身内に不幸があった時、親しい方やお世話になった方に喪中はがきを送ります。この喪中はがきに対する返事を喪中見舞いと言うのですが、どのような内容を書けばいいのか、いつ送ればいいのか、分からない方も多いかと思います。
この記事では、喪中見舞いの送り方や基本の例文、弔問時のマナーなどについてもご紹介します。大切な方へ気持ちを伝える方法として、ぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・喪中見舞いは、喪中はがきを受け取った後に送るお悔やみの手紙や品物のこと
・文章に句読点は使用せず、忌み言葉や重ね言葉を避ける
・喪中見舞いに使うはがきは、グレーやライトブルーなどの寒色のものを選ぶ
こんな人におすすめ
今年身内に不幸があった方
喪中見舞いの書き方を知りたい方
寒中見舞いについて知りたい方
喪中はがきへの返信として一般的に知られているのが「寒中見舞い」です。では、寒中見舞いと喪中見舞いは何が違うのでしょうか。まずは、喪中見舞いを出す本来の理由と、そこから分かる違いについて見ていきましょう。
喪中見舞いは訃報に対するお悔やみを伝える手段で、比較的新しいお悔やみの方法です。大きな特徴は「送る時期に決まりがない」ことで、はがきでの返信はもちろん、香典や線香などのお供え物を送ることもできます。
喪中はがきはその内容から訃報を知らせるものと感じますが、本来は「喪中につき年始の挨拶を控えます」という欠礼状です。ですので、喪中はがきに対して返信するのではなく、寒中見舞いとして時候の挨拶に変えていたのです。
喪中はがきは年賀状を出し終える12月半ばより前に届くので、寒中見舞いを出せる年明けまで半月以上空くことになります。それよりも先にお悔やみを伝えるツールとして喪中見舞いが誕生したのです。送る時期に決まりこそありませんが、誕生の背景を考えると受け取ったら年末までには届くように送ることが望ましいです。
喪中見舞いと寒中見舞いの大きな違いは「送る時期」です。送る時期に決まりのない喪中はがきに対し、寒中見舞いは松の内から立春の間(1/7~2/4)と送る時期が決まっています。(松の内の期間は、地域によって多少の違いがあります)
これは、寒中見舞いは暑中見舞いなどと同じ時候の挨拶状であることが理由です。汎用性が高い挨拶状ですので、喪中の方への挨拶に限らず、通常の年賀状を出しそびれた場合に使われることもあります。
このように、喪中見舞いと寒中見舞いは送るタイミングだけでなく内容そのものが違うので、上手に使い分けるといいでしょう。
近年は、家族葬など規模を縮小した葬儀を執り行う方が増えてきました。そのため、喪中はがきを受け取って初めて訃報を知ることもあります。喪中見舞いは、そういった場合にお悔やみの言葉をすぐ届けることができるのです。
寒中見舞いのように決まった期間はないものの、お悔やみ状という性質を考えると受け取ってからお見舞いを出すまでの時間は短い方がスマートでしょう。葬儀が済んで間もない頃であれば、親しい人からの喪中見舞いで励まされるものです。また、近頃は香典を辞退することも珍しくないため、言葉だけでなく故人が好きだったものやお線香を送ることができる喪中見舞いは、相手を気遣ったお悔やみと言えるでしょう。
送る時期に厳格な決まりがない喪中見舞いですが、はがきなどに書く文章にはマナーを意識しなくてはなりません。また、葉書の代わりに香典や品物を送る際にも注意することがいくつかあります。ここでは、一般的な喪中見舞いに使われる例文、文章を書く時や品物を送る際の注意点などをご紹介します。
喪中見舞いの手紙やはがきでは、最初に『ご丁寧なご挨拶状ありがとうございます』などと書くのが一般的です。これは喪中はがきに対するお礼です。
文中には『ご服喪中につき新年の挨拶を控えさせていただきます』といった旨の一文も入れます。これにより、喪中はがきの内容を了承したということになります。
このほか、相手を気遣う内容や新年への希望を感じさせる言葉を添えておくと、事務的になりすぎず気持ちを伝えられます。
このたびはご丁寧なご挨拶状をいただきありがとうございました
お手紙を拝見して初めてお父上様のご逝去を知りました
存じ上げず失礼いたしましたことをお許しください
お悔やみ申し上げますとともにお父上様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
喪中でいらっしゃいますので新年の挨拶は控えさせていただきます
お気を落とされていることかと存じますが
どうぞお体を大切に新しい年をお迎えになられますよう心よりお祈り申し上げます
このたびはご丁寧なご挨拶状をお送りいただき誠にありがとうございました
□□様が亡くなられてから○カ月になりますね
徐々にではございますが寂しさも和らげばと心よりお祈り申し上げます
喪中でいらっしゃいますので新年の挨拶は控えさせていただきます
○○様におかれましてはおだやかな新春を迎えられますよう心よりお祈り申し上げます
喪中見舞いの品物と一緒に簡単なメッセージを添える場合には、『心からお悔やみ申し上げます』や、『ご訃報に接し、心から哀悼の意を表し、安らかにご永眠されますようお祈り申し上げます』などでもよいでしょう。
例文を見て分かるように、喪中見舞いでは句読点を使用しません。そこに加えて大事なのが忌み言葉を使わないことです。忌み言葉は結婚式などの慶事で気をつけることが多いですが、葬儀はもちろん喪中見舞いでも避けた方がいいとされています。
喪中見舞いで避けた方がいい忌み言葉はいくつかあるのですが、「再び」や「消える」などの連続を想像させる、不穏な気持ちにさせるような言葉、「死ぬ」や「終わる」といった縁起の悪い言葉が代表的な忌み言葉です。また、重ね言葉も不幸が続く印象を与えることから避けた方がいいとされています。
悲しみから立ち直ってほしい気持ちから励ましの言葉をかけたくなりますが、遺族にとってはその悲しみを昇華させる時間も必要です。直接的な励ましを言わずとも、喪中見舞いを受け取ることで励みになることでしょう。
喪中見舞いに使うはがきは、相手の気持ちを考えて華美なデザインは避け、グレーやライトブルーなどの寒色をベースとしたものを選ぶのがポイントです。ご自身で作ったはがきでも構いませんが、郵便局やインターネットで喪中見舞い用のはがきを購入することもできます。郵便局では菊や紫陽花をあしらったデザインのはがきが販売されているので、そちらを利用してもいいでしょう。
私製はがきを使う場合は、使う切手も喪中見舞いに合ったものにします。通常の63円切手でも構いませんが、郵便局で弔事用の切手を購入してもいいでしょう。郵便局で購入する場合は、窓口で喪中見舞いに使うことを伝えると迷わず購入できます。
喪中見舞いでは多くの言葉を綴らないので、はがきや切手のデザインからもお悔やみの気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
香典やお供え物など品物を喪中見舞いとして送る場合、注意することが3つあります。
・香典の表書き
・のし
・メッセージを添える
まず香典ですが、喪中見舞いを送るタイミングが四十九日の前なのか後ろなのかで表書きが変わります。四十九日より前であれば【御霊前】、後であれば【御仏前】となるので、送る時期がどちらに該当するのか確認しましょう。また、この表書きは神式では【玉串料】、キリスト教では【献花料】と宗教によっても変わるので注意が必要です。
そして、現金は現金書留で送ることが法律で定められているため、香典を送る際は送り方にも気をつけましょう。現金書留専用の封筒を郵便局で購入でき、その封筒に香典袋を入れることもできます。
お供え物を送る場合、一般的にはのしをつけます。表書きは【御供】や【喪中御見舞】とし、結び切りの水引を選びましょう。金額の目安は3,000円~5,000円ほどで、受け取った側が負担になるような高額なものは避けます。
どちらを送る場合も、品物だけを送るのではなくメッセージを添えましょう。メッセージの内容は、長いものでなくても大丈夫です。例文でもご紹介したような相手を気遣う内容がいいでしょう。
友人や会社の上司から喪中はがきを受け取ることもあります。近しい人であれば顔を合わす機会も多く、喪中見舞いを出すべきか迷うところです。また、親しいからこそどう書けばいいのかという悩みも出てくるでしょう。ここでは、友人や上司へ喪中見舞いを出す場合の例文などをご紹介します。
親しい友人から喪中はがきが届いた場合、付き合いの長さによっては葬儀に参列していることもあるでしょう。その場合は、喪中見舞いではなく寒中見舞いを出す方法があります。喪中はがきで訃報を知った場合は、喪中見舞いでも構いません。葬儀から少し時間が立っているのであれば、電話で直接お悔やみを伝える方法もあります。
ご家族とも仲良くしていた場合は落ち着いた頃合いを見てご自宅に伺うのも一つの方法ですが、親しい仲とはいえどマナーは必要です。
はがきに書く内容は、先にご紹介した例文のようなもので構いません。「お身体を大事に」や「いつでも連絡ください」など、相手を気遣う一言を添えて悲しみを和らげてあげましょう。
上司から喪中はがきが届いた場合、その上司との距離感によって変わります。直属の上司であれば、会社で顔を合わす機会も多いでしょう。その場合は、職場でお悔やみをお伝えした上で寒中見舞いを出します。
社内で顔を合わす機会が少ない上司や、以前お世話になった方であれば、喪中見舞いを出すといいでしょう。ただ、喪中見舞いは必ず出さなければいけないというものではありませんので、日頃の感謝と一緒に寒中見舞いとしても失礼には当たりません。
上司へ送るはがきにも「お疲れが出る頃かと存じます」のような、ご本人とご家族を気遣う言葉を添えるようにします。苦労を共にした部下からの気遣いは心強いものになるでしょう。
お世話になっている上司であれば当然ですが、気心知れた友人へも喪中のマナーは必要です。かける言葉や使うはがきなどに配慮を忘れないようにしましょう。
近年では、喪中のお知らせをメールやSNSですることも珍しくありません。メールできた連絡にメールで返すことは失礼には当たりませんが、はがきで連絡を受けた場合にメールで返信することはマナー違反にあたるので気をつけましょう。
また、メールやSNSは封書やはがきに比べてカジュアルな文章になりやすいので、言葉選びにも気を配ることが大切です。
葬儀に参列できなかったなどで直接お悔やみを伝えたい場合、ご自宅に弔問する方法があります。直接お悔やみを伝えることができ、伺うタイミングによってはお線香をあげることもできるでしょう。故人やご遺族と親しくしていた場合直接お悔やみを伝えたいと思うものですが、喪中に弔問する際には注意することがいくつかありますので、以下の注意点を参考にしてください。
弔問時に大切なのは、葬儀が済んでからの時間です。葬儀後すぐはご遺族も疲れが出ている可能性もあるので、少し時間をおいてから伺うのが最適です。葬儀から時間が経っていた場合でも、片付けなどに追われていることも考えられますので、伺う前にご遺族と日程を調整しましょう。
ご遺族の気持ちが一番なので、日程調整が難しい場合は電話でお悔やみを伝えて、改めて伺う予定を立てるようにします。
弔問時には香典または手土産を持参します。一般的な手土産として選ばれるのは線香ですが、故人の宗教が仏教以外の場合線香は不向きです。その場合は、故人が好きだったお菓子や果物を用意し、冷蔵保存が必要なものは避けるようにします。近頃は故人が好きだった生花やプリザーブドフラワーなどを送る方も増えています。
香典を持参する場合は弔問する時期によって表書きが変わります。失礼にあたらないよう、伺う日程を確認して、間違いのないよう準備をしましょう。
弔問時は喪服ではなく平服で問題ありませんが、お悔やみを伝えに行くので派手な服装は避けます。男性はダークカラーのスーツに色味を抑えたネクタイ、シャツは白を選びましょう。スーツは上下揃ったものを着用し、ネクタイピンは外します。
女性は黒や紺などのダーク系のワンピースやアンサンブルで、黒のストッキングを着用します。タイツはカジュアルなものになるので、冬場であっても20~30デニールのものを選びましょう。メイクやネイルも控えめにします。ご自宅に上がることも想定されますので、ペディキュアにも注意が必要です。そして、男女共にアクセサリー類着用は控え、ヘアスタイルも華美にならないよう注意しましょう。
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喪中見舞いはお悔やみを伝える新しいツールです。まだ馴染みの薄いものではありますが、喪中はがきを受け取ってからすぐに気持ちを伝えられるので、送る側、受け取る側双方の気持ちに寄り添ったものとも言えます。
一般的にははがきで送られますが、身近なメールやSNSを使うこともできますし、お供物を送ることも可能です。故人とご遺族を思い、相手の負担にならない方法でお悔やみの気持ちを伝えましょう。葬儀に関する困りごとやお悩みがありましたら、お気軽に小さなお葬式までご相談ください。
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