多くの通夜では受付を設けて、参列者を迎え入れます。受付で参列者は手短な挨拶とともに記帳をして香典を渡す流れです。受付の担当は信頼のおける親族やごく親しい友人にお願いするのが一般的で、近しい方の葬儀の際には受付を頼まれることもあるかもしれません。
本記事で、通夜の受付の流れや交わされる挨拶について確認しておきましょう。受付側の視点、参列者側の視点から、通夜の受付のやりとりについて解説します。特に交わす挨拶には使ってはいけない言葉もあり、注意が必要です。配慮ある挨拶で、マナーを守って通夜に出席できるよう準備しましょう。
<この記事の要点>
・受付では短く丁寧な挨拶を心がけ、参列者への感謝や気遣いを伝えることが重要
・参列者は、故人や遺族へのお悔やみの気持ちを伝えることが大切
・忌み言葉は避け、宗派に沿ったふさわしい言葉を使うのがマナー
こんな人におすすめ
通夜式をお考えの方
通夜式の際に参列者をお迎えする時の挨拶を知りたい方
通夜式の受付でのルールについて知りたい方
通夜の受付は特に誰がやるという決まりはありません。遺族に近しい方に依頼することが多いでしょう。親族の中でも信頼できる人柄の方に依頼するのが一般的です。
受付には現金を扱う重要な役割があります。そのため、遺族側と参列者側の香典のやり取りに関係ない葬儀場のスタッフには、基本的に受付を依頼できません。ただし、家族葬など参列人数が少ない場合には現金管理以外の業務を依頼できる場合もあります。
参列者を迎え入れることも受付の大切な役割です。参列者が受付する際には、配慮ある挨拶で声をかけ、スムーズに手続きできるよう促します。
受付に立つことになったら、香典などの管理も重要ですが、美しい挨拶で迎え入れる姿勢も大切です。挨拶では丁寧な言葉遣いや声のトーンなどにも気を配りましょう。明るい場ではないので、声のトーンはできる限り低めにし、ボリュームも抑えるのが適切です。
参列者から先に挨拶をされたときは「お忙しい中お越しいただきありがとうございます」と受け答えします。内容はその日の天候によって少し変えてみましょう。例えば暑い日には「暑い中お越しいただきありがとうございます」といった返しをすると、参列者への感謝や気遣いが感じられ、良い印象を与えられます。
通夜に参列する際には、遺族への配慮を忘れずにマナーを守った振る舞いを意識しましょう。ここでは、実際に参列する際の挨拶と、参列者側から見た受付の流れを紹介します。
参列者は受付へ向かった後、「この度はご愁傷さまでした」と簡潔にお悔やみの言葉を述べます。
受付での挨拶は、追悼の意を伝えるものです。そこで故人のことをいろいろと詮索したり、笑顔を見せたりすることは故人や家族との関係性によっては不快にさせてしまうことがあります。また、交わす言葉は最小限に留めましょう。
ちなみに受付後または、退席時に返礼品をいただくことがあります。その際は「ありがとうございます」ではなく、「恐れ入ります」などと答えるのが適切です
受付では芳名帳に住所と名前を書きます。遺族が参列した人を把握するための記録なので、必ず記載しましょう。芳名帳は芳名カードを受付の脇で記入して、受付時に香典と共に渡すこともあります。
書き終わったら香典を受付に渡しましょう。表書きを受付が読めるように向きを変えて差し出します。「お納めください」や「お供えください」など一言添え、両手で渡すのがポイントです。
受付にはたくさんの人が訪れます。知っている人がいても挨拶は一言で済ませて、長居をせずに会場へ向かいましょう。
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受付の仕事はただ参列者を迎えるだけでなく、迎えるための事前準備から通夜が終わった後の会計処理までさまざまな仕事があります。ここでは、頼まれた場合に慌てず引き受けられるよう、受付の仕事について時系列で確認しましょう。
受付をスムーズに進行できるよう、筆記用具や芳名帳、香典受け、名刺受けなど必要な道具をそろえます。同時に記名係、会計係、返礼品を参列者に渡す係などの役割も事前に分担しておきましょう。
また、会場の下見も大切な仕事です。トイレやロッカーの場所を参列者から聞かれることも多いので、事前に確認し会場内を把握しておくとスムーズに案内できます。
基本的に受付は、通夜が始まる30分前ごろから始まります。それまでにこれらの準備を終わらせ、余裕を持って参列者を迎えましょう
参列者が来たら、まずはわざわざ来てもらったことに感謝の意を伝え、芳名帳に記名してもらうようお願いします。記載に不明な点があった場合、正しい記載の手助けするのも受付の大切な役割です。
会計係は参列者から香典を受け取り、管理します。地域ごとの違いはありますが、参列者に許可を取りその場で確認する、あるいはその場を離れてから中身を確認し、金額を記入しましょう。まれに、封筒の裏に書かれている金額と実際に入っている金額が違うこともあるので、事後トラブルにならないように注意が必要です。
受付が済んだら、参列者が退出する際に返礼品を渡せるよう引き換えの札をもたせます。こちらも地域によっては、後日に香典返しとして送るため返礼品を渡さない場合もあるので、事前に確認しましょう。
受付係は、通夜が開始した後もその場にいることが基本です。通夜の最中に参列者が来ることもあり、その際記名してもらうことや香典を預かるという重要な役割があります。受付には最低でも1人は、その場に残るようにしましょう。焼香をしたり、お手洗いに行ったりする場合は、交代で済ませます。
通夜が終わった後も受付係には芳名帳の確認や香典袋と残った返礼品の整理、香典の会計確認、後片付けなどの仕事が盛りだくさんです。最後に喪主の方や葬儀場のスタッフに確認してもらい、受付の仕事は終了となります。
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受付を引き受けたら、挨拶や言葉遣いはもちろんのこと、服装や所作に気をつけましょう。受付は遺族側の立場として参列者を迎えるので、失礼があってはいけません。
受付が会場の外であっても私語は厳禁です。通夜の最中に話に夢中になってしまい静かな会場で響いてしまう場合もあります。また、参列者と同様、携帯電話はマナーモードに設定しなければいけません。また、あまり笑顔を見せるのもその場にふさわしくないので注意が必要です。
参列者が受付に来た際に、受付として最初にするのがお悔やみの挨拶です。参列者側と受付側、それぞれ挨拶の文言は違ってきます。しかし、どちら側にも共通して、通夜の場にふさわしくない言葉や忌み言葉というものもあります。誤って使用しないように事前に確認しておきましょう。
忌み言葉とは、縁起が悪かったり死を連想させたりするような言葉を指します。特に重なり言葉は、不幸が重なって起こることを連想させる言葉です。通夜や葬式での会話にはふさわしくないとされています。忌み言葉の主なものは以下の通りです。
・死に関係する言葉:「四」「九」「死ぬ」
・繰り返しを表す言葉:「再び」「追って」「続く」
・重なり言葉:「重ね重ね」「いよいよ」「くれぐれも」
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仏教ではよく用いられる言葉でも、宗教や宗派によっては使用を控えるべき言葉もあります。例えば、神道やキリスト教では「成仏」「冥福」「往生」を使いません。これは仏教の考え方から生まれた言葉であるためです。
通夜に行ったときに混乱しないよう、事前に確認できるなら故人の宗派を確認することをおすすめします。通夜の際は、宗派に沿ったふさわしい言葉を使うようにしましょう。
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受付での挨拶は、最初の挨拶や香典を預かるとき、返礼品の受け渡しなどシチュエーションによって変わります。場面に適した挨拶をスムーズに交わせるよう、シチュエーションごとの問答例を見てみましょう。
・受付
参列者「この度は心よりお悔やみ申し上げます」
受付「本日はお忙しい中お越しいただきありがとうございます」
・香典の受け渡し
参列者「ご霊前にお供えください」
受付「お預かりいたします」
・返礼品の受け渡し
受付「こちらお持ちください」
参列者「恐れ入ります」
どのシチュエーションでも挨拶は短く済ませます。参列者が多い場合は後ろがつかえてしまい、通夜の進行に影響が出ることも考えられるからです。
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通夜の際、受付の挨拶は手短に済ませるのがマナーです。かといって事務的に終わらせればよいというわけではありません。参列者は故人やご遺族へのお悔やみの気持ちを伝えることが大切であることから、受付での挨拶は心を込めて行いましょう。
また、受付をする方は遺族側の代表として参列者をお出迎えする立場であり、丁寧な対応が求められます。失礼のないように挨拶をしましょう。
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