香典の御仏前と御霊前はどう違う?理由を知って正しく使い分けよう
葬儀マナー[参列者]

作成日:2020年11月12日  更新日:2021年07月14日

香典の御仏前と御霊前はどう違う?理由を知って正しく使い分けよう

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「御仏前」と「御霊前」は一文字違うだけですが、言葉の意味は大きく変わってくることをご存知でしょうか。葬儀などの弔事では香典の用意が必要不可欠です。その際、表書きの種類が多く書き方に迷うという方もいらっしゃるでしょう。

そこでこの記事では「御仏前」と「御霊前」の違いを詳しく解説していきます。言葉の意味を把握すれば、使い分けも問題なくできるようになるでしょう。また、香典の表書きで使える言葉はこの2つのみではありません。

ほかの宗教でも使える表書きの種類も紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

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【もくじ】
香典の御仏前と御霊前の違いは「お供え先」
御霊前は他宗教でも使える
香典袋の書き方
まとめ

香典の御仏前と御霊前の違いは「お供え先」

香典の表書きでよく使われるこれらの言葉は、実はそれぞれでお供え先が異なります。香典を渡すタイミングによってどちらを使うのが正解か変わってくるので、言葉の意味や理由はしっかりと把握しておきましょう。

この項目では、2つの言葉の違いや具体的にどのようなタイミングで使用するべきかをまとめました。香典を包む機会は、段々と増えていくものです。いざその機会がきたときに、適切な包み方ができるよう覚えておくと役立つでしょう。

御仏前と御霊前の意味

御仏前」は、仏様の前という意味を持つ言葉です。故人は亡くなって暫く経つと、成仏して仏様になると仏教では伝えられています。仏でなく佛の字を使うのが正式な書き方ですが、現在では仏の文字を使うほとんどで、書き方としても不正解にはなりません。

御霊前」は、御霊(みたま)の前という意味を持ちます。故人はのちに仏様になると考えられていますが、暫くは霊となってこの世に留まるとされており、弔事では良く用いられる言葉です。

言葉の意味から分かるように、この2つの言葉はそれぞれで対象になるものが違います。ほとんど同じ意味ではあるものの、意味を理解した上で使い分けないとマナー違反と厳しい目で見られるかもしれません。

また、宗教や宗派次第ではこの2つの言葉がご法度になる可能性もあります。詳細はのち程記載しますが、弔事の際に役立つ知識なので念頭に置いておきましょう。

御霊前を使うタイミング

御霊前は、具体的に言うと四十九日前に使う言葉です。仏教だと、この期間を過ぎるまで故人は霊となってこの世に留まると伝えられます。亡くなってから日数が経っていないのであれば、使って良いと認識しても差し支えありません。

葬儀に参列できずあとから香典を贈るという場合も、この期間を過ぎていないのであれば使用できます。日数で判断して使い分けましょう

宗教によっても違いはありますが、御霊前は比較的幅広い宗教で使用できる言葉です。ただし、宗教によってはご法度と言われることもあるので、油断は禁物と言えるでしょう。

御仏前を使うタイミング

具体的に言うと、御仏前は四十九日後に使う言葉です。仏教では、故人が亡くなってから7日ごとに7回、成仏できるかを判断するための裁きが下されると伝えられています。7回目の裁きのときが四十九日の法要の日であり、最後の裁きが下されるタイミングです。

このときはじめて、霊になった故人は仏様になることを許されて成仏すると言われています。お供えの対象が「霊」でなく「仏」になるので、四十九日の法要後は御仏前を選ぶのが正解です。しかし、稀に四十九日の法要のタイミングが早まることもあります。

このとき、どう言葉を使い分けるか迷う方も多いでしょう。法要の時点で成仏したと捉えられることがほとんどですので、日数は気にせず御仏前を使って差し支えありません。迷った方はぜひ参考にしてみてください。

仏教の宗派でも違いがある

香典を渡す時期によって、表書きに使う言葉は使い分けなければなりません。けれど、宗派によっては時期関係なく御霊前という言葉が不適切、ご法度になるケースもあります。

同じ仏教でも「故人は亡くなってすぐに成仏し、仏となる」と考えるところもあり、その宗派で御霊前という言葉を使用するとマナーに欠けていると思われかねません。亡くなってからの日数は関係なく、御仏前を用います。以下の宗派では気を付けましょう。

・浄土真宗
・真宗大谷派

曹洞宗だと御霊前と書くことが多いようですが、浄土や成仏する期間という概念もなく、御仏前を使用するケースもあります。判断がむずかしい宗派ですが、迷ったら御香典という言葉を使うのが賢明です。

このように、香典で使う言葉は時期だけでなく宗派を意識しなければなりません。故人の宗教や宗派が分かっていないと、適した言葉を選択できないでしょう。可能であれば、故人の宗教と宗派の確認をとるのがおすすめです。

宗派が分からない時

宗派の確認をしたいものの、葬儀の知らせは急に来ることがほとんどであり、事前準備や確認ができないことも多々あります。このようなときは、時期関係なく使える「御香典」を使いましょう

御香典は、供花やお線香の代わりにお供えするものという意味を持つ言葉です。香典を渡すタイミングを気にせずに書くことができます。宗教が異なると御香典も不適切な場合がありますが、仏教であればまず問題ありません

御霊前は他宗教でも使える

香典で使う言葉のなかでも「御霊前」は、幅広い宗教で使える言葉です。表書き=御霊前と書けば失敗はないと考える方も少なくありません。

この項目では、ほかの宗教でも御霊前が使える理由や、宗教ごとのマナーについてまとめました。理由が分かれば、言葉の正しい選択も自然にできるようになるかと思います。ぜひ参考にしてみてください。

その理由は死生観

御霊前が使える理由は、宗教それぞれの「死生観」にあります。まず神道では、故人は亡くなったあと成仏するのではなく守り神(氏神とも呼ばれます)になると伝えられており、成仏するといった概念はありません

すぐに守り神になるわけではなく、50日間は霊の状態になるようです。霊となる期間があるため、葬儀で渡す香典で御霊前を使っても問題ないとされています。

キリスト教でも御霊前が使えますが、使用できるのはカトリックのみです。故人は亡くなったあと霊魂となって神の元に召される、あの世で永遠の命を受けるという考えを持っており、霊の存在を否定しません

このことから、御霊前を使っても差し支えはないと言われています。しかし、宗教にはそれぞれ表書きで使える独自の言葉があるため、宗教が分かる場合にはその言葉を使った方が良いかもしれません。

神道のマナー

宗教が分かる場合は、その宗教でマナーとされているポイントを覚えた上で香典を包むのが望ましいです。神道の場合は、同じ日本の宗教であっても仏教とは違い「成仏」の考えがないことをまず覚えておきましょう。

葬儀の流れはもちろん、お供物の種類にも大きな違いが出てきます。一般的に用いられる言葉も違ったものになるので、可能であれば確認しておくのがベストです。

玉串料
御玉串料
御榊料
神饌料

これらの言葉を用いるのが神道では基本になります。また、香典袋も適したものを買わないと、ご遺族に不快感を与えてしまうかもしれません。香典袋として「蓮の花」が描かれたものを選ぶ方も多いですが、これは仏教用のものです。

神道だとマナー違反になるので、注意しましょう。また、水引の色は白黒のものか、双銀のものを選びます。

キリスト教のマナー

キリスト教の場合は、可能な限り宗派までしっかりと確認するのがおすすめです。カトリックとプロテスタントでは死生観が大きく異なるほか、マナーや気をつけたいポイントにも違いが出てきます。

まず、どちらの宗派でも共通して使えるのが「御花料(御花代)」や「献花料」です。仏教のようにお香をたいたり、お線香を供えたりといったことはしません。そのため、「御香典」は使わないようご注意ください。

カトリックだと、これに加えて「御霊前」「御ミサ料」といった言葉も選択肢として挙げられます。しかし、プロテスタントの場合「御霊前」はご法度です。

プロテスタントだと、故人は亡くなった時点で天に召されると考えられています。霊魂になるという考えがない、霊は偶像崇拝になると捉えられており、御霊前は失礼にあたる言葉と言われています。共通のもの以外だと「忌慰料」を使うのが無難です。

また、キリスト教だと香典袋も仏教や神道とは違うものを用意しなければなりません。水引がなく、十字架や百合の花が描かれたもの、あるいは無地のものを購入しましょう。

宗教が分からない時

宗派と同様に、宗教も前もって確認することがむずかしい場合がほとんどです。結局のところ、どの言葉を選ぶのが一番無難なのかと混乱する方もいらっしゃるでしょう。

結論を述べると、一番失敗がないのはやはり「御霊前」です。一部宗教ではご法度なものの、その一部を除けば幅広い宗教で利用できます。したがって、迷ったときは御霊前と記入して渡すのが無難な選択です。

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香典袋の書き方

一番注意したいのは表書きであることに変わりありませんが、実はほかにも気をつけたいポイントがいくつかあります。この項目では、香典袋の正しい書き方をまとめました。

表書き以外にも書かなければならないことがいくつかありますが、これらの書き方も間違えればマナー違反になります。ご遺族に不快な思いをさせないよう、書き方を覚えておきましょう。

外袋の書き方

外袋には表書きのほかにも自分の名前を書く必要があります。水引から下の真ん中に書けば基本的には問題ありませんが、これが連名のときだとどう書くか迷う方もいらっしゃるでしょう。

数人で香典を包む場合には、中央から左の方へ順番に名前を記入していきます。会社から出すものであれば、目上の方の名前が中央に来るよう意識しましょう。ただし、人数が3人以上の場合は名前を書きません。「〇〇一同」といった書き方でまとめましょう。

また、夫婦で香典を用意する場合は、夫の名前だけ記入してください。2人の名前を書くのは、別れている(離婚や別居している状態など)ことを表すので避けます。
しかし、夫婦2人とも故人と親しかった場合や夫婦そろって参列するときは、連名で書いても問題ありません。連名にするときは夫の名前を中央にフルネームで書き、妻の下の名前を夫の名前の左側に添えます。

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中袋の書き方

包む金額、自分の住所、名前を記入しなければなりません。市販の香典袋だと、記入する欄が明確に分けられていることも多いようです。

中袋の書き方でまず注意したいのは、金額の書き方です。記入するときは漢数字を用いますが、大字・旧字で書くのがしきたりと言われています。また、金額の前には「金」という字を入れなければなりません。

このルールには、複雑な漢字を用いることで数字の改ざんや不正を防ぐという狙いがあると言われています。このことから、金銭を扱うようなものや重要な書類でも、このルールを使うのです。

この決まりに則って書く場合、1万円なら「金壱万圓」という表記になります。しかし、市販の袋だと欄が横書きになっているケースもあるでしょう。そのときは、アラビア数字、漢数字どちらを記入しても大丈夫です。

裏には、住所ともう一度自分の名前を書きましょう。連名なら代表となる1人の名前を書くか、別に紙を用意して、そこに全員の名前と住所を書くというケースが多いようです。

金額の書き方には慣れないかもしれませんが、漢字自体は検索すれば出てくるので、調べながら書くと良いでしょう。

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香典袋は「薄墨」で書く

香典袋の文字は薄墨で書かなければならない、マナーであると聞いたことがある方も多いと思います。実際、外袋に文字を書く場合は薄墨を使用するのが望ましいです。しかし、用意することがむずかしいときは、薄墨タイプの筆ペンでも差し支えありません。

中袋の場合は薄墨で書く必要はありません。住所や名前といった、確認しなければならない部分を喪主の方が読めるように通常の墨で書いた方が良いと言われています。筆ペンでも良いですし、なければ普通のペン(黒いインク)を使っても問題はありません。

また、使用するインクは香典を渡すタイミングでも変わってきます。四十九日の法要後は、外袋も通常の濃さの墨を使います。薄墨を使う必要はないので、念頭に置いておきましょう。

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まとめ

香典や弔事で使う言葉は数多く存在しますが、いずれもきちんとした意味があります。言葉の意味や由来を知っておくだけで、その場面に適したものを自然に選ぶことができるようになるでしょう。

香典の用意が必要になるタイミングは、いつになるか分かりません。急に包むことになっても、マナーが守れるようポイントを掴んでおくのが大切です。ご遺族に失礼にならないよう努めましょう。そのほか、香典のマナーで気になることがあれば「小さなお葬式」へご相談ください。

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