「納棺にかかる時間はどれくらいだろうか」「行うべきタイミングはいつか」「必要なものは何なのか」という疑問をお持ちではないでしょうか。
納棺は故人を送り出すための、大切な儀式です。臨むにあたって、事前に時間やタイミングなどの情報を確認しておきたいと考えている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、納棺の所要時間や行うタイミング、必要なものについて紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。葬儀全体の流れについても、あわせて理解を深めておきましょう。
<この記事の要点>
・納棺の所要時間の目安は、30分から1時間程度
・納棺は、遅くとも通夜の2時間前までに行っておくとよい
・納棺の際に用意するものは、死装束や副葬品で、事前にリストアップをしておくとよい
こんな人におすすめ
納棺の所要時間を知りたい方
臨終から納棺までの流れを知りたい方
納棺に必要なものを知りたい方
納棺にかかる時間はおおよそ、目安として30分~1時間程です。
納棺は故人と遺族の大切な別れの場面であるので、故人をゆっくり送りたい場合には、より長く時間をかけることもあるでしょう。長い場合では2時間程かけて行うケースもあります。
所要時間が数時間の通夜、告別式、火葬などと比べると、納棺は短い時間で終わることがほとんどです。このため、なかには重要性は高くないと考えてしまう方がいらっしゃるかもしれませんが、それは間違いです。
故人との別れを意識する最初の場面ですから、悔いのないように心を込めて、丁寧に行いましょう。
納棺には「いつ行わなければならない」という厳密な決まりがありません。しかし、納棺後の行事から逆算して「最低でもここまでには行わなければいけない」という時間帯を導き出すことは可能です。
納棺の後には、通夜が行われます。一般的に、通夜が始まる時刻が18時~19時の間なので、納棺は遅くとも通夜の2時間前までには行っておくとよいでしょう。
ただし、ご自宅で納棺の儀式を行う場合には、その後に葬祭場へ移動させる必要が出てくるので、時間に余裕を持って行うことをおすすめします。
また、納棺に参加する親族とのスケジュールも大事な要素になります。参加を希望する親族ができる限り集える日時で行うことも重要です。
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臨終から納棺までは、どのように進んでいくのでしょうか。ご遺族にとって悲しみが深いタイミングではありますが、故人を落ち着いて送る上で、いくつか抑えておくべき点があります。
ここからは時系列で、行われることや準備しておくべきことを紹介します。
病院で亡くなった場合、医師による死亡確認が行われ、その後に「死亡診断書」が発行されます。この死亡診断書は後の手続きで必要になるので、必ず保管しておきましょう。
その後は、ご遺体のためにもなるべく早く安置場所を決めましょう。葬儀業者が決まっている場合は担当者へ連絡し、搬送と安置の手配を行います。
自宅での安置か、葬儀業者の施設での安置かをその際に選びます。近年では、葬儀業者の施設へ直接搬送して安置することが一般的です。
安置場所が決まったら後に、故人に水を与える「末期の水」という儀式を行います。水を含ませたガーゼや脱脂綿を故人の唇に当て、潤します。
この儀式の由来は諸説ありますが、現代において「末期の水」に込められた意味や願いは「故人の安らかな旅立ち」です。心を込めて丁寧に行いましょう。
末期の水は、故人との関係性が深かった順に行います。故人の配偶者から始め、子ども、両親、兄弟姉妹、子どもの配偶者、孫の順で行うのが一般的です。
生前の元気だった頃の姿に近づけるため、遺族の悲しみを少しでも癒すために、故人に対して行うのがエンゼルケアです。
顔の血色を整えるための化粧だけでなく、男性の場合は爪を切ったり、ひげを剃ったりもします。元気だった頃と同じような故人を見ることで、遺族も穏やかな気持で送り出す準備ができます。
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病院では遺体を長期間安置できないため、別の場所へと搬送し安置を行う必要があります。
遺体の搬送に関しては、葬儀業者へ依頼することが一般的です。急逝した場合などは、事前の準備ができていないこともありますが、葬儀業者を事前に決めておくと、いざという時に慌てることなく対応できるでしょう。
安置場所としては、ご自宅か葬儀業者の施設から選ぶようになります。
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安置が終わった後は葬儀担当者と相談し、喪主、葬儀の日時、葬儀内容や場所について決めていきます。
付き合いのある菩提寺がある場合には、連絡を取っておきましょう。お通夜や葬儀での読経の依頼や、戒名についての相談を行います。
葬儀の場所や日程などが決まったら、親族、故人の友人・知人、故人の職場などの関係各所へ連絡を入れます。
納棺にかかる時間の目安については、冒頭で触れました。ここからは、納棺の儀式の流れについて紹介します。全体の流れを把握することで、所要時間もよりイメージしやすくなります。
宗教や宗派によって細かく変わりますが、一般的な納棺の儀式は以下のような流れになっています。
「湯灌」は故人の遺体をぬるま湯できれいに洗う儀式です。湯灌の重要性には衛生上の理由と、宗教上の理由の2点があります。
ご遺体は、死後に時間が経つほど徐々に腐敗が進み、傷んでいきます。故人の体を少しでもきれいにし洗い清めることで、より良い状態を保つことに繋がるため、非常に重要です。
宗教上の理由としては「現世での汚れや煩悩を洗い流し、成仏できるように」という願いが込められています。
こうした重要な意味をもつ湯灌は、昔は全て親族によって行われていましたが、近年では専門のスタッフによって行われます。親族は傍らで見守りながら参加するが一般的です。
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湯灌で故人の体を洗い清めた後には、故人の旅立ちのために服を着せる作業に入ります。
一般的に、納棺の儀式で故人に着せる服を「死装束」といいます。死装束は葬儀社が用意してくれます。また、故人に着せる作業に関しても現在では葬儀社が行ってくれることが一般的です。
本来の死装束は、三角頭巾などを用いた白い巡礼姿ですが、近年では簡略化されていることも珍しくありません。また、故人が生前に好んで着ていた服を着せてあげるなどの変化も見られます。
時代と共に葬儀に対する親族の価値観や考え方も大きく変わってきています。親族や故人の希望がある場合は担当者と相談し、故人と親族の双方が臨む方法で送ってあげることが、何よりの供養になるでしょう。
故人に死装束を着せ終わった後は、最後の儀式「納棺」に移行します。
納棺とは、故人の遺体を棺に納めることで、この瞬間が親族にとっては故人との別れを最も強く感じる場面のひとつです。
昔は親族の手によって行われていたことがほとんどでしたが、今は専門スタッフの「納棺師」によって行われることが一般的です。
遺体の扱いはデリケートなため、慣れない人が行うと、故人の体を傷つけかねません。どうしても納棺を行いたい場合は、事前に葬儀担当者もしくは納棺師に相談しましょう。
葬儀では、故人と遺族の思いは何よりも尊重すべきものですから、担当者・納棺師もしっかりとサポートしてくれます。
また、この納棺のタイミングで故人への手向けとして、副葬品を一緒に棺に納めます。
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納棺の儀式中にも、いくつか必要なものがあります。親族の方々で用意する必要があるものもありますが、基本的には葬儀業者が用意してくれるものが多いのでご安心ください。
親族が用意する物に関しても、直前になって慌てて用意することのないように、事前にリストアップをして漏れのないようにしましょう。
納棺の際に、故人に着せる服「死装束」が必要になります。
宗教や宗派によって様相は様々ですが、日本で一般的な仏式での死装束は以下のようなものです。
・三角頭巾
・経帷子(きょうかたびら)
・笠
・杖
・六文銭が入れてある頭陀袋(ずだぶくろ)
・手甲
・脚絆(きゃはん)
・足袋(たび)
・草履
これらは葬儀業者が用意してくれることがほとんどです。また近年では、死装束ではなく、故人が生前愛用していた服を着せるケースもあるため、着せてあげたい洋服がある場合には、担当者へ事前に相談しておきましょう。
納棺の際に、故人と一緒に棺に納める品のことを「副葬品」と言います。古来より日本にあった習慣で、死者があの世で過ごす時のためのものと考えられていたそうです。
現代においては、生前に故人が好きだったものや、関係性の深かったものを手向けとして入れるという意味合いがほとんどです。
代表的な副葬品には、
・花
・故人の写真
・お菓子
・燃えやすい服
・手紙
・千羽鶴
などがあります。
納棺の際に入れる副葬品には、入れてはいけないものがいくつか存在します。知らずに入れてトラブルにならないよう、事前にしっかりと確認しておきましょう。
革やビニール製の製品は、燃えると有害ガスが発生したり、燃え残って遺骨に付着したり、傷つけたりする可能性があるので、入れてはいけません。故人の遺体を痛め、かつ火葬場に迷惑をかけてしまう恐れがあるので注意しましょう。
ガラス製品や金属製品は燃え残ってしまうためNGです。また、火葬の際に遺骨を傷つけてしまう可能性があることも理由として挙げられます。たとえ故人が使っていたものでも、副葬品にするのは避けましょう。
カーボン製のラケットやゴルフクラブを遺体と一緒に火葬してしまうと、火葬炉の故障の原因になります。
最悪の場合、火葬炉が緊急停止し、他の火葬にも影響が出るのです。そのため、多くの火葬場では禁止されています。
オレンジやキウイなどの小さな果物であれば、問題ありませんが、スイカやメロンほど大きなものになると、燃焼に影響してしまうので禁止されています。
どうしても入れたい場合は、細かくカットしたものを入れるようにしましょう。もしくは写真などで代用する方もいらっしゃいます。
生きている写真を故人と一緒に火葬すると、その人も連れて行かれるという迷信があります。もちろん科学的な根拠はありませんが、嫌がる人がいるかもしれません。特に複数人が写っている写真の場合は、全員に確認をとってから入れるようにしてください。
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「納棺」にかかる時間は目安として30分~1時間程です。行うタイミングは、遅くとも通夜の2時間前には開始するのが望ましいでしょう。
ただし、所要時間・タイミングに関しては特に明確な決まりはありません。希望がある場合は担当者に相談しましょう。
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初七日とは故人の命日から7日目に行われる法要のことです。ホゥ。