葬式饅頭とは?歴史・地域ごとの違い・四十九日の饅頭の供え方も解説

葬式饅頭とは?歴史・地域ごとの違い・四十九日の饅頭の供え方も解説

かつて葬式の返礼品として「葬式饅頭」は一般的なものでした。最近では目にする機会は減ってきましたが、地域によっては使われるケースもあります。四十九日法要に参列する際に、「上用饅頭を選んでもいいのだろうか」と思う方もいるかもしれません。

そこでこの記事では、葬式饅頭の概要や、四十九日法要に用いる上用饅頭について解説します。お菓子の選び方や相場、渡し方のマナーも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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「葬式饅頭」とは何か知りたい方

四十九日法要に適したお供え物を知りたい方

お供え物の相場を知りたい方

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葬式饅頭とは

葬式饅頭は、葬式の返礼品として伝統的に使われてきましたが、実際にはどのようなものなのでしょうか。ここからは、葬式で饅頭を配る意味について解説します。

葬式饅頭とは何か

葬式や法事の際に、返礼品として参列者に配られる饅頭のことを、「葬式饅頭」といいます。地域によってさまざまなタイプのものがありますが、一般的には、小豆餡が入って小麦粉や米粉で作られた饅頭のことを指します。箱には「志」と書かれたかけ紙がかけられています。

葬式饅頭の意味

なぜ、葬式で饅頭を配ることが習慣になったのでしょうか。現代において饅頭は特別な食べ物ではありませんが、昔は砂糖が使われた甘いお菓子は貴重な食べ物でした。

そのため、故人の所有していた財産を饅頭として配ることは、仏教の教えで金銭を世間に施す「財施」の修行になると考えられています。故人に代わって饅頭を配れば、故人の成仏につながると考えられてました。

葬式饅頭の歴史

葬式饅頭の起源をさかのぼると、三国志の時代の中国にまで行き着くといわれています。ここからは、諸葛孔明と饅頭の逸話と、日本に伝わった経緯を紹介します。

諸葛孔明と饅頭

3世紀に中国で活躍した武将の諸葛孔明(しょかつこうめい)が、軍を率いて移動している最中に、氾濫した川を渡れずに立ち往生してしまいました。

「この辺りでは49人の首を切って神様にお供えすれば、川は静かになる」という話を聞かされましたが、諸葛孔明には人の首を切ることはできませんでした。

代わりに小麦粉を練って丸めて人の頭に模してお供えしたところ、川は落ち着き、軍勢は無事に川を渡れました。

この逸話から、饅頭が神様に捧げるのにふさわしいものとして、お供物に使われるようになりました。

日本に伝わった饅頭

14世紀に中国、当時の宋から来た僧侶の弟子である林浄因(りんじょういん)が、奈良で饅頭を作ったのが、日本の饅頭の起源であるといわれています。

当時、饅頭の中には肉を入れていましたが、仏教の教えでは肉食はタブーでしたので、代わりに小豆で作った餡を入れました。その後、饅頭は儀式の際に使われるようになり、庶民の間にも広まっていきます。

葬式饅頭の地域性

葬式饅頭という呼び方は同じでも、日本各地でさまざまなタイプの饅頭が使用されています。そのため、地域によって「葬式饅頭」と聞いて思い描くものが違うかもしれません。ここからは、地域別の葬式饅頭の特徴について解説します。

北海道

北海道で用いられる葬式饅頭は「中華饅頭」です。ただし、いわゆる「肉まん」や「あんまん」とはまったく異なるものなので、注意しましょう。

形は半月型で、バナナのような形状です。小麦粉で作られた、どら焼きのような生地を二つ折りにして餡を包んでいます。

関東地域

関東地域では、春日饅頭緑白饅頭(青白饅頭)の2種類の葬式饅頭が使われることが多いようです。

春日饅頭の中にはこし餡が入っており、小判形で手のひらサイズくらいのものから、30センチメートル以上のものまであります。シノブヒバなどの焼き印が押されているのが特徴です。

緑白饅頭(青白饅頭)は、抹茶を使った緑色の饅頭と、白い饅頭がセットになっている小さめの饅頭です。弔事にはこし餡が使われるのが一般的でしたが、最近では粒餡も使われています。

関西地域

関西地域では、黄白饅頭おぼろ饅頭が葬式饅頭として用いられます。黄白饅頭は、黄色と白の2色の饅頭です。こし餡を山芋を練り込んだふんわりした生地で包んであります。おぼろ饅頭は、こし餡を包んだ饅頭を蒸した後に、表面の皮をむくのが特徴です。

葬式パンを用いる地域もある

山陰地方の一部では、葬式饅頭ではなく菓子パンが参列者に配られます。かつては餡入りの餅を作っていましたが、作るのに手間がかかるため後にアンパンに代わり、やがて菓子パンになりました。

また、静岡県の一部地域では、葬式饅頭ではなく「平パン」と呼ばれるお菓子が用いられています。

四十九日法要に上用饅頭を用意してもいい?

「上用饅頭(じょうようまんじゅう)」は通夜の参列者が通夜見舞いとして用意しますが、四十九日法要のお供え物にも適しています。

上用饅頭は、すりおろした山芋や長芋に砂糖と米粉を混ぜて練り上げ、餡を包んで蒸しあげたものです。ヤマノイモ科に属する芋類を総称して「薯蕷(しょよ)」と呼ぶことから、「薯蕷饅頭(しょよまんじゅう)」と呼ぶこともあります。

上用饅頭は冠婚葬祭の贈答用お菓子の定番です。弔事だけでなく慶事の席でも多く用いられます。入学祝いや出産祝いで贈る「紅白饅頭」も上用饅頭の一種です。

法要に持参するお菓子の形にきまりはないので、丸型のほか、参加者や遺族の好みに合わせて形が違う上用饅頭を選んでも問題ありません。

四十九日法要で用意するお菓子の選び方

四十九日法要のお供え物は、お菓子・果物・ろうそく・線香・花が定番です。なかでもお菓子は、食べたり使ったりするとなくなる「消えもの」として人気があります。

お菓子を選ぶときのポイントは、日持ちすること・個包装になっていること・故人や参列者の好みに合わせることです。ここからは、お菓子の選び方のポイントを詳しく紹介します。

日持ちするもの

お菓子選びのポイント一つ目は、日持ちするお菓子にすることです。法要の場には、多くのお菓子が集まります。持ち帰ることを前提に、数日経ってもおいしく食べられるお菓子を選ぶと喜ばれます。

夏場に法要を行うなら、常温保存できるお菓子がよいでしょう。寺院や飲食店で法要を行うケースでは、冷蔵庫が使用できないことも考えられます。

生クリームやチョコレートを使用したお菓子だと、持ち帰るまでに溶けたり傷んだりする可能性があります。お菓子を選ぶときは、賞味期限と保存方法を確認しておくことが大切です。

個包装されているもの

二つ目のポイントは、個包装のお菓子にすることです。切り分けて食べるお菓子は参列者同士で分けるときに不便なうえ、包丁やナイフがないとその場で食べられません。会場に食器の用意がないこともあるため、手で持って食べられる個包装のお菓子が適しています。

法要が終わると、「お下がり」といってお供え物を参列者に配ることもあります。詰め合わせのお菓子を用意するときは、中身が個包装されているか確認してから購入しましょう。

故人や参列者の好みに合わせたもの

お菓子選びのポイント3つ目は、故人や参列者の好みに合わせて選ぶことです。故人の食べ物の好みを知っているのであれば、生前に好きだったお菓子にしてもよいでしょう。ただし、故人の好みであってもにんにくやネギなど、においの強い食材を使ったお菓子はふさわしくありません。

小さなお子さんや年配の方が多く参列する法要では、口に入れやすい大きさのお菓子固すぎないお菓子を選ぶ配慮も重要です。

四十九日法要に適切なお菓子の種類

基本的に、法要のお菓子は洋菓子でも和菓子でも構いません。種類に迷った際は、洋菓子と和菓子の詰め合わせにするのもおすすめです。お菓子の種類をきめたあとは、仏壇に供えることを考慮してサイズや量を考えるとよいでしょう。ここからは、四十九日法要に適したお菓子の種類をご紹介します。

和菓子の場合

和菓子であれば、以下のお菓子がおすすめです。

・もなか
・どら焼き
・饅頭
・せんべい
・ようかん
・かりんとう
・あられ

日持ちを重視する場合は、せんべい・ようかん・あられ・かりんとうを選ぶとよいでしょう。餡を使った和菓子は賞味期限が短めで、2日から長くても10日程度です。ただし、ようかんは餡を使っていても種類によっては1年以上日持ちするものもあります。

洋菓子の場合

洋菓子のおすすめは以下のとおりです。

・クッキー
・マドレーヌ
・パウンドケーキ
・フィナンシェ
・カステラ
・ゼリー

抹茶風味のクッキーや小豆を練り込んだカステラなど和洋折衷のお菓子も人気があります。

一般的に、法要のお菓子はカラフルな色や柄を選んでもマナー違反にはなりません。詰め合わせの洋菓子を選ぶなら、色違いのお菓子が何種類か入ったものや焼き印のある洋菓子を選ぶのもおすすめです。カステラにする場合はあらかじめカットされていて個包装のものを選びましょう。

お供え物を用意する際の相場

お供え物の相場は、3,000円~1万円程度です。金額に迷ったときは故人との付き合いの深さを基準に考えます。生前、故人と親しかった方は5,000円以上、一般的なお付き合いだと3,000円~5,000円程度を目安にお供え物を用意しましょう。

法要に出席する際は「御供物料(おくもつりょう)」として現金を包むことがあります。御供物料の相場は1万円~5万円程度で、こちらも故人との関係性によって金額が変わります。お供え物と御供物料の両方を持参する場合は、お供え物の金額は相場より低くてもよいでしょう。

お供え物だけを用意するか、お供え物と御供物料の両方を用意するかは地域の慣習によって異なります。わからない点があれば法要前に親族に確認しておくと安心です。

お供え物を渡す際のマナー

法要のお供え物には包み方や渡し方のマナーがあります。マナーを知らずに渡すと、遺族に不快な思いをさせてしまうかもしれません。かけ紙の選び方や表書きの書き方、正しい渡し方を理解しておきましょう。ここからは、お供え物を渡す際のマナーを解説します。

かけ紙の選び方

お供え物にかける「かけ紙」は地域によって選び方が異なります。関西では黄色の水引を印刷したかけ紙、関東では黒白または双銀の水引を印刷したかけ紙が一般的です。

かけ紙と似ているものに「のし紙」がありますが、熨斗(のし)は慶事のときのみ使用し、弔事では熨斗がない水引だけが印刷された紙を使用します。

水引は「結び切り」で、水引の本数は偶数にするのがマナーです。結び切りには「何度も繰り返すことがないように」という意味があり、弔事や病気、災害見舞いで使用します。

表書きの書き方

法要のお供え物の表書きは「御供(おそなえ)」「御供物(おくもつ)」とするのが一般的です。「御佛前(ごぶつぜん)」「御仏前(ごぶつぜん)」は忌明け以降に使用するため、四十九日法要の供物には使用しません。

表書きに使う墨の色は、通常の濃さの墨です。薄墨は通夜や葬儀のみで使用し、そのほかの法要では濃墨を使うのが一般的です。

差出人の名前は、水引の下部中央に書きます。名字のみでも問題ありませんが、参列者のなかに同じ名字の方が複数名いる場合や、故人とあまり親しくない場合は氏名を書くと親切です。

お供え物の渡し方

法要のお供え物は両手で持ち、直接仏壇に置かず遺族や法要の代表者に手渡すのがマナーです。寺院で法要を行った際でも、祭壇に供えたり寺院の方に渡したりするのは避けましょう。渡すときは、法要に招いてもらったことへのお礼やお悔やみの言葉を述べましょう。

法要に招いてもらったことへのお礼は、時候の挨拶や前置きは省き「本日はお招きいただきましてありがとうございます」と簡潔に伝えます。お悔やみの言葉は「心から哀悼の意を捧げます」「心よりお悔やみ申し上げます」といった挨拶が一般的です。最後に「心ばかりですが御仏前にお供えください」と述べて、お供え物を渡します。

お供え物を紙袋に入れて持参した場合や風呂敷に包んでいた場合は、中身だけを渡しましょう。

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まとめ

葬式の返礼品として用いられる「葬式饅頭」には、故人の成仏を願うという意味が込められています。四十九日法要で用意するお菓子は。通夜見舞いとして用意される上用饅頭でも問題ありません。参列者同士で分けることや持ち帰ることを考えて、個包装の日持ちするお菓子を選ぶと喜ばれるでしょう。

お菓子の種類は、和菓子・洋菓子のどちらにしても構いませんが、故人や親族の好み、地域の慣習に合わせて選ぶことが大切です。

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監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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