一周忌は食事なしでもOK?法事で食事をする意味と準備を解説

一周忌は食事なしでもOK?法事で食事をする意味と準備を解説

一周忌とは故人が亡くなってから満1年の命日のことで、その日の周辺に執り行われる法要・法事のことも指します。法事では食事の席を設けることが一般的です。しかし、感染症対策などで会食を自粛しなければいけない昨今の情勢において、一周忌で食事なしでも大丈夫かと不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

ここでは、一周忌で食事の席を無くすことは可能か、法事での食事の意味などを解説します。また、一周忌の準備についても触れているので、準備の段階での心配を解消できるでしょう。

<この記事の要点>
法事では儀式の後に参列者で食事の席を設けることが一般的
会食には故人をしのんで供養する意味合いと、参列者への謝意が込められている
食事のメニューは肉食を避け、野菜や魚を中心とした内容が一般的

こんな人におすすめ

一周忌法要で、会食を自粛したい人

食事の席を設けない場合の対処法が知りたい人

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一周忌とは?

故人が旅立って1年を迎える節目には、故人と関係のあった人が集まり、供養を行います。これが一周忌法要です。ここでは、一周忌とは何か、どのタイミングで法要を営むべきか、招待する範囲の3点を解説します。

一周忌とは何を指すか?

仏教では、決まった年に故人を供養する法要を執り行います。一周忌は亡くなって1年後の命日のことで、この日に合わせて執り行う法要のことも簡略的に「一周忌」と呼ぶことがあるため「○○さんの一周忌が先週で……」などと聞いたことがある方もいるでしょう。

一周忌は年忌法要の1回目に当たる法要で、年忌法要はその後、三回忌七回忌十三回忌……と続きます。故人がこの世を去ってから年月が浅い一周忌では、遺族や親族の他、故人と親しかった方も招いて比較的規模を大きく執り行うことも珍しくありません。一周忌は法要から始まり、お墓参り、会食というスケジュールをたどるのが一般的です。

また、一周忌には非常に似た言葉が存在します。それは「一回忌」という法要で、同じ意味と勘違いをして使用されることがあります。一回忌とは命日のことで一周忌とは意味が全く違うので注意をしましょう。

一周忌を執り行うタイミング

一周忌を祥月命日に執り行えない場合、その前後の週で調整すればよいと考えるかもしれません。しかし、次週に法要を持ちこすことは「仏事は先延ばししない」という古からのいわれがあるため、基本的には避ける必要があります。

これは一周忌だけに限らず、ほかの法要も同様です。したがって、日程を決める際は前倒しを前提として検討するとよいでしょう。

招待する人

一周忌に誰を招くかという点においては明確な決まりはありません。これは家庭の考え方によって異なります。小さく行いたいという考えであれば、家族や親族のみで行う場合もありますし、故人が生前に幅広く交流をしていた方であれば友人、地域の方や会社関係者まで招待をすることも珍しくありません。

中には故人が生前エンディングノートに法事に呼んでもらいたい人をリストアップしていることもあります。そうした場合は故人の意向をできる限り尊重できるとよいでしょう。

一周忌に食事無しでも大丈夫か?

法事には会食がつきものです。法事における会食には仏教的な意味合いもあるため、ほとんどの法事で会食があると認識されているのではないでしょうか。ここでは、一周忌などの法事で食事の席を設けなくてもよいか解説します。

法事はなぜ食事がセットなのか?

法事では、儀式の後に参列者で食事の席を設けることが一般的です。これには、古くからの習わしが影響を与えています。

法事の後の食事の場を「お斎(おとき)」とも言います。「斎」は、かつて家族を亡くした後の一定の期間身を清めるために酒や肉食を避けていたことを指す言葉「精進潔斎」から来ている言葉です。これが諸説混じって法事の後の会食を指すようになりました。

つまり、弔事の後に食事をとることは日本の慣習から生まれたもので、現代では会食の場で故人をしのんで供養するという意味合いと、参列してくれたことへの謝意としての席として設けられています。

一周忌を食事無しにした場合の対処法

新型コロナウイルス感染拡大などの影響で法事自体が縮小傾向にある中、会食自粛を検討する方も少なくないでしょう。法事では、会食の場を設けないで法要のみ執り行うことも可能です。

「会食無し」と決めたら、参列者には事前にその旨を伝えておきます。当日は返礼品とともに持ち帰り用の弁当を用意して参列者に渡しましょう。弁当は仕出し業者や飲食店でも弔事用で注文できます。

参列者の人数で会場を決める

法要会場には、ケースによって向き不向きがあります。特に参列者の人数によっては、狭すぎて執り行えないなど不都合も起きかねません。ここでは、参列者の規模別に適切な会場を解説します。その後の食事の席の観点からも確認しておきましょう。

遺族や親族のみの場合

一周忌を遺族や親族だけで執り行いたいのであれば自宅やお寺がおすすめです。費用面を抑えることができ、時間に制限がなく落ち着いて法要ができます。他にも、会場を抑える手間が省けたり、お墓参りや会食もフレキシブルに対応できます。

参列者が多くなる場合

遺族や親族だけでなく、多くの人を呼んで法要を執り行いたい場合は、ホテルやセレモニーホールで行うのがおすすめです。場所的な問題はもちろんのこと、大人数になると法要の準備と会食の手配が大掛かりになるため、会場のスタッフの手助けが必要となります。

また、大人数での移動は非常に手間がかかるものです。移動費用だけでもそれなりの出費になることも考えられるため、一ヶ所で全てが執り行える会場は重宝するでしょう。

一周忌の食事メニューは?

弔事の食事ではタブーのメニューもあります。例えば、慶事でよく出てくる鯛や伊勢海老は一周忌の食事としてもふさわしくありません。また、肉食もタブーであるとの考えもあるため、野菜、魚を中心にしたメニュー設定であることが多いといえるでしょう。

ホテルやセレモニーホール以外など、一括で依頼が済まない場合は、予約の際に飲食店側に「一周忌法要の後の食事」であることを伝えます。また、メニュー表を事前に確認させてもらい、その中で弔事用のメニューをチョイスすることも可能です。

食事の他に準備すること

ここでは、一周忌を執り行うにあたり、必要な準備について解説します。食事や会場の他にも、施主が事前に決めておかなければならないことがたくさんあります。順序よくこなして、スムーズに当日を迎えられるようにしましょう。

日程を決める

日程は先ほど紹介した通り、命日、もしくは命日よりも前倒しにした日程で決めましょう。できるだけ多くの人が参列できるように、周りと相談しながら決めると、他の人たちの予定も把握できるのでおすすめです。

また、少人数で行うのであれば電話で済ますという事も可能ですが、電話連絡の際は相手にメモをとってもらうようにします。大人数で執り行いたい場合は、案内状を準備しましょう。

移動の手配

一周忌の法事では、法要はお寺、納骨式は霊園、会食は飲食店でと、移動が伴う場合もあります。そうした場合は、まとめて移動する手段を手配する必要もあるでしょう。

法事後の会食を受けつけている飲食店では、飲食店までの送迎を請け負ってくれる店もあります。そのような場合は早めに連絡をして送迎の予約を取りましょう。

親族が多く集まる場合は、車に分乗して会場へ向かうということも考えられます。分乗を依頼する場合は、事前にお願いする旨を伝えておくと安心です。

返礼品の手配

一周忌法要の後には返礼品を参列者へ渡します。金額の目安としては3,000円~5,000円程度で用意するのが一般的です。

返礼品は基本的に「消えもの」で選びます。お茶や海苔、洗剤など、使用すると無くなるものが消えものです。また、最近ではカタログギフトも人気があり、香典返しとしてよく用いられています。

一周忌の際には、参列者にお菓子や果物をお供えものとしていただくことがあります。それを分けて返礼品と一緒に持ち帰ってもらうという風習がある地域もあります。

最低限おさえておきたいマナー

一周忌はお葬式や四十九日に比べて故人が亡くなってから日がたっているので、気持ちの面でも準備を整えて当日を迎えられます。当日までに最低限のマナーはしっかりと押さえておきましょう。ここでは一周忌でのマナーの一部を紹介します。

ふさわしくない言動は避ける

故人のことを悪く言うことや、不幸なことを連想させるワードは避けましょう。また、死因についての発言も状況によってはタブーです。言動に注意して故人に想いをはせましょう。

挨拶の際は、忌み言葉や重なり言葉も避ける必要があります。施主として挨拶をしなければならなかったり、施主から献杯の挨拶を依頼されたりする場合は、事前に挨拶の内容を熟慮しておくとよいでしょう。

お供えのお花の種類に注意

派手な色やとげ、毒があるような花は避けましょう。故人が好きだった場合でも、遺族によっては不快感を与えてしまう場合がありますので、花を贈る際は花屋と相談し決めるのがおすすめです。一周忌になると、多少の色がついたお花でも供花として用いられることがあります。

また、供花は遺族側がとりまとめて、葬儀業者や生花店に依頼することもあります。お花を持って行きたいときは、一度遺族と相談するとよいでしょう。

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まとめ

一般的に、一周忌法要の後には食事の席を設けます。しかし、世情により会食を自粛するケースもあり、それは法事の場合も例外ではありません。食事の席を設けない場合は、持ち帰り用の弁当を参列者に渡すよう手配するのがおすすめです。

社会の動向によって、法事においてのマナーも影響がある場合があります。法事のとり仕切りで不安に思うことが発生したら「小さなお葬式」にご相談ください。一周忌法要のご相談についても承っております。
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監修
小さなお葬式 コラム編集部
小さなお葬式 コラム編集部

葬儀・法要に関する専門領域の記事を、5人のチーム体制で執筆しています。
メンバーは葬儀・法要関連だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
現在 「小さなお葬式のコラム」では、合計2,000記事以上を管理しています。
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