一周忌法要に招かれた際は、お供え物や香典を用意して参列するのがマナーです。一周忌法要のお供え物や香典には、お通夜や葬儀とは異なるしきたりがあります。お通夜や葬儀のマナーは知っていても、一周忌法要に必要なものはわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、一周忌法要に持参するお供え物にかける「のし(掛け紙)」や、香典のマナーを紹介します。法要と通夜や葬儀に持参する香典との違いもわかる内容です。一周忌法要とは、故人の命日からちょうど1年後に執り行われる法要のことです。一周忌法要に招かれた場合は、香典を用意して参列するのがマナーです。
<この記事の要点>
・一周忌のお供え物にかけるのしの表書きは、「御供」もしくは「御供物」と書く
・仏式の場合の表書きは「御仏前」、神道の場合は「玉串料」と書くのが一般的
・一周忌法要に持参する香典袋は濃墨で書くのがマナー
こんな人におすすめ
一周忌の香典の相場が知りたい方
香典袋の書き方に悩んでいる方
香典袋の渡し方に悩んでいる方
一周忌の法要に招かれた際に、食べ物や飲み物などをお供えとして持参する人もいるでしょう。お供え物には、のしを掛けて渡すのがマナーです。ここからは、一周忌法要の内容や水引の選び方、のしの表書きについて解説します。
法要とは、菩提寺の住職を招き、読経を上げて故人を供養することです。仏教では、法要を営む日や年が決まっています。一周忌は、故人が亡くなってから満一年の命日に営む年忌法要です。
一周忌の法要では、親族や知人・友人が集まります。参列者が故人を偲び、供養することが法要の目的だからです。僧侶の読経や焼香が行われたあと、参列者でお墓参りをして「お斎(おとき)」と呼ばれる会食の場を設けます。
一周忌のお供え物にかける水引は、「双銀」や「白黒」のものを選びましょう。関西地方では「黄白」が使われることもあります。地域によって習慣が異なるので、事前に確認しておきましょう。
また、結び方は「結び切り」を選びます。結び切りには「不幸を繰り返さないように」という願いが込められています。
一周忌のお供え物にかけるのしの表書きは、「御供」もしくは「御供物」と書いてあるものを選びます。水引の下には、贈る人の名前を記します。
氏名でも名字のみでも問題ありませんが、関係性に応じたわかりやすい表記にしましょう。会社などで贈る場合には、「会社名」や「○○部一同」と記載します。
のしのかけ方にもマナーがあります。状況に応じて「外のし」と「内のし」を使い分ける必要があります。地域によっても異なりますが、ここからは、一般的なのしのマナーを紹介します。
お供え物を包装紙で包んでからのし紙をかける方法が「外のし」です。法要に参列して、お供え物を手渡しする場合に、外のしが選ばれます。
誰からの贈り物なのか判別しやすいのが外のし特徴です。
お供え物そのものにのし紙をかけ、さらにその上から包装紙で包む方法が「内のし」です。法要に参列できず、郵便や宅配便でお供え物を送る場合に内のしが選ばれます。
また、表書きが包装紙の中に隠れていて、控えめな印象を与えるため、一周忌のお供え物としてふさわしいと考えられています。
一周忌法要の参列者に、参列のお礼の品物として「返礼品」を渡します。このお返しにものしをかけるのがマナーです。ここからは、返礼品にかけるのしの選び方や表書きの書き方を紹介します。
表書きには「志」や「粗供養」や「一周忌」と書きましょう。水引の下には、施主の氏名か名字、もしくは「◯◯家」と書きます。施主は参列者にお返しを渡す際に、参列していただいたことへのお礼を述べましょう。
一周忌のお返しにかけるのしも、基本的にはお供え物にかけるのしと同じです。
水引は「双銀」や「白黒」が一般的で、関西地方では「黄白」が使われることもあります。結び方は「結び切り」、包装紙は落ち着いた地味な色のものを選びましょう。
施主側から香典辞退の案内がない限り、一周忌法要にも香典を持参するのがマナーです。香典を持参するのは、通夜や葬儀のときだけではありません。ここからは、一周忌法要における香典の意味について解説します。
一周忌の法要に招かれた際は、香典を用意するのがマナーです。通夜や葬儀に参列した方も、法要では新たに香典を用意しましょう。もともと香典は弔意を表すとともに、相互扶助としての役割も担っているためです。
法要の案内状に香典辞退の旨が記されている場合は、遺族の意思を尊重しましょう。香典を無理にお供えする必要はありません。供花やお供え物などを持参し、弔意を表しましょう。
ただし、案内状に「ご厚志辞退」と記載がある場合は、香典だけでなく供花やお供え物の受け取りも辞退しています。参列して焼香を上げ、弔意を示しましょう。
一周忌法要における香典の相場は、地域や故人との関係性、親族の考え方によって異なります。関係性別の香典の相場は以下の表のとおりです。
香典は、「死」や「苦」を連想させる「4」や「9」から始まる金額は避けましょう。特に、連名で香典を包む際の金額に注意が必要です。
故人との関係性 | 一周忌法要の香典の相場 |
自分の親 | 1万円~5万円 |
自分の兄弟姉妹 | 1万円~5万円 |
自分の祖父母 | 5,000円~3万円 |
配偶者の親 | 1万円~5万円 |
配偶者の兄弟姉妹 | 1万円~5万円 |
配偶者の祖父母 | 5,000円~3万円 |
親戚のおじ・おば | 5,000円~1万円 |
近くない親戚 | 5,000円~1万円 |
元上司 | 5,000円~1万円 |
香典を用意するにあたり、多くの方を悩ませるのが「香典の金額」です。基本的には故人との関係性できまりますが、年齢や会食の有無によっても金額が変動します。いくら包めばよいのか分からない場合は、家族や葬儀会社に相談してみましょう。
故人との関係性が近いほど、香典の金額は高くなる傾向にあります。故人よりも自分のほうが年上である場合も、多めに香典を包みます。また、生前の付き合いの深さも加味しましょう。親戚関係や友人関係の場合は、付き合いの程度によって調整します。
香典の相場は、年齢によっても変動します。20代前半の方などは、目安の下限の金額を包んでも問題ありません。30代以降は年相応の金額を包むのが望ましいでしょう。40代以降の方は、多めに包む傾向にあります。
会食の有無も、香典の金額に大きく関わります。案内状に会食の有無が記載されているので、確認しておきましょう。
法要の後に会食の場が設けられている場合は、人数分の食事代を香典に上乗せしましょう。食事代の代わりとして、相応のお供え物や供花などを持参する方法もあります。
香典に関するしきたりは、地域によってさまざまです。一周忌法要の香典に対する考え方も親族や家族ごとに違うでしょう。
家族や親族に相談して、包む金額を事前に取りきめておくのもおすすめです。
一周忌法要に持参する香典も、通夜や葬儀と同様に結び切りの水引のものを選びましょう。仏式の香典袋は、包む金額に合わせて水引の色や種類を選びます。
5,000円前後の香典:水引が印刷された略式の香典袋
1万円~3万円の香典:白黒の水引を掛けられた香典袋
3万円~5万円の香典:双銀の水引が掛けられた香典袋
香典袋は、故人が信仰していた宗派に合うデザインを選びます。蓮の花がデザインされているものは仏式の香典袋です。故人の宗派が仏教以外の場合は選ばないようにしましょう。
一方で、ユリの花がデザインされているものはキリスト教式の香典袋です。仏式の法要にはふさわしくないので注意が必要です。
香典袋には、故人の宗派に応じた表書きを記載します。名前の記載方法は、香典を包んだ方との関係性や人数によって異なります。ここからは、宗教・宗派別の表書きと香典袋の名前の書き方を解説します。
仏式の一周忌の場合、表書きは「御仏前」と書くのが一般的です。葬儀に持参した香典袋の表書きを「御霊前」とした場合でも、一周忌では「御仏前」に変わります。
浄土真宗以外の宗派では、四十九日を過ぎると故人の霊は仏様になると考えられているからです。「御仏前」以外にも「御佛前」や「御香料」「御香典」なども使えます。
一周忌や法要は、仏教における呼び方です。神道にも一周忌の法要にあたる儀式があり、「一年祭」と呼ばれます。一年祭とは、親戚や友人・知人が参列する追悼式のことです。
神道では、「五十日祭の後、故人は子孫を守る神様になる」と考えられています。神道の死生観に基づき、表書きは「玉串料」「御榊料」「御神前」を使用します。
キリスト教にも、仏式の一周忌や神道の一年祭に相当する「追悼式」があります。キリスト教の表書きは、カトリックとプロテスタントどちらの宗派でも使える「御花料」がおすすめです。
カトリックでは、「御花料」以外に「御ミサ料」や「御霊前」も使用できます。ただし、「御ミサ料」と「御霊前」はカトリックにしか使えない点に注意が必要です。プロテスタントの表書きには、「献花料」「忌慰料」があります。
個人で香典を出す場合は、表書きの中央下部に氏名を書きます。夫婦で香典を包む場合は、夫の氏名を表書きの中央下部に書き、妻はその左に名前のみ記入します。
3人以下の連名であれば、全員の氏名を表書きの下に記入して問題ありません。先輩と後輩、上司と部下といった上下関係がある場合は、立場が高い順に右から氏名を書きます。立場に上下がない場合は、五十音順に記入しましょう。
4人以上の連名の場合は、団体名や代表者(法要に参列する方)の氏名のみを中央に書きます。「○○(団体名)一同」や「○○(団体名)有志」「代表○○(代表者の氏名)他○名」などが代表的な書き方です。この場合は、香典を包んだ方の氏名を別紙に記入して香典袋に同封しましょう。
香典袋の中袋には、香典を包んだ方の住所と氏名、香典の合計金額を書きます。記入欄があれば、項目に従って記入しましょう。
中袋に記入欄がない場合は、おもて側の中央に包んだ香典の合計金額、裏側の左下に住所と氏名を書きます。香典の金額は「壱」や「弐」など、「大字」と呼ばれる旧字体を使って縦書きで記載します。
中袋の記載内容は、遺族が後から確認する大切な情報です。郵便番号やマンション名などは省略せず、はっきりと見やすい字で書きましょう。
連名で香典を包んだ場合も、全員分の情報を縦書きで記載します。スペースが足りない場合には別紙が必要です。中袋に記載する情報も、立場が上の人から順に書きます。
一周忌の法要に持参する香典は、あくまでも成仏した故人へのお供え物です。通夜や葬儀の香典とは込められている意味が違うため、包み方や渡し方も異なります。ここからは、香典袋の包み方や渡し方を紹介します。
葬儀の香典では、お札を入れる向きで悲しみを表現します。しかし、一周忌法要では肖像画が中袋のおもて側を向くようにお札を入れましょう。
香典は、「袱紗(ふくさ)」に入れて持参するのがマナーです。一周忌法要で使う袱紗は、寒色系の紺や濃い紫、灰色が適しています。
風呂敷を袱紗として使う場合の包み方は、弔事用の左包みです。香典袋を風呂敷の中央に置き、香典袋の右側・手前側・向こう側・左側の順に折り畳み、はみ出た部分を内側に折り込んで整えましょう。
一周忌の法要では、会場に到着したタイミングで香典袋を渡します。渡す相手は法要の施主です。渡す直前に袱紗から取り出して、表書きが見えるように香典袋をおもて向きにして手渡します。
「どうぞ仏前にお供えください」「心ばかりではありますが、御仏前にお供えください」など一言添えて渡しましょう。一言添えることも、香典を渡すときのマナーです。
一周忌法要の香典袋を用意する際は、いくつか注意すべきことがあります。一周忌の香典で使用する墨の色は、通夜や葬儀とは違うからです。
ただし、地域や親族によって、しきたりに対する考え方が異なります。不安な場合は、地域の慣習に詳しい親戚や葬儀会社に確認しましょう。
訃報を知った悲しみを表現するために、通夜や葬儀の香典袋は薄墨で書くのがマナーです。一方で、一周忌の法要に持参する香典袋は濃墨で書きます。
四十九日法要の忌明け後は、墨の色で悲しみを表現する必要がないからです。お札を入れる向きと同様に、「一周忌の法要で持参する香典は、仏様になった故人へのお供え」という考えが根底にあります。
一周忌法要の香典に新札を包むのは避けましょう。手元に新札しかなく、古いお札を用意する時間がない場合、折り目をつけてから中袋に入れます。仏様にお供えする性質上、汚れているお札はふさわしくありません。
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一周忌のお供え物には「のし(掛け紙)」をかけます。かける水引は、「双銀」や「白黒」のものを選びます。関西地方では「黄白」が使われることもあります。地域によって習慣が異なるので、事前に確認しておきましょう。結び方は「結び切り」、のしの表書きは「御供」もしくは「御供物」と書いてあるものを使用します。
遺族から事前に香典辞退の案内がない限り、一周忌の法要に招かれたら香典を持参するのがマナーです。
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