大切な人が亡くなりお葬式が終わっても、実は故人の供養は終わりではありません。決まった年の命日に、親族が集まって年忌法要を営むことが日本の仏教においては一般的です。
しかし、昨今、親族で集まる機会が減ったため、いつ年忌法要を営むとよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。また、命日の意味について「毎年訪れる、近親者が亡くなった日付と同じ日」という知識はあっても、具体的にどのように過ごせばよいのかがわからない方がいるかと思います。
この記事では、命日の振る舞い方や回忌を行うべき年について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・回忌とは故人の祥月命日やその近い日に営む法要や法事のことを指す
・命日には法要を行い、お墓参りに行くのが一般的
・月命日には仏壇にお供えものをして手を合わせる
こんな人におすすめ
命日とは何かを知りたい方
命日・月命日の振る舞い方を知りたい方
命日の仏壇へのお供えものは何がよいかを知りたい方
仏教において、「命日」は先祖を祀る日とされており、故人の供養を目的とした昔からの習わしです。大半の方が言葉として使われている命日は、誰かが亡くなった日付のこと表し、別の呼び名で「祥月命日」ともいわれています。
また「月命日」とは、亡くなった日「のみ」を表す命日の言葉です。例えば、故人が亡くなった日付が8月17日だった場合、祥月命日は毎年の8月17日、月命日は毎月17日となります。1年間における回数でいうと、祥月命日が1回、月命日が11回(祥月命日を除くため)です。
回忌とは、故人の供養を目的とした祥月命日、あるいはその近い日に営む法要や法事のことです。回忌は、「一回忌」で始まり、弔いあげという形で「三回忌」「七回忌」「十三回忌」「十七回忌」「二十三回忌」「二十七回忌」「三十三回忌」と行われます。
日程については「当日にしないといけない」という強制的な慣習があるわけではなく、参加者や僧侶に合わせてスケジュールを調整しても問題ありません。
「一回忌」とは、亡くなった日に行う法要を意味するため、お葬式が該当します。しかし、お葬式のことを「一回忌」と呼ぶ必要はありません。
一周忌とは、命日から一年経った日に営む法要のことを意味します。「一回忌」と間違えやすいので注意してください。
一周忌は、故人の関係者を多く呼び、自宅や寺院で行うことが一般的ですが、現在ではホテルの会場などでも執り行うことができます。日程については、命日を過ぎるとマナー違反になるので、一年目の命日までに行いましょう。
また、一周忌までは「喪中」とされており、その間の正月に行う年賀状や初詣などの行事は自粛するほうが賢明です。一周忌が終わり、喪中が明けると「喪明け」となります。
一周忌法要の、当日の基本的な流れは以下の通りです。
1. 僧侶の入場
2. 施主(喪主)の挨拶
3. 僧侶の読経
4. お焼香
5. 僧侶の法話
6. お墓参り
7. 会食
8. 施主(喪主)の挨拶
当日の流れには決まった形はないので、状況に合わせて変更しても問題ありません。
年忌法要は「法事」と呼ばれ、一周忌から始め「三回忌」「七回忌」「十三回忌」「十七回忌」「二十三回忌」「二十七回忌」「三十三回忌」「五十回忌」と行います。特に一周忌と三回忌は重要な法要なので、親族を招いて法要を営みましょう。
準備し始めるタイミングは早いに越したことはなく、1〜2か月前から始めておくと当日慌てずに済みます。
準備の順番は以下の通りです。
1. 住職に相談して日程を決める
2. 法要の場所を決める
3. 招待する方を決め、案内状を送る
4. 人数が確定したら会食、引き出物を用意する
法要の場所は地域によって異なることがあり、関西では自宅、関東では菩提寺で行うことが多いです。菩提寺とは、先祖代々のお墓があり、法要を行うためのお寺のことです。案内状については、できれば1か月前には送るようにしましょう。
また、引き出物は1世帯に1つでよいとされており、のしの上部には「志」下部には施主の家名を記します。
中陰法要とは、亡くなってから四十九日までの期間中の、七日ごとの法要を指します。四十九日である理由は、亡くなった方の魂は行き先が決まらず、四十九日間彷徨うとされているからです。
また、七日ごとに行われる理由は、故人が七日ごとに十王から裁判を受けるためで、七回目の裁判の時に魂の行き先が決まります。その決裁がよいものであることを願って、中陰法要を行います。
百箇日法要とは、四十九日目の裁きの際、故人が極楽浄土へ赴くことが叶わなくても、遺族が供養することで救済があるというもので、一回忌から数えた100日目に行われます。
年忌法要は仏教特有の儀式ですが、キリスト教や神道にも年忌法要のような行事が存在するので紹介します。
プロテスタントにおいての法要は「礼拝」と呼ばれています。亡くなった日から「7日目」「10日目」「30日目」「1年後」「3年後」「5年後」「7年後」に記念集会の礼拝を行うのが一般的です。
カトリックでは法要のことを「追悼ミサ」と呼びます。追悼ミサは、亡くなってから「3日目」「7日目」「30日目」に行われ、「1年後」には「死者記念ミサ」を行うのが一般的です。
神道では法要のことを「霊祭」と呼び、亡くなってから10日後に「十日祭」、そこから10日刻みに「五十日祭」まで行います。その後、「百日祭」「一年祭」「二年祭」「三年祭」「五年祭」「二十年祭」「三十年祭」「四十年祭」「五十年祭」「百年祭」の順に続くのが一般的です。
命日の振る舞い方は日本の各地域や宗教によって違ってきます。普遍的な振る舞い方は以下の通りです。
・法要を行う
・お墓参りに行く
・卒塔婆供養を行う
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
命日には法要を行います。宗派によっては、三十三回忌を弔いあげとする場合と、五十回忌を弔いあげとする場合の2つのパターンが一般的です。
命日にはお墓参りをしましょう。一般的に、平日や仕事の都合などで日程が合わない場合は、週末に予定を移動させることもあります。
またお墓参りの際、以下の項目はマナー違反とされています。
・お酒をかける
・ローソクの火を吹き消す
・お供えものを残して帰る
・お墓を濡らしたままにする
上記のようなことは、故人や住職に対して失礼に当たります。特に、お供えものを残して帰ると、カラスなどの動物がお墓を荒らしてしまう原因になるので気をつけましょう。
命日には、卒塔婆供養を行うこともあります。卒塔婆とは、故人を供養する際、お墓に立てられる木の板のことです。供養をするたびに新しいものと取り替え、古いものは寺院に処分してもらいましょう。
卒塔婆の費用は地域によって異なりますが、1本あたり3,000円〜10,000円が目安となっています。
月命日には仏壇にお供えものをして手を合わせ、近況報告などをしましょう。時間があればお墓参りをすることもあります。
命日には仏壇に手を合わせ、お供えものをするのが一般的です。これは月命日でも変わりません。仏式では、ローソクやお線香、果物をお供えすることが多く、神式では、お酒、果物、お菓子をお供えすることが多いです。お供えしたものは、お下がりでいただけます。
なお、仏教では「殺生してはならない」という考え方があるため、基本的に肉や魚などは避けるようにしてください。
命日には、普段仏壇にお供えするものとは違う、故人の好きだったもの(果物やお酒)をお供えするのが好ましいです。好きだったものをお供えすることで、より故人に思いを馳せることができるでしょう。
また、好きだったものがお供えものに相応しくない場合は、菓子折りでも問題ありません。
故人が好きだったお花をお供えすることも珍しくありません。しかし、好みを優先しすぎて華やか過ぎるお花をお供えすることは避けましょう。好きだったお花がわからない場合、供花の定番である菊をお供えするのも一つの方法です。
また、避けた方がよいお花も存在します。例えば、匂いの強いお花です。お花は長い間お供えするものなので、常に匂いを放つお花はお供えに適しません。ほかにも、棘のあるお花も同じく控えましょう。
また、お花にはお供えした後にも注意点があります。仏壇にお供えするお花ですので、常に美しく保っておくことが必要です。お花は、普段からこまめに水の入れ替えをすると美しく保つことができるので、仏壇に手を合わせる際に気持ちがよいように心掛けておきましょう。
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命日とは、祥月命日という呼び方があり、故人の亡くなった日付を表しています。亡くなった日のみを表す月命日も存在します。回数は、命日が毎年1回、月命日が毎年11回です。
また、命日に故人を供養するために営む法要や法事のことを回忌といいます。回忌は、一周忌や三回忌など数年おきに行い、三十三回忌または五十回忌で弔いあげという形をとるのが一般的です。
命日には、法要・お墓参りをするのが一般的で、場合によっては卒塔婆供養を行うのがよいでしょう。
なお、仏壇にお供えするものは、基本的に故人が好んでいたもので問題ありません。しかし、「殺生してはならない」という仏教の考え方に反する肉や魚などは避けるようにしましょう。お供えものは食べ物ではなく、お花でもよいですが、匂いの強いものや棘のあるものは控えたほうがよいです。
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