みたまうつしの儀とはどんな儀式?特徴や流れを紹介します

みたまうつしの儀とはどんな儀式?特徴や流れを紹介します

みたまうつしの儀は神道などの一部の宗教において、故人を弔う際に欠かせない儀式です。しかしそれらの宗教になじみがない方の中には、どのような儀式なのかわからない方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、みたまうつしの儀とは何か、どのような流れで行われるのかなどをご紹介します。

その意味や流れ、作法などを知っていれば、突然儀式に招かれても慌てずに適切な対応ができるでしょう。

こんな人におすすめ

みたまうつしの儀とは何かを知りたい方

みたまうつしの儀の流れについて知りたい方

みたまうつしの儀の参列時のマナーを知りたい方

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みたまうつしの儀とはなにか?

まずは「みたまうつしの儀とはどのような儀式なのか」を把握していきましょう。どのようなときに行う儀式なのか、何のために行うのかといったことから解説していきます。その意味をきちんと理解するためにも基本的な内容を確認しましょう。

みたまうつしの儀の概要

漢字では「御霊移しの儀」や「御霊写しの儀」などと表記します。神道や天理教などにおいて亡くなった方を弔う際、故人の魂をほかの場所へ移す儀式です。正式には「遷霊祭(せんれいさい)」と呼ばれ、現在では仏教の通夜にあたる「通夜祭(つやさい)」のときに行われることが多くなっています。

魂を移すものにはかつては鏡が使われていました。現代では白木の霊璽(れいじ)や愛用品などを用いる方が増えています。故人の魂が宿ったものはみたましろと呼ばれ、仏教での位牌に近いものと考えられるでしょう。

みたまうつしの儀を行う意味

神道も天理教も、故人の魂を霊代(みたましろ)に移すということは同じです。しかし、その「考え方」にはそれぞれ違いがあるので覚えておきましょう。

神道では死後の人間は神様になると考えます。魂は神様からいただいた神様の分霊なので、死後はそのもとに戻り神様になるというわけです。神様となった魂は霊代(みたましろ)に移り、家族を見守ってくれるでしょう。身体は自然からの授かり物のため、ダビに付され大地に還ると考えられています。

天理教は、身体は神様からの借りものだという考え方です。亡くなった身体は神様にお返しし、魂は新しい身体で生まれ変わるまで神様に預かってもらうために霊代(みたましろ)に移す必要があると考えます。

みたまうつしの儀を行う宗教

みたまうつしの儀を行う宗教には神道・天理教・金光教があります。この3つ宗教はどのような宗教で、どのような違いがあるのでしょうか。ここではそれぞれの教義や成り立ちについて解説します。

神道

神道は八百万の神を祀っているのが特徴で、一神教とは大きな差異があります。開祖がおらず、自然や祖霊を崇拝するアニミズム的な面が強いといえるでしょう。

神道の起源は古く、古代日本にまで遡ります。この世の森羅万象あらゆるものに神が宿ると考え、先祖の霊も神として祀られてきました。日々の生活の中から生まれた信仰は民族宗教ともいわれ、初詣や厄除・七五三・結婚式・地鎮祭など、今も多くの行事が暮らしの中で息づいています。

天理教

天理教は1838年に生まれた教派神道のひとつです。中山みきを教祖とし、「天理王命(てんりおうのみこと)」は人間を創造し育てた親神として崇めています。約120万人の信者数を抱える最大規模の宗教団体なので、その名前を聞いたことがある方も多いでしょう。

天理教では「陽気ぐらし」を教えとしており、ほかの人の幸せを願い、互いに助け合う心育むよう説いています。教会本部の所在地は奈良県天理市です。天理教の教えを学ぶ大学や系列病院が多くあり、宗教都市としても知られています。

金光教

金光教は1859年に発生した教派神道のひとつで、天理教とともに幕末三大新宗教とも呼ばれます。開祖は農業を営む川手文治郎で、自宅を神様の広前にして奉仕に専念するようになったことが金光教の起こりです。

人間と神は共存関係にあると定義しており、「人間がおかげ(神の助け、恩恵)を受けてくれなければ、神も金光大神も嬉しくない。人間がおかげを受けないで苦しんでいるようでは、神の役目が立たない。人間が立ち行かなければ、神も金光大神も立ち行かない」というリベラルな思想が特徴といえるでしょう。

現在の本部所在地は岡山県浅口市金光町です。会堂には結界があり、教主から取次を受けることができます。

みたまうつしの儀の流れ

同じみたまうつしの儀でも各宗教によって教義が異なるため、儀式の行い方にも違いがあります。ここでは、神道と天理教のみたまうつしの儀の流れについて解説しましょう。両者にどのような違いがあるのかを知れば、儀式に参列することになっても安心です。

神道の場合

みたまうつしの儀は夜間に行われるのが基本です。諸事情により日が出ているうちに行う場合は会場の明かりを消し、カーテンを閉じて疑似的に夜に近い環境を作ります。具体的な流れを見ていきましょう。

会場消灯
斎主によって遷霊詞(せんれいし)が奏上され、みたましろへ故人の魂を移す。魂が移動している最中は、斎主は神様が降臨していることを示す「警蹕(けいひつ)」と呼ばれる「おおお」という声を発するので、警蹕(けいひつ)が発せられている間は礼をして目を伏しておきましょう
みたましろに魂が移ると故人は神様となり、仏教での戒名にあたる「諡号(おくりな)」が贈られる
会場内の明かりを付け、参列者全員がみたましろの前へ集合
斎主による祭詞奏上ののち、順番に仏教での焼香にあたる玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行い、二拝二拍手一拝に則って拝礼
全員の玉串奉奠、拝礼が済んだら終了

二拝二拍手一拝の際の拍手は忍び手で行います。忍び手とは音を立てずに行う拍手です。手のひら同士を打ち付けずに、片手の手のひらに、もう片方の親指以外の4本を音が立たないように軽く打ち付けましょう。

天理教の場合

天理教のみたまうつしの儀も神道と同様に夜間に行うのが基本です。神道の場合と共通している部分もありますが、細部で異なるところもあるのでしっかり流れを確認しましょう。

合図に合わせて会場消灯
祓詞奏上
うつしの詞を奏上し、みたましろへ故人の魂を移す
神様にお供え物をする献饌(けんせん)
斎主による玉串奉献(たまぐしほうけん)、しずめの詞奏上、列拝
斎主の助手などによる列拝
喪主、遺族、参列者による玉串奉献、列拝
全員の玉串奉献、拝礼が済んだら終了

神道では拝礼に際に「二拝二拍手一拝」を行いますが、天理教では「二礼四拍手一拝四拍手一礼」が作法です。神道の拍手は忍び手で行いますが、天理教では音を出しても問題ありません。また、「礼」と「拝」ではお辞儀の角度が異なるので注意しましょう。「礼」では浅く「拝」では深く頭を下げるのが作法です。

みたまうつしの儀の参列時のマナー

みたまうつしの儀に参列する際には、気を配ったほうがよいマナーが存在します。仏式とは異なることもあるので、神道などの行事に慣れていない方は基本的なことから把握しておきましょう。ここでは服装と不祝儀袋に関するマナーをお伝えします。

服装のマナー

服装は仏式などの葬儀と同様に、喪服を着用するのが基本です。男性はブラックスーツにネクタイや靴といった小物も黒で合わせましょう。女性は黒のアンサンブルやワンピースを基本とし、アクセサリーは真珠のものだけを身につけます。男女ともに殺生を想起させる革製のものや華美な装飾、光り物は避けましょう。

数珠は仏具なので神道や天理教では必要ありません。身につけていくとマナー違反になるので気をつけましょう。

不祝儀袋のマナー

不祝儀袋の表書きは「御玉串料」「御榊料」「御神前」と書きます。不祝儀袋は無地で黒白か双銀の水引のものを選びましょう。蓮の花が描かれたものは仏式用なので避けます。

包む金額は、ほかの宗教と同様に故人との関係性が深いほど金額が多くなるのが一般的です。故人が両親の場合は5万円~10万円、兄弟姉妹や祖父母は3万円~5万円、親戚や親しい知人には1万円程度包めば失礼にはならないでしょう。会社の同僚や顔見知り程度の相手の場合は、3,000円~5,000円が相場です。

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まとめ

この記事では、みたまうつしの儀の意味や儀式を執り行う際の一連の流れについて解説しました。みたまうつしの儀は、神道や天理教などで故人の魂を依り代に移すための儀式です。宗教ごとに進行や作法に違いがあるので、参列する際は事前にそれぞれの宗教に沿ったマナーを身につけましょう。

小さなお葬式では、ほかにも儀式や葬儀に関するコラムを掲載しています。電話やWebでのご相談も承っていますので、儀式や葬儀に関して疑問に思ったことや相談したいことがありましたら、小さなお葬式にお問い合わせください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
運営会社についてはこちら

よくある質問

よくある質問
  • みたまうつしの儀は絶対に必要?

  • みたまうつしの儀は通夜と別の日に行うべき?

  • みたまうつしの儀を行う時間は決まっている?

  • みたまうつしの儀を行う場所は?

  • 儀式が終わった後にすべきことは?

  • 霊代(みたましろ)は鏡にしないといけない?

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