「手元供養をしたい」「お墓が遠くて頻繁にお墓参りに行けない」など、分骨を検討する理由はさまざまです。分骨には必要な手続きがあり、無断で行うことはできません。
この記事では、分骨に必要な手続きや費用について詳しく解説します。また、分骨をする際の注意点や供養方法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事の要点>
・納骨前に分骨をする場合、火葬場で分骨証明書を発行してもらう必要がある
・納骨後に分骨をする場合、墓地や霊園の管理者に分骨証明書を発行してもらう必要がある
・分骨証明書の発行費用は、火葬場の場合1通あたり100円~300円程度
こんな人におすすめ
分骨の手続きの流れを知りたい方
永代供養をお考えの方
分骨後の供養方法を知りたい方
分骨とは、遺骨を分けることです。2箇所以上の場所に分けて納骨をして供養します。ここからは、分骨をする理由や必要な手続きなどについて解説します。
分骨をする理由はさまざまですが、離れて暮らす兄弟姉妹や親族がそれぞれのお墓で供養をするために行うことが多いようです。
ほかにも「お墓が遠方にあって頻繁にお参りに行けない」「分骨した遺骨をペンダントにして身につけたい」といった理由もあります。また宗教上の習わしで行われることもあります。
遺骨を分けることに抵抗のある方もいるかもしれませんが、分骨は宗教的な側面からみても問題のある行為ではありません。お釈迦様の遺骨は分骨されていたことから、多くの方に供養してもらえる分骨はよい行いとも考えられています。
また「分骨すると魂が引き裂かれる」「魂が迷子になって成仏できない」と心配する方もいるでしょう。しかし、仏教の教えでも、四十九日をもって故人の魂はあの世へ旅立つとされているため、遺骨に魂が留まり続けることはないでしょう。
分骨は法律においても認められていますが、分骨をする際は「分骨証明書」が必要です。分骨証明書とは、故人の名前や性別、死亡年月日が記された証明書です。分骨証明書は分骨するときだけでなく、遺骨を別の場所に埋葬する場合にも必要な書類です。
手元供養をする場合、分骨証明書は不要です。しかし、後日何らかの理由によって遺骨を埋葬することになった場合には、分骨証明書が必要になるので注意しましょう。
分骨をする際には「分骨証明書」が必要ですが、納骨前と納骨後で手続きの方法が異なります。ここからは、分骨証明書の取得方法やタイミングについて紹介します。
納骨前に分骨する場合は、火葬場で分骨証明書を発行してもらいましょう。事前に葬儀社に必要な枚数を伝えておけば、火葬が終わるまでに証明書を用意してくれます。
分骨には骨壺も必要なので、あらかじめ準備しておくとよいでしょう。
納骨後に分骨をする場合は、お墓から遺骨を取り出す必要があります。民営・公営の墓地や霊園の場合は管理者、寺院墓地の場合は住職に連絡をして、分骨証明書を発行してもらいましょう。
その際に、お墓の名義人の同意や分骨後のお墓の準備など、確認書類を求められることがあります。必要な書類は墓地や霊園によって異なるため、事前に確認することをおすすめします。
分骨証明書の発行には費用がかかりますが、納骨前と納骨後で費用の目安も異なります。ここからは、分骨証明書を発行するときにかかる費用を紹介します。
火葬場で分骨証明書を発行してもらう場合の金額の目安は、1通あたり100円~300円程度です。分骨を希望する枚数分発行してもらいましょう。また、葬儀プランの中に分骨証明書が含まれている場合は、発行費用を抑えられる可能性があります。分骨することがきまっている場合は、火葬場の職員に分骨を希望する旨を伝えておきましょう。
納骨後に分骨をする場合には、お墓の管理者に分骨証明書を発行してもらいましょう。費用は、1通100円~300円が目安です。ただし、納骨後の分骨の場合は、以下の費用が追加で発生します。
・遺骨を取り出すためにお墓を動かす費用
・閉眼供養のお布施
・開眼供養のお布施代
お墓の移動を石材店に依頼する場合は、20,000円~30,000円程度の費用が発生します。
遺骨をお墓から取り出す際には、お墓から故人の魂を抜く「閉眼供養」をする必要があります。その後、新しいお墓に遺骨を納める場合には「開眼供養」と呼ばれる儀式を行います。それぞれお布施として、10,000円~30,000円程度の費用がかかる場合があるので注意しましょう。
分骨をする際に複雑な手続きはありませんが、親族間で分骨をするのかどうかよく話し合うことが大切です。ここからは、分骨をする際の注意点を3つ紹介します。
人によってさまざまな考え方や価値観があるため、無断で分骨をすればトラブルになる恐れがあります。円滑に分骨を進めるためにも、分骨前に親族の了承を得ておきましょう。
故人も自身のことで家族が揉めることは望んでいないはずです。親族間で十分に話し合い、理解を得てから分骨の手続きに進みましょう。
葬送方法の1つに「本山納骨」があります。これは各仏教宗派の本山に遺骨を埋葬して供養する方法です。納骨において喉仏は重要視されている部位なので、「喉仏を手元に残すのか」「本山に納骨するのか」などよく話し合うとよいでしょう。
また、本山納骨では寺院によって納骨できる量や必要書類が異なるので、事前に確認しておくと安心です。
合祀はほかの故人の遺骨と一緒に埋葬する供養方法で、「合葬」とも呼ばれます。本山納骨は合祀供養になるため、遺骨を取り出せなくなるというデメリットがあります。納骨後は分骨できない点に注意が必要です。
分骨後の供養方法には、主に4つの種類があります。生活様式の変化や価値観の多様化に伴い、海に遺骨を撒く「海洋散骨」やシンボルツリーの下で供養する「樹木葬」を選ぶ方も増えています。
供養方法によって必要な手続きが異なるため気をつけましょう。ここからは、分骨後の供養方法と必要な手続きについて解説します。
分骨した遺骨を手元に置いて供養することを「手元供養」といいます。自宅にミニ仏壇やミニ骨壺を置いたり、遺骨ペンダントを身につけたりして供養する方法です。
分骨証明書は納骨時に必要な書類であるため、手元供養では手続きの必要はありません。しかし、いずれ納骨する可能性を考えると、分骨証明書を発行してもらっておいたほうがよいでしょう。
海洋散骨とは、故人の遺灰を海に撒く葬送方法のことです。故人の遺骨を粉骨して粉末状に加工してから海に撒きます。
自然に還ることを希望する方や海を好きだった方が、生前から海洋散骨を希望する傾向にあるようです。また、東京都では墓不足の問題が深刻化していること、核家族化や少子高齢化の影響により、子供や孫に負担をかけたくないという理由で選ばれることも多くあります。
散骨業者によっては、以下の書類が必要になる場合もあります。
・分骨証明書
・散骨申込同意書
・粉末化依頼同意書
・遺骨引渡証明書
海洋散骨は海であればどこでもよいわけではなく、散骨場所の周辺住民への配慮も必要となっています。
樹木葬とは、遺骨を埋葬した場所に墓石を建てず、花や樹木などのシンボルツリーの下で供養する方法です。桜やもみじ、ハナミズキなどの周りに遺骨を埋葬します。
樹木葬はシンプルでコンパクトな形のお墓で、埋葬に必要なスペースが少なく済みます。墓地では表現できない明るさや美しさがあり、近年樹木葬の需要が増えています。
樹木葬は樹木があればどこに埋葬してもよいわけではなく、定められた場所にのみ埋葬できます。また、樹木葬には分骨証明書が必要です。
神奈川県の「静林の丘 鶴ヶ峰霊園」「鎌倉やすらぎの杜 ふれあいの碑」、東京都稲城市の「公営 稲城・府中メモリアルパーク」などが樹木葬霊園として有名です。
永代供養(えいたいくよう)とは、お墓参りに行けない遺族に代わって寺院や霊園が遺骨を管理・供養してくれる方法のことです。永代供養の期間は、寺院や霊園によって異なりますが、33回忌までであることが一般的です。身寄りのない方やお墓の継承者がいない方にも選ばれる埋葬方法です。
永代供養をする際は「埋葬許可証」や「墓地使用許可証」が必要です。すでにあるお墓から別のお墓に引っ越す場合は、「改葬許可申請書」も必要になるので、事前に必要書類を確認しておきましょう。
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分骨をするためには「分骨証明書」が必要です。手元供養をする場合は手続きは必要ありませんが、いずれ納骨をしたいと考えている方は分骨証明書をもらっておくことをおすすめします。分骨する際には親族間でよく話し合い、どのように供養するのかきめてから分骨の手続きを進めるとよいでしょう。
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