場の日にちや場所などの情報が訃報の連絡に書かれていない場合も、参列は避けたほうがよいでしょう。原則として家族葬と訃報の連絡に詳しい情報が書かれていない場合は、参列は見合わせたほうがよいと考えましょう。
生前お世話になり、どうしても焼香をしたいときは、葬儀・葬式の後に遺族へ連絡を取り、別の機会に訪問するようにしましょう。
家族葬であっても、訃報の連絡に葬儀式場の場所や日時などの詳しい情報が記載されていて、参列を辞退してもらいたい旨の文言が明記されていない場合は、参列可能と考えてよいでしょう。
ただ、家族葬は原則として家族以外は参加すべきではないという考え方のため、遺族へ事前に連絡を入れて参列してもよいのか確認しましょう。
また、参列可能であっても、高額な香典を持っていかないように注意してください。案内状などに香典辞退の旨が書かれているのなら、念のため持参して、辞退の言葉を聞いて取り下げることがマナーです。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
家族葬は一般葬とは異なり、自由度の高い葬儀です。そのため、「告別式のみ」や「通夜・告別式なし」など、さまざまな形式の葬儀をすることができます。
家族葬の参列者は家族、親族、親しい友人に限られるため、一般的に想像されるような葬儀を執りおこなわなくても問題はありません。故人や家族が望む形の葬儀をおこなうことが第一とされています。
ここでは、告別式のみの形式や通夜・告別式なしの形式の家族葬のメリットについてご紹介します。
告別式のみの家族葬とは、通夜をおこなわないということです。通夜とは本来、故人の家族や親族が、故人が生き返ることを願い、一晩中故人に寄り添い思い出を語り合うものでした。故人が亡くなったことを受け入れるための準備期間が通夜です。会社関係者など、一般の弔問客が参列して別れを惜しむのが告別式になります。
家族葬の参列者は、故人の家族や親族、親しい知人となるため、会社関係者のような一般の弔問客は参列しません。そのため、通夜と告別式を分ける必要がありません。また、1日ですべてを済ませるといった点から、告別式のみをおこないます。
葬儀が1日で終了するため、遺族のストレスや疲労を軽減させることができ、葬儀の費用も抑えることができるというメリットがあります。
通夜も告別式もおこなわず、直接火葬をするという形式の家族葬もあります。宗教的な価値観が薄れるにともない、通夜や告別式をおこなうことに意味を見出せないといった考え方や、故人の高齢化による交友関係の減少から、通夜や告別式をおこなわずに火葬をしてしまうのです。
この場合、通夜や告別式をおこなわないため経済的な負担が軽く、肉体的・精神的な負担が軽減できる点がメリットといえます。また、家族や親族といった、本当に故人とゆかりのあった方のみしか集まらないため、気兼ねなく故人を見送ることができます。
家族葬と一般葬の違いは、どこにあるのでしょうか。家族や親族、親しい友人のみおこなう葬儀が家族葬ですが、故人と親しい方しか参列しないため、比較的自由度の高い葬儀にすることができます。
たとえば、故人の趣味が音楽鑑賞であれば、プロの音楽演奏家を招いて生演奏を聞きながら葬儀をおこなうことも可能です。一方、一般葬の場合は、さまざまな考え方を持った方が参列するため、風習や慣習などを重視した、一般的に想像されるような型にはまった葬儀になる場合が多くあります。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
家族葬でも、喪主は挨拶をするようにしましょう。家族葬は自由度の高い葬儀ではありますが、故人の友人や知人が参列しているのであれば、挨拶をするようにします。家族のみの場合でも、挨拶をしたほうがよいでしょう。
家族葬の場合でも、喪主は必要になります。葬儀の提案は葬儀社がおこないますが、喪主は葬儀全般の最終的な決定権を持っています。喪主の挨拶とは、参列者に対してお礼を述べる場、また敬意を払う場になります。
喪主の挨拶では、使用すべきではないとされる言葉があります。たとえば、「重々」や「再三」、「たびたび」、「追って」などの重ね言葉が挙げられます。これは、不幸が重なることを連想させるため、避けるべきとされています。
また、忌み言葉である「迷う」、「浮かばれない」、「死去」、「死亡」、「生存中」といった言葉も、不吉といわれているため使用しないようにしましょう。喪主が挨拶をする際に注意したいポイントと、例文をご紹介します。
僧侶の読経が終わり、参列者の焼香が終了した後、通夜振る舞いの席へ移動します。喪主は、通夜振る舞いの席へ移動する前に挨拶をすることが一般的です。
ここで一例をご紹介します。
本日はお忙しい中、(故人の名)のために通夜へ足をお運びいただき、ありがとうございました。(故人の名)も皆様に見守られ、喜んでいることでしょう。
この後は、故人の思い出話などをお聞かせいただければと存じます。別室にお茶とお菓子を用意させていただきましたので、今しばらくお付き合いいただければ幸いです
通夜が終わった後には、通夜振る舞いといわれる軽食を用意します。通夜振る舞いの開式のときに、喪主は開式の挨拶をします。
本日は、お忙しい中、亡き(故人の名前)の通夜にお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。皆様には、ささやかではございますが、粗宴を用意させていただきました。お時間のご都合がよろしければ、ぜひ故人を偲び思い出話をしながらお召し上がりください
通夜振る舞いでは、喪主は閉式の挨拶もします。通夜振る舞いの時間は、1時間~2時間程度と考えましょう。タイミングを見計らい、挨拶をします。例文は下記のようになります。
本日は突然のことにも関わらず、(故人の名前)のために通夜へお越しいただきありがとうございます。故人との思い出話は尽きないとは存じますが、夜もふけてまいりましたので、本日はこのあたりでお開きとさせていただきます。
明日、葬儀を執り行いますので、ぜひお越しいただきますようよろしくお願いいたします。本日は、遅くまで誠にありがとうございます。故人に代わりまして厚く御礼を申し上げます
告別式の後に、喪主は遺族を代表して参列者へ告別式が終わった旨の挨拶をおこないます。家族葬の挨拶は一般葬と比較して簡単な挨拶でも問題ありません。下記が例文になります。
遺族を代表しまして、皆様に一言挨拶を申し上げます。本日はご多用にも関わらず、(故人の名前)の告別式にご参列いただき、誠にありがとうございます。
生前のご厚誼、ご厚情に遺族を代表いたしまして、厚くお礼を申し上げます。皆様にはこれからも(故人の名前)同様にご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます
出棺の際にも挨拶が必要です。一般的には、参列の挨拶のみではなく、故人とのエピソードや故人の享年と臨終の様子、生前の付き合いのお礼をします。下記が例文です。
本日はご多用のところ、告別式に参列していただきありがとうございました。(故人の名前)は、テニスと将棋が好きなユーモアのあふれる人でした。一昨日、家族が見守る中、(故人の名前)は息を引き取りました。享年90才でした。最期まで家族のことを案じる家族思いの温かな人でした。
これからは家族一同、力をあわせて頑張っていく所存です。故人同様、ご厚誼を賜りますようよろしくお願い申し上げます
火葬後、精進落としをふるまうことがあります。開式の挨拶では、告別式参列のお礼と葬儀が無事終わったことの感謝を述べます。下記が挨拶の例文です。
皆様、本日はありがとうございました。皆様のお力添えにより、昨夜からの通夜、葬儀を無事終えることができました。お礼を改めて申し上げます。故人もさぞ喜んでいることでしょう。
ささやかではございますが、精進落としの膳を用意させていただきました。お時間が許す限りおくつろぎください。まずは、献杯をいたします
精進落としの閉式のときも、喪主は挨拶をします。閉式の挨拶をもって、精進落としが終了となります。その際に、参B<>列者へのお礼をしましょう。例文は下記のとおりです。
本日は、亡き(故人の名前)のためにお心遣いをいただき、ありがとうございました。皆様に参列していただき、(故人の名前)もさぞ喜んでいることでしょう。
まだごゆっくりしていただきたいところですが、お時間となりました。この辺でお開きとさせていただきたいと存じます。十分なおもてなしもできず誠に申し訳ございません。今後ともよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。皆様、お気をつけてお帰りください
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家族葬は一般葬に比べると自由度の高い葬儀ですが、通夜や告別式の流れは一般葬とあまり変わりません。参列者が少ない分、家族葬の方が所要時間は短くなります。
家族葬の形式には、通夜や告別式をおこなわないものもあります。参列者が家族や親族のみであれば、通夜や告別式のない家族葬もよいでしょう。その場合、肉体的・精神的疲労が少なく済むなどのメリットがあるといえます。ただし、参列者もいることから、喪主は必ず挨拶をしましょう。
葬儀の流れなど、知識を事前に身に着けておけば、いざというときに慌てずに対応することができます。必ず訪れる家族や親しい方の最期の瞬間に後悔しないように、しっかりと知識を身にけておきましょう。
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