火葬後の骨上げについて知っておきたい手順とマナー

火葬後の骨上げについて知っておきたい手順とマナー

故人の遺体は、葬儀が閉式したら火葬場へ移動させて火葬炉で火葬します。その後灰になっていない骨を遺族が拾う「骨上げ」を行い、骨壺に入れます。これまで経験がない方にとって、火葬後の流れはイメージしにくいため心配になっている方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、火葬後の骨はどうなるのかを骨上げの手順やマナーと共に解説します。火葬を行う際の注意点もお伝えしますので、参考にするとよいでしょう。葬儀全体の流れについてあわせてご確認することもおすすめです。

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火葬後の骨はどうなる?

故人の遺体は葬儀が終わると火葬場に運ばれ、火葬炉で年齢や性別に適した火葬方法で火葬されます。その後、遺族は骨上げと呼ばれる儀式を行うのが一般的です。骨壺に骨を入れ、四十九日法要を執り行ったら家のお墓や納骨堂に収める家庭がほとんどでしょう。ここでは、火葬後の骨はどうなるのかを骨上げのマナーと共に解説します。

焼骨とは

焼骨(しょうこつ)の意味は、故人を火葬した後に「灰にならずに残った骨である遺骨」と「火葬の全工程」の2つです。歴史は西暦600年前後にまでさかのぼります。火葬への考え方や火葬炉などの登場による環境の変化などさまざまなことが起きて、現在に至ります。

多くの葬儀社では、遺骨を指す意図で「焼骨」を使うことは避けています。故人の遺体に火を入れることはあまりにもショックなことであり、文字を見るだけで気分を害する場合もあるだろうという葬儀社から遺族に対する配慮でしょう。

また火葬の全工程を意味することもあります。言葉を使用する流れで意味を判別すれば、勘違いすることなく正確な意味で理解しやすくなるでしょう。

骨上げが行われる

骨上げとは、火葬後に遺骨を骨壺に納める儀式です。火葬が終わったらお骨の周りに遺族が集まり、箸で拾ってお骨を骨壺の中に入れていきます。分骨するときは、骨壺を2つ用意しておきましょう。

骨上げでは、2人1組になってひとつの骨を、長さの違う竹製と木製の箸1本ずつを1組として拾い、骨壺に納めます。どのような意味があり、なぜこのような作法で行われるのか、確かなことはわかっていません。しかし、多くの地域でなされる収骨の風習となっています。

一説には、お葬式の儀礼の多くに用いられている「逆」を行うしきたりに準じていて、普段は行わない「箸をたがえる」という作法を、非日常のこととして行っていると言われています。また、竹と木は互いに接ぎ木できないことから「決別」を意味しているとも、三途の川を渡るときの橋渡しをするという意味があるとも考えられています。

骨上げの手順とマナー

火葬が終わると係員が声をかけてくれるので、それを受けて全員で収骨室へ向かいます。お骨となった故人の遺灰が火葬炉から骨上げ台に運ばれているので、全員で囲みましょう。喪主がご遺骨の頭側に立つことが多いようです。火葬場に箸が用意されているので、係員の指示に従って受け取ります。

拾い上げは、故人と縁の深かった順に行うのが一般的です。喪主から始めて、遺族、親族の順で行いましょう。足の骨から身体の上部の骨へ向かって順番に拾い上げ、生きているときと同じ形になるよう、骨壺に納めていきます。最後に、故人と最も縁の深かった人が喉仏の部分を納めて終わりにするというのが一般的です。

収骨する量や拾い方など、骨上げの作法は、実際は地域によりかなり差があるようです。どのくらい納めるのか、どの骨を拾うと良いのかなどは、係員が教えてくれますので、それに従って行いましょう。

骨上げの後の流れ

骨上げが終わったら、係員が骨壺の蓋を閉めて包んでくれるので、受け取って火葬場を後にします。帰り道、遺骨は喪主が持ち、他の遺族が白木位牌遺影をそれぞれ胸に抱えます。

お骨が家に戻ったら、後飾り祭壇に安置し、灯明をともして線香をあげます。後飾り祭壇は忌明けとなる四十九日まで飾っておきます。遺骨を安置したら、「還骨法要」と呼ばれる読経を行います。宗派により「還骨勤行」とも呼ばれます。読経の後、喪主から順に焼香を行い、これをもってお葬式は終了となります。

火葬の流れ

葬儀会場を出発して火葬場へ到着すると、受付を済ませたり故人との最期の別れとなる納めの式に参列したりと、着々と焼骨に向けた準備が始まる流れが一般的です。ここでは、火葬がどのような流れで進むのかをマナーと共に解説します。

受付

火葬場に到着したら、喪主は役所から受け取った「火葬許可証」を受付に提出しなければいけません。これがなければ故人の遺体を火葬できないため、葬儀時には持参できるように事前に鞄に入れておくと安心です。

無事に火葬が終わると火葬済証明印が押され、「火葬許可証」は「埋葬許可証」に生まれ変わります。お墓などに遺骨を納骨する際に必要な書類となりますのでなくさないように管理を徹底しましょう。

納めの式

火葬する前に「納めの式」を執り行います。この式が終われば火葬炉で遺体は焼骨されるため、故人との最後のお別れの儀式だといえるでしょう。火葬場にある祭壇の前に棺を置き、位牌と遺影を飾って執り行うのが一般的な手順です。

僧侶が経を読んで焼香をしたら、遺族や会葬者もそれに続きます。ただし僧侶によっては、葬儀にしか来ない場合もあるため事前に確認が必要です。僧侶がいない場合は、遺族や会葬者のみで納めの式を執り行います。

状況にもよりますが、棺の小窓を開けて故人の顔を見られるようにしてくれる場合もあるようです。火葬場によっては手順の関係でこちらのステップを省略する場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

火葬

納めの式が終わると棺を火葬炉へ移動します。火葬する時間帯で多いのは、12時から14時です。火葬が終わるまでの時間は、故人の年齢や性別などにもよりますが1時間程度と考えておきましょう。

棺の中に入れる副葬品に何を入れるかによっても、時間は多少前後します。燃えにくいものを入れた場合は、火葬時間は通常よりも長くなってしまうため注意が必要です。副葬品を選ぶ場合、思い出の品かどうかを重視して入れることも大切ではありますが、燃えやすいかどうかを考えながら選ぶとよいでしょう。

また燃やすと有毒物質が発生する可能性があるものや爆発などの危険性があるものを副葬品に選んではいけません。火葬炉が溶けてしまったり、火葬場の係員や遺族が危険な目に合ったりするリスクが高くなります。

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収骨

無事に遺体の火葬が終わったら次は収骨です。骨上げともいいます。遺族や会葬者は収骨室へ移り、骨壺に骨を拾って入れる儀式を始めるのが一般的です。2人1組で遺体の足の部分から頭に向かって遺骨を箸で拾います

喉仏がある場所など、遺骨に関する説明を係員から受ける場合もあるかもしれません。その場合は、話に耳を傾けながら収骨するとよいでしょう。

地域によって遺骨を拾う量や拾い方に違いがあります。遺骨の一部を拾うだけの地域もあれば、全ての遺骨を拾う地域もあることは知っておくとよいでしょう。マナーを守って収骨するには、火葬場の係員の指示に従うと安心です。

参列者のマナー

葬儀会場を出て霊柩車に棺を移し出棺する時は、参列者は会場内に留まることなく外に出て見送りましょう。

屋外屋内共に冷え込む時期は防寒着としてコートなどを着用する人も多くいますが、見送る際は上着を脱いで礼服姿になるのがマナーです。大きな声を出すことは避け、できるだけ穏やかな状態で葬儀会場に戻ります。

遺族に依頼されたり、同行したい旨を伝えて遺族から許可が得られたりした場合は参列者も火葬場へ同行可能です。自分から同行を申し出る場合は、遺族に迷惑をかけないようにするために通夜の時など事前に伝えるようにしましょう。当日にいきなり申し出られても、遺族の負担になってしまいます。

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遺族側のマナー

出棺時は遺族側のマナーとして、会葬者に喪主や遺族を代表した人が挨拶しなければいけません。挨拶の内容には「葬儀や告別式に参列してくれたことへの感謝の気持ち」と「故人が生きていた頃にお世話になったお礼」を盛り込むようにしましょう。

小難しい言葉は避け、できるだけ普段通りの話し方で挨拶するのがベストです。インターネットでリサーチすれば、喪主の挨拶例文がたくさん出てきます。そのまま使うのもよいのですが、自分なりに内容を考えて挨拶としたほうが会葬者の心に届きやすいかもしれません。

会葬者へ挨拶しない遺族は葬儀社のスタッフの指示を受けながら、位牌や遺影を持ち一列に並びます。

初七日法要

最近は、葬儀と同日に初七日法要を執り行うケースも増えてきました。これを「繰り上げ初七日法要」といいます。その場合は、火葬場から葬儀会場に戻って執り行う流れが一般的です。

本来は故人の命日から7日目に執り行うものではありますが、離れて暮らす家族がいて予定調節が難しかったり、葬儀の1週間後に休暇を取得するのが難しかったりする遺族もいることから形にこだわる遺族が減ってきたことが考えられます。

似たものに「繰り込み初七日法要」があることをご存じでしょうか。これは告別式と同日に済ませることで、遺骨がない状態で進めます。これに疑問を感じる遺族も多く、「繰り上げ初七日法要」を希望する遺族は一定数しかいないのが現状です。

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精進落とし

ここでは、繰り上げ初七日法要を執り行うと仮定して精進落とし(しょうじんおとし)を解説します。法要が終わったら、精進落としの宴を開くのが一般的です。場所は葬儀会場内の部屋だったり、レストランだったりと家庭によって異なります。

メニューにこだわる人は少なくなってきていますが、こだわりたい場合は、お祝いのときに食べる鯛や海老などは避けるのがマナーです。宴が終わるタイミングは喪主次第のところがあります。喪主が挨拶することで、精進落としは終わりです。

以前は四十九日法要が済んだ忌明けに精進料理から通常料理に切り替えていましたが、最近はあまりこだわらない家庭も増えてきました。

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遺骨を持ち帰る

精進落としが終われば、遺族は家に帰る準備を始めて問題ありません。骨壺や遺影、位牌を持ち帰ります。特に骨壺は陶器製のものもあるため、壊れないように慎重に運ぶようにしましょう。

車で帰宅する場合は、骨壺は抱きかかえるようにして持ちます。公共交通機関の場合は、他の人に配慮する必要があるため割れ物専用のバッグを活用するなど、見た目で骨壺だと分からないように工夫するのがベストです。家に到着したら「後飾り」に持ち帰ったものを置きます。

葬儀社に依頼して葬儀を執り行った場合、後飾りは葬儀社が準備してくれますので、自分たちで用意する必要はありません。

納骨の方法

火葬後に骨上げを済ませ、骨壺に入れて自宅に持ち帰ったら四十九日法要までは自宅で保管するのが一般的です。法要に合わせて納骨を希望する場合は、各家庭が選択した方法で供養します。ここでは、納骨の方法について代表的なものをピックアップしてみました。

納骨とは

遺骨の供養方法はいくつかあります。日本では多くの家庭がお墓や納骨堂に遺骨を納めるため、遺骨は納骨するのが一般的です。この場合、納骨式を執り行い管理者に管理から供養までを任せることになります。

また大切な人が亡くなってから日が浅い四十九日法要の時に、無理に納骨式を執り行う必要はありません。気持ちに整理がついたタイミングで納骨するのがベストです。この儀式が終われば、日ごろは仏壇で手を合わせることで供養し、定期的にお墓や納骨堂に出向いて供養するスタイルに変換することが可能です。

また人によっては、納骨せずに骨壺を手元で保管する場合もあります。遺族の考えも尊重しつつ、納骨をどうするか決めることが大切です。

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樹木葬

樹木葬(じゅもくそう)は、木をお墓に見立てて遺骨を埋葬する方法をいいます。埋葬する場所はシンボルツリーや山林などさまざまです。また遺骨を骨壺に入れる方法と遺骨をそのまま埋葬する方法の2つから選択できます。

近年は、お墓や納骨堂で従来通りの供養を希望しない人も増えてきました。自然と一緒に眠りたいと考える人やペットと一緒に眠りたいと考える人も一定数いることから、樹木葬を選ぶ人も以前よりは増えています。

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海に散骨する

海洋散骨は、遺骨をパウダー状にして散骨する方法です。自然に還りたい気持ちが強い人は、こちらの方法で供養を希望する場合が多くあります。遺族が遺骨を砕くのは心情として苦しい部分でしょう。その場合、散骨業者に全て依頼することをおすすめします。

遺骨をパウダー状にするのは気が引けるなどの理由から、砕かずに散骨したくなる遺族もいるかもしれません。しかし世界的なルールとして、散骨する場合は2ミリメートル以下に砕いてからしかできないことになっています。

供養方法としてはシンプルで良いのですが、仮に将来的に遺族が希望しても、遺骨を取り出せない点は十分理解しておかなければいけません。

分骨とは

分骨とは、故人の遺骨をさまざまな理由で分けることをいいます。分骨するタイミングに決まりはないため、遺族が必要と思ったときであればいつでも可能です。骨上げの際に分けて骨壺に入れてもよいですし、お墓や納骨堂から遺骨を取り出して分けても特に問題はありません。分骨する理由には、以下のようなものがあります。

  • それぞれの遺族が離れて暮らしているから
  • 宗教上の習わしがあるから(本山に納めるために分骨するなど)
  • 手元供養したいから

分骨に対して違和感がある人は、法に反するのではないかと心配するかもしれません。実際には分骨したからといって、法律違反とはなりませんのでご安心ください。

火葬を行う際の注意点

納骨する地域が葬儀や火葬を行う地域と異なる場合は、事前に納骨堂の寸法を確認しましょう。地域によっては持ち帰っても寸法が大きかったり小さかったりして、納骨堂に入らないことも考えられます。

また遺体を火葬するには、死亡判定を受けてから24時間以上の時間をあけなければいけません。火葬だけで葬儀を済ませる直葬の場合でも、このルールは守りましょう。火葬を行う際は不明点も多くなりやすいので、葬儀社へ相談することをおすすめします。

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まとめ

故人の遺体を火葬した後は、遺族が骨上げを行うのが一般的です。遺骨を拾う量や拾い方は、地域によって違います。また供養方法はさまざまな方法があるため、故人にとってベストな方法を選ぶことが大切です。

小さなお葬式では、さまざまな葬儀プランを用意しています。火葬や納骨に関して不明点がある場合は、お気軽にお電話ください。総勢60名のコールスタッフがおりますので、お電話も比較的繋がりやすくなっております。どの葬儀社に依頼するかまだ決めていない場合は、ぜひ一度ご相談ください。

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監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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