ご遺体搬送の流れと遠方の国内や海外の場合のポイントについて

ご遺体搬送の流れと遠方の国内や海外の場合のポイントについて

自宅付近の病院で亡くなった場合、ご遺体搬送に悩むことはありません。しかし、遠方で亡くなった場合はどうでしょう。この記事をご覧の方の中には、ご家族が県外・海外に住んでいるという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、パターン別のご遺体搬送の方法や、注意点を紹介します。ご遺体搬送の一連の流れや手続き方法が分かるでしょう。

知識として知っておくだけでも、いざというとき冷静に対応できます。不安なことがあれば、早めに葬儀社に相談しておくと安心です。

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遺体搬送の流れとは?

人が亡くなると、ご遺体は遺体安置所まで搬送され、そこで安置されます。では、誰がどういう流れで搬送するのかご存知でしょうか。

ここでは、人が亡くなってから、ご遺体を搬送するまでの流れを紹介します。流れを知っておくことで、搬送方法の決断や関係者への連絡がスムーズにできるでしょう。

ご遺体を搬送する前に

死亡が確認されると、医師から死亡診断書が発行されます。死亡診断書は、死亡を医学的・法律的に証明する文書です。亡くなった人の氏名や住所などの個人情報や、死因、病気の発症から死に至るまでの期間などが記されます。

死亡診断書がなければ、葬儀や火葬などの手続きを進められません。市区町村役場に死亡届を提出する際にも必要です。大切に保管しましょう。

自宅で亡くなった場合で、主治医がいないときには検視が行われます。検案した医師によって死体検案書が発行されるでしょう。

【死亡診断書の取得】病院で亡くなった場合

病院あるいは病院への搬送中に亡くなった場合は、担当の医師によって死亡診断書が発行されます。特に手続きする必要はなく、待っていれば病院側が用意してくれるでしょう。

死亡診断書は、確かな医学的所見に基づいて書かれる必要があります。そのため記入・作成するのは医師でなければなりません。行政の死因統計にも使われる重要な文書です。

【死亡診断書の取得】自宅で亡くなった場合

自宅で亡くなった場合、主治医がいれば主治医に連絡を取り、死亡診断書を作成してもらいましょう。主治医がいない場合は、救急・警察に連絡し、検視を受けます。事件性の有無を確認したのち、担当の医師によって死体検案書が発行されるでしょう。

検視の結果、事件性が疑われた場合や自死の場合、事情聴取を受けることもあるでしょう。死因などが分からなければ解剖をする場合もあります。最終的には、担当した医師によって死亡診断書が発行されるでしょう。

【死亡診断書の取得】事故の場合

事故の場合も、病死と同様です。病院で治療中あるいは病院への搬送中に亡くなった場合は、担当の医師によって死亡診断書が発行されます。

事故発生現場で亡くなった場合には、警察による検視・現場検証などが行われます。その後、医師による検案が行われ、死体検案書が発行されるでしょう。死因が特定できない場合は、より詳しい診察、ときには解剖などが行われます。

搬送方法を検討する

ご遺体は、自家用車か葬儀社の寝台車、いずれかを使って搬送します。亡くなって半日以内には搬送方法を決めましょう。葬儀社の寝台車を使う場合は、葬儀社あるいは搬送業者と契約しなければなりません。

同時に、遺体安置場所をどこにするかも決めます。多くの場合は自宅になるでしょう。安置場所を決めなければ腐敗処置も進みません。早急に決断しましょう。

関係者に連絡する

お通夜の前に対面してもらいたい親近者がいる場合は、連絡しましょう。また、檀家になっている菩提寺にも連絡します。

僧侶には、遺体安置場所に来て読経してもらわなければなりません。遺体安置場所やご遺体の到着予定時間が決まり次第、早めに連絡し、スケジュールを調整してもらいましょう。特に、お盆時期は僧侶の繁忙期です。危篤になった段階で一報入れておくとよいでしょう。

遺体を搬送する

遺体安置場所が決まったら、病院関係者へ出発時間を伝えましょう。同時に、医師や看護師などお世話になった方への挨拶も済ませます。

ご遺体を搬送する際には、死亡診断書を持っている人が付き添いましょう。搬送中に検問や職務質問を受けた場合にも、死亡診断書があれば遺体搬送中であることを正式に証明できます。死亡診断書を医師から受け取った人は、仕事なども休まなければなりません。会社にも早めに連絡しておきましょう。

死亡診断書は2通用意しよう

死亡診断書は最低でも2通は用意しましょう。うち1通は、市区町村役場に死亡届を提出する際に添付するものです。保管用にもう1通と考えると、最低2通いる理由が分かるでしょう。

また、保険の請求・年金の停止などでも死亡診断書は必要です。死亡診断書がなければ、死亡届が提出できず、その人は生きたままという扱いになります。

何枚必要になるか分からない場合は、常識の範囲内であれば、多めに発行してもらっても構いません。

遺体搬送時に必要となる場合がある

遺体搬送時には、死亡診断書を携行しましょう。万が一、警察の検問や職務質問を受けた場合にも、正当な理由があってご遺体を運んでいることの証明になります。

遺体搬送時の死亡診断書携行は、法律などで義務付けられているわけではありません。しかし、変な疑いをかけられることや、無駄な時間を浪費することを考えれば、携行するほうが得策でしょう。遺体搬送を業者に依頼する場合は、業者から死亡診断書の提示を求められることもあります。

警察署がご遺体を引きとる場合とは?

一般的には、病院で亡くなった後、ご遺体は遺族が引き取ります。ところが、警察が引き取る場合もあることをご存知でしょうか。そこでここでは、警察がご遺体を引き取るのはどのような場合なのか、解説します。警察が行う「検視」についても知っておきましょう。

警察がご遺体を引き取る場合もある

通常、病院で亡くなった場合には、医師が死亡診断書を発行します。死亡診断書を受け取れば、ご遺体を引き取り、葬儀・火葬などの手続きに入れるでしょう。

ところが、事件性が疑われる場合や自死の場合には、警察による検視が必要です。自宅で亡くなった場合で主治医がいないケースでも、検視は行われるでしょう。

検視では、医師の立ち合いのもと、警察が身元や事件性の有無を確認します。場合によっては、事情聴取や解剖が行われることもあるでしょう。

検視と検死の違いについて

「検視」と似た言葉で「検死」があります。響きが同じなため、混同されることも多いでしょう。「検死」とは、特定の手続きを意味するものではなく、「ご遺体を実際に見て調べる」という概念を表す言葉です。

法令で定められたものではなく、「検視」「検案」「解剖」などを総称して「検死」と呼ぶこともあります。

対する「検視」は「刑事訴訟法229条に基づき、検察官・検察官代理人によって行われる捜査」です。法令上の用語として使う場合には「検視」を使いましょう。

検視と解剖の違いについて

検視では、検察官らによって、ご遺体の身元や事件性の有無を確認します。担当した医師によって死因の特定なども行われ、死体検案書が発行されるでしょう。

検視の結果、事件性が確認された場合や死因が分からない場合には、解剖が行われるケースもあります。つまり、「検視」の結果のひとつが「解剖」という選択肢になるわけです。解剖は「行政解剖」と「司法解剖」の2種類に分けられます。

行政解剖は、事件性はないものの、死因が特定できない場合に行われる解剖です。遺族の承諾があればできます。

司法解剖は、事件の可能性が高い場合に行われる解剖です。裁判所の許可があれば、遺族の承諾がなくても解剖できます。

検視が必要になる場面について

自宅で亡くなった場合で、主治医がいる場合には、主治医に連絡して死亡診断書を発行してもらいます。ただし、死因が治療中の病気と関係なく、異常死だと判断された場合には検視が必要です。一旦警察に連絡し、医師立合いのもとで検視が行われます。

事件性が薄くても、指定の感染症による死・中毒死・災害による死・事故死・自死などの場合は、検視が必要です。一人暮らしかつ身元不明な方の死でも、検視が行われます。

検視は拒否できない

一般的な行政解剖は、遺族の承諾なしで進めることはできません。では、検視を遺族が拒否できるのでしょうか。結論としては、検視は拒否できません

刑事訴訟法第229条で、変死やその他の疑いのあるご遺体は「検視をしなければならない」と定められています。検視の目的とは、身元を特定すること、事件性の有無を確認することです。必要に応じて、事情聴取や指紋採取も行われるでしょう。

検視を行わなければ、犯罪が見逃される可能性もあります。事件性がないことを証明するためにも検視は必要であり、拒否はできません。

検視調書について

検視が行われると「検視調書」が発行されます。検視の結果判明した死因や、事件に巻き込まれたかどうかが記された文書です。遺族のなかには、検視調書を見たいと思う方もいるでしょう。しかし、検視調書は原則非公開です。

事情聴取を受けた人の個人情報や、検視を担当した医師の情報なども記載されており、プライバシー保護の観点からも閲覧できません。

ただし、損害賠償請求を行う際の証拠に検視調書が必要、なおかつ代わりになる証拠がない場合には一部を閲覧できるでしょう。

【検視の流れ】犯罪性の疑いがないと判断された場合

検視の結果、事件の疑いがないと判断された場合には、医師による検案が行われます。検案とは、医師によって直接の死因や、死亡後の経過時間などを判断することです。検案が終わると、死亡検案書が発行されます。

ただし、検案で死因が特定できないこともあるでしょう。その場合は、遺族の承諾を得た上で、行政解剖が行われます。

【検視の流れ】犯罪性の疑いがある場合

検視の結果、事件の疑いがあると判断されると、司法解剖が行われます。司法解剖を行うことで、死因の特定や死後の経過時間、ご遺体の損傷などが解明されるでしょう。

司法解剖は、原則として裁判所から嘱託を受けた、大学の法医学教室で行われます。ご遺体が実際に解剖されるまでには、数日かかるのが一般的です。葬儀・火葬などもすぐにはできないでしょう。

【検視の流れ】身元が分からない場合

独居で身元不明のご遺体や、損傷が激しく本人確認ができないご遺体の場合には、DNA鑑定が行われます。DNA鑑定の結果が出るまでには、10日間前後かかります。地域や状況次第では1ヵ月以上かかる場合もあるようです。

検視が行われた場合、すべての結果が出て死体検案書が出るまで、ご遺体は警察が預かることになります。そのため、死亡届などの手続きや葬儀・火葬なども行えません。

検視にかかる費用について

検視は、法律に基づいて、身元や事件性の有無を調べるための捜査です。犯罪を見逃さないためにも必要なことであり、費用はかかりません。

ただし、検視の後、死体検案書を作成するには費用がかかります。死体検案書とは、医師によって死因や死亡からの経過時間などが記された文書です。通常、病院で亡くなった場合には、医師によって死亡診断書が発行されるでしょう。

ですが、ご遺体が検視に回された場合には、死亡診断書ではなく死体検案書になります。検視になると、書類作成のほか、ご遺体の搬送・保管・医師の検案にも費用がかかります。

ご遺体が家族のもとに返る前にやるべきこととは?

検視が終わると、警察からご遺体の引き取り依頼の連絡が入ります。連絡が入ったら、早急に引き取りに行かなければなりません。

ご遺体が返ってくるまでの間に、葬儀社を決めておきます。葬儀社が引き取りもしてくれるため、遺族の負担は少ないでしょう。

葬儀社が決まっていない場合には、警察から葬儀社を紹介されるでしょう。ですが、警察から紹介される葬儀社は、自分で探した場合より費用が高額になる傾向があります。費用を無駄にしないためにも、引き取りまでの時間を使って選んでおきましょう。

遺体搬送できる車は決まっているの?

死亡が確認されたら、次に考えるのがご遺体の搬送方法です。遺体搬送は、どのような車でもできるわけではありません。そこでここでは、事業として遺体搬送できる車や手配のタイミング、費用について解説します。いざというときに焦らず手配できるよう、把握しておきましょう。

霊柩車について

ご遺体を搬送する車と言えば霊柩車を連想する方が多いのではないでしょうか。では、なぜ霊柩車はご遺体を搬送できるのでしょうか。

業として遺体搬送ができるのは、国から許可を受け、登録された車両のみです。それ以外の車で事業として遺体搬送することは、違法行為に当たります。

その点、霊柩車は、正式に遺体搬送の許可・登録された車両です。霊柩車には、営業用の搬送車の印である、緑色のナンバープレートが付けられ、ナンバーは8番と決まっています。

事業用の遺体の搬送車は国の許可を得ている

霊柩車にように、事業の一環として遺体搬送をする車は、国土交通大臣から正式に許可を得ています。

人は亡くなると「貨物」という扱いになるため、タクシーなどとは違った許可が必要です。「貨物自動車運送事業法」の「一般貨物自動車運送事業(霊柩限定)」の許可を、国土交通大臣から受ける必要があります。霊柩車はその許可を得た、遺体専門運搬車です。

遺体搬送車を手配するタイミング

臨終を迎え、医師から死亡宣告を受けたら、遺体搬送車の手配を依頼しましょう。自家用車でも構いませんが、さまざまなリスクやトラブルを避けるには、葬儀社などの業者に依頼するのがおすすめです。

遺体搬送業者を決めたら、搬送先を決めます。一般的には自宅の場合が多いでしょう。ご遺体を病院の霊安室に保管できるのはおよそ半日です。速やかに搬送先を決め、搬送しましょう。

【搬送費用のポイント】葬儀代金に含まれる場合が多い

遺体搬送を葬儀社に依頼する場合、搬送費用は、葬儀代金に含まれることが多いでしょう。業者によっても異なりますが、10キロメートル圏内なら葬儀代金のみで済むケースが一般的です。それより遠い場合は、追加料金が発生するでしょう。

ご遺体を搬送する業者を、葬儀を依頼する業者と別にすることもできます。ただし、一社にまとめて依頼する場合と比べると、遺体搬送費用は割高になるでしょう。

【搬送費用のポイント】別途費用が掛かる場合もある

搬送費用は葬儀代金に含まれるのが一般的ですが、別途費用がかかる場合もあります。10キロメートル以上の距離を搬送する場合、10キロメートルごとに2,000円~5,000円の費用が追加されるでしょう。

また、高速道路やフェリーを使う場合はその費用が加算されます。積雪の多い地域では冬季割増料金が設定されることもあるでしょう。また、早朝・深夜料金など独自の料金設定を設けている業者もあります。費用は余裕をもって準備しましょう。

自家用車での遺体搬送もできるの?

ご遺体を搬送する際「業者を頼らず、遺族でご遺体を運びたい」と考える方もいるのではないでしょうか。ご遺体を自家用車で運ぶことは問題ありません。ここでは、ご遺体を自家用車で運ぶ際の注意点や車の選び方、準備などについて解説します。

自家用車で運ぶことにはリスクが付きものです。心配な方は業者に依頼するほうがよいでしょう。

自家用車での遺体搬送も可能

病院で死亡が確認されたご遺体を、自身の車で搬送しても問題ありません。自家用車でご遺体を搬送することは、法的にも問題ない行為です。

例えば子どもが亡くなった際、母親がご遺体を抱き、父親が運転しても構いません。「なるべく自分たちの手で」と思っても仕方ないでしょう。搬送の際には、医師が発行した死亡診断書を携行しておくと安心です。

【自家用車での搬送の注意点】遺体の損傷の可能性について

自家用車でご遺体を搬送する場合には、ご遺体を傷つけないよう注意が必要です。ご遺体は予想以上にデリケートで、どこかにぶつけたタイミングでご遺体に傷がついたり、体液が出たりする可能性もあります。

一般車両の場合、遺体を運ぶための専用設備もありません。傷つけずに運ぶには、運転にも細心の注意を払う必要があるでしょう。心配な場合は、業者に依頼した方が安心です。

【自家用車での搬送の注意点】搬送の難しさについて

ご遺体の死後硬直が始まると、体を曲げるのが難しくなります。今後の通夜では、ご遺体を真っ直ぐにして寝かせなければなりません。寝台に寝かせて運ぶほうが、損傷の心配もないでしょう。

死後硬直は、夏は死後1日目~2日目から、冬は死後3日目から始まります。部位によっては、それ以前に死後硬直が始まる場合もあるでしょう。自家用車に無理に曲げて乗せるのはおすすめできません。

【自家用車での搬送の注意点】アドバイスが貰えない

自家用車でご遺体を搬送すると、専門家からのアドバイスがもらえません。一方、搬送を葬儀社に依頼すると、遺体搬送だけでなく葬儀全般のアドバイスがもらえるでしょう。

ご遺体の寝かせ方や、翌朝までの見守り方など知らないことも教えてもらえます。搬送作業にも慣れているため、損傷などを心配することなく、安心して任せられるでしょう。

搬送する車選びについて

葬儀社がご遺体を搬送する際には、棺や担架、ストレッチャーごと寝台に乗せます。それらを固定するための設備もあるため、車の揺れによるご遺体の損傷が防げるでしょう。

一方、自家用車には、固定のための設備はありません。搬送する車は、後部座席がフルフラットなる、ミニバン以上の大きさの車がよいでしょう。できれば、事前に空の棺を乗せて、振動などを確認するのがおすすめです。

搬送する際の準備について

自家用車で搬送する場合は、棺にご遺体を格納して搬送しましょう。ご遺体は予想以上にもろく、体中の穴が緩んでいる状態です。

特に、座らせての搬送は、体液が漏れる可能性が高くなります。体液が漏れると、感染症になる恐れがあり、大変危険です。棺に入れておけば、万が一の場合も安心でしょう。

また、棺には「運びやすい」というメリットもあります。利便性から考えても、棺に格納したほうがよいでしょう。

遺体搬送と法律の関係性について

誰もが自由に遺体搬送ができるわけではありません。国が定めた法律やルールに従って搬送する必要があるでしょう。そこでここでは、遺体搬送車として許可された車の特徴や、その他の搬送車との違いについて解説します。

人の搬送とご遺体の搬送とは明確に区分されています。便利だからと言って、タクシーを利用することはできません。覚えておきましょう。

事業車は8ナンバーのみが遺体を運べる

国土交通大臣より「一般貨物自動車運送事業」の許可を受けている事業者だけが、ご遺体を運べます。その印とされるのが、緑のナンバーです。

さらに、霊柩車のように事業としてご遺体を運べる車は、道路運送車両法の通達により「特殊用途区分車」に分類されます。分類番号は8です。つまり、法律上で遺体搬送が認められている事業者は8ナンバーのみとなります。8ナンバー以外の車が、事業として遺体搬送することは法律違反です。

遺体は貨物として扱われる

法律上、ご遺体は人ではなく、貨物として扱われます。そのため、ご遺体を事業として搬送するには一般貨物自動車運送事業の許可が必要です。

この許可は、バスやタクシーなど生きている人間を事業で運ぶ場合にも必要でしょう。ただし、人間と貨物とは法律で明確に区分されています。

バスやタクシーによるご遺体搬送はできません。また、霊柩車などが搬送をサービスしたり、割引を謳ったりすることは禁じられています。

介護タクシーは利用できない

ご遺体を運ぶのに介護タクシーを使うのはどうなのでしょうか。介護タクシーには寝台なども付いており、広さも十分あります。遺体搬送も物理的には可能でしょう。

しかし、介護タクシーがご遺体を運ぶのは法律違反です。介護タクシーとは、体の不自由な方が利用するタクシーというだけで、法的な定義はありません。一般のタクシーと同様、人を運ぶための車です。法律上、貨物に該当するご遺体の搬送はできません。

遺体搬送の料金は?費用を抑えるポイントもご紹介

遺体搬送にはいくらくらい費用がかかるのでしょうか。ここでは、遺体搬送費用の目安と、費用を抑えるポイントについて解説します。知っておくことで、あらかじめ予算を立てやすいでしょう。

また、海外で亡くなった場合の搬送費についても解説します。身内が海外に住んでいる場合は、いざというときのために知っておきましょう。

国内搬送の料金の相場について

搬送費用は、搬送距離によって異なります。ご遺体を迎えに行くまでの距離と、安置場所までの距離を合計した距離がベースになるでしょう。搬送を葬儀社に依頼する場合、10キロメートル以内であれば葬儀代に含まれていることが一般的です。

10キロメートル以内の搬送料金の相場はおよそ1万2,000円~2万円、そこから10キロメートル増えるごとに2,000円~5,000円が加算されます。また、搬送が早朝・深夜になる場合は、通常より4,000円ほど高くなるでしょう。

搬送料金以外の搬送に必要となる費用について

搬送には、移動費のほかにも必要な諸費用があります。棺・ドライアイス・納体袋・シーツ一式で、4万円ほどかかるでしょう。

また、移動距離が遠くなると高速道路や有料道路を使うことになり、その料金も加算されます。さらに遠い場合には、事故防止の観点から運転手の交代が必要です。その分人件費が加算されるでしょう。冬季割増料金や待機時間に合わせた追加料金が設定されていることもあるようです。搬送に関する料金設定は、葬儀社によっても異なります。事前に確認しましょう。

【距離別の搬送費の目安】90km~110km

およそ100キロメートルの距離間を搬送する場合、費用の目安は、昼間(5時~21時59分)で4万6,090円、夜間(22時~4時59分)で5万5,330円です。

さらに10キロメートル増えるごとに追加料金が発生します。東京~熱海間・東京~佐野間・東京~御殿場間などがおよそ100キロメートルです。

【距離別の搬送費の目安】180km~210lm

およそ200キロメートルの距離間を搬送する場合、費用の目安は、昼間で7万8,100円、夜間で9万1,960円です。東京~静岡市間、東京~藤枝市間・東京~那須間などがおよそ200キロメートルになります。200キロメートルになると、時間帯が夜間にかかる場合も出てくるでしょう。

【距離別の搬送費の目安】300km ~330km

およそ300キロメートルの距離間を搬送する場合、費用の目安は、昼間で11万7,590円、夜間で13万6,070円です。東京~名古屋間・東京~浜松市間・東京~福島間などがおよそ300キロメートルになります。

さらに遠い、500キロメートルの場合は17万円、700キロメートルの場合は32万円程度が目安です。遠くなればなるほど、追加される高速料金代も高くなるでしょう。

【搬送費用を抑えるポイント1】葬儀社に依頼する

搬送費用を抑えるには、葬儀社に依頼するのがおすすめです。葬儀社に依頼すれば、葬儀と搬送のセット料金で利用できます。

多くの場合、搬送のみの依頼でも受けてくれますが、セットで依頼するよりも割高になるでしょう。複数社と契約する手続きの手間も省けます。危篤・臨終が分かった時点で、葬儀社を選んでおくと、搬送の依頼もスムーズです。

【搬送費用を抑えるポイント2】空路も検討する

移動距離が遠くなる場合は、陸路だけでなく空路も検討してみましょう。特に、移動距離が500キロメートルを超えるような場合、陸路のほうが割高になる可能性があります。

移動費用だけでなく、高速道路料金もかかるでしょう。さらに、移動が長時間に及ぶことで、深夜料金・ドライバーの人件費も加算されるかもしれません。

例えば、都内から地方へ空路で搬送する場合、搬送費用は約20万円です。陸路と空路、両方の搬送に対応している業者に見積りを依頼して、比較しましょう。

【搬送費用を抑えるポイント3】現地の業者に依頼する

遺体搬送は、出庫した場所から引き取り場所と引き取り場所から遺体安置所までの距離を合算して計算されます。つまり、引き取り先が遠方にある場合は、現地の葬儀社に依頼したほうが移動距離を短くできます

この場合、搬送だけを現地の業者に依頼するのもひとつの方法でしょう。現地の業者に搬送だけを依頼する場合と、住んでいる地域の葬儀社に葬儀とセットで依頼する場合と、見積りを依頼して比較しましょう。

海外搬送の料金の目安について

ご遺体を空輸で海外搬送する場合には、高額な費用がかかります。搬送先によって航空貨物運賃が大きく異なるため一概には言えませんが、最低でも50万円はかかるでしょう。

内訳には、空港貨物運賃や燃油サーチャージに加え、陸上での寝台搬送費・エンバーミング費用・書類作成代行費・棺代金・棺梱包料などが含まれます。費用が高額になるだけでなく、必要な手続きも多いでしょう。

エンバーミング処理費用がかかる

航空機では、ドライアイスが使えません。遺体の腐敗を防ぐためには、エンバーミング処理が必要になります。エンバーミングとは、血液系を利用して血液と防腐剤を入れ替えることで、ご遺体の長期保存を可能にする方法です。

エンバーミング処理費用として、約25万円かかります。国内搬送ならドライアイスで済むため、割高に感じるでしょう。しかし、ご遺体からの感染症の蔓延を防ぐためにも必要な処置です。

海外からの遺体搬送の費用の相場

海外から遺体搬送する場合の費用相場は、約100万円~150万円です。これには、航空貨物運賃・エンバーミング処理費用・日本に到着後の陸路での遺体搬送費用なども含まれます。空輸距離などによっても異なりますが、150万円以内と考えておけばよいでしょう。

加入している保険によっては、搬送費用を保険で補てんできるかもしれません。保険はクレジットカードにも付帯されています。一度保険内容を確認してみましょう。

【かかる費用の目安】航空運賃

航空運賃は、亡くなった先の国から日本までの距離に比例します。アメリカの場合で25万円~30万円、アジア圏なら15万円~25万円が目安です。アフリカやヨーロッパなどの場合、さらに高額になるでしょう。

さらに、時期によっては、通常より高額になることもあります。予算を考える際は、約50万円と多めに見積もっておくと安心です。

【かかる費用の目安】エンバーミング費用

エンバーミング費用の目安は15万円~25万円です。ご遺体の死後経過時間や体のサイズ、状態によっても差が出るでしょう。例えば、事故で亡くなった方で遺体の損傷が大きい場合には、修復のために特殊な技術や用品が必要になる場合があります。

費用には、エンバーミング処置費用のほかに、怪我・損傷の修復費、腐敗処理証明書の発行手数料も含まれます。エンバーミング費用全体で25万円程度を用意しておきましょう。

【かかる費用の目安】海外での移動費用

海外からご遺体を搬送するには、航空運賃以外にも移動費用がかかります。海外でかかる費用として、現地の病院などから現地の空港へ、ご遺体を運ぶ費用が必要です。目安は、亡くなった病院から空港までの距離や、国によっても異なるでしょう。

例えば、国際線が発着する空港までが遠い場合には、国内線の航空機で搬送する場合もあります。島の場合は、船で搬送する可能性もあるでしょう。費用がいくらほどかかるのか、事前に葬儀社に相談しておくと安心です。

【かかる費用の目安】棺にかかる費用

航空機でご遺体を搬送する際に使った棺は、日本の火葬場に対応していないため、改めて新しい棺に格納する必要があります。新しい棺と、古い棺の解体費用として7万円~50万円ほど必要です。

棺は素材や装飾によって価格が異なりますが、5万円以上が目安になります。解体費用は2万円~5万円ほどです。よって、どのような棺にするかで費用に大きな差が出るでしょう。

【かかる費用の目安】国内の移動費用

海外での移動費用だけでなく、日本国内に到着してからの移動費用も必要です。費用の目安は、到着した空港から、遺体安置所までの距離によって異なるでしょう。

移動距離が長いほど、移動費用も高くなります。高速道路代や深夜料金などが加算する可能性もあるでしょう。国際線が発着する空港が遺体安置所から遠い場合には、国内線を使って搬送することも考えられます。費用の目安については、事前に葬儀社に相談しておきましょう。

遠方からの遺体搬送の流れについて

自宅近くで亡くなった場合は遺体搬送もスムーズです。一方、県外など遠方で亡くなった場合はどうすればよいのでしょう。手続きや費用など心配になる方もいるのではないでしょうか。

そこでここでは、遠方からの遺体搬送の方法や流れ、ポイントなどを解説します。遠方の場合、搬送費用も高額になりがちです。費用を抑えるためには、葬儀社の選び方にも注意しましょう。

遠方からの遺体搬送の方法とは?

遠方からのご遺体の搬送方法は、車両・航空・船舶を使った3種類があります。車両で運搬するのが一般的ですが、あまりにも遠い場合には航空・船舶で搬送することもあるでしょう。

搬送に際して、ご遺体は法律上、貨物として扱われます。航空・船舶においても貨物として扱われますが、特別料金が加算されるでしょう。その分、一般の貨物と比べて丁重に扱われます。

【搬送の流れ】エンゼルケア

病院で亡くなった後、遺体搬送の前にはエンゼルケアが行われます。エンゼルエアとは、死後処置や死化粧などのことです。看護師または、専門のスタッフによって行われる場合が多いでしょう。

具体的には、治療でついた傷の手当てや体をアルコールに浸した脱脂綿などで拭く「清拭(せいしき)」などがあります。また、鼻・口・耳に脱脂綿を詰めること、死化粧や着替えなどもエンゼルケアに含まれるでしょう。

【搬送の流れ】搬送の依頼

医師から死亡診断書または死体検案書を受け取ったら、葬儀社か搬送業者に搬送の依頼をしましょう。病院にご遺体を安置しておけるのはおよそ半日です。なるべく早めに連絡し、遺体安置所まで搬送してもらいましょう。

搬送時には、ご遺体の横にドライアイスを置いて、時間経過や温度変化による傷み・腐敗を防ぎます。エンゼルケア後のきれいな状態を、葬儀までキープできるでしょう。

【搬送の流れ】費用の精算

搬送業者による搬送の場合、ご遺体を安置場所まで搬送した後に精算します。遠方の場合、高額にあることもありますが、クレジットカードなどに対応している業者も少なくありません。現金以外の支払いが可能か、前もって確認しておきましょう。

葬儀社に搬送を依頼した場合は、費用が葬儀代に含まれている場合がほとんどです。葬儀が終わった後にすべてまとめて精算となるでしょう。

搬送料金について

遠方からご遺体を搬送する場合、陸路では、追加料金が発生する可能性があります。昼間と比べると、早朝や深夜の搬送料金は高めに設定されています。価格を抑えるには、日中に搬送してもらうのがおすすめです。

また、遠方から搬送する場合、高速道路や有料道路を使うことになります。搬送先が離島にある場合などは、船舶運賃がかかるかもしれません。

また、葬儀社によっては、大型連休や年末年始の特別料金が設定されている場合もあります。予算には、余裕を持たせておきましょう。

空輸の利用について

空輸の場合は、ご遺体を「エンバーミング済み」の状態にする必要があります。エンバーミングとは、ご遺体の消毒・殺菌を行い、長期保存を可能にする処置のことです。

車両や船舶で搬送する場合には、ドライアイスを使ってご遺体を保存できますが、航空ではドライアイスが使えません。感染症を防ぐためにも必要な処置です。

すべての葬儀社が、エンバーミングに対応しているわけではありません。空輸を利用する場合には、あらかじめエンバーミングが可能な葬儀社を選びましょう。

遠方からのご遺体の搬送に必要なもの

遠方からご遺体を搬送するには、死亡診断書または死体検案書が必要です。死亡診断書は、病院で亡くなった際に、医師によって発行されます。名前・住所・病名・死因・死に至るまでの経緯などが、細かく書き記された文書です。

一方、不慮の事故で亡くなった場合や、自宅で亡くなって主治医がいない場合などは、警察が検視を行います。警察の検視後、検案した担当医師によって発行されるのが死体検案書です。いずれかの書類を取得しなければ、遺体搬送はできません。

遠方からの遺体搬送のポイント

遠方から搬送を依頼する際「病院近くの葬儀社にお願いしよう」と考える方もいるでしょう。しかし、地域密着型の葬儀社では、県をまたいだ長距離の遺体搬送に対応できない場合があります。また、長距離搬送を行っていない業者に、無理にお願いするのもおすすめできません。

遠方からの遺体搬送を依頼するなら、全国展開している葬儀社を選びましょう。全国各地に支店があるため、県外をまたいだ搬送のネットワークも確立されています。個別で搬送専門業者を探すより、手間もかからず、費用も抑えられるでしょう。

海外から日本への遺体搬送について

近年、海外で仕事する人や、海外留学する人も増えています。リタイア後、海外移住する人も一定数いるでしょう。では、万が一家族が海外で亡くなった場合、どのように遺体搬送するのでしょうか。

そこでここでは、海外からの遺体搬送の流れや、用意するものなどを解説します。帰国した後には、国内葬儀の準備も必要です。いざというときのためにも、一連の流れを知っておきましょう。

【海外からのご遺体搬送の流れ】死亡の連絡を受ける

海外で家族が亡くなった場合、現地の警察から連絡が入ります。とは言え、現地の警察から直接電話がかかってくるわけではありません。その国で領事事務を行っている在外公館を経由し、外務省から連絡があるのが一般的です。

外務省からの突然の連絡に、動揺するかもしれません。ですが、今後の手続きのためにも在外公館の連絡先は、忘れず聞きましょう。

【海外からのご遺体搬送の流れ】死亡した国の在外公館へ連絡

外務省から連絡を受けたら、次に現地の在外公館に連絡しましょう。大使館や総領事館、政府代表部などの総称が在外公館です。在外公館は世界200ヵ所以上にあり、海外で日本人が亡くなった場合には、警察から在外公館へ連絡が入ります。

遺体搬送の手続き方法などは、国ごとに異なるのが基本です。在外公館に、現地の遺体搬送や必要書類などについて、確認しましょう。

【海外からのご遺体搬送の流れ】現地への渡航

海外で家族が亡くなった場合、遺族は現地に渡航しなければなりません。直行便が出ている国ならよいですが、なかにはほかの国を経由しなければならない場合もあるでしょう。

遠方の場合は、行くだけで数日かかることもあります。どの手段・コースを使うか、就航プランを立てましょう。

また、帰りはご遺体と帰国することになります。空港から遺体安置所までは、葬儀社に搬送を依頼するのが一般的です。葬儀社にも就航プランを伝えておきましょう。

【海外からのご遺体搬送の流れ】必要な書類の準備

現地に到着したら、遺体搬送に必要な書類を準備しましょう。遺体搬送に必要な書類は以下の通りです。

・亡くなった人のパスポート
・死亡診断書または死体検案書
・防腐証明書
・遺体証明書

どこでどのように申請するのかは、国によっても異なるため、在外公館に確認するとよいでしょう。ほかに、通関に必要な書類や、現地で火葬された場合には火葬証明書が必要になります。不備のないよう準備しましょう。

【海外からのご遺体搬送の流れ】納棺

海外から遺体搬送をする場合、エンバーミング後に納棺する必要があります。エンバーミングとは遺体に施す防腐処理のことです。

航空で遺体搬送する場合には、ドライアイスが使えません。また、亡くなってから火葬までに日数もかかるでしょう。遺体の腐敗を防ぎ、感染症を防ぐためにもエンバーミングは有効です。

ただし、なかにはエンバーミングができない国もあります。その場合は、現地で火葬することになるでしょう。

【海外からのご遺体搬送の流れ】通関

国境を越えて遺体搬送をする場合には、空港などでの通関手続きが必要です。通関には、在外公館が発行する遺体証明書を携行しましょう。赤いロウで記した在外公館の封印があると、通関がよりスムーズです。

国によっては、遺体出境許可証やその他書類が必要な場合もあります。エンバーミングをしたか、火葬をしたかによって必要書類が変わる場合もあるでしょう。空港で慌てないためにも、在外公館で確認することが大切です。

【海外からのご遺体搬送の流れ】国内の安置先へ搬送

ご遺体が無事、日本に戻ってきたら、自宅などの遺体安置所へ搬送します。あらかじめ到着時間を葬儀社・搬送業者に伝えておけば、無駄な時間を待たずに搬送できるでしょう。

ご遺体は遺族が自家用車で搬送することも可能です。ただし、海外からの搬送には通常よりも大きい棺が使われるため、自家用車に積み込めない可能性もあります。さらに、搬送中にご遺体が損傷するリスクもあるでしょう。葬儀を依頼する葬儀社に、搬送から頼んだほうが安心です。

遺族が確認に行かなければならない

海外で亡くなった場合、遠隔で遺体搬送を依頼することはできません。遺族が現地に渡航し、ご遺体の本人確認をする必要があります。そのため、遺体搬送費用だけでなく、自分の渡航費用も用意しなければなりません。アメリカの場合、30万程度を見込んでおきましょう。

また、有効なパスポートを持っていない場合は、緊急発行する必要があります。詳しくはお住いの自治体窓口で確認しましょう。

海外からのご遺体の搬送にかかる時間について

海外からの遺体搬送には時間がかかります。日本国内なら遠くても数時間ですが、海外の場合、国によっては丸1日以上かかるでしょう。例えば、南米やアフリカなどです。距離が遠く、日本着の航空機の便数が少ないため、搬送には1日以上かかります。

アメリカやヨーロッパでも10時間以上、アジア圏なら4時間程度は見ておきましょう。ただし、同じ国でも行く地域によってかかる時間は異なります。空港から遠い地域や、交通の便が悪い地域の場合、倍の時間がかかることもあるでしょう。

遺体を搬送できない場合もある

海外で亡くなった場合、日本で葬儀・火葬をしたくても、それが叶わないこともあります。国によってはエンバーミングが認められていないためです。

エンバーミングはご遺体の防腐処理です。防腐処理ができていないご遺体を航空機に乗せ、搬送することはできません。検疫や感染症対策の面から見ても大変危険です。

その場合は、現地で火葬し、遺骨を持ち帰ることになるでしょう。遺族としては不満かもしれませんが、仕方のないことです。

海外から遺体を搬送する場合の注意点

海外から遺体搬送をする場合の注意点として、国ごとに手続きや流れが違うことが挙げられます。おおまかな流れは同じでも、手順が異なる場合が多いでしょう。

世界にはたくさんの国があり、日本で情報を集めようにもなかなか集められない国もあります。困った場合は、現地の事情に精通する在外公館に聞くのが一番です。

【海外から搬送する例】アメリカの場合

アメリカではまず、請求シートを使って死亡届を入手します。請求シートは、在アメリカ合衆国日本国大使館の公式ホームページからダウンロード可能です。

その後、各地方自治体が発行する死亡証明書を入手します。英文の死亡証明書しかないため、同時に和訳の証明書も作成しましょう。死亡届と死亡証明書(英文・和訳)がそろったら、大使館窓口へ提出します。大使館から外務省を通じて、日本の戸籍に死亡届が記載されるでしょう。

【海外から搬送する例】中国の場合

中国で、病気などで亡くなった場合には「死亡医学証明書」を発行してもらいます。事故死の場合には、公安局の検視を受けた後「死亡証明書」を発行してもらいましょう。

また、中国からご遺体を搬送する際には、エンバーミング処置を受けた証として、遺体防腐証明書が必要です。通関で必要となる遺体出境許可証、亡くなった方のパスポートのコピーも用意しましょう。

中国で火葬した場合には、遺骨証明書を発行してもらいます。ちなみに、灰になるまで完全に焼き切るのが中国の火葬です。それを理解した上で手続きしましょう。

詳細は在外公館に確認する

海外からの遺体搬送に必要な書類は、国によって異なります。基本的には、死亡証明書・亡くなった方のパスポート・エンバーミング処置を証明する防腐証明書・通関のための書類が、必要と考えましょう。

ただし、同じ書類でも申請方法や手順は国によってさまざまです。詳しく知りたい場合は、在外公館に相談するのがよいでしょう。どのような手順を踏めばよいか、的確なアドバイスがもらえます。

【用意するもの】故人のパスポート

海外で出国する際、日本に入国する際に必要なのがパスポートです。ご遺体を搬送するには、亡くなった方のパスポートを用意しましょう。パスポートがないと、ご遺体が日本に戻れなくなる可能性もあります。

生前、パスポートを紛失したことが分かっている場合や、探しても見つからない場合は、早めに在外公館に相談しましょう。

【用意するもの】死亡診断書

遺体搬送や日本で火葬する際に必要な書類が死亡診断書です。病院で亡くなった場合には、担当医師によって死亡診断書が発行されます。事故死などの場合は、警察による検視が行われた後、検案した医師によって死体検案書が発行されるでしょう。

これらは、現地の医師の立ち合いの元、発行されなければなりません。ただし、現地の言語で書かれた診断書は、日本の公的機関で受理してもらえません。あわせて和訳も作成しましょう。

【用意するもの】防腐処理証明書

防腐処理証明書は、エンバーミングが適切に行われたことを証明する書類です。エンバーミングを行った業者に作成してもらいましょう。

エンバーミングは、ご遺体の防腐処理です。適切に行わないと、ご遺体の腐敗が進んだり、感染症が国内に持ち込まれたりする危険性があります。ご遺体をよい状態で保管するだけでなく、検疫の面から見ても必要な処置と言えるでしょう。

【用意するもの】遺体出境許可証

遺体出境許可証とは、ご遺体が国を出る際に必要な書類です。国によって呼び名が異なる場合もあるようです。在外公館で発行してもらい、通関で提示します。

同じ国でも、エンバーミング処置をして搬送する場合と火葬をして遺骨を搬送する場合とで、書類が異なることもあります。在外公館では、ご遺体をどのような形で搬送するかを伝えた上で、相談しましょう。

【用意するもの】遺体証明書

遺体証明書は、ご遺体を貨物として搬送するための証明書です。在外公館で発行してもらい、通関で提示します。遺体証明書には在外公館の封印がされており、ビザのような効力を発揮します。

在外公館の封印とは、赤いロウをたらした後に、印を押して封印したものです。持っておくと通関をスムーズに済ませられるでしょう。ご遺体を入れた棺にも、在外公館の封印があれば、さらにスムーズです。

プロの業者に任せるのが安全

海外からご遺体を搬送するには、さまざまな準備・手続きが必要です。自分で搬送することも不可能ではありませんが、リスクを考えれば業者に依頼するほうがよいでしょう。

ご遺体を扱うのは想像以上に難しいものです。ましてや海外から搬送となると、かかる時間や距離も長くなり、トラブルが起こるリスクも高くなります。ご遺体の扱いや現地の事情に精通しているプロに依頼するほうが安全です。

帰国後の葬儀の準備について

さまざまな手続きや航空券の手配と並行して、日本の葬儀社とも連絡を取り合いましょう。まず、日本にご遺体が戻ってきたら、空港から遺体安置所まで搬送してもらわなければなりません。そのためには、日本を出国する前に、帰国日時を伝えておく必要があります。

また、ご遺体が戻ってきたら、お通夜・葬儀・告別式・火葬などの準備に入らなければなりません。スムーズに準備を始めるためにも、葬儀社との連携はしっかり取っておきましょう。

【国内葬儀の流れ】お通夜

ご遺体が日本に戻ってきたら、まず行うのがお通夜です。身内を中心に、故人と親しかった人が集まり、故人との最後の夜を過ごしてお別れをします。お通夜には、夜通し灯りを灯してご遺体を見守ることで、邪霊からご遺体を守るという意味合いもあるようです。

亡くなった翌日の夕刻に行われるのが一般的ですが、海外で亡くなった場合は難しいでしょう。ご遺体が戻ってきた日の翌日など、早めにお通夜を行いましょう。

【国内葬儀の流れ】葬儀・告別式

葬儀は、亡くなった方の冥福を祈るための宗教儀式です。故人や遺族が信仰する宗教のルールに則って行われます。

対して告別式は、親しかった人と最後のお別れをするための社会的な儀礼です。それぞれ違った意味合いですが、近年では合わせて行われるケースが多いでしょう。葬儀・告別式は、お通夜の翌日の日中に行われるのが一般的です。

【国内葬儀の流れ】出棺

出棺とは、ご遺体が納棺された棺が、火葬のために葬儀場を出ることです。棺を乗せた霊柩車が葬儀場を出発するところまでを出棺と呼びます。

棺は主に、故人と近しい間柄の男性が担いで、霊柩車に乗せるのが一般的です。葬儀・告別式の参列者全員が、火葬場まで同行するわけではありません。出棺が、故人との最後のお別れになる場合も多いでしょう。

【国内葬儀の流れ】火葬

火葬場では、ご遺体を入れた棺が火葬炉に入るのを見届けましょう。火葬前には「納めの式」というお別れの儀式があります。僧侶による読経や焼香、次いで喪主・参列者による焼香などが行われるでしょう。

火葬にはおよそ1時間~2時間かかり、その間は控え室で待ちます。身内以外の人が参列している場合、喪主や身内は接待にも気をつかいましょう。故人の思い出話などを語らいながら過ごします。

【国内葬儀の流れ】骨上げ

火葬が終わったら、ご遺骨を骨壺に納める「骨上げ」を行います。収骨室で、お骨になったご遺体を囲んだら、足のほうから箸で拾い上げて骨壺に納めましょう。全部の骨を拾う場合と、一部の骨だけを拾う場合があるようです。

骨壺は頭側で喪主が持ちます。骨上げが終わったら、骨壺は白木の箱に納められ、布で包まれるでしょう。最後に、骨壺と火葬済みの押印がされた埋葬許可証を受け取ります。

【国内葬儀の流れ】還骨法要・初七日法要

火葬場を出たご遺骨は、自宅または葬儀場に還ってきます。還ってきたご遺骨を迎える儀式が「還骨法要」です。骨となった故人を供養する、お葬式をしめくくる最後の儀式となります。

初七日法要は、亡くなってから7日目に行う法要です。故人が無事、あの世にいけるようお祈りします。7日目に再び親族が集まることが難しい場合、還骨法要と一緒に行われることもあるでしょう。

葬儀は宗教ごとでも異なる

日本には、さまざまな宗教・宗派があり、それぞれの葬儀に特徴があります。特に葬儀では宗教・宗派による差が出やすいとされており、その要因のひとつが経典の違いでしょう。

仏教の主な経典には、浄土三部経・法華経・大日経・金剛頂経などがあります。また、仏教以外のキリスト教や神道を信仰している方もいるでしょう。

喪主となった場合は特に、自分たちが信仰する宗教の葬儀について、理解しておく必要があります。

【宗教の種類】浄土三部経

浄土三部経を経典とする宗派には、浄土宗・浄土真宗・時宗があり、いずれも阿弥陀如来を本尊とする宗派です。

浄土宗では、念仏を唱えることで極楽浄土へ至れるとされています。そのため、浄土宗の葬儀では、僧侶と参列者が一緒に念仏を唱えるのが特徴です。

浄土真宗では、念仏を唱えずとも、心のなかで思うことで成仏できるとされています。授戒と引導を行わない点が、浄土真宗の葬儀の特徴でしょう。時宗の葬儀は浄土宗と同様に行われます。

【宗教の種類】法華経

法華経を経典とする宗派には、日蓮宗と天台宗があります。日蓮宗は釈迦を本尊とする宗派で、法華経のみを教義とする宗派です。日蓮宗の葬儀では、死者を霊山浄土に導くことが目的とされており、仏や菩薩などの名前が描かれた十界曼荼羅が本尊に掲げられます。

天台宗には定められた本尊がありません。法華経中心ではありますが、朝題目念仏という考えから、夕方には阿弥陀経を読み上げます。

【宗教の種類】大日経・金剛頂経

大日経・金剛頂経を主な経典としているのが真言宗です。真言宗は、大日如来を本尊とする宗派で、日本ではめずらしい純粋な密教です。密教では、教団内の限られた人たちの間で信仰が伝承されていきます。

真言宗の葬儀は、儀式が特徴的です。例えば、頭の頂きに水を注ぐ「灌頂(かんじょう)」や、土砂によって祈祷を行う「土砂加持(どしゃかじ)」などがあります。

【宗教の種類】特定の経典がない宗派

特定の経典を持たない宗派もあり、臨済宗や曹洞宗がそれに当たります。どちらも座禅を中心とした禅宗のひとつです。

ただし、座禅の方法が異なります。臨済宗では、与えられた公案に対して座禅をしながら考える「公案禅」です。対して曹洞宗では、何も考えず無心に座禅する「黙照禅」が行われます。

臨済宗の葬儀は、授戒と引導が中心です。曹洞宗の葬儀では、鼓鈸三通(くはつさんつう)といって太鼓や鈸を打ち鳴らす儀式が行われます。

【宗教の種類】仏教以外の宗教

神道やキリスト教など、仏教以外の宗教を信仰している人もいるでしょう。神道は、八百万の神を信仰する日本古来の宗教です。

神道の葬儀は、経典ではなく、古事記や日本書紀などを元に行われます。祝詞の奏上や、焼香の代わりとなる儀式「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」などが特徴的です。

世界でもっとも多くの信者を持つ宗教が、キリスト教でしょう。キリスト教の葬儀では、讃美歌の斉唱や聖書朗読、神父による説教などが行われます。焼香の代わりに献花を行う点も、キリスト教の特徴です。

葬儀日程について

基本的に、亡くなった日から葬儀が終わるまでにはおよそ3日間かかります。亡くなった日の翌日夕刻に通夜が行われ、翌々日の午前に葬儀・告別式、午後に火葬というスケジュールが一般的でしょう。

ただし、ご遺体が遠方にあって搬送に時間がかかる場合などは、この通りにしなくても構いません。亡くなった時間帯によっても、準備にかけられる時間が変わってきます。ある程度の余裕を持って日程を決めましょう。

【日程決めのポイント】期限を考える

一般的に、お通夜は亡くなった翌日に行われます。そのため、亡くなった当日に日程を決めるのがよいでしょう。

ですが、当日に決められないという場合は、期限から逆算して考えます。一般的に、ご遺体の腐敗が始まるのが死後4日目と言われています。

そう考えると、亡くなって3日目にはお通夜、4日目には葬儀・告別式・火葬という日程が組めるでしょう。つまり、死後2日目にはすべての日程を決める必要があります。

【日程決めのポイント】スケジュールを調整する

「この日程で葬儀をしよう」と思っても、僧侶のスケジュールが埋まっていたり、火葬場の空きがなかったりすれば、葬儀はできません。

先に日程を決めて、参列者に伝えた後、「空きがなかったから」と日程変更になるのは避けたいところです。そのためには、先に僧侶や火葬場に連絡を入れて、スケジュールを調整しましょう。

また、親族が遠方にいる場合には、どれくらいで葬儀場に来られるかを考慮して日程を考えます。特に子や親など近しい身内の場合は、その人に合わせたスケジュール調整が重要です。

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まとめ

県外や海外からご遺体を搬送するには、さまざまな準備・調整が必要です。自分で搬送することもできますが、素人がご遺体を扱うのは難しいでしょう。

プロに依頼すれば、安全に安置所まで搬送してくれます。陸路以外の方法を検討したり、見積りを依頼したりすれば、搬送費用も抑えられるでしょう。

ご遺体搬送のことなら、葬儀社に依頼するのがおすすめです。葬儀とのセットプランを使えば、費用が抑えられる上、葬儀終了までスムーズに進行できるでしょう。

小さなお葬式なら、遠方からのご遺体搬送にも対応可能です。コールスタッフが24時間常駐していますので、いつでもご相談ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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