家族や親しい人が亡くなった直後には、「死亡通知」を作成して周囲に伝える必要があります。可能な限り早い段階から実行に移したいものですが、書き方や送付時期が分からず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、死亡通知の基本的な概要から具体的な書き方まで徹底的に解説します。例文も押さえておくと、万が一の事態でも慌てず準備を進められるでしょう。葬儀社をはじめ、専門家に相談する選択肢も重要です。
<この記事の要点>
・死亡通知は、親しい方々に亡くなったことを伝える手段
・通知文には、故人の名前、生年月日、死亡日時、葬儀の日程と場所、連絡先情報を明記する
・大勢の方に亡くなったことを知らせたい場合は「死亡広告」を活用する
こんな人におすすめ
死亡通知とは何か知りたい方
死亡通知の方法を知りたい方
死亡通知を作成するときのポイントと例文を知りたい方
親族が亡くなったときには、亡くなった事実を伝えたり葬儀の日程を報告したりする必要があります。この際に作成する書類に記されるのが「死亡通知」に関する内容です。万が一の事態に備え、どのような役割を持つのか理解を深めておきましょう。通知を送るタイミングや事後報告の日程についてもあわせて解説します。
死亡通知を送る目的は、大きく分けて2つのパターンです。葬儀の前に送付する場合は、亡くなった事実に加えて葬儀の日時・場所などを記載します。葬儀後に送付する死亡通知は、「無事に葬儀を終えた」といった内容を記すのが一般的です。具体的には以下の項目が挙げられます。
・亡くなった方の名前
・死因や亡くなった日
・葬儀の日時
・葬儀を営む場所
・葬儀場や喪主の連絡先
相手からなんらかの報告や相談が必要になった際、対応できる連絡先を記載することも大切です。形式的に決まっているものではありませんが、最低限の情報量として把握しておきましょう。
葬儀前に送付する死亡通知には「葬儀の日程を相手に知らせる」という目的があります。別途電話などで伝えるケースもありますが、基本的には当日前の到着が理想であると考えましょう。死亡通知のみで伝えた場合、到着が遅れると参列できなくなるかもしれません。
葬儀まで日数が少ないこともあるため、可能な限り早い段階で作成・送付できると安心です。他の作業に追われて心身を疲労させないよう、親族と分担しながら準備を進めても良いでしょう。
死亡通知を送付する目安のひとつが「初七日」です。亡くなった当日から数えて、1週間以内に受け取ってもらうのが適切なタイミングといわれています。地域によっては到着まで数日を要する可能性もあるため、ギリギリにならないよう計画を立てておくのがおすすめです。
家族葬などで参列者を招待しない場合は、1週間以上経過した時期でも問題ありません。極端に遅い事後報告は失礼にあたるため、四十九日までの到着を目安にすると良いでしょう。
「死亡通知」という言葉のみでは、手紙やはがきの作成をイメージする方もいるかもしれません。葬儀後でははがきを用いるケースも多く見られますが、スピーディに伝えられる電話・メールといった手段もあります。
規模が大きい場合は、死亡広告の活用も可能です。状況に合わせた方法を実践できるよう、3パターンの選択肢を把握しておきましょう。
亡くなった直後に準備を始めても、葬儀の日程によっては理想通りに到着しない可能性があります。人数が多いほど負担も増えるため、葬儀前の死亡通知は簡単に伝えられる方法を重視した方が良いでしょう。電話やメールが代表的な手段です。
近年では、LINEで連絡を完結させる方も見られます。中にはアプリを取得していなかったり操作が理解できなかったりする場合もあるため、相手の状況に合わせる意識も大切です。目上の方であっても、電話などでの死亡通知は失礼にあたりません。
葬儀を終えた後に伝えたい場合は、簡易的な方法ではなく手紙またははがきが適切といえます。葬儀前に比べて準備が進めやすく、ゆとりを持って作成から送付まで行えるためです。LINEで報告するケースもありますが、マナー違反に捉えられる可能性があります。
親しい間柄であっても、なるべく形式的な方法を実践するよう心がけましょう。他の手続きに追われている場合は、親しい方にのみ電話やLINEで伝えるのがおすすめです。
社葬のように大規模な葬儀を営む場合、参列者数が多く膨大な量の死亡通知を送付しなければなりません。このようなケースでは、新聞の広告を利用して葬儀日程などを伝えられます。広告の掲載費用が必要になる点を理解しておきましょう。
広告代理店で依頼を受け付けていますが、葬儀を申し込む葬儀社での仲介も可能です。個人的に通知するより出費は増えるものの、1人ずつ伝える手間を考えると負担の軽減につながる選択肢といえるでしょう。
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印字・手書きを問わず、死亡通知の内容や葬儀のかたちに沿ったマナーを身につける必要があります。一般的な手紙のような感覚で作成すると、相手に失礼な印象を与えるかもしれません。
LINEなどでは厳密に反映しないケースも見られますが、基本のルールとして押さえておくと安心です。6つのポイントに分けて、例文もピックアップしながら解説します。
昔ながらの方法として選択されているのは、薄墨を用いた筆です。普段使う機会が少なく不慣れに感じるかもしれませんが、通常よりも薄い墨を意識して書いてみましょう。「亡くなった方のことを思い、涙で文字がにじんだ」といった意味を含んでいます。
筆が用意できない場合は、黒色のインクを用いたペンでも問題ありません。パソコンなどから作成するのであれば、黒色または黒に近い色を選択した上で記載しましょう。
死亡通知に限らず、あいさつ状や儀礼的な手紙には句点(。)・読点(、)を書きません。かえって読みづらい内容に感じるかもしれませんが、文字のみを連ねるよう意識しながら作成しましょう。かつて句読点を用いなかった歴史的背景が影響したといわれています。
死亡通知においては、「葬儀が終始スムーズに行われるように」といった願いもひとつの考え方です。古くからの伝統であり、故人を思う要素でもある点を理解しておきましょう。文字間の空白や改行を調整し、読みやすい文面に仕上げます。
葬儀のかたちは、仏式・キリスト教式など宗派によってさまざまです。日本には多種多様な宗教が存在するため、営む葬儀の宗派を明記しておきましょう。記載内容によって、参列者が用意する服装・持ち物も異なります。
葬儀後の通知であれば、未記載でも問題ありません。葬儀を営んだ事実のみでも影響は与えませんが、基本的なマナーとして記載した方が良いでしょう。
死亡通知を作成する前に押さえておきたいのは、文面上の言葉に関するマナーです。亡くなった事実を文面で表現するとき、「逝去」を用いるのは適切といえません。目上の方に対して使う敬語にあたるためです。
つまり、葬儀においては参列者が遺族に伝えるための言葉ともいえます。きれいな言葉に思えますが、故人との立場上マナーに反している点を理解しましょう。永眠や旅立ちといった内容の文章であれば問題ありません。
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葬儀の場所や日時を知らせる場合は、内容に間違いがないか入念に確認しましょう。以下は参列者を招待するケースを想定した例文です。
(故人の続柄・名前)儀 亡くなった月日 (死因)にて旅立ちました
ここに生前のご厚情に感謝し 謹んでお知らせいたします
葬儀は仏式により 左記のとおり執り行います
記
葬儀 月日(曜日) 時間
告別式 月日(曜日) 時間
場所 住所 電話番号
記載した時点での年月日
喪主 (名前)
手紙などを送付できる場合は、右から縦書きに反映します。電話番号などは漢数字を用い、亡くなった日や作成日の情報も記載しておきましょう。参列を希望しない場合は、日程の代わりに以下のような文章を記載します。
・葬儀は近親者のみにて執り行います
・故人の遺志によって 勝手ながら家族葬といたします
葬儀後の通知で重要なポイントは、「報告が遅れたこと」「どのような葬儀を行ったか」を伝えられる内容です。以下の例を参考に、お詫びの意味を込めた記載内容を考えてみましょう。
(故人の続柄・名前)儀 亡くなった月日
(県名)において (病名など)のため急逝いたしました
お知らせが遅れましたこと お詫び申し上げます
なお 葬儀は故人の遺志により(葬儀を行った月日) 仏式にて家族葬を執り行いました
生前賜りましたご厚情に深く感謝し 心よりお礼申し上げます
弔問や香典を断りたい場合は、最後に希望内容を記載しても問題ありません。お墓の場所が決まっているのであれば、焼香ができるよう住所を書いても良いでしょう。
「適切な方法で通知できるか不安……」と感じる方は、葬儀社に相談しながら進めるのがおすすめです。特に葬儀前に送付する場合、葬儀そのものの準備も必要なため負担を増幅させるかもしれません。
個人的な手続きで済ませると、数千円に収まるケースもあります。金銭面ではお得ですが、ストレスの度合いを考えると依頼した方が気持ちも楽になるでしょう。煩雑になりやすい作業を葬儀社に任せることで、故人との時間を優先できます。マナーに関する知識も豊富に蓄えているため、専門家ならではの視点から文面を考えられる点もメリットです。
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近親者が亡くなった後、なるべく早い段階で周囲に事実を知らせる必要があります。近年ではLINEなど簡単に報告できる手段も登場していますが、手紙での記載内容やマナーにも理解を深められると安心です。
具体的な内容が分からない方は、例文を参考にしながら状況に合った文章を考えてみましょう。経験と知識が豊富な葬儀社に依頼し、適切なかたちで進めてもらうのもひとつの方法です。安心して葬儀を営みたい方は、ぜひこの機会に「小さなお葬式」へご相談ください。
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湯灌は故人の体を洗って清める儀式のことです。ホゥ。