四十九日法要の儀式が終わると、参列者へのお礼として品物を贈ります。お菓子・タオル・カタログギフトなどさまざまな品物がありますが、「何がふさわしいのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、四十九日のお返しの選び方についてご紹介します。不祝儀に失礼のない品物とあわせて、のしや感謝状の書き方も理解することが大切です。後半では法要準備の流れも解説していますので、スムーズにお返しができるよう参考にしてください。
葬儀~葬儀終了後の流れについては別のページで詳しくまとめています。合わせてご覧ください。
<この記事の要点>
・四十九日法要のお返しの金額相場は、香典の3分の1から半額程度が目安
・四十九日法要のお返しにはお菓子やタオルといった消耗品が好まれる
・お返しの品物にはのしをつけ、表書きには宗教や地域を問わない「志」、水引は黒白の結び切り
こんな人におすすめ
四十九日法要のお返しの品を探している人
四十九日法要のお返しの品に添える挨拶状に悩んでいる人
四十九日法要のお返しにはさまざまな商品が選ばれますが、一般的には「消えもの」が好まれます。消えものとは、食品や洗剤、入浴剤のような消耗品を指します。また、商品券をお返しに贈ることも問題ありません。
食べものには「悲しみを食い消す」といった意味があり、お返しに選ぶ方も多いでしょう。タオルのような日用品も、消耗品であるため好まれます。
金額相場は、香典の3分の1から半額程度がよいとされています。お返しとして失礼のないよう、適した品物を理解しておくことが大切です。
乾物のお返しは、賞味期限や保存方法に配慮する手間が省けるメリットがあります。お菓子のような食べものに比べて贈る方を選ばないため、先方の趣味がわからない場合にも適しています。お茶類は、家族で飲むだけでなく来客用としても使えます。
乾物と一口にいっても価格帯はさまざまですので、予算に合った金額から選ぶとよいでしょう。お茶や海苔のほか、麺類の乾物も賞味期間が長いためお返しとして向いています。
食べものや飲みもののお返しには、食べることや飲むことで悲しみを消すという意味があります。相手の嗜好がわかるのであれば比較的選びやすい品物です。家族構成によっては、ビスケットのようなお菓子や子ども向けのジュースでもよいでしょう。
四十九日法要のような不祝儀では「のちに残さない」という意味を込めて、使うことでなくなるものがよいとされています。種類が多く迷う場合は、食べる人を限定しにくい調味料を選ぶと相手も活用しやすいでしょう。
食べものや飲みもののほかには、タオル・洗剤などの日用品も多く選ばれます。「悲しみを洗い流す」「苦しみをぬぐって包み込む」といった意味が込められており、食べものや飲みもの同様にお返しに適切な品物です。
アレルギーや嗜好で迷いやすい食べものに対し、日用品であれば誰でも使いやすいでしょう。不祝儀用として販売されているものもあるため、複数人分を用意しなければならない場合にも便利です。
近年、香典返しや法要のお返しとしてカタログギフトが選ばれる機会も多くなっています。予算に合ったカタログを贈り、相手に好きな品物を選んでもらう仕組みです。品物をひとつに限定しないため、「何が好みかわからない」という相手にも安心してお返しできます。
品物の用意や配送といった過程でかさばらないことも、カタログギフトならではのポイントです。遺族側の負担軽減だけでなく、お返しされる側が生活に必要なものや本当に欲しいものを選べることが大きなメリットでしょう。
食べものや飲みもの、タオル類であれば幅広い選択肢があるものの、中には法要のお返しにふさわしくないとされるものがあります。日本酒やビールといったお酒類がそのひとつです。本来はお祝いの際に供えるものであり、不祝儀には不適切とされています。
また、親戚や親しい友人に渡すお返しに商品券は避けたほうがよいかもしれません。マナー違反ではありませんが、金額が明確であるため人によっては不適切と感じるケースがあるためです。
法要のお返しを贈る場合は、品物にのしをつけなければなりません。ほとんどの宗教でマナーとされているため、親しい間柄であっても怠らないほうがよいでしょう。いくつかのパターンがありますが、すべての宗教に共通して使用できるのしもあります。相手に失礼のないよう、表書きや墨色についても理解を深めておくと安心です。
宗教や地域を問わないのしは、「志」の表書きです。水引は、黒と白で結び切りになったものを選びます。これ以外の表書きは宗教によっては使えない場合もあります。表書きと水引のどちらもしっかりチェックしましょう。
表書きのないのしを選んだ場合は、上部中央に文字を記します。下半分には一般的に喪主の姓を「○○」や「〇〇家」のようなかたちで記載します。喪主の姓名を書いても問題ありません。
葬儀の際にいただいた香典は、四十九日法要のお返しとは別の機会に贈るのが一般的です。しかし、タイミングがあわず同時に渡したいというケースもあるでしょう。
香典返しと法要のお返しをあわせて贈る場合でも、金額を合算して品物を選ぶのは好ましくありません。あくまでも2つの品物とのしに分けて送りましょう。香典返しの表書きも「志」ですが、法要のお返しとの見分けがつかないため、香典返しの表書きは「忌明け志」としてもよいでしょう。
のしの表書きには、上部に「志」、下部に喪主の苗字や氏名、「○○家」と記載します。水引の下中央部分に偏りがないよう記載しましょう。墨の色や濃淡は、表書きと名前でそろえることも重要です。
四十九日法要のお返しでは、墨の色は濃いほうが好ましいとされています。四十九日が過ぎるまでは薄い墨で記載し、四十九日が過ぎたことを告げる際に濃い墨を用いるためです。香典返しは薄い墨の表書きもみられますが、法要のお返しは四十九日意向となるため濃い墨を選ぶようにしましょう。
のしの名前は、喪主の苗字を記載するのが一般的です。しかし「結婚して苗字が変わった」という場合、故人と喪主の苗字が異なるケースも少なくありません。四十九日法要のお返しに故人と異なる苗字を記載するのはマナー違反ではありませんが、相手が喪主の苗字を認識しているかどうかを確認したほうがよいでしょう。
直接渡すのであれば問題ありませんが、手渡しできない場合は送り主がわからない可能性があります。名前の記載方法に厳密なルールはないため、故人の名前をカッコでくくったり、続柄を記載したり相手が認識しやすい方法を選びましょう。
のしに使用する水引は「結びきり」のものを選びます。花結びは出産や歳暮といったお祝いに使用する水引のため、使わないように注意しましょう。
結びきりのなかにも黒白・黄白・赤白と3つのパターンがあります。四十九日法要で適切なものは黒白または黄白です。赤白の結びきりは、結婚や快気祝いの際に使います。仏教の多くは黒白結びきりです。宗派による適切なものがわからない方は、黒白結びきりを選ぶとよいでしょう。
四十九日法要法要のお返しは、のしと品物以外に挨拶状を添えて贈ります。おおまかな構成は決まっているため、事前に確認して適切なかたちで記載しましょう。仏式ではほとんどの宗派で同様の文章が使われます。仏式と神式では異なる部分もあるため、おさえておくべきポイントを把握しておくことが大切です。
四十九日法要のお返しの挨拶文を決める前に、おさえるべきポイントについて理解しておきましょう。まずはいただいた香典・お見舞い・お供え品といった弔慰に対する感謝とお礼です。次に忌明け法要終了の報告と、故人の戒名(法名)も忘れないようにしましょう。
実際の忌明け法要の日を記載し、最後に「品物を受け取ってください」という挨拶文を記載します。文章のはじめと最後には、頭語と結語を必ず記載します。
一般的に法要の挨拶文に句読点は用いません。また繰り返しや重ね言葉は、不幸が重なることを連想させるとして嫌われる忌み言葉です。使用しないように注意しましょう。
法要の挨拶文の基本的な注意事項をおさえたら、実際の挨拶状に反映していきましょう。以下に例文を示します。
謹啓
御尊家御一同様にはますますご清祥にお過ごしのことと存じます
先般 亡母(故人の俗名)儀葬儀に際しましては御多忙のなかにもかかわらずご会葬をたまわり ご芳情のほどまことにありがたく心よりお礼申し上げます
おかげをもちまして(四十九日の月日)滞りなく(戒名)忌明けいたしました
つきましては略儀ながら書中にてご挨拶申し上げます
敬具
(年月日・住所・名前)
尚 供養のしるしまでに粗品ではございますがご受納いただけますと幸いです
神式では、仏教のような四十九日の考え方はありません。「50日祭」が同様の儀式にあたり、故人を神棚に迎えて家族や家庭を守ってもらうのです。50日祭のお返しも同様に感謝状が必要となるため、以下の例文を参考に記載しましょう。
謹啓
御尊家御一同様ますますご清祥の段 慶賀の至りに存じ上げます
過日(故人名)儀 永眠の際は御懇篤なる御弔慰とご鄭重なる御厚志を賜り心より厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして五十日祭の儀を滞りなく済ませることができました
早速お礼申し上げるべきではございますが 略式ながら書中にてご挨拶申し上げます
敬具
(年月日・住所・名前)
つきましては忍び草の印として心ばかりの品をお送りいたしますのでご受納いただけますと幸いです
ここからは、四十九日法要の準備と当日の流れについて解説していきます。喪主や施主は、会場の用意や参列者の人数確認などさまざまな役割を担わなければなりません。
お返しの品物をそろえるだけでなく、故人のことを思って法要を行うことが大切です。故人と極楽浄土をつなぐ重要な儀式となるため、当日にトラブルがないよう入念に準備を進めていきましょう。
四十九日法要で重要なのは、「いつ・どこで執り行うか」を決めることです。日時については、菩提寺の僧侶と相談しましょう。場所については、菩提寺・セレモニーホール・自宅から選択できます。予想される参加人数や交通の便を考えて決定するとよいでしょう。法要の会場や会食の場所が決まったら、僧侶に一報を入れておきます。
法要の日時が決定したら、会食の会場やメニューを考えます。会食のない法要を予定している方は、参列者にその旨を伝えておいたほうがよいでしょう。参列者の人数分と過不足なく用意する必要があるため、会食前に退席する方がいないかも確認しておくと安心です。
具体的な日時や会場の場所の決定後、参列してもらいたい方に案内のはがきを送ります。はがきには、以下の項目を記載するとよいでしょう。
・葬儀の参列に対するお礼
・四十九日を迎えること
・法要や会食に参列してほしいこと
・会場の場所と日時
・返送の希望日
案内はがきの書き方に決まりはありませんが、端的に必要事項を伝えられるような文章を心がけます。参列の可否を伝えてもらうために、返送用はがきを同封することも大切です。参列者の人数は会場の大きさや会食の予約数にもかかわるため、返送期限の具体的な日時を記載しましょう。
はがきの返送が全員分確認できたら、四十九日法要や会食を行う会場に確定人数を伝えます。途中で退席する方がいる場合は、退席のタイミングも認識しておきましょう。法要と会食で人数の増減があれば、その旨も伝えます。
最終的に法要と会食の会場が決まったら、菩提寺の僧侶にもあらためてお知らせしておきましょう。
四十九日法要当日は、読経や僧侶の説法後すぐに納骨式へとうつります。お墓の前で僧侶がお経を読み焼香をして儀式を進めるため、お墓はきれいな状態にしておきましょう。お墓の汚れを拭いたり雑草を取ったりするなど、法要前日までに掃除ができると安心です。
時間や距離の都合で前日までに掃除ができない場合は、当日会場に集まる前に済ませても問題ありません。これから故人が眠る場所となるため、可能な限りきれいな状態で納骨できるよう心がけましょう。
法要当日に納骨を予定している方は、仏壇に安置する「本位牌」を用意します。本位牌は依頼から1週間~2週間を要するケースもあるため、早い段階で購入したほうがよいでしょう。現在すでに仏壇がある場合は、仏壇に収まるサイズを測っておくことも大切です。
また、ほかの本位牌があるのであれば、新しい本位牌も同等のサイズを選ぶとよいでしょう。納骨式を別日に行うのであれば不要ですが、直前になって焦ることのないよう早めに準備しましょう。
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四十九日法要のお返しは、マナー違反とならないよう適切な品物を選びましょう。品物は適切な方法で包み、お礼を伝える挨拶状を添えることも大切です。
仏式ではほとんどの宗派で同様の考え方がされていますが、宗派ごとに異なる点もあります。「小さなお葬式」では、法事・法要の不明点についても丁寧にご説明いたします。どうぞお気軽にお問い合わせください。また、コラムでもさまざまなマナーについてご紹介しています。
四十九日法要は、葬儀の直後から用意を進めるケースが多くみられます。参列者への案内・僧侶と会場への連絡など多忙な期間ですが、気持ちよく故人を見送れるようにお返しも含めて準備をしていきましょう。
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湯灌は故人の体を洗って清める儀式のことです。ホゥ。