棺桶は葬儀を行う際に欠かせないものの1つです。しかしながら、棺桶を実際に目にする機会はほとんどないため、種類や相場がわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、棺桶の種類や特徴、相場を紹介します。遺体に添えて棺桶に納める「副葬品」の注意点についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・棺桶の相場は2万円~100万円以上と幅が広い
・棺桶には、木棺・布張棺・エンバー棺・エコ棺などさまざまな種類がある
・棺桶のサイズは、故人の身長よりも10cm~15cm程度大きなものを選ぶ
こんな人におすすめ
棺桶の種類を知りたい方
棺桶の相場を知りたい方
棺桶に入れる副葬品について知りたい方
葬儀で必ず使用する棺桶を購入する場合は、どのような点に注意して選ぶとよいのでしょうか。
ここからは、棺桶の役割や購入時に確認しておきたいポイントについて解説します。
棺桶とは、遺体を納める箱のことです。火葬が主流の日本では、火葬まで遺体を安置するために棺桶を使用します。
また、火葬は棺桶に遺体が納められた状態で行うことが一般的です。そのため、棺桶は葬儀の際に必要不可欠なものだといえるでしょう。
一口に棺桶といっても、素材や形、大きさなどさまざまな種類があります。棺桶を選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。
・故人の身長
・葬儀の宗派
・予算
人は亡くなると、死後硬直により身長が10センチメートルほど伸びることがあります。そのため、故人の身長よりも10センチメートルほど大きい棺桶を準備することをおすすめします。また、棺桶の形状を指定している宗派もあるため、故人の宗派を確認しておくことも大切です。
葬儀会社がカタログを用意してくれることが多いので、その中から予算や宗派、故人の雰囲気に合う棺桶を選ぶとよいでしょう。
棺桶の値段は2万円~100万円以上と幅が広いのが特徴です。素材や装飾によって金額が大きく変動しますが、安価な棺桶を選んだからといって故人の格が下がるわけではありません。
安価な棺桶を購入する方も多いですが、一方で「安すぎるのはちょっと」と思う方もいるでしょう。その場合は、15万円~20万円程度の棺桶の中から、希望のデザインを選ぶことをおすすめします。
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小さなお葬式で葬儀場をさがす
棺桶に使用される素材は、木製・布製・アクリル製・段ボール製のいずれかであることが一般的です。ここからは、素材別の棺桶の特徴を紹介します。
木棺(もっかん)は木でできた棺桶です。使用される木材は、ヒノキや桐などの良質な素材からベニヤと芯材を貼り合わせたものまで多岐にわたります。そのため、材質により値段も大きく変動します。
ベニヤを使用した棺桶は4万円程度から購入可能です。一方で、ヒノキなど上質な木材を使用した棺桶は数十万円から100万円以上することもあります。デザイン性にも富んでいて、シンプルな箱形のものから彫刻で模様が施されたものなど、選択肢の幅が広いのも木棺の特徴です。
布張棺(ぬのばりかん)は布で覆われた棺桶です。様々な色や素材の布から好みのものを選べる点が布張棺の魅力です。刺繍や模様の入ったデザインのものもあるので、故人の雰囲気に合わせて選ぶことができるでしょう。
シンプルな布張棺の相場は2万円~10万円程度、刺繍など装飾があるものでも30万円程度で購入可能です。高級感がありながらも価格が高すぎないことから、多くの方に選ばれている棺桶です。
エンバー棺は、エンバーミングされた遺体を安置するための棺桶です。エンバーミングとは、遺体の血液を抜いて防腐溶液を入れたり殺菌消毒したりして、一定期間遺体を衛生的に保存するための特殊技術です。
一般的な棺には故人の顔部分に開閉可能な窓がついていますが、エンバー棺の蓋は透明なアクリル板になっていて開口部が大きく故人と対面しやすい点が特徴です。
相場は10万円~40万円ほどで、求めやすい値段であることも魅力の1つです。
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エコ棺は、間伐材(かんばつざい)や段ボールなどで作られた棺桶です。火葬した際に排出される二酸化炭素量が少なく、環境に配慮している点が特徴です。
段ボールと聞くと「簡素で安価」という負のイメージを持つ方もいるかもしれませんが、エコ棺の表面は布張りされていてデザインも豊富です。強度もほかの棺桶に引けを取らないので、粗悪さを感じることはないでしょう。
相場は5万円~15万円程度です。
棺桶は素材だけでなく、サイズや形にも違いがあります。同じ素材やデザインでも形によって印象が大きく変わるので、棺桶を選ぶ際は形にも注目してみましょう。
棺桶のサイズは、死後硬直で身長が伸びることを考慮して故人の身長よりも10~15センチ程度大きなものを選びます。頭の上に隙間を設けると見栄えもよいでしょう。
棺桶の標準的な規格は180センチメートルです。これよりも身長が高い方は標準よりも大きな棺桶、身長が低めの方はやや小さめの棺桶を選ぶとバランスがよく、副葬品を入れる際にも苦労しないでしょう。
棺桶の形
棺桶の形は大きく分けて5種類あります。種類ごとの特徴は、以下の表を参考にしてください。
名称 | 特徴 |
箱型棺 (キャスケット型) |
もっとも一般的な形で、蓋の部分が平らで箱のような形の棺桶 |
山型棺 | 蓋が台形で山のようにやや盛り上がっている形の棺桶 箱型よりもアレンジ性がある |
船型棺 (コフィン型) |
西洋の棺桶のような形の棺桶で、頭部が広く足元が狭いデザイン |
かまぼこ型棺 | 蓋がやや盛り上がっており、かまぼこのような形に見える棺桶 角がなく女性に人気の棺桶 |
インロー型棺 | 棺桶全体に蓋がかぶさり、側面が二重になっているデザインの棺桶 |
通常の棺桶は下部に蓋がぴったりとはまるように作られていますが、インロー型は蓋を上からかぶせたようなデザインで「印籠」の形に似ているのが特徴です。箱型よりも重厚感のある印象になります。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
葬儀を執り行う際は、葬儀会社が棺桶を準備してくれることが一般的です。しかし、事前に素材や形、サイズなどを実際に見ておきたいという方や、気に入った棺桶とともに葬儀をしてほしいという方もいるでしょう。
ここからは棺桶の購入方法について紹介します。
葬儀会社へ行くと実際の棺桶を見ることができます。デザインや素材を直接確認することで、購入時の参考になるでしょう。
昨今は「終活」と呼ばれる人生の終わりに向けた活動を行う方も増加傾向にあり、葬儀会社が終活セミナーなどを開催することも少なくありません。こうしたイベントに足を運び、棺桶を見せてもらってもよいでしょう。
棺桶はインターネット通販からも購入可能です。インターネットを利用すれば、さまざまな業者の棺桶を簡単に比較・検討できます。カタログのように利用してみるのもおすすめです。
自分で棺桶を選んで準備できるとはいえ、実際に親族が亡くなると葬儀手続きや準備に追われて棺桶を選ぶ時間的余裕はあまりないでしょう。その場合は、葬儀会社に手配を依頼しましょう。
インターネット通販で棺桶を購入した場合は、届くまでに日数がかかったり写真と実物が大きく違っていたり、サイズが合わないなどトラブルが発生する可能性があります。葬儀準備を円滑に進めるためにも、棺桶は葬儀会社に用意してもらうのが賢明といえるでしょう。
自身の葬儀の際に使用してほしい棺桶がある場合は、元気なうちにその旨を家族などに伝えておくことをおすすめします。口頭で伝えてもよいですが、「エンディングノート」を用意して記載しておくと自身の希望を叶えられるでしょう。
葬儀では、遺体とともに「副葬品(ふくそうひん)」と呼ばれる品物を棺桶に納めます。副葬品には「故人が旅立つ際の手向け」という意味があり、故人の愛用品などが納められます。
ただし、棺桶には入れてよいものとふさわしくないものがあります。ここからは、副葬品にしてよいものと適さないものについて解説します。
副葬品として添えられることが多い品物は、次の通りです。
・花
・故人への手紙
・思い出の写真
・故人が生前気に入っていた服
・故人が好きだった飲み物や食べ物
副葬品は火葬したときに燃えやすいものを選びましょう。缶やビンに入った飲み物をそのまま入れることはできないので、紙コップなどに移して棺桶に納めます。
写真は副葬品としてよく選ばれますが「生きている方が写っている写真を入れるのは縁起が悪い」とされているので、一緒に写っている方の許可なく棺桶に納めないようにしましょう。
副葬品としてふさわしくないのは、燃えないものや燃やすと爆発したり有害な物質が発生したりするものです。副葬品として棺桶に入れられないものの例は以下の通りです。
・燃やすことで溶けて癒着する可能性があるもの(時計・指輪・メガネなど)
・爆発の恐れがあるもの(ライター・スプレー缶・電池など)
・可燃物でも厚みのあるもの(ぬいぐるみ・分厚い本など)
・大気汚染物質が発生するもの(ビニール・プラスチックなど)
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副葬品にして良いものとできないものは?選び方のポイントをご紹介
小さなお葬式で葬儀場をさがす
棺桶の選び方や副葬品に関してわからないことがあっても、気軽に相談できる方がいないという方も少なくありません。
迷ったときは自己解決しようとせずに、知識豊富な専門家に相談するのがおすすめです。最近は葬儀のサポートをしてくれる業者も増えているので、葬儀形式や棺桶を選ぶ際のアドバイスをもらうこともできます。
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棺桶には大きく分けて、4つの素材と5つの形があります。故人の雰囲気や予算に合わせて選ぶとよいでしょう。エンディングノートを活用して希望の棺桶や副葬品について記載しておくと、自身の葬儀をより理想に近い形で実現してもらえます。
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