法事には正しいマナーに従った服装で参列しなければなりません。とはいえ、法事にはさまざまな種類があり、どのような装いで参列すればよいか分からないという方もいるのではないでしょうか。特に、靴下やストッキングのような細かい部分は気遣いを忘れがちです。
そこでこの記事では、法事に参列する際の服装の選び方やマナーについて解説します。男性、女性、子どもと分けて理解することで、自分に合った装いで参列できるでしょう。
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<この記事の要点>
・三回忌までは準喪服、七回忌以降は略喪服を着用する
・男性は黒い無地の靴下、女性は黒のストッキングを着用するのがマナー
・準喪服は男性はブラックスーツ、女性は黒のワンピースやアンサンブルが基本
こんな人におすすめ
法事に参列する際の服装の選び方やマナーを知りたい方
法事の靴下の色のマナーを知りたい方
法事の装いを男性・女性・子ども別に知りたい方
法事とは、親族や縁の深かった方々で故人の冥福を祈り供養する仏教の行事です。遺族の気持ちを考えると、服装には十分に配慮する必要があることが分かるでしょう。ここでは、法事の意味と併せて法要との違いについて解説します。また、法要の主な種類も見てみましょう。
一般的に、親族や友人・知人が集まり故人を供養する場が「法事」ですが、似た言葉に「法要」があります。どちらも同じように使われているため、厳密な違いが分からない方もいるでしょう。
法要とは故人の冥福を祈るための供養儀式を指す言葉です。一方、法事は法要後の会食も含めた行事を指します。したがって、法事と法要の違いは、供養儀式の後の会食を含むかどうかです。
法要には大きく分けて「中陰法要」と「年忌法要」の2種類があります。中陰法要に含まれる主な法要は、初七日や四十九日です。仏教では、亡くなってから49日目までは現世と来世の間を霊魂としてさまよっているとされ、この間に供養することで無事に成仏できると考えられています。
年忌法要とは、節目の年の祥月命日に故人を供養する法要です。一周忌から始まり、三回忌、七回忌と続きます。七回忌以降は規模を縮小し、三十三回忌を弔い上げとするケースが一般的です。親族や友人・知人として招かれるのは、三回忌もしくは七回忌までがほとんどでしょう。
法事とは故人を供養する大事な行事です。故人の冥福を祈る気持ちと遺族に対する配慮を示すためにも、マナーに従った正しい装いで参列する必要があるでしょう。ここでは、法事で着用する服装の格式について解説します。
喪服には「正喪服」「準喪服」「略喪服」という3つの格式があります。法事に参列する際は、三回忌までは準喪服を選べば問題ないでしょう。男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルとして黒のワンピースやアンサンブルを着用します。
ちなみに、通夜や葬儀で着用するのも準喪服です。正喪服は喪主や遺族の服装とされていますが、最近では簡略化が進み、全員が準喪服を着るケースが増えています。
略喪服とは「平服」を指します。ただし、普段着という意味ではありません。ラフな格好やカジュアルな服装で参列するのは失礼にあたります。男性はダークスーツ、女性は地味な色のワンピースやアンサンブルを選ぶとよいでしょう。
故人の死を受け入れて徐々に日常に戻るという意味合いを込めて、七回忌以降は準喪服ではなく略喪服を着るのが一般的です。また、お別れの会のような場では「平服でお越しください」と指定される場合があります。
喪服は格式に合ったものを購入し、そのまま着れば問題ありません。しかし、小物に関しては何色を選べばよいか迷う方もいるでしょう。
女性の場合、ストッキングの厚さも悩むポイントのひとつです。ここでは、男性、女性、子供に分けて、法事の際に履く靴下について解説します。
靴下は黒い無地のものが基本です。足元はあまり目に付かない場所ですが、全身が黒いため、グレーや紺といった色や派手な柄、ワンポイントが入っている靴下は目立ちます。また、形にも気をつけましょう。くるぶし丈やショート丈のような肌が露出する短い丈はNGです。
また、自宅やお寺のような靴を脱ぐ会場の場合、五本指の靴下も避けたほうがよいでしょう。カジュアルな印象が強く、法事の場にふさわしくありません。
女性は靴下ではなくストッキングを着用するのが一般的です。色は黒を選びましょう。20デニールや30デニールの薄手のものが基本で、厚手のタイツは避けましょう。ただし、真冬の法事では防寒対策として60デニール程度なら許容される場合もあります。
ワンポイントであっても柄の入っているものや網タイツ、ラメ入りといった華美なストッキングはNGです。靴を脱ぐ会場の場合、ペディキュアを落としてから参列します。また、暑い時期でも素足での参列はマナー違反です。ストッキングは伝線する恐れがあるため、予備を持っていくことをおすすめします。
学校に通っている子どもは、制服を着用するのが一般的です。したがって、靴下も制服に合わせたもので問題ありません。黒がベストですが、制服に準じたものであればグレーや白の靴下、タイツでもよいでしょう。
制服がない場合や小さな子どもの場合、地味な色の靴下を選びます。黒以外でもOKですが、キャラクターものや派手な柄は避けたほうが無難です。スカートで参列する際は、ストッキングではなく靴下やタイツで構いません。靴下は肌の露出が多くならないものを選びましょう。
足元の装いとして、靴下の他にも靴の選び方が気になる方もいるでしょう。喪服と同じ黒が望ましいというマナーだけでなく、素材や形に関する決まりも存在します。また、子どもの靴は大人とは別の考え方が必要です。ここでは、法事の際の靴の選び方を紹介します。
男性は紐で結ぶタイプの黒の革靴で参列します。爪先の形は切り替えが真っすぐなストレートチップがベストです。余計な飾りのないシンプルなデザインを選びましょう。
また、光沢のあるエナメルや、殺生をイメージさせるスエード素材・アニマル柄はマナー違反です。会場で靴を脱ぐ場合に備えて、インソールの色があまりに派手なときは黒色のものに替えたほうがよいでしょう。主に七回忌以降で着用する略喪服では、飾りが少なければ黒以外の濃紺やグレーの靴でも構いません。
女性が履く靴は、黒のパンプスが基本です。素材は光沢のない布か革で、金具や紐のないシンプルなデザインを選びましょう。ヒールの高さは3cm~5cm程度、デザインは太いものがベストです。極端にヒールが高い靴や細い靴、エナメル素材のもの、素足の見えるミュールやサンダルは避けましょう。
また、爪先が尖ったものや開いているものもNGです。略喪服では、飾りが少ないグレーや紺の靴も認められています。
靴下同様、靴は制服に準じたものを履きます。例えば、黒い革靴でなくても、白やグレー、紺色のスニーカーでも構いません。
また、法事の場で大人がローファーを履くのはNGですが、子どもは認められています。大人に比べるとマナーは厳しくないものの、法事の場であることを考慮して、極端に派手な色やデザインは避けることが大切です。
また、制服のない子どもや乳幼児もあまり目立たない靴を選びましょう。フォーマルな席で使えるシンプルな黒い靴を1足持っていると、いざというときに便利です。
靴下や靴以外にも、法事の装いにはマナーが存在します。喪服と併せて、男性はワイシャツやネクタイ、女性はバックやアクセサリーの選び方を確認しましょう。ここでは、三回忌までの準喪服と七回忌以降の略喪服について、男性、女性、子どもに分けて紹介します。
準喪服は、ブラックスーツが基本です。生地が光沢素材ではなければ、ダブルもシングルもマナーに反してはいません。ただし、黒のビジネススーツはマナー違反であるため注意しましょう。
ワイシャツは白の無地で、色や柄のあるものやボタンダウンのシャツは避けます。ネクタイもスーツと同じく、黒で光沢のない素材がベストです。ベルトはバックルが目立つものやヘビ革といったデザインは避けて、黒無地のシンプルなものを選びましょう。
略喪服の場合、ブラックスーツ以外でも地味な色のダークスーツであれば問題ありません。また、ネクタイは黒がベターですが、落ち着いた色や柄でもOKです。ワイシャツやベルトは準喪服と同じようにしましょう。
女性の準喪服は、黒のワンピースやアンサンブル、パンツスタイルのブラックフォーマルが基本です。袖の長さは長袖から五分袖、スカートの長さは膝からふくらはぎ丈にすることで、露出を抑えた上品なスタイルになるでしょう。
アクセサリーはなくても構いませんが、着けたいときには真珠を選べば安心です。ただし、2連以上やロングタイプのネックレス、揺れるデザインのイヤリングは避けます。
バッグは光沢のない黒の布製で、余計な飾りが付いていないシンプルなデザインを選びましょう。また、ネイルを落とせないという方には手袋をおすすめします。露出を控えるという面でも、手袋は有効です。ただし、お焼香の際に外すことは忘れないようにしましょう。
略喪服の場合、男性同様、地味な色であればグレーや紺色でも構いません。また、柄も無地に近い控えめなデザインであれば認められています。自由度が高い分、小物は黒に統一するといった工夫が必要です。
子どもの場合、準喪服と略喪服を区別する必要はありません。中高生は制服を着用するのが一般的です。学生は制服が正装とされているため、色が明るかったりチェック柄のようなデザインだったりしても問題ありません。ただし、だらしない着こなしはNGです。校則に従った装いで参列しましょう。
制服がない場合や小さな子供の場合、黒に近い落ち着いた色の服を選びます。シャツは白で、黒やグレーのズボンやスカートを合わせるとよいでしょう。大人に比べて許容される範囲は広いものの、派手過ぎる色やキャラクターものは避けたほうが無難です。
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法事に参列する際は喪服や小物、靴だけでなく、靴下もマナーに沿ったものを選びましょう。靴下は見えないと考えがちですが、全身が黒い中で他の色だと目立ちます。また、靴を脱ぐ必要がある会場では、目に入る機会も増えるでしょう。男性は黒の靴下、女性は30デニール以下の黒のストッキングを着用するのがマナーです。
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