浄土宗の葬儀が終わったあとに行うことを解説します。一般的には葬儀の予定を立てるだけでも大変に感じることでしょう。しかし、葬儀が終わったあとにも喪主や家族の務めは続きます。浄土宗では葬儀後にどのようなことを行うのかについて、あまりよく分からないという方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、浄土宗の葬儀後に行うことについてご紹介します。精進落としや法要について気になる方もいるでしょう。マナーや作法も含めて葬儀後に行うことを理解できます。
<この記事の要点>
・葬儀後は香典の整理や香典返しの準備をする
・精進落としは故人の供養と参列者への感謝の気持ちを示す会食のこと
・葬儀後に行う四十九日法要は故人が仏となる日である
こんな人におすすめ
浄土宗の葬儀後に行うことを知りたい方
葬儀後に行う精進落としについて知りたい方
浄土宗の葬儀後のおもな法要について知りたい方
葬儀が終わったあとに行うべきことを最初にご紹介します。参列者が帰宅したあとは少し休みたくなる方もいるでしょう。しかし、葬儀後の作業も行う必要があります。
葬儀後の作業を忘れてしまったり取りかかるのが遅かったりすると、トラブルにつながることがあるからです。参列者や葬儀社との関係が悪くならないように、早めに済ませたほうがよい点をご紹介します。
まずはいただいた香典を整理します。香典を開けて金額を確認しましょう。香典を開ける際にはメモをする準備をします。お金を取り出して保管するだけだと、あとになって誰にいくらの香典をいただいたかが分からなくなるからです。
ひとつひとつ香典を確認するたびにリストにしてメモしましょう。リストに記載するのは香典袋に記載のある氏名や金額、住所です。久しく会っていない間に住所が変わっている方もいるでしょう。故人の友人や知人で住所を初めて知る方もいるかもしれません。香典袋の住所を記載しておくことで、香典返しを送る際の参考にできます。
香典の整理が完了したら、香典返しを準備します。品ものを送るタイミングは忌が明けたあと、具体的には四十九日のあとです。香典返しの手配や発送に時間がかかることもあるので、早めに用意するのがいいでしょう。
品ものを選ぶときはいただいた金額を参考にします。一般的な費用の目安はいただいた香典の半額です。いただいた香典に対して高い金額のものを送ると相手が恐縮してしまいます。一般的な習慣である半返しを基本とするのがおすすめです。
香典返しには挨拶状を添えて送ります。香典に対するお礼を述べたり、法要が無事に終わったことを報告したりできるでしょう。句読点を使わないのが挨拶状の特徴です。
各種費用の支払いも忘れずに行いましょう。支払い方法は会社によって異なります。クレジット払いや分割ローンに対応している会社であれば、依頼する際に決済の手続きが完了しているでしょう。
現金で支払う場合も支払いタイミングを選べるケースがあります。火葬終了後に現場にいるスタッフに支払うのもひとつの方法です。後日コンビニエンスストアなどで支払える会社もあります。
費用の相場は120万円ほどです。一括で支払うのが難しいときは、分割ローンに対応している会社を選べます。現金を持ち歩くのに不安を感じる方もいるでしょう。クレジット払いや銀行振込を選べるか相談できます。
精進落としは聞いたことがあっても、具体的な内容は分からないという方もいるのではないでしょうか。参加したことのある方でも、自分が計画する場合は難しく感じるかもしれません。
精進落としの背景や通夜ぶるまいとの違いをご紹介します。精進落としの意味を理解して準備を進めましょう。精進落としのマナーや注意すべき点も取り上げます。
精進落としはもともと仏教の思想にもとづく習慣でした。家族が亡くなったときは精進料理を食べることになっていました。肉や魚などを使わない食事です。昔は家族が亡くなったあと四十九日まで精進料理を食べ続けました。精進料理を食べるのをやめて、普通の料理を再開するときの食事が精進落としです。
しかし、現代では火葬を終えたあとに親族などの親しい方へ出す食事に変わっています。故人の供養を行うとともに、参列者への感謝の気持ちを示す食事です。
通夜ぶるまいは通夜のあとに参列者にふるまう食事です。昔は精進料理をふるまっていました。現在は自由に使う食材の種類を選べます。
食事を提供するときは、大皿料理を出すのが一般的です。食事を食べる方がどれだけいるかが決まっていないからです。食事をいただくときは、軽く食べて退席します。また、もてなす側のスタッフは料理を一緒に食べません。ほかの部屋を利用して食事をします。
精進落としは前もって誰が参加するかを決める食事です。参加者それぞれ食べられるように、料理を別個に用意します。親族など故人と近しい関係にある方を招待しましょう。ゆっくり歓談を楽しむ機会になるのが精進落としです。飲み物も十分に用意しておく必要があります。
精進落としは喪主の挨拶から始まります。出席者がみな席に着くのを待ちましょう。準備が整ったら喪主が挨拶をします。挨拶に含められるのは、葬儀が無事に行えたことや出席した方への感謝の気持ちです。喪主ではなく、親族代表者が代わりに挨拶をしても構いません。
挨拶が終わったら献杯を行います。故人にお酒をささげる慣習です。出席者にもお酒を注ぎ、全員杯の準備ができていることを確認してください。代表者が献杯と発声し、ほかの方たちも同じように献杯といいます。
献杯が終わったら、食事の時間です。会話を楽しみながら食事を味わいます。歓談の時間の目安は1時間~2時間です。故人に関する思い出話も話題にできるでしょう。
食事の時間を十分に取ったら、喪主が最後の挨拶をします。出席者が忙しいなか参加したことへの感謝を伝えましょう。納骨や法要の予定がすでにあるなら、日程を伝えられます。
料理を用意するときの細かなルールはありません。しかし、伊勢海老や鯛などの食材は避けたほうがよいでしょう。お祝い事をイメージする方がいるからです。仕出し弁当やお寿司を注文したり、懐石料理のお店を予約したりできます。
メニューを選ぶ際は、年齢層関係なく食べられる煮物がおすすめです。旬の食材を使った料理も検討できます。出席者が喜んで食べてくれるでしょう。精進落とし用のメニューを提供しているお店もあります。
席の位置に気を配る必要があります。故人の家族が僧侶や出席者をもてなす機会と見なせるでしょう。最上座は僧侶のための席です。僧侶の次は会社の方や友人、知人が上座に座ります。親族や家族が座るのは下座です。喪主は末席を選んで座りましょう。
献杯などお酒を注いだり飲んだりするときの注意点です。ほかの出席者と杯を合わせることはしません。親族や友人と集まると乾杯をしたくなるかもしれません。しかし、精進落としを行なっている場では避けましょう。献杯をする際に拍手をするのもふさわしくありません。盛り上がりすぎないように気をつけます。
故人の家族は出席者にお酒を注ぐなどしてもてなす機会があります。お酒を注ぐ際に出席してくれたことへの感謝を直接伝えましょう。
精進落としに出席する方は、節度を守って食事を楽しみます。飲み過ぎて迷惑をかけることがないようにしましょう。
葬儀後にはどのような法要を行う必要があるのでしょうか。一般的に行う必要がある法要をご紹介します。定期的に行われる法要は、故人の供養を行ううえで大切な日です。
精進落としを終えたら、次の法要までしばらく時間が空きます。しかし、前もって計画しないと法要を滞りなく行えません。家族や親族、僧侶に来てもらう必要があるためです。法要の特徴を理解して、しっかりと準備を行いましょう。
仏教の教えによると、四十九日は故人が仏となる日です。死後に裁判を受け、四十九日に浄土へ行けるかどうかが決まります。みなで集まって供養を行うことで、裁判を有利に進められるという考えです。
親族で集まって四十九日を行なったら納骨します。納骨がスムーズに行えるように事前に確認しておくといいでしょう。お寺や霊園に連絡し、納骨の希望を伝えます。埋葬許可証などの手続きも必要です。
浄土宗では、人は亡くなると浄土へ行きます。厳密にいうと四十九日を行う必要はないといえるでしょう。しかし、故人が浄土に行けることを願う気持ちは変わりません。家族の悲しみがやわらぐようにするためにも、法要の機会を設けられます。
故人が亡くなって1年後の命日に行うのが一周忌です。一周忌に故人が再度判決を受けるので、故人が救いを得られるように供養を行います。僧侶にお願いをしてお経をあげてもらいましょう。
一周忌に招くのは故人の近親者です。家族や親族、友人、知人など、故人と親しくしていた方を招きましょう。招待する際には、一周忌でどのようなことを行うかを伝えます。食事やお墓参りの計画があると、時間を多く取り分ける必要があるからです。
一周忌の準備としては、僧侶の手配や会場の準備が必要になります。食事や飲みもの、供物、供花の準備も必要です。
三回忌は故人が亡くなってから2年後に行う法要です。命日当日に集まるのが難しいときは、命日より早い日にちに変更できます。三回忌とはいいますが、3年後に行う法要ではありません。喪主や喪主の家族が代表して三回忌を取り決めます。
三回忌にも僧侶を呼んでお経をあげてもらいましょう。焼香したり僧侶の法話を聞いたりする機会もあります。
三回忌に招待するのは近親者です。故人と仲のよかった方に出席してもらいましょう。案内状で出席の可否を確認できます。三回忌の準備を行うために、早めに回答をもらえるようお願いするといいでしょう。
三回忌以降は故人が亡くなった年を1と考えて、3と7の年ごとに法要を行います。三回忌の次に行うのが七回忌です。七回忌以降は、十三回忌や十七回忌と続いていきます。しかし、七回忌以降の法要を行うかどうかは故人の家族が決めることです。七回忌以降は行わない家族も増えています。
法要を行うのであれば、形式を考えましょう。七回忌以降は僧侶を呼ばないでも行える法要です。僧侶にお経をあげてもらうことなく、ごく身近な家族や親族だけで故人をしのべます。法要で着る服装も比較的自由です。服装をどうするかについては、家族で話し合うといいでしょう。
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