水子供養とは、中絶や流産、死産などさまざまな理由により亡くなってしまった胎児の魂を供養することです。
生まれてくるはずの子どもを亡くし悲しみの中にいながらも、何かしら供養をしたいと考える方もいるでしょう。しかし何が供養になるのか、誰に相談すればよいのかと悩む方も少なくありません。
水子供養ができる寺院は存在するものの、なかなか相談しづらいものです。そこでこの記事では、水子供養のタイミングやお参りだけの供養方法などを紹介します。相談しづらい水子供養について、形式にとらわれず自分に合った供養方法を見つけられる内容です。
<この記事の要点>
・水子供養は流産や死産した子どもを供養することで、心を慰めて立ち直るきっかけになる
・水子供養は、心に区切りがついてお参りしたいと思ったときに行うとよい
・簡易的な仏壇を用意したり、写経や写仏をしたりすることも水子供養になる
こんな人におすすめ
水子供養の方法を知りたい方
水子供養の重要性や役割について知りたい方
水子供養のお参りに行けない場合の供養方法を知りたい方
代表的な水子供養として、塔婆をお供えしたり、寺院や葬儀社を通して読経や戒名などを執り行ったりします。しかし子どものことを考え、手を合わせることも立派な水子供養のひとつです。水子供養はお参りだけでもよいのか迷っている方に向けて、まずは水子供養の方法について紹介します。
水子とは、中絶や流産、死産など何らかの理由で亡くなった胎児や生後間もなく亡くなった子どものことです。亡くなった子どもを「水子」と呼ぶ理由として、かつて亡くなった胎児や乳児を川に流して弔っていたという説や、光を見ずに亡くなった子ども(見ず子)という説、『古事記』に登場する「ヒルコ(水蛭子)」に由来する説などがあります。
水子供養を扱う寺院には「水子地蔵」と呼ばれるお地蔵様があることをご存じでしょうか。仏教では、親を残して亡くなった子どもの魂は、三途の川の手前である「賽(さい)の河原」に留まると考えられています。お地蔵様は、成仏できずにいる水子たちを救い、導く存在です。
寺院にある水子地蔵様へ静かに手を合わせるだけでも、水子の旅立ちと幸せを願う立派な供養になります。中には水子供養をきちんとしないと祟られるという俗話もあり、不安になる方もいるでしょう。
しかし、仏教において「供養が足りないと水子に祟られる」といったことはありません。亡くなった赤ちゃんに対して、ご自身に合った形で手を合わせることが何よりの供養でしょう。
寺院によっては水子地蔵にお参りするだけでなく、ご自身で手作りのお地蔵様(つちぼとけ)を作れる寺院もあります。心を込めてつちぼとけを作成し、子どもの幸せを祈ることも供養です。
陶芸で作成する本格的なものからオーブンで焼ける粘土で作れるものもあるため、気になる方は寺院に直接問い合わせたり、葬儀社を経由して紹介したりしてもらうとよいでしょう。
誰にも知られず、ひっそり水子に手を合わせたいと考えている方もいます。多くの寺院では、水子地蔵にお参りだけすることも可能です。
ただし、子どものためにと持参したお菓子やお人形などを寺院に黙って供えるのは、野生動物や野良猫などに荒らされてしまうことがあるため避けましょう。お供えを希望する場合は、寺院の方に声をかけて、相談してからにします。
「水子を供養しないと祟られる」「親より早逝した子どもは罪である」などの俗信により、水子供養をしなければならないと悩む方もいます。水子への供養は一般的に重要視されているものの、義務ではありません。ここでは、水子供養の重要性や役割についてまとめました。
水子供養には、流産・死産などで自分を責める両親の心を慰め、立ち直る機会を与えるという役割もあります。生まれる前の子どもを亡くしてしまった事情は、人によって異なるでしょう。誰にも言えずにひとりで懺悔の気持ちを抱えてしまっている方もいれば、悲しみをこらえきれず立ち直れないという方もいるかもしれません。
形式にとらわれず子どもに対して手を合わせることで、自分の気持ちを伝えながら、子どもの幸せを願うためにあるのが水子供養です。心を込めて供養することは、ひとりで抱えきれないさまざまな感情に区切りをつける機会にもなります。
どのような形で子どもの命と別れたにせよ、子どもの命がご自身の側にあったことに対して向き合う時間を持てるのも水子供養の重要性と言えます。
お別れしてしまったとしても、授かった命と出会えたことは事実です。懺悔をしたり、自分を責めたりするだけでなく、水子の命と向き合って出会いに感謝すれば、水子もきっと天国で幸せに過ごせるでしょう。
中にはつらく悲しい経験を忘れてしまいたい、これ以上子どものことを思い出して苦しみたくないと考える方もいるでしょう。しかし供養は、悲しみをなくすためのものではありません。
別れ方はそれぞれありますが、そこにあった命を忘れないことも、亡くなった子どもへ供養のひとつです。懺悔や謝罪・悲しみなど今の気持ちを慰め、子どものことをいつまでも忘れない勇気を持つためにも、重要な儀式と言えます。
悲しみや手を合わせたいという気持ちが生じるタイミングは、人それぞれ異なります。亡くなってからすぐに水子供養を執り行う方もいれば、数年経った後にお参りをしようと考える方もいるでしょう。
供養のタイミングに早い遅いはありません。悲しみにあふれ、子どもに向き合えない状態の中、「供養しなければ」と無理をしないことも大切です。ご自身の心に区切りがつき、亡くなった子どもに対してお参りだけでもしたいと思ったときこそ、水子供養のタイミングと言えます。
亡くなった子どもに対する懺悔の気持ちを自宅に持ち帰ったり、ひとりで抱え込んだりすることは、心の健康を損ねることにもつながります。
しかし、中には寺院に行くことすら気が引けてしまうという方もいるでしょう。ここでは、何らかの事情により水子供養のお参りに行けないという方へ向けて、自宅でできる供養について紹介します。
寺院にお参りに行くのも気持ちが定まらないな場合は、写経や写仏をするという方法があります。写経は仏教経典を写すこと、写仏は仏様を模写することで、亡くなった子どもに対する供養のひとつです。
写経や写仏は用紙とお手本、書道具があればいつでも始められます。写経する場合は、経典を写し終えた最後の部分に「為○○水子供養」とし、付けようと思っていた子どもの名前や戒名を記載しましょう。また、写仏供養する場合は水子地蔵を選んで写仏します。
小さな仏壇や位牌、線香立てを用意して、毎日自宅で手を合わせることも立派な供養です。最近では黒のベーシックな位牌以外に、子ども向けの小さな位牌や、部屋になじむモダンなデザインの位牌などもあります。すでに水子供養を依頼して位牌がある場合は、そのまま設置しても構いません。
一般的な仏壇へと同じように、毎日ご飯やお水を用意し、おもちゃや人形・お菓子を供えれば、常に赤ちゃんの存在を身近に感じ続けられるでしょう。
ご遺骨がある場合は、骨壺供養もできます。骨壺供養とは遺骨を骨壺に入れて、お墓ではなく自宅で供養する「手元供養」のことです。最近では手元供養も浸透しつつあり、骨壺はインターネット通販などでも購入できます。シンプルなデザインから可愛らしいデザインまで、骨壺のバリエーションも豊富なため、子どものことを考えながら選ぶのもおすすめです。
骨壺供養では簡易仏壇と同じように、ご飯や水・おもちゃ・人形などを骨壺の側にお供えして手を合わせましょう。
どのように供養したらよいか分からないが、他の方には相談しづらいと感じる方も少なくありません。ここでは、水子供養に関してよくある疑問をピックアップしました。水子供養をする前に、方法や流れについて知りましょう。
人には言えない事情を抱えているなどの理由で、誰にも知られず水子供養のお参りがしたいと考える方もいるでしょう。水子供養を執り行っている寺院に足を運べば、水子地蔵に手を合わせられます。
「近くの寺院では誰かに知られてしまうのではないか」「頼れそうな寺院探しができない」と悩んでいる方は、葬儀社や寺院に相談するのがおすすめです。また、インターネットなどでも寺院を検索できます。
浄土真宗や神道では、死に関する考え方の違いから水子供養をしないのが一般的です。しかし、相談者の苦しみや辛さに寄り添いたいと願う寺院や神社によっては、水子供養に対応してくれるケースもあります。
まずは自身や家族に信仰する宗教・宗派があるかどうかを確認しましょう。交流がある寺院または菩提寺があれば、水子供養をしていない場合でも相談してみるのがおすすめです。
水子供養はお参りだけでなく、一般の葬儀や法要のように寺院で供養するという方法があります。一般的な水子供養の流れを見てみましょう。
1. 葬儀社または菩提寺・寺院に相談
2. 水子供養の申し込み
3. 読経や戒名法要・永代供養など希望の供養方法を選択
4. 供養する
5. 戒名法要・永代供養の場合は後日、戒名と位牌を受け取る
水子供養では、単独で執り行う法要と合同で執り行われる「合同供養」の2種類があります。単独供養の場合は寺院によって予約が必要なこともあるので、事前に問い合わせしましょう。
最近では、菩提寺を持たないという方も増えつつあります。菩提寺がない場合はインターネットで水子供養をしてくれる寺院を探したり、葬儀社から紹介を受けたりすることが近道です。寺院探しの際はひとつに絞らず、ご自身の気持ちに寄り添った法要を提案してくれる寺院を見つけましょう。心を込めた供養をするためにも、寺院選びは重要です。
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デリケートな部分であるため、水子供養について誰かに相談しづらいという方も多いでしょう。水子供養は、心が決まったときが供養のタイミングです。お参りだけでも十分供養となるので、ご自身に合った方法で、天国の赤ちゃんに気持ちを伝えましょう。
「小さなお葬式」では、葬儀・法要や葬儀全般に関するさまざまなご相談を受け付けております。水子供養に関する心配や疑問があれば、ぜひ小さなお葬式へご連絡ください。専門スタッフが24時間365日、お電話にてサポートさせていただきます。
「お悔やみ申し上げます」は通夜や葬儀の定型句なので、宗派を気にせず使えます。ホゥ。