仏壇に安置している位牌を、事情により処分しなければならないこともあるでしょう。故人の魂の入った位牌は、適切な方法で処分する必要があります。
そこでこの記事では、位牌を処分するタイミングや適切な処分方法、処分にかかる費用について解説します。処分する際の注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・引越しや遺品整理、弔い上げや位牌の作り替えのタイミングで位牌を処分することが多い
・処分方法には「お焚き上げ」と「永代供養」という2種類がある
・菩提寺に依頼し、位牌から故人の魂を抜く閉眼供養を行う
こんな人におすすめ
位牌の処分方法について知りたい方
位牌を処分する際の依頼先や費用について知りたい方
位牌を処分する際の注意点を知りたい方
位牌の処分と聞くと、負の印象を持ってしまう方も多いでしょう。位牌は先祖代々受け継がれてきた大切なものですが、位牌を処分することは故人に対して失礼な行為ではありません。イメージにとらわれすぎず、必要に応じて処分を検討して問題ありません。
一般的に位牌を処分することの多い、 3つのタイミングについて紹介します。
位牌を処分するタイミングの1つとして挙げられるのは引っ越しです。新居に仏壇を置くスペースがない場合は、仏壇と一緒に位牌も処分されることが多いでしょう。また、引っ越し先が遠方である場合は菩提寺と離れることになるので、墓じまいと同時に位牌を処分することもあります。
そのほかにも、亡くなった方の遺品整理をするときに故人が持っていた位牌を処分するケースもあります。
弔い上げをするタイミングで位牌の処分を検討することもあるでしょう。弔い上げとは、年忌法要の最後の区切りとして執り行う法要のことです。弔い上げを行ったあとは先祖代々の位牌に合祀して供養するので、故人の位牌は処分することになります。
仏教の教えでは「三十三回忌を迎えると修行は終わり、極楽浄土へ行ける」と考えられています。そのため、三十三回忌をもって弔い上げとすることが一般的です。地域や宗派によっては、五十回忌を弔い上げとする考え方もあります。
位牌が古くなったり破損してしまったりした場合は、古い位牌を処分して新しいものに作り替えることがあります。また、四十九日法要まで使っていた白木位牌を本位牌に替える際には、白木位牌を処分しなければなりません。
そのほかにも、以下のケースにあてはまる場合は位牌を新しくする必要があります。
・夫婦連名の位牌に変更する場合
・宗派を変更する場合
・戒名の位号を変更する場合 など
位牌は木の札でできていますが、その中には故人の魂が宿っています。手順を守って位牌を処分して故人を大切に供養しましょう。
位牌の適切な処分方法として「お焚き上げ」と「永代供養」という2つの方法を紹介します。
お焚き上げをする場合は、まずお寺で閉眼供養(へいがんくよう)と呼ばれる儀式をしてもらいます。閉眼供養とは、位牌や墓石から故人の魂を抜く儀式のことです。閉眼供養後、位牌をお焚き上げして供養してもらいます。
ただし、もともと開眼供養(かいげんくよう)と呼ばれる魂入れの儀式を執り行っていない場合は、閉眼供養を行わずにお焚き上げしてもらっても問題ありません。
お焚き上げの費用の目安は、10,000円~50,000円程度です。お寺や専門業者など依頼先によっても費用は異なるので、事前に調べておくことをおすすめします。
永代供養とは、位牌をお寺や霊園に納めて管理と供養をしてもらう方法です。預かる期間が定められていることが多く、三十三回忌や五十回忌など弔い上げをしたタイミングで合祀されるのが一般的です。
永代供養の費用は、利用するお寺や契約期間によっても異なりますが、30,000円以上であることが一般的です。
位牌を処分する際にはお寺で閉眼供養をしてもらう必要がありますが、なぜそのような儀式が必要なのでしょうか。
ここからは、閉眼供養に込められた意味や位牌の処分の進め方、処分費用の目安について説明します。
閉眼供養とは、僧侶に読経をしてもらい位牌から故人の魂を抜く儀式です。先祖に感謝の気持ちを伝える大切な機会なので、処分する方が仏教徒ではない場合でも閉眼供養を行うことをおすすめします。
ただし、浄土真宗の場合は「故人は魂にならずにすぐに仏になる」と考えられています、そもそも「魂」という概念がないので閉眼供養は執り行いませんが、「遷仏法要(せんぶつほうよう)」と呼ばれる儀式があります。遷仏法要とは、仏壇や墓石を修理したり別の場所に移動させたりする際に執り行う法要です。
閉眼供養の方法としてもっとも一般的なのは、菩提寺に依頼する方法です。僧侶に読経をお願いして魂抜きの儀式をしてもらいます。僧侶には、供養してもらったお礼としてお布施を渡します。お布施の金額には地域差がありますが、閉眼供養の場合はお焚き上げまでの費用が含まれていることが多く、目安は10,000円~100,000円程度です。わからないときは、お寺に直接たずねてみてもマナー違反にはなりません。
付き合いのあるお寺がない場合は、仏壇仏具店や専門業者にお焚き上げとあわせて相談してみてもよいでしょう。
位牌を処分するときは、どこに依頼すればいいのでしょうか。また、依頼先によって処分にかかる費用は異なるのでしょうか。
ここからは、3種類の依頼先の特徴とそれぞれにかかる費用の目安について紹介します。
位牌の正式な処分方法は、菩提寺で閉眼供養をしてそのままお焚き上げをしてもらうという方法です。しかしながら、近年は環境問題に配慮してお焚き上げを行わないお寺もあるので、事前に確認しておきましょう。また、菩提寺ではないお寺でも位牌の処分を受けつけてくれることがあります。
閉眼供養からお焚き上げまでしてもらう場合のお布施の目安は10,000円~100,000円程度です。お焚き上げのみの場合のお布施の目安は10,000円程度ですが、金額に迷う場合はお寺に確認することをおすすめします。
位牌を新しいものに作り替える場合は、まず新しい位牌を仏壇仏具店に注文します。その際に、古い位牌の処分もあわせてお願いするのが一般的です。
新しい位牌を購入する場合は、古い位牌を無料で引き取り処分をしてくれるところもあるでしょう。処分のみ依頼する場合の費用の目安は、数千円~10,000円程度です。
葬儀社でも位牌の処分を行っています。葬儀を依頼したことのある葬儀社であれば、無料で引き取ってくれることもあります。また、料金がかかるとしても目安は数千円~10,000円程度でしょう。
お焚き上げ業者は、お焚き上げを専門に扱う業者です。インターネットで依頼できるところもあり、位牌を郵送するとお焚き上げを行い、終了後には完了通知が届きます。お焚き上げ料金は事前に明示されますが、目安は3,000円~10,000円程度です。
遺品整理業者の場合は、他の遺品と一緒に位牌を処分してもらうケースが多いでしょう。料金の目安は5,000円~20,000円程度です。ただし、遺品全体の分量によって料金が変動するので事前に確認しておきましょう。
位牌は故人の魂の入った大切なものなので、処分する際は家族や親族の理解を得ておく必要があります。
また、宗派によって処分方法も異なるので注意点を把握した上で処分を進めましょう。
位牌を処分する際は、家族や親族に経緯を説明して理解を得る必要があります。位牌は故人の魂が宿っているものとして、それぞれの家族の思い入れが強いものです。自己判断で処分せず、周囲の方への十分な配慮が必要です。
処分しなければならない事情や、閉眼供養を行い適切な手順を踏んで処分することを丁寧に伝えてトラブルにならないように気をつけましょう。
浄土真宗では「故人は亡くなってすぐ仏になる」と考えられています。故人が現世にとどまることがないので、位牌を作らないことが多いですが、礼拝する対象がほしいという家族の思いから位牌を作るケースもあります。ただし、「魂」という概念がないので、開眼供養や閉眼供養は行われません。
浄土真宗であっても、お寺によっては位牌の供養をしてもらえるところもあるので、まずは相談してみましょう。お寺での供養が難しい場合は、仏壇仏具店に相談してみてもよいでしょう。
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この記事では、位牌の処分のタイミングや適切な処分方法、処分する際の注意点などについて解説しました。位牌の処分を検討する際には、家族や親族の間でトラブルにならないように、事情を丁寧に説明をして理解を得るようにしましょう。
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