故人を供養するために行われる法要には、四十九日法要や一周忌法要、三回忌法要などがあります。しかし、「どの法要をいつ行えば良いかわからない」と頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
特に三回忌法要は、2年目に行うものなのか、3年目に行うべきなのかわかりにくい年忌です。今回は、三回忌法要がいつであるのか、年忌の数え方と参列する際のマナーを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・三回忌法要は故人が亡くなってから満2年後に行う
・三回忌法要は香典を持参することが一般的で、袱紗に包んで持っていくのがマナー
・お布施の金額は三回忌以降は1~3万円程度が目安
こんな人におすすめ
三回忌を迎える方
三回忌法要の流れを知りたい方
三回忌の香典の目安を知りたい方
法要は、故人の冥府を祈り、その霊を慰めるために行うものです。大きく分けて追善法要と年忌法要があり、前者は四十九日までに行い、後者は命日から1年ごとに行う法要になります。
通常、四十九日を喪に服する期間が終わる「忌明け」とし、命日から100日目には「卒哭忌(そっこくき)」とも呼ばれる百箇日法要を営むのがならわしとなっています。
法要は、一周忌・三回忌・七回忌・十三回忌・十七回忌・二十三回忌など、故人が亡くなった同月同日のうち、決められた年に行うものです。原則として法要は命日に行いますが、お寺や参列者の都合で別の日にしても問題ありません。その際は、命日よりも前の日に行うのが一般的です。
最後に行う年忌法要は、「弔い上げ」と呼ばれています。弔い上げ以降は、お寺などに永代供養を依頼します。宗派にもよりますが、三十三回忌や五十回忌ぐらいまでに終わりにすることが多いようです。
年忌は、地域や宗派によって行う回数が異なります。法要のタイミングについて確認したい場合は、菩提寺に問い合わせておきましょう。
宗派 | 年忌の違い |
浄土真宗 | 二十三回忌と二十七回忌を行わず、二十五回忌を行う場合あり |
真言宗 | 同上 |
臨済宗 | 十五回忌だけを行う場合と、二十三回忌と二十七回忌を行う場合あり |
日蓮宗 | 同上 |
曹洞宗 | 二十三回忌と二十七回忌を行う場合と、二十五回忌としてまとめて行う場合があり |
年忌法要は、故人の祥月命日に執り行う法要です。祥月命日とは、故人が逝去した月日と同じ月日のことを意味します。死亡した翌年の同月同日には一周忌法要を営み、三回忌・七回忌・十三回忌と続いていきます。
一方で、「三回忌はいつ?」「年忌の数え方が知りたい」という方も多いのではないでしょうか。以下の表をもとに、三回忌の数え方と各年忌法要を確認していきましょう。
法要名 | 時期 |
一周忌 | 死後満1年目 |
三回忌 | 死後満2年目 |
七回忌 | 死後満6年目 |
十三回忌 | 死後満12年目 |
十七回忌 | 死後満16年目 |
二十三回忌 | 死後満22年目 |
二十五回忌 | 死後満24年目 |
二十七回忌 | 死後満26年目 |
三十三回忌 | 死後満32年目 |
三十七回忌 | 死後満36年目 |
四十三回忌 | 死後満42年目 |
四十七回忌 | 死後満46年目 |
五十回忌 | 死後満49年目 |
三回忌は、故人の死後「満2年目」になります。亡くなった日を1回目の忌日(故人が亡くなった日)とし、丸1年を2回目の忌日、丸2年目を3回目の忌日であると覚えておくと良いでしょう。
法要では、三回忌・七回忌・十三回忌など、「三」と「七」の数字がよく使われます。それはなぜなのでしょうか。
諸説ありますが、四十九日までの法要は、古代インドの死者儀礼が原型となっているといわれています。インドでは、生まれ変わりを意味する「輪廻転生」の考え方が根付いています。インドにおいては、死後、次に生まれてくるまでの期間を「中陰」と呼んでいます。この中陰は、四十九日間でありこの間遺族は7日ごとに供養し、故人の次の人生が豊かであることを願うのです。
一方、百箇日・一周忌・三回忌までの日本の法要については、中国の儒教「十王信仰」の影響が大きいといわれています。
儒教では、冥界にいる10人の王が死者の罪を裁くと考えられています。故人はそれぞれの王から、7日おきに計7回の裁きを受けます。最初の裁きが行われる日を初七日、7回目の裁きを受ける日が四十九日になります。そして、百箇日・一周忌・三回忌を合わせた計10回の審判を受けたあと、故人は転生すると考えられています。
日本の法要は、こうしたインドや中国の考え方を取り入れて広がっていったといえるでしょう。
三回忌の進行には、決められたルールは特になく、地域や宗派、遺族の考え方によっても異なります。一般的に一周忌までは、故人の親族や友人、勤務先の関係者などを招いて大規模な法要を営みますが、三回忌からは招待する方を減らしていきます。
三回忌法要では、僧侶を招きます。施主の挨拶のあとに読経をしてもらい、参列者が焼香をします。僧侶による法話を聞いたあとは、施主による終了の挨拶を行い、故人を偲びながらの会食に移ります。
三回忌法要では、香典を持参することが一般的です。香典は葬儀のときと同様に、不祝儀袋の中に入れます。香典袋の水引は弔事用を使用し、双銀の結び切りの水引が付いたものを選んでおくと良いでしょう。
香典袋は香典の額に見合ったものを選び、香典袋は袱紗(ふくさ)に包んで持っていくことがマナーとなっています。袱紗は、紺色や藍色、紫色が望ましいです。
香典の目安は、故人との関係性によって異なります。いくら包めば良いか迷った場合は、一周忌と同額を包んでおくと良いでしょう。絶対ではないですが、一般的な香典の目安を紹介します。
故人との関係性 | 金額 |
両親・兄弟 | 1万円~4万円 |
祖父母 | 5,000円~1万5000円 |
叔父・叔母・甥・姪 | 5,000円~1万5000円 |
法要の場合は会食の席が設けられていたり、お車代を施主が負担してくれたりすることもあります。その際は、お礼の気持ちを込めて香典も、5,000円~1万円程度上乗せしましょう。七回忌以降の香典は、一回忌・三回忌の半分から7割程度になります。
お布施の金額は地域や宗派によって異なりますが、一般的に一周忌で3~5万円、三回忌以降は1~3万円程度を目安にしておくと良いでしょう。
状況によっては、お車代や御膳料を包むこともあります。年忌法要をお寺ではなく、自宅などで行う場合は、お車代として5,000円~1万円、僧侶が会食に参加しない場合は、5,000円~1万円上乗せして包むのが一般的です。
しかし、「本当にこの金額で大丈夫だろうか」と不安になることもあるでしょう。どのくらい包めば良いか困った場合は、直接僧侶に尋ねてみるのも一つの手です。
その際は、お布施の金額を不躾に聞くのではなく、「みなさんお布施はどのくらい包まれますか」と、歪曲的な表現で伝えるのがコツです。それでも聞きづらいという場合は、他の檀家の方に話を聞いてみるのもおすすめです。
三回忌を含めた年忌法要のあとには、会食が用意されていることが多いです。このときの食事のことを「お斎(おとき)」といいます。
お斎は、故人を偲ぶと同時に参列者や僧侶に感謝の思いを示すものでもあります。仏教用語の「斎食(さいじき)」が由来となっており、精進料理を出すのが正式な形です。しかし、近年ではホテルでの会食なども増えてきており、参列者の都合に合わせた柔軟な形も多くなってきています。
ただし、伊勢海老や鯛といったお祝い事のイメージが強い食材はお斎には向いていません。紅白や松竹梅などの縁起物も避けましょう。料亭やホテルを利用する場合は、事前にメニューを確認しておくと安心です。
お斎が終わる時間に近づいたら、参列者のお膳の前に返礼品である引き出物を配ります。最初は僧侶に渡すのがマナーですが、大人数の場合は最初からお膳の横に置いておいても問題ありません。
その際は、施主の挨拶のときに、各自にお礼をお伝えすることができないお詫びと、引き出物を持ち帰っていただくことを伝えることが大切です。会食がない場合は、参列者をお見送りする際に引き出物を渡しましょう。
参列者に渡す引き出物には、のしを付けます。一回忌までは、黒白か双銀の結び切り、三回忌以降は青白か黄白(きしろ)の結び切りの水引が良いでしょう。
のしの表書きには、「志」または「粗供養」が一般的です。特に志は宗派を問わず使えるため、迷った場合は志を選ぶことをおすすめします。
品物の包装紙には特に決まりはありませんが、白・黒・グレーなどが多いです。落ち着いた色や明るすぎない色であれば問題ありません。デザインも特に指定はありませんが、菊や雲といったシンプルな柄を選んでおくと良いでしょう。
故人と関係が深い場合、三回忌までは葬式と同様に喪服を着用しましょう。七回忌になると、案内状に「平服でお越しください」と書かれていることもあり、その場合は平服を着用しても問題ありません。
ここでいう平服とは、略喪服のことで、ダークグレーやネイビーといったシックな色合いの装いになります。
男性であれば、無地か柄の少ない落ち着いた色合いのスーツがおすすめです。その場合、白色のワイシャツと黒色の靴を合わせるのが良いでしょう。女性は、グレー・ネイビーなど暗色のスーツやワンピースが無難です。靴もシンプルなパンプスを選び、華美なアクセサリーは避けましょう。パールやオニキスのものを選べば品良くまとまります。
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三回忌法要は故人が亡くなってから、満2年の祥月命日に営まれる法要です。招かれた場合は、やむをえない事情を除き、必ず参列しましょう。
スーツや香典袋など、事前に準備できるものは用意しておくと安心です。また、施主である場合は法要をする会場や日時を余裕もって決めておくことが大切です。しっかりとした準備ができていれば、三回忌法要当日も故人を偲ぶ心の余裕も生まれるはずです。
香典は一周忌などの年忌法要でもお葬式でも自己判断が難しい事項です。正しいマナーや包む金額に不安があるときは、小さなお葬式にご相談ください。豊富な実績に基づく、ケースに応じた適切なアドバイスをいたします。
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