親族への香典の相場額は?包む際の注意点やマナーを解説!

親族への香典の相場額は?包む際の注意点やマナーを解説!

訃報の知らせを受けて葬儀に参列することになったら香典を包むのがマナーですが、親族の場合はどこまでの関係にいくら出せばよいのでしょうか。香典は、慣習によって成り立つ「約束事」であり、範囲や額に明確な決まりは存在しません。

しかし、「決まりがないから」と適当に対処してしまうと、礼を失し後々まで悪評判を背負うことになりかねません。

今回は、そうした方に向けて、相場額と包む際の注意点やマナーを中心に、親族への香典に関する必須知識をご紹介していきます。

こんな人におすすめ

親族に香典を渡す必要はあるかを知りたい方

親族の香典の相場を知りたい方

親族に香典を包む際の注意点を知りたい方

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親族に香典を渡す必要はある?

香典は元来、身内の「相互扶助」の精神に基づき、葬儀を執り行う遺族の金銭的な負担を軽減する趣旨で始められたと言われます。そして、現代では故人を偲び、これまでのつき合いへの感謝を表すといった精神的な意味合いも込められたものとして扱われています。

こうした経緯を踏まえれば、香典を渡すべきかの判断基準は、まずは自分が「葬儀を執り行う立場にあるか否か」に置くとよいでしょう。

遺族として葬儀を執り行い、葬儀費用を負担するのであれば不要ですし、故人が実の親であっても兄弟が喪主を務め、自分は参列者として葬儀に出席するのであれば香典を渡すべきということになります。

そして、次に故人に対する弔意や感謝といった気持ちをどの程度抱いているかで考えます。すなわち、生前の故人にお世話になっていたり、付き合いが深かったりしたときには渡すべきです。一方、交流がほとんどなく、また自分だけでなく親兄弟にとっても同様に遠い関係でしかないといった事情があれば、渡さないという選択もあり得るでしょう。

親族に香典を渡す必要がない場合

ここまで親族に香典を渡す必要があるかどうかの前提となる考え方をご紹介してきました。しかし、考え方は理解できても自己判断で香典を渡す・渡さないを決めるのは難しい方もいるでしょう。

それでは、故人が親族であっても香典を渡す必要がないのは具体的にはどのような場合なのでしょうか。ここでは4つのケース別に詳しく見ていきましょう。

同居していた親族が亡くなった場合

故人が親や祖父母であるなどで同居していた場合には、原則として遺族として葬儀を執り行う側になるので、香典は要りません。ただし、故人と同居していたとしても、二世帯住宅や別生計で暮らしており、葬儀においても喪主・施主を務めない場合には、香典を渡すのが一般的です。

また、実家を離れて暮らす学生であっても、喪主と世帯を一緒にしているのであれば遺族にあたりますから、厳密には「同居」しているとは言えないかもしれませんが、香典は不要と解されています。

自分が未成年の学生の場合

未成年の学生で親と一緒に暮らしており、まだ経済的に自立していない場合には、そもそも香典を出す立場にありません。

この場合は、故人と同居しているか否かは関係ないと考えてよいでしょう。

香典を辞退された場合

最近では故人、あるいは遺族の意思により、香典を辞退するケースも多々見受けられるようになってきました。

香典を辞退する理由は参列者に負担をかけたくないから、お返しに手間がかかるから、あるいは葬儀を簡略化したいからなど、さまざまな理由が挙げられます。

このような場合には、原則として香典は不要です。逆に、無理に渡そうとするのはかえってマナー違反になるので控えましょう。

ただし、一般の参列者に向けては辞退していても、親族からの香典は例外としているケースは少なくありません。その場合には、香典を包んでいくことを事前に遺族に伝えておき、葬儀当日は人目のつく受付ではなく、控室などで直接遺族に渡すといった配慮をします。

家族葬の場合

葬儀が家族葬で執り行われる場合にも、香典が不要であるケースがあります。香典を渡すべきか否かの判断基準は、何よりもまず遺族の意思にかかっていると考えるべきです。事前に遺族から香典の受け取りを辞退する旨の明確な意思表示があれば、渡す必要はありません。

一方、辞退の連絡がなく遺族の意思がはっきりしない場合には、他の親族に尋ねたり、可能であれば直接遺族に訊いてみたりして渡すかどうかを判断することになります。

また、葬儀当日は念のため香典を持って参列し、他の親族から香典を受け取っているかどうかで判断してもよいでしょう。

親族の香典の相場

親族へ渡すべき香典の額は、自分の年齢や故人との関係によって決まってきます。地域によっては独自の決め方がなされることもありますが、基本的には自分に近しい親族、すなわち近い親等の人が亡くなった場合ほど相場が高くなっています。

ここでは、血縁関係別に香典の価格相場をご紹介してきます。

両親が亡くなった場合の香典の相場

両親が亡くなった場合、自分が喪主を務めたり、喪主でなくても後継ぎなど喪主に準じる立場であったりすれば香典は要りません。しかし、兄弟が喪主を務める場合や、結婚してすでに別世帯を設けている場合には香典を包まなければいけません。年齢別の相場は以下の通りです。

20代:3万~10万円
30代:5万~10万円
40代以降:5万~10万円

この相場は、故人が配偶者の両親であっても変わりません。

また、最も近しい親族である両親への香典は、葬儀代に充てるという意味合いが強い面があります。そのため、場合によっては相場を上回る額を出して、葬儀費用の支払いを行う喪主の金銭的負担を軽減するといった例もよく見られます。

喪主を兄弟・姉妹が務めるのであれば、葬儀費用の負担につき事前に話し合っておくことをおすすめします。

祖父母が亡くなった場合の香典の相場

祖父母が亡くなった場合の香典相場は以下の通りです。

20代:1万円
30代:1万~3万円
40代以降:3万円~5万円

配偶者の祖父母の場合も相場は同じです。

祖父母の葬儀では、両親か、自身あるいは兄弟・姉妹が喪主を務めることになるでしょう。したがって、遺族間での話し合いにより香典の額を決めるとよいでしょう。

兄弟や配偶者の兄弟が亡くなった場合の香典の相場

兄弟が亡くなった場合の香典相場は以下の通りです。

20代:3~5万円
30代:5万円
40代以降:5万円

兄弟・姉妹は年齢が近いことが多く、また幼少期より一緒に育ってきたという関係の深さもあり、同じく2親等である祖父母に比べ若干高めの相場になっています。これは、配偶者の兄弟姉妹の場合でも同様に考えます。

なお、自身が結婚している場合は、夫婦で連名もしくは夫が世帯主であれば夫の名前で香典を包むのが一般的です。

叔父や叔母が亡くなった場合の香典の相場

叔父や叔母は3親等ということもあり、兄弟姉妹や祖父母への香典よりも低い額になるのが一般的です。相場は以下の通りです。

20代:1万円
30代:1万~3万円
40代以降:3万円~

配偶者の叔父や叔母の場合も相場は変わりません。

ただし、叔父・叔母との付き合いに関しては親密であったり、顔を合わせる機会があまりなかったりとさまざまでしょう。

幼い頃から交流があったり、世話になる機会が多かったりといったことであれば、相場にかかわらず多く包むか、お供物を一緒に出すようにするといった対応も検討します。

その他の親戚が亡くなった場合の香典の相場

4親等のいとこなど、その他の親戚については、生前の故人との関係性により包むべき額が大きく変動します。相場は以下の通りです。

20代:5,000円~1万円
30代:5,000円~2万円
40代以降:5,000円~3万円

そもそも付き合いがなければ香典を包まないこともあるでしょうし、逆に特別お世話になった方であれば相場にこだわらない額がふさわしいこともあるでしょう。

また、以前に故人の家族から香典をいただいたことがあればその時の額をお返しすべきですが、そうした事情がなく悩ましい場合には、親や他の親族に相談して決めることをおすすめします。配偶者の親戚の場合も同じように考えましょう。

親族に香典を包む際の注意点

親族への香典の相場額は、単純な血縁関係だけでなく、日頃の付き合いや関係性によって異なることがお分かりいただけたでしょう。しかし、それ以外にも年齢や自身が孫にあたる場合の対応方法はどうすればよいか気になる方もいると思われます。

ここでは、親族に香典を包む際に注意すべきポイントを確認しておきましょう。

年齢によって香典の相場は異なる

年齢によっても香典の相場は異なることはご紹介してきた通りです。両親や祖父母が亡くなった場合が特に分かりやすいですが、どの親族であっても世代が上がるにつれて香典相場も高くなっていることは明らかです。

この違いは、経済的負担に多分に配慮した結果と言えるでしょう。社会人になって間もない20代と、多くがそれなりの地位を確保している50代とでは収入からくる金銭的な余裕度に格差があって当然だからです。

したがって、年齢によって差異を設けた相場設定は、葬儀を執り行う遺族の金銭的な負担の軽減に身内である親族として寄与すべき額が、その年代で得られる地位や収入から適当であろうという目安を示したものと考えることができるでしょう。

孫は香典を出すべきか

孫として祖父母へ香典を出すべきかについては、同居しているか否かで分けて考えます。

同居は孫も遺族として葬儀を執り行う立場にありますから、香典は不要です。年齢にもよりますが、忙しく、人手が足りなくなりがちである葬儀の手伝い、たとえば受付係や弔問客への簡単な応対などの協力をして喪主側の役割を果たしましょう。

ただし、同居であっても所帯を持っている場合には、香典は一世帯で一つが原則ですから、別途用意する必要が出てきます。

次に別居の場合ですが、まず未成年や扶養者であれば、個人としての香典は不要です。一方、社会人としてお金を稼いでいるのであれば、香典を出すべきです。

親と同居であれば、両親との「連名」により一つの香典袋に包むのが一般的です。逆に親元から独立しているのであれば孫個人として香典を出すようにしましょう。

香典のマナー

香典は、ただふさわしい金額を封筒に包んで渡せばよいというものではありません。葬儀の際、遺族に対して礼を失することのないよう、決められたマナーを守って出すようにしましょう。

また、マナーを守ることは自身の故人に対する弔意を示すためにも重要なことです。ここでは、代表的なマナーを3つご紹介します。

表書きは薄墨を使う

香典の表書きは必ず筆で書きましょう。もちろん、筆ペンでも構いません。その際、墨のタイプは、書道や慶事などで用いる一般的な墨である濃墨ではなく、薄墨を使うのがマナーです。

薄墨を使うことで、「悲しみの涙で墨がかすれてしまった」「突然の訃報で十分な濃さの墨を用意できなかった」といった、故人を喪った悲しみの気持ちを込めることができるのです。

なお、事前に日程が定まっている四十九日法要や一周忌・三回忌などの場合には、薄墨ではなく、濃墨を使って書きましょう。

金額や住所を記す裏書、あるいは中袋については、万年筆やボールペンでもよいと解されています。これは文字が小さくなるために、読みやすさなどの利便性に配慮したものです。

新札は避ける

結婚など、慶事では新札(ピン札)を用意するのがマナーであることはご存知の方も多いでしょう。一方、弔事に関わる香典に新札を包むことはよくないこととされています。

新札がタブー視されるのは、「故人が亡くなることを事前に予期し、準備していた」と捉えられる恐れがあるためです。もしも新札しか用意できない場合は、わざと折り目をつけてから包むとよいでしょう。

また、新札がタブーならば、古ければ何でもよいのかというと、もちろんそうではありません。しわや汚れがひどかったり、破れていたりするお札を香典に包むこともまた、マナー違反になるので注意が必要です。

偶数金額は避ける

弔事に関わる香典では、「忌み数」の使用は避けるべきものとされています。中でも、割り切れる偶数は「故人との縁を切ってしまう」ことを連想させると言われ、偶数ではじまる額はできるだけ避けるのが無難です。

特に、4は「死」をイメージさせやすいため、4,000円、あるいは4万円といった4枚のお札での香典がご法度とされることは覚えておきましょう。

なお、偶数金額は避けるのが基本ですが、2万円は例外として認められる傾向にあります。これは、1万円の次が3万円だと負担が大きくなるからだと言われています。

また、9は「苦」を連想させるため、奇数であっても避けた方がよいでしょう。

親族への香典返し

香典をいただいたら、お礼の挨拶と返礼品、すなわち「香典返し」は必須です。そして、親族への香典返しについても、他の方々の場合と同様に「半返し」、つまりいただいた額の2分の1から3分の1程度の品物を贈るのが基本です。

ただし、親族の場合は、その家のしきたりや前例などにより決まった返し方があるかもしれません。年配の事情通や最近葬儀・法事などを執り行った親族などに尋ねてみるとよいでしょう。もし分からなければ、世の中で認識されている相場通りの金額でお返しするのが無難です。

なお、親族からの香典は、関係の深さもあって一般よりも多めにいただくことが少なくありません。しかし、たとえば10万円の香典に対して半返しとして5万円ほどの返礼品を送るとなると、遺族の負担が大きくなります。したがって、このようなときには無理せずに3分の1から4分の1程度のお返しでも構わないでしょう。

香典を包んだ側の親族も、決して高額の返礼品を期待しているわけではありません。悲しみの気持ちとともに葬儀費用や今後の遺族のために役立ててもらいたいという思いやりをくみ取り、可能な範囲でお返しをすればよく、丁寧に謝意を伝えることが大切です。

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まとめ

この記事では、親族への香典の相場額と包む際の注意点やマナーについて解説してきました。大切な絆である親族関係を円満な形で維持していくためにも、葬儀でやり取りされる香典への対応は万全にしておきたいものです。この記事でご紹介した内容を参考に適した香典を包むようにしましょう。

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監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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