子どもの誕生を待ちわびていた両親にとって、我が子を失う悲しみは計り知れないものです。しかしながら、心に深い傷を負った状態でも、両親は法的手続きを進める必要があります。
スムーズに諸手続きを進められるように、この記事では死産後の行政手続きや亡くなった赤ちゃんの供養方法について説明します。
<この記事の要点>
・妊娠12週(4ヶ月)以降に赤ちゃんが亡くなった場合は、火葬または埋葬することが法律で定められている
・死産から7日以内に自治体の役場に「死産届」を提出する
・供養方法は多岐にわたり、水子供養やお墓への埋葬、手元供養などがある
こんな人におすすめ
赤ちゃんを死産で亡くされた方
赤ちゃんの死産手続きについて知りたい方
死産した赤ちゃんの供養方法と費用について知りたい方
「死産とはどういうことか」「赤ちゃんが亡くなったあとの手続きやお葬式はどうすればよいのか」など、死産についてさまざまな疑問を抱えている方もいるでしょう。
はじめに、死産の定義や赤ちゃんのお葬式について法的な情報とともに説明します。
死産とは、妊娠12週(4ヶ月)以降に亡くなった胎児を出産することです。これは法的な定義にあたり、医学的定義では妊娠22週(6ヶ月)未満を「流産」妊娠22週以降を「死産」としています。
この記事では、法的定義に基づいた死産(妊娠12週以降に亡くなった胎児の出産)について説明します。
水子(みずこ)は本来「すいじ」と読み、かつては生後1年以内に亡くなった子どものことを指していました。しかし、現代では流産や死産によりこの世に生まれてくることができなかった胎児や、生まれて間もなく亡くなった子どもが水子と呼ばれるようになっています。
また、3歳くらいまでの子どもは「嬰児(えいじ)」と呼ばれ、この時期に亡くなった場合は嬰児供養が行われることがあります。
妊娠12週(4ヶ月)以降に赤ちゃんが亡くなった場合は、火葬または埋葬することが法律で定められています。また、自治体の市区町村役場へ「死産届」を提出する必要があります。
我が子を亡くしたショックと分娩の過労から、母親は体調を崩しやすくなります。周囲の方の協力を得ながら、赤ちゃんの葬儀や事務的な手続きを進めることが大切です。
赤ちゃんが死産(または流産)した場合は、戸籍法により「死産届」を役所に提出する必要があります。また、赤ちゃんのお葬式は通常の葬儀と異なるため、どのような準備が必要かわからない方も多いでしょう。
ここからは、死産届の提出方法と赤ちゃんのお葬式について説明します。
妊娠12週~22週未満に赤ちゃんが亡くなった場合は、自治体の市区町村役場に「死産届」を提出します。提出期限は死産から7日以内で、届出には以下のものが必要です。
・死産届と死産証明書(いずれも病院が用意します)
・印鑑(シャチハタ以外のもの)
死産届を提出すると「死胎埋火葬許可証」が発行されます。この際、火葬場名を記載する必要があるので、死産届の提出前に火葬場と火葬の日程をきめておきましょう。
亡くなった赤ちゃんの葬儀を行うかどうかは、両親の気持ちに委ねられます。我が子を自分達だけで見送りたいと、葬儀をあげずに火葬のみで済ませる方は少なくありません。
葬儀を行って赤ちゃんを供養してあげたい場合は、小規模なお葬式を行うとよいでしょう。病院や葬儀社が棺や骨壷を用意してくれるので、相談してみてください。
死産した赤ちゃんの骨はとても繊細で柔らかいため、火葬すると遺骨が残らないことがあります。遺骨を残したい場合は、胎児専用の小型炉がある火葬場を探しましょう。
ただし、小型炉がある火葬場は少なく、通常の火葬に比べて火葬費用も高額になる傾向があるので、事前に葬儀社に確認しておくと安心です。
死産で赤ちゃんのお葬式が行われるケースは少ないため、基本的に香典は不要です。
赤ちゃんを亡くされたご家族のために何かしてあげたい場合は、「お見舞い金」を用意するとよいでしょう。金額の目安は5,000円程度で、白い封筒に「お見舞い」と表書きを記入して渡します。
生前または生後間もなく亡くなってしまった赤ちゃんを供養することを「水子供養」といいます。
水子供養に法的なきまりはないので、両親の納得のいく方法で亡くなった赤ちゃんを弔ってあげましょう。ここからは、水子供養の具体的な方法や費用の目安について紹介します。
水子供養には赤ちゃんの両親のほかに、親族や友人が参加しても問題ありません。服装は平服で、黒や紺、グレーなど落ち着いた色とデザインのものを選びましょう。また、供養の際は以下のものを用意します。
・お布施(10,000円~30,000円が目安)
・数珠
・お供え用のお花
・お供え物(お菓子、おもちゃ、果物など)
・母子手帳やエコー写真(可能であれば用意)
・ご遺骨(手元に残っている場合)
「塔婆(とうば)」とは、戒名やお経が書いてある白木の細長い板のことです。「卒塔婆(そとば)」とも呼ばれ、追善供養を目的としてお墓やお地蔵様の周辺に配置されます。
死産などで命名される前に赤ちゃんが亡くなった場合は、塔婆に戒名を書いて供養することもできます。塔婆の費用は、1本あたり3,000円~10,000円程度が目安ですが、菩提寺によって金額が異なるため事前に確認を取りましょう。
亡くなった赤ちゃんの遺骨をお墓に埋葬して供養する方法もあります。水子供養の場合は、納骨か手元供養のいずれかを選択できますが、納骨をする場合の納骨先は墓地と定められています。
お墓へ納骨する場合の費用の目安は、以下の表をご参照ください。
納骨のお布施 | 30,000円~50,000円 |
お車代 | 5,000円~10,000円 |
御膳料(会食を辞退された場合) | 5,000円~10,000円 |
手元供養とは、亡くなった赤ちゃんの遺骨や髪の毛、爪などを加工したものを手元で保管する供養方法です。手元供養品にはさまざまな種類があり、内容によって金額も大きく異なります。
近年は、アクセサリーや小さな仏壇などを用意して手元供養するのが主流になっています。
大切な我が子の存在を身近に感じながら供養できる点が手元供養のメリットです。宗教や風習による制限もないので、両親の好みや予算に合わせた供養品を選べるのも魅力の1つでしょう。ここからは、手元供養品の種類や費用の目安を紹介します。
亡くなった赤ちゃんの遺灰をカプセルなどに納めて、ペンダントやブレスレットに加工する方法です。チタンなどの良質な素材を使用して作製するので、金属アレルギーの方でも安心して身に着けられます。
費用の目安は数千円~15万円程度で、使用する素材や加工方法によって変動します。遺灰をダイヤモンドに加工する場合は、大きさやカット方法よって数十万~数百万円かかることがあるので、家族やお店の方と相談してきめるとよいでしょう。
手のひらサイズの小さな骨壷に、亡くなった赤ちゃんの遺骨や髪の毛、爪などを納めて供養する方法もあります。手元供養に使用される骨壷は、子どもらしい可愛いデザインであることが一般的です。
また、遺骨を湿気から守る素材で作られているので、耐久性や機能性も優れています。費用の目安は4,000円~8,000円程度と、比較的入手しやすい価格帯といえます。
小さな仏具や仏壇を自宅に設置して供養してもよいでしょう。近年は住宅事情から大型の仏壇を配置できない家庭も多く、小型仏壇の需要が高まってきました。
小さな仏具や仏壇は、和室・洋室どちらにもなじみやすいシンプルなデザインが多いのが特徴です。大きさも机や棚に配置できる丁度良いサイズなので、ほかのインテリアの妨げになりにくいでしょう。費用の目安は15,000円~15万円程度です。
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我が子の誕生を待ち望んだご両親にとって、赤ちゃんの死は受け入れがたくその悲しみは耐えがたいものです。死産の葬儀や供養の方法にきまりはないので、ご両親の意向を最優先に納得できる弔い方を見つけることが大切です。
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