出棺時に故人をお見送りする意味とは?出棺の手順や服装・マナーも解説

出棺時に故人をお見送りする意味とは?出棺の手順や服装・マナーも解説

棺が火葬場へと出発する際に、参列した方全員でお見送りをします。なぜ出棺時にお見送りをするのか、疑問に思われる方もいると思います。

この記事では「出棺時に故人をお見送りする意味」について解説します。併せて出棺の手順や服装・マナーについても具体例を交えながら紹介しています。葬儀の最後となるお見送りについて正しく理解し、故人とのお別れを充実したものとするためにも、最後までお読みください。葬儀全体の流れについても、あわせて理解を深めておきましょう。

こんな人におすすめ

出棺に込められた意味を知りたい方

出棺から火葬までの流れを知りたい方

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出棺時のお見送りの意味【遺族の気持ちの整理ため】

出棺時には、葬儀に参列した人全員でお見送りをします。なぜお見送りをするかというと「遺族の気持ちの整理」のためという考えが一般的です。

自分にとって親しい方が亡くなるのは大変ショックなことだと思います。そんな中で葬儀の準備を行い、通夜に告別式と気持ちの整理をする間もなく時間が過ぎていくことでしょう。

葬儀は故人との最後の時間を過ごし、しっかりとお別れをするための儀式です。それは亡くなった方のためだけでなく、残された方々のためという側面もあります。故人と縁の深い方々が集って葬儀という場を通して、一緒に過ごした時を振り返りけじめをつけていくものです。

これからは、故人のいない世界を生きていくことになります。棺が出発するのを見送る際は、その決意を胸に故人を送り出してください。そのことが残された方自身にとっての気持ちの整理になります。

出棺の手順【火葬までの流れ】

告別式が終了したタイミングで、棺を霊柩車に乗せて火葬場へと移動させるための準備が始まります。その準備自体にも様々な儀礼があり、故人を送り出して最後のお別れをするための意味が含まれているのです。

ここでは出棺の手順から火葬の終了までの一連の手順を解説します。慣れないことですが、守るべきマナーがありますのでしっかりと確認してください。

1. 別れ花

最初に行うのが「別れ花」です。棺の中に花を入れて故人が花で包まれるようにします。基本的にはスタッフが用意した花を使いますので、ご自身で用意する必要はありません。

最初に喪主が花を入れ、次に家族など近親者から順番に入れていきます。この場が故人の顔を見る最後の機会となる可能性が高いです。これまでの感謝の気持ちを伝えるように、お別れの言葉をかけながら丁寧に花を入れてください。

そして、この時に「副葬品」という花と一緒に生前の思い出の品も入れるのが一般的です。

2. 釘打ちの儀

別れ花の次には「釘打ちの儀」が行われます。棺の角に釘を打ち込んで蓋を固定する儀式です。最初にスタッフが少し打ち込んでくれた状態になっています。それにならって故人と関わりの深い方から2回ほど釘を打ち込む段取りです。

近年は釘打ちを行わないというケースも増えています。かつては棺を人の力で埋葬場所に運んでいました。その際に蓋が取れてしまわないように釘を打ったというのが、釘打ちの起源です。

現代では車両にしっかりと固定された状態で移動するので、釘を打つ必要性が薄れていることも原因と考えられます。

3. 出棺

棺を運び出す時には、遺族の中の男性が中心となって行います。棺の向きはスタッフが案内してくれますが、足側が先にくるようにしてください。

霊柩車には遺影を持った喪主が乗り込むのが一般的です。他の火葬場に同行する方は別の車両に乗ります。出発前には喪主による挨拶をします。

他の参列者はお見送りをします。以前は、クラクションを鳴らして霊柩車が出ていくことが一般的でしたが、近年は騒音の問題からか少なくなっています。

4. 火葬場への搬送

火葬場の移動は葬儀社がマイクロバスなどを用意していることがほとんどです。費用がかかるので、自家用車や電車・タクシーなどで移動するケースもあります。

火葬炉の前で読経をしていただくため、僧侶もマイクロバスに同乗するケースも増えてきました。

位牌や遺影を持っていくのはもちろんですが、火葬には「火葬許可証」が必要なので忘れないように気をつけましょう。葬儀の最中は慌ただしいので、スタッフに預けておけば安心です。

5. 火葬

火葬場では火葬炉の前に棺が置かれた状態で「納めの式」が行われます。この場が故人との最後の別れになります。ここで僧侶による読経が行われます。この後に棺が火葬炉に入れられ、火葬の開始です。火葬の所要時間は1時間程度が一般的で、その間は控室で待機します。

6. 骨上げ

火葬が終わった後に行うのが「骨上げ」の儀式です。2人で箸を使って骨を一つずつ骨壷に納めていきます。

最初に担当者が最後に納める頭蓋骨や喉仏の骨をよけておいてくれるので、案内にしたがって行いましょう。ちなみに「喉仏の骨」と言われますが、実際には背骨の中の一つです。

骨上げは喪主などの故人の近しい親類から、2人ずつ順番に行います。最後は火葬場の担当者が骨壷に納まるように整えてくれます。

出棺する際の挨拶

出棺は葬儀における最後の儀礼となるので、遺族の代表者が挨拶するケースが多くあります。

ここでは挨拶する方が「喪主」であった場合と、喪主とは別の「親族代表」である場合「喪主代行」の場合に分けて解説します。それぞれのケースで挨拶をする場面を想定してご確認いただければと思います。

1. 喪主の挨拶

喪主を務める基準はありませんが、原則としては配偶者や長男・長女が努めます。

喪主の挨拶ではもっとも身近に故人を見てきた立場から、故人の尊敬していた部分や人となりがわかるエピソードなどを交えて話をしましょう。以下のようなメッセージを盛り込むことが多いです。

・参列への感謝
・通夜と告別式が滞りなく行われた報告
・故人に代わっての参列者への日頃の感謝
・残された遺族の決意表明
・今後のご指導のお願い

2. 親族代表の挨拶

喪主になっている方が挨拶を勤められない状況も考えられます。「葬儀の対応で多忙なため」「多くの人の前で話すのに慣れていない」「高齢で挨拶をすることが負担になる」など様々な事情があるでしょう。

そのような場合は喪主の他に親族代表を立てて、出棺の際の挨拶を担当することがあります。具体的には故人の配偶者が喪主の場合に、長男が挨拶を行うケースです。

話すべき内容は喪主が挨拶をする場合と大きく変わりません

3. 喪主代行の挨拶

喪主の代わりに挨拶をするのは「故人の親類でなければならない」というわけではありません。配偶者の親類や故人の友人・上司などが挨拶を務めることもありえます。

故人が若くして亡くなった場合などで子供が「幼い」もしくは「いない」ケースが考えられます。

話す内容は喪主の挨拶と大きく変わりませんが「代行で挨拶することへの断り」と「故人との関係性」については話の中で触れるようにしましょう。

お見送りの際の服装

お見送りの際の服装については、基本的には葬儀の服装に準ずるものです。ここでは、男性・女性・参列者・子どものケースにわけて解説します。

また葬儀場ではなく自宅からお見送りするケースについての服装も紹介します。ご自身に当てはまるケースを意識して、しっかりとご確認ください。

1. 遺族【男性】の服装

喪主を務める男性の服装は、正喪服であることが望ましいです。正喪服というと「和装」や「モーニングコート」があります。モーニングコートは夜間に着る服ではないので気をつけてください。

近しい親類の服装は通常の礼服で問題ありません。礼服とはブラックフォーマルで、通常のブラックスーツよりも黒の色味が濃いものをさします。

2. 遺族【女性】の服装

女性のお見送りの際の服装は、和装もしくはブラックフォーマルが望ましいです。和装は黒紋付で帯や草履も黒いものを着用してください。

女性のブラックフォーマルはワンピースが一般的です。夏場でも肘や膝が隠れるような、肌の露出を抑えるものを着用するのがおすすめです。アクセサリーの着用は控えましょう。結婚指輪は問題ありません。

3. 参列者の服装

遺族以外で参列している方の服装は、通常の礼服で問題ありません。喪主や遺族より格式高い服装をすることはマナー違反です。正喪服を着ないよう注意していれば、問題になることはないでしょう。

葬儀に参列せずにお見送りのみに駆けつける場合は、必ずしも礼服である必要はありません。しかしながらカジュアルな服装は適さないので、男性であれば色味の濃いビジネススーツが無難です。女性の場合は紺やグレーなどで、無地に近いワンピースなどを着用しましょう。

4. 子どもの服装

子供の服装についてですが、制服を着用していれば間違いありません。中学生や高校生であれば制服を持っているケースが多いと思います。幼稚園児であっても制服があることが多いです。

制服を持っていない場合は、地味な色味で無地の服装であれば問題ありません。幼稚園入園前の子供であれば、そもそも気にする必要はありませんが、原色などの派手な色味は避けるのが無難です。

5. 自宅からお見送りするケースでの服装

自宅から出棺するケースでのお見送りの服装についても紹介します。自宅からお見送りする場合は、基本的には普段着で問題ありません

自宅の場合はあまり近所の方に知られたくないという事情も考えられます。そのようなケースで喪服やスーツ、黒いワンピースなどを着ていると目立ってしまいます。

霊柩車お見送りのマナー

棺を乗せて火葬場へ向かう霊柩車を見送る際にもマナーがあります。故人を最後までお見送りしたいという気持ちだけでも遺族にとってはありがたいものです。

いくつかのマナーを押さえておくだけで大丈夫です。故人への最後のお別れの場をしっかりと演出するため、内容を確認してください。

1. 霊柩車を見送る際の作法

お見送りの際の作法は以下のとおりです。

・極力声を出さない
・出棺のときだけでもコートは脱ぐ
・傘をさす時は派手な色柄を避ける
・立つ位置は故人との関係の深さから判断する

お見送りは神妙な場ですので、私語は厳禁です。霊柩車が見えなくなってもしばらくは声を出さないようにしましょう。また冬場などでコートを着て待っているのは問題ありませんが、出棺の時は脱いでください。傘はさしても問題ないですが、色柄に注意しましょう。ビニール傘でも問題ありません。

お見送りの際の立ち位置ですが、ご自身と故人との関係性の深さから判断してください。前に出過ぎるのは良くないですが、逆に遠慮しすぎて後ろの方に隠れてしまうのも問題です。

2. お見送りの際に一礼するタイミング

常に棺や車両の側を向いているようにしましょう。遺族が礼をしたら参列者も礼をします。車両が発進したら一礼をし、見えなくなるまで合掌をしましょう。

数珠を持っている場合は、左手にかけた状態にしておきましょう。

3. 霊柩車に乗れる人

霊柩車に乗れる人は車両の種類によって異なります。一般の車両に比べて全長が長いものが多いですが、棺を入れるため定員は少ないです。もっとも一般的な霊柩車の場合は助手席に1名だけ乗ることができます。

もともとは、霊柩車の同乗するのは喪主であることが一般的でした。昨今でも喪主が同乗するケースは多くあります。一方で、火葬許可証を持参した葬儀会社のスタッフが同乗するケースも増えてきています。

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まとめ

あまり葬儀に参列する機会がない方も、出棺のお見送りを見かけることがあると思います。しかしながら、出棺時のマナーについて理解している人は少ないでしょう。

故人を弔う気持ちだけでも、十分ありがたいことです。マナーを理解してしっかりとした葬儀を執り行うことは、故人の名誉のためにも重要です。

小さなお葬式では、出棺のみならず葬儀全般のマナーや各種準備に関する相談にも24時間365日対応しています。小さなお葬式のコールセンターまでお気軽にご連絡ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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