初七日法要と精進落としの基礎知識、日程や費用などを解説

初七日法要と精進落としの基礎知識、日程や費用などを解説

愛する人が亡くなるのはつらいことですが、悲しみに浸り続けることはできません。大切な故人を気持ちよく送り出すために、葬儀や火葬などの準備をしなければならないからです。

葬儀の準備をする方の中には、初七日法要と精進落としを知らない方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、初七日法要と精進落としの基礎知識について紹介します。一読すればそれぞれの意味を理解できるので、安心して故人を送り出せるでしょう。

こんな人におすすめ

初七日法要について知りたい方

精進落としのマナーについて知りたい方

法要の日程の決め方や費用について調べている方

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初七日法要とは?

初七日は聞いたことがあるものの、具体的には何をするのか分からないという方もいるのではないでしょうか。初七日法要は葬儀が済んでから行う供養です。ただし、宗教や宗派によって考え方が異なるので注意しましょう。

ここでは、初七日法要の基礎知識を解説します。葬儀の日に執り行うこともあるので、前もって初七日の意味を理解しておきましょう。

初七日の意味

初七日は「しょなぬか」と読みます。「はつなのか」や「しょなのか」と読む方がいますが、誤りなので注意しましょう。亡くなってから7日が経過したことを意味しており、7日目に行う法要が初七日です。初七日は亡くなった日を含めて計算します。例えば11月1日に亡くなった場合には、11月7日が初七日です。

通常の場合、亡くなった次の日が通夜となるので、11月2日に通夜を執り行います。その後11月3日に葬儀を行うと、すぐに初七日が訪れるでしょう。葬儀から初七日までの期間は短いですが、早めの準備をすればスムーズに執り行えます。

遺族にとっての初七日法要

初七日法要は残された遺族にとっても大切な日でしょう。仏の世界では亡くなってから49日の期間中、7日に1回は極楽浄土で行けるのかの判決がなされる重要な期間です。

サンスクリット語で「スカーヴァティー」と呼ばれる極楽浄土は、西方十万億土を過ぎた場所にあり苦しみの全くない世界です。極楽浄土に行くまでの間は成仏せずにさまよっていると言われているので、遺族は故人が極楽浄土に行けるように成仏を願います。

故人だけではなく故人を思う遺族にとっても、意味のある法要と言えるでしょう。故人の生前を思い出しながら準備をします。

法要と法事の違い

初七日法要という言葉を使いますが、法要と法事の違いが分からないという方も多いのではないでしょうか。法要とは僧侶に読経してもらい故人の冥福を願うことです。

極楽浄土に行くために法要を行います。一方で法事とは読経後の会食まで含めたものです。言い換えると、法事の中に法要が含まれています。

初七日法要を行うときは、葬儀会社と相談して日時や出席者数を決めましょう。初七日法要の後に会食をするので、食事の内容も決めなければなりません。法要の際には喪主によるあいさつもあるので、あいさつの言葉も事前に考えておきましょう。

宗教や宗派別の初七日法要

ここからは、宗教や宗派別に初七日法要を紹介します。それぞれのマナーやルールを理解しておきましょう。

・浄土真宗

浄土真宗においての初七日は信仰を深めて故人に感謝する機会です。仏教の世界において初七日は川のほとりにたどり着く時期としており、生前に悪いことをした人は川の流れの急な場所、良いことをした人は緩やかな場所を渡って岸に向かいます。

浄土真宗は亡くなった直後に極楽浄土へ行けるとしており、死後の世界をさまようという考え方がありません。浄土真宗の葬儀や初七日に参列するときは、冥福を祈るという言葉を避けましょう

・日蓮宗

日蓮宗とは鎌倉時代に日蓮と僧侶によって開かれた宗派です。山梨県身延山久遠寺を総本山としており、法華経を最も重要な経典としています。法華経の信心があれば霊山浄土にたどり着けるとされており、「南無妙法蓮華経」を唱えることが修行のひとつです。

日蓮宗の葬儀や法要では、勤行数珠と呼ばれる房の付いた数珠を使うのであらかじめ用意しておくとよいでしょう。

日蓮宗では他の宗派と同じように、初七日の供養を執り行います。香典に関しても「御霊前」や「御香典」と書かれた香典袋にお金を包むので、参列する際には用意しましょう。

・真言宗

真言宗は弘法大師が開いた仏教です。高野山金剛峯寺が総本山で、世界遺産として登録されています。真言宗の教えの根幹は、真理を追い求めることです。

葬儀では故人の頭に水をかけて正統な後継者になる、地の象徴である清めた砂を故人にかけるといった特別な儀式を目にするでしょう。

真言宗は他の宗派と同じように初七日法要を行い、臨終を迎えた日を1日として6日後が初七日です。真言宗では、読経の後に僧侶による話を聞きます。

・臨済宗

臨済宗は天台宗や真言宗と比較すると新しい宗派です。ただし仏教の基本的な教えは同じであり、初七日の考え方も仏教の教えに沿っています。

臨済宗の場合も亡くなった日を1日目としており、亡くなった6日後が初七日です。故人の霊魂が極楽浄土に行くという考えを持っており、初七日を行うことで故人の冥福を願えるでしょう。

臨済宗の葬儀や法要に参列する際には、マナーに気を配ることをおすすめします。使用する数珠は、人間の持つ煩悩と同じ108の主玉がつながった略式の片手数珠です。参列する際には片手数珠を用意するとよいでしょう。

・神道

仏教では初七日や四十九日など、7の倍数に当たる日を重要な日と位置づけています。神道で重要な日付は10の倍数に当たる日です。

例えば、十日祭は仏教の初七日に当たる日で、神主を自宅に招いて祝詞を上げてもらいます。祝詞とは神への祈願も含まれた神職が神様に奏上する際の言葉のことです。

そのため、祝詞は人から神様に対して行うのではなく、神様から人々を通して語られる言葉でした。

しかし、現代では儀式の目的や信仰心を表明する機会へと変わっています。祝詞を上げてもらったときは、神社に「初穂料」や「玉串料」を渡しましょう。

・キリスト教

キリスト教には法事という概念はありません。カトリックの場合は追悼ミサ、プロテスタントでは記念集会です。キリスト教会の中には、仏式に倣って区切りのよい日に行事を開くときがあります。

カトリックの場合は亡くなった日から3日目、7日目、30日目がミサです。ミサでは遺族や関係者が集まり、聖歌の合唱や祈りで故人を敬います。神父による聖書に基づいた講話も聞けるでしょう。講話の後は茶話会を開いて故人をしのびます。

プロテスタントの場合も、亡くなった日から7日目、10日目、30日目に記念集会を開くでしょう。祈りをささげて故人をしのびます。

・沖縄の場合

初七日は全国で行われますが、沖縄での初七日は異なる部分があります。沖縄の初七日は「ハチナンカ」と呼ばれており、沖縄の法要スタイルを自宅で行うのが習わしです。

四十九日までの7週間は「ナンカスーコー」と呼ぶ法要を執り行います。沖縄の初七日法要には2種類のスタイルがあります。ひとつは自宅でお供え物を準備してから御願をするスタイルで、もうひとつのスタイルは別会場を設けて料理までの準備をします。

沖縄では望まなければ僧侶を呼ばずに初七日を執り行えます。自分たちで御願が可能なため、本土よりも選択肢が多いのが特徴です。

沖縄での初七日では納骨先と位牌に関する注意が必要です。沖縄では葬儀が終わるとすぐに納骨式が行われる場合があります。遺骨を門中墓に入れるための準備をしていたものの、親族からの拒否に合うというケースがあるので納骨先は早めに確認しましょう。

また、生前契約墓の書類を後から発見してトラブルになるというケースもあります。終活をしている方は、事前に説明するほうがよいでしょう。

沖縄では初七日の前に位牌を本位牌に移す習慣があります。しかし、故人の中には位牌を独立したいという場合もあるので、早い段階で確認しましょう。

・創価学会

創価学会では葬儀のことを友人葬と呼びます。友人葬とは遺族と友人が集い合って供養を行うことです。友人葬では僧侶は呼ばず、遺族や親族で葬儀や法要を行います。創価学会でも死者の冥福を祈る行事はあり、定期的に年忌法要を執り行うでしょう。

ただし、寺院では行わずに自宅や葬儀式場で初七日を執り行います。初七日法要の香典に関しては自由です。

儀式的な意味での香典は持参しなくてもよいという考えを持っており、遺族や友人が読経や唱題などの供養を行います。服装に関しても細かい規定はなく、一般的な喪服で参列するのがマナーです。

・天理教

故人が天理教を信仰している場合、初七日の流れが異なります。天理教では初七日に当たる儀式が旬日際です。天理教では亡くなった日を出直しの日と呼び、10日ごとに旬日祭を行います。

初七日に当たる十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭と続き、五十日祭は盛大に執り行うのが通例です。十日祭の日程を組むときは、事前に教会長との打ち合わせをします。天理教式の香典マナーは神式と同じです。

市販の香典袋を使用しますが、ハスの花が描かれたものは避けます。水引は地域によって異なりますが、白黒、黄色、銀色の水引を使いましょう。

ペットの初七日

ペットも愛する家族の一員という考えが広まっており、初七日を準備したいという方もいるでしょう。ペットに関しても、故人と同様に命日を含めて7日目に初七日を行います。

ペットの忌日は7の倍数の日です。7日ごとに生前の罪が裁かれることが由来とされています。ペットの祭壇では遺骨、写真、位牌、花を飾るのが一般的です。

最近ではペット用の祭壇が販売されているので、家庭でもペットのための立派な祭壇を用意できます。また、ペットの遺骨や体毛を納められるペンダントやロケットもあるので、初七日に身に付けるのもよいでしょう。

初七日で避けるべき行動

マナーとして遺族が避けるべき行動があります。例えばお祝い事の出席は可能な限り控えましょう。具体的には結婚式、神社への参拝、お祭りへの参加、正月祝い、家の新築などです。

正月に関しては年賀状のやり取り、新年のあいさつ、お節料理なども避けましょう。年賀状の代わりに喪中はがきの用意をします。お中元やお歳暮に関しては、感謝の気持ちを表す機会なので問題はありません。

旅行や友人との飲み会も可能ですが、旅行は娯楽の一部と考える方もいるので慎重に検討しましょう。四十九日までの間は故人を思いながら静かに過ごします。

初七日法要の日程

初七日を執り行うときに気になることは、どのような日程で法要を進めるのかではないでしょうか。初七日は火葬前か後かによって日程が変わります。スムーズに準備を進めるためにも、しっかりと流れを理解しておきましょう。

ここでは、初七日の日程や時間、前もって覚えておくべき服装やあいさつの言葉についてまとめました

初七日法要にかかる時間

初七日法要の所要時間は、大きく分けて2つのパターンがあります。ひとつは火葬前に行う場合、もうひとつは火葬後に行う場合です。火葬前に初七日法要を行う場合には以下の流れで進みます。

・葬儀と告別式(1時間~1時間半)
・初七日法要(15分~20分)
・出棺(10分~20分)
・火葬と精進落とし(1時間~2時間)


一方で火葬後に法要を行う場合には以下の流れで進みます。初七日の用意をする際の参考にしてください。

・葬儀と告別式(1時間~1時間半)
・出棺(10分~20分)
・火葬と精進落とし(1時間~2時間)
・初七日法要(30分程度)
・精進落とし(1時間)


初七日法要に参列する際には、どのくらいの所要時間になるのかを前もってチェックしておきましょう。

初七日法要でのあいさつ

喪主によるあいさつのポイントは、参列者の方々へ忙しいにもかかわらず駆けつけてもらったへの感謝と、遺族として故人が亡くなったことに対する心情です。

故人を思い浮かべてあいさつをするのはつらいことですが、参列者に心配をかけないよう前向きに生きることをアピールしましょう。

例えば始まりのあいさつでは次のように伝えます。「本日はご多忙の中、初七日法要にご参列頂きまして誠にありがとうございました。おかげさまで、無事に法要を終えることができました。心よりお礼申し上げます。」この言葉の後に現在の心境を話しましょう。

初七日法要での服装

初七日の服装は喪主と参列者によって異なります。喪主の場合は基本的に喪服を着用しましょう。例えば男性の場合は、和服のときには黒羽根二重の染め抜き五つ紋付のはかま、洋装のときにはモーニングコートやブラックスーツを着ます。

女性は黒の長袖ワンピース、スーツを着るのが望ましいでしょう。和装の場合は男性と同じように黒羽根二重の染め抜き五つ紋付のはかまにします。

参列者に関しては、男性はブラックスーツ、白いシャツ、黒い靴下、黒い靴の組み合わせが望ましいでしょう。女性は黒の無地のワンピース、黒のアンサンブルです。

初七日の時間がないケース

初七日は亡くなった日を1日目として7日目に執り行うのが基本です。ただし、仕事や学業などで時間が取れないという方は多いでしょう。また、故人の自宅から遠方の地域に住んでいる場合、7日後に執り行うのは不便です。

状況によっては繰り上げ法要繰り込み法要も検討しましょう。繰り上げ法要とは、葬儀と同じ日に初七日法要を執り行うことです。一葬儀の中に初七日を組み入れる場合は、繰り込み法要と言います。繰り上げ法要や繰り込み法要は儀礼を欠くことにはなりませんが、通常とは異なるので7日目には故人の成仏を祈りましょう

初七日における孫の参列

初七日法要には遺族や家族が参列しますが、故人の孫に関しても可能な限りは参列したほうがよいでしょう。

四十九日、一周忌、三回忌と同じように初七日は法事のひとつです。法事で家族や親族などの親しい人を招きますが、孫は故人から見ると近しい血縁関係にあると言えるでしょう。

事情により初七日の参列が難しいときがあります。例えば、大学や高校の試験、修学旅行や文化祭などの学校行事があるときは難しいでしょう。

葬儀ではないので法的な強制力はありませんが、どうしても参列が難しいときは電話をかけて断りを述べるのがマナーです。

初七日をしないという選択肢

実家とは離れた地域に住んでいる方や仕事で忙しい方にとっては、初七日法要を執り行うのが難しいと感じるのではないでしょうか。初七日法要は法律で決まってはおらず、宗教や宗派によっては初七日をしません。

特にキリスト教や神道を信仰している方は、初七日の慣習はないでしょう。しかし、仏教に基づいて供養をする方に関しては、初七日法要をするのが望ましいです。

故人に亡くなってから7日目に執り行うのがよいですが、日にちをずらすことになっても初七日法要は行うほうがよいでしょう。

何らかの事情で初七日法要をしない場合には、菩提寺があるのかを確認します。菩提寺があれば、僧侶に初七日法要をしない理由を説明するのがマナーです。

直葬の初七日

最近では直葬と呼ばれる、火葬のみの葬式を選ぶ方が増えています。通常の葬儀に比べて、葬儀の日数を短くできるというメリットがあるでしょう。また、コンパクトな葬儀にできるので落ち着いた雰囲気で故人を送り出せるというメリットもあります。

直葬を選んだ場合でも初七日法要は可能です。故人が極楽浄土にたどり着くための供養なので、正式に執り行うという方もいます。一方で遺族の中には行わないという方もいるでしょう。検討する際には、遺族や親族との慎重な話し合いをおすすめします

ペットの初七日の流れ

愛するペットを故人と同じように法要をしたい飼い主は増えています。ペットの初七日までの流れは以下の通りです。

・通夜
通夜はペットが亡くなった日に行うのがよいでしょう。故人の場合とは異なり、家族だけで通夜を行います。

・葬儀
葬儀会社に依頼をしてペットの遺骨の拾い上げをしましょう。遺骨に関しては、自宅に持ち帰るか納骨堂に納めます。

・初七日
初七日は故人の場合でも省略されることがありますが、ペットに関しても省略は可能です。

・三十五日
亡くなってから35日目に行われる法要ですが、故人の場合と同じように省略される方がいます。

初七日法要でのお経

初七日法要では僧侶がお経を読むのが一般的ですが、多くの方はどのようなお経を読むのかを知りません。一般的に初七日で読まれるお経は、故人が極楽浄土へたどり着けることを願うという内容です。

しかし、宗派によっては読まれるお経が異なります。例えば真言宗では「般若心経」や「観音経」が読まれるでしょう。天台宗では「妙法蓮華経」や「阿弥陀経」が読まれます。曹洞宗は「三帰礼文」や「三尊礼文」です。

臨済宗は主たる経典を定めていないため、寺院によって読まれる経典が変わるでしょう。主な経典は「般若心経」や「本尊回向」です。

初七日法要にかかる費用

初七日法要を執り行うときには費用が気になる方もいるのではないでしょうか。初七日ででかかる費用は依頼する葬儀会社によって異なります。心配な方は前もって費用を聞いておくとよいでしょう。

ここでは初七日法要でかかる費用の目安を紹介します。また、相続税と初七日法要の関係についてまとめましたので参考にしてください。

初七日法要にかかる費用

招待する人数や会場の規模によってかかる費用は異なります。予算を考えながら慎重に検討しましょう。初七日にかかる主な費用は以下の通りです。

項目 費用の目安
お布施 3万円~7万円(宗派や宗教で異なる)
会場の使用料 1万円~3万円
車の手配料 5,000円~1万円
食事代 5,000円~1万円

家族だけで初七日法要をするとき、自宅を会場とするので通常の初七日法要よりも安価です。5万円~10万円が費用の相場でしょう。

また、家族と親族だけで行う場合は、食事や香典返しにどのくらいの予算をかけるかで費用が変わります。一般的な費用の目安は15万円~25万円です。

初七日と相続税

身内が亡くなると葬式や法要をしなければなりませんが、一部の葬式費用は相続税の控除の対象とされます。無条件の控除ではありませんが、故人が負っていた債務と同じように、葬式にかかる費用も控除が可能です。控除の対象となる費用は以下の通りです。

・医師が発行する死亡診断書
・遺体を運搬する費用
・遺体の安置費用
・通夜や告別式の費用
・食事代
・戒名料
・お布施
・火葬にかかる費用
・精進落としにかかる費用


一方で葬式に関わる費用ではあるものの、控除が認められないものがあります。四十九日法要と初七日法要は、供養に分類されるため葬式の費用には当たりません。

ただし、初七日法要を告別式や通夜と同じ日に行う場合は、告別式の一部として扱われ認められる場合があります。

初七日法要のお布施はどうすればよいのか

初七日法要を執り行うときには、僧侶や寺院にお布施を渡します。お布施に関しては明確な料金表がないので、どのくらいの相場なのかを知りたいという方もいるのではないでしょうか。

ここでは、初七日法要のお布施や戒名の目安に関してまとめました。宗派ごとに詳しく紹介しますので、執り行う前にチェックしておきましょう。

初七日法要でのお布施

初七日のお布施は、宗派によって異なります。例えば、浄土宗が初七日をする場合には3万円~5万円の費用がかかるでしょう。また、お葬式と初七日を一緒に行うときには、年収の1割~2割または15万円~50万円の費用がかかります。

戒名を付けてもらう場合には、通常のお布施とは別に50万円ほどのお布施がいるでしょう。戒名に関してはお寺や戒名のランクによってお布施の金額が変わります。

亡くなった方の知名度が高い場合には、お布施を多めに渡すとよいでしょう。戒名料をお布施と同時に渡すときは、「戒名料を含んでいます」と伝えるのがスマートです。

宗派ごとのお布施の目安

曹洞宗の初七日における相場の目安は3万円~5万円です。葬式と一緒に行う場合には30万円~60万円を包むとよいでしょう。戒名をお願いする場合には100万円以上の金額になる場合もあります。

真言宗の初七日におけるお布施の相場は3万円~5万円です。葬式と一緒に行う場合には20万円~50万円を包むとよいでしょう。ただし、戒名をお願いする場合には50万円以上の金額がかかります。

浄土宗の初七日におけるお布施の相場は3万円~5万円です。葬式と一緒に行う場合には年収の1割~2割の金額が望ましいでしょう。戒名をお願いする場合には50万円ほどの金額がかかります。

初七日法要の香典の目安

葬儀の際には香典を渡すのがマナーですが、初七日のときも香典を渡した方がよいのだろうかと疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

ここでは、初七日法要の香典の有無や目安に関して解説します。また参列の際に花や供え物を渡すときのマナーについてもまとめました。初七日にふさわしい花や供え物を用意して、故人に敬意を払いましょう。

初七日法要の香典

初七日の際もご焼香があるので、香典を渡すのがマナーです。初七日の場合は遺族や親族などの身内だけで集まる場合もありますが、仕事やプライベートなどで親交が深かった人も呼ばれることがあります。

声をかけられたときは、香典を持参して出席するのが望ましいでしょう。香典の金額相場は地域によって異なりますが、葬儀の日に行うのか、葬儀とは別に行うのかによっても金額は変わります。基本的に、故人との交友が深かった場合には多く包みましょう。

初七日法要における香典の目安

香典とは葬儀で死者の前にお供えをする金品のことです。もともとは遺族が用意する食事の負担を減らすために、友人や親族が食べ物を持ち寄りました。

現代では香典袋にお金を入れて喪主に渡します。初七日の際も葬儀と同じように香典を用意しましょう。初七日の香典の金額相場は以下の通りです。

渡す人 金額
両親 3万円~10万円
兄弟や姉妹 1万円~1万5,000円
祖父母 5,000円~3万円
叔父、叔母 5,000円~3万円
めい、おい 5,000円~3万円
いとこ 3,000円~1万円
友人 3,000円~1万円

年齢や故人との関係によって異なりますが、初七日と四十九日を行う場合は、四十九日のほうを多めに用意しましょう。

香典を渡すときの注意点

香典の基本的なルールはお金を偶数で合わせないことです。偶数は2や4などの数字で割り切れるので、縁が切れるという不快な意味を持ちます。金額を決める際には、1万円や5万円などの奇数にしましょう。

葬儀と初七日を同じ日に催すときには、それぞれの香典を用意します。その際には葬儀の半分程度を初七日に渡しましょう。

例えば葬儀で7,000円を渡す場合には、初七日では半分の金額を用意します。注意点として7,000円を半分にすると3,500円ですが、キリが悪いので5,000円や3,000円などにしましょう。4,000円にすると偶数になるので別の金額にしましょう。

お札を入れるときは金額だけではなく枚数にも気を使います。4や9は死や苦をイメージさせるでしょう。一般的には1枚、3枚、10枚がふさわしいとされています。適切な金額と枚数にして、相手に不快な思いを与えないようにしましょう。

外袋と表書き

香典袋には白い外袋と、水引、お金を入れる中袋の3層です。外袋には表面に表書きと名前を書きましょう。中袋がないときは裏面に名前と住所と金額を書きますが、中袋があるときは裏面には何も書きません。外袋にはすでに印字しているタイプがありますが、印字されていないときは弔事の文字を忘れずに書きましょう。

表書きは贈り物の目的に関する記載のことです。香典を渡す際にも表書きをしましょう。宗教や宗派によって表書きが異なります。

宗教 適切な表書き
仏教 「御霊前」、「ご霊前」
神道 「御玉串料」、「御神前」
キリスト教 「御花料」、「御ミサ料」

キリスト教については香典という概念がないので、宗派によっては書き方が異なるときがあります。心配な方は前もって尋ねておきましょう。

お札の入れ方

お札を袋に入れるときには、向きに注意します。香典袋を表面にしたときは、お札の肖像部を裏面にして入れるのがマナーです。

香典はお悔やみの気持ちを伝える意味が込められており、肖像部を伏せた状態にすれば顔を伏せるという意味を持ちます。複数の紙幣を袋に入れるときは、肖像部がそろっているのかチェックしましょう。

香典でお札を使用するときに新札を使うのはマナー違反です。新札の方が清潔なので失礼にあたらないのではと考える方がいます。

しかし、新札は用意されたお金という意味があり、死を予期していたことを連想させるでしょう。お亡くなりになるとは思わなかったという気持ちを込めるために新札は避けます。

手元に新札しかないときは、折り目を付けましょう。袋に入れる前に4つ折りにして折り目を付けておけば、不快な思いを与えません。

初七日の水引

香典袋にはさまざまな色や種類の水引があります、遺族に不快な思いをさせないためにも色の違いは把握しましょう。香典には以下の色や種類がありますが、状況に応じてふさわしい水引を選びます。

・プリントの水引
水引がプリントされた香典袋がありますが、格式は最も低いタイプです。プリントの香典袋にはさまざまな水引の色がありますが、格式は変わりません。

・黒白、青白、黄白の水引
プリントされた水引よりも格式は高めです。黄白は主に関西地方で使われます。家族や知人として参列するときは、黒白、青白、黄白を用いましょう。

・双銀の水引
左右のひもが銀色で統一しており、最も格式が高い水引です。故人の両親であれば、双銀の水引を使うのが望ましいでしょう。

香典袋に書くときのマナー

香典は1人で渡すのか、友人と一緒に渡すのかによって書き方が変わります。1人で渡すときには、誰からの香典なのかが分かるように自分の名前を書きましょう。

家族で香典を渡すときは、家族の頭である夫の名前を記します。夫婦で参列するときは連名でも構いません。

会社で香典を渡すときは会社名がよいでしょう。同僚と一緒に参列したものの、個人として香典を渡すときは、会社名を一番右に書いてから連名で個人の名前を書きます。

右側に目上の人の名前を書くのが礼儀ですが、上下関係がないときは五十音順で記しましょう。

香典袋に名前や住所を書くときは毛筆を使いましょう。時間の関係で毛筆の用意が難しいときは万年筆やボールペンを使います。表書きでは薄墨、中袋には黒色で書くのが礼儀です。薄墨の用意が難しいときは黒色を使います。

香典には住所や名前などを記載しますが、金額に関してはアラビア数字ではなく漢数字を使いましょう。ただし、横書きにも対応した香典袋を使う場合にはアラビア数字でも構いません。

初七日の香典を渡すタイミングは、初七日が行われる日によって異なります。葬儀と初七日を別の日に執り行う場合には、受付でお悔やみの言葉を述べてから渡すのがマナーです。

初七日に限らず葬式や通夜などで香典を渡すときは、お悔やみの言葉を述べてから香典を渡しましょう。

葬儀と初七日を同じ日に執り行う場合、葬儀の香典と一緒に初七日の香典を渡します。前もって初七日の流れを確認しておくと、スムーズに香典の準備ができるでしょう。

寺院によっては葬儀の後、火葬場から戻ってから初七日の法要を行う場合があります。その際には、香典を渡す場所が設けられているのか確認をしておきましょう。

初七日での香典返し

香典を受け取ったときは香典返しをするのがマナーです。初七日の香典については3,000円~5,000円の香典返しを用意しましょう。主な香典返しは以下の通りです。

・カタログギフト
・日本茶
・石けんや洗剤
・スイーツ
・ジュース
・コーヒーや紅茶
・お茶漬け
・調味料
・ブランケット
・麺類


初七日のお返しには日持ちしやすいものや、消費しやすいものがよいでしょう。お返しの金額としてはふさわしいものの、大きすぎたり重すぎたりすると参列者は負担に感じます。香典返しでタブーとされるものは以下の通りです。

・酒
・肉や魚
・生もの
・こんぶ
・かつお節


かつお節は慶事で使われるので、香典のお返しには合わないとされています。最近では結婚式で使用する物でなければ問題はないと考える方も増えました。

初七日での供え物

初七日法要について故人によっては盛大に執り行うこともあります。故人への供養の機会になるので、お供え物の用意の有無が気になる方もいるでしょう。

参列者に関してはお供え物の準備は要りません。香典を持参していれば、失礼には当たらないでしょう。ただし、どうしても供え物を用意したい方は、小分けにしたものを持参するのがおすすめです。初七日ではお供えをした後は、参列者で持ち帰るのが風習です。

大勢の方が参列するのに備えて、持ち帰りのしやすいものを選ぶとよいでしょう。小分け袋に入ったビスケットやクッキーなどは便利です。

初七日での花

初七日では香典や供え物を持参する方がいますが。残された遺族の悲しみをいやすために花をプレゼントするのもよいでしょう。

おすすめの花はユリ、菊、ラン、ダリア、カサブランカ、カーネーション、ラナンキュラスなどの水色や淡い色の花です。また、故人の好みの花を事前に聞いておいて、プレゼントするのもよいでしょう。

洋ランは華やかなイメージがありプレゼントにも適していますが、落ち着いた色合いで包んでもらうと初七日のお悔やみにも合います。プレゼントする際には、メッセージを添えるとよいでしょう。一方でバラなどのトゲのある花は、弔い事での使用には適しません

精進落としとは

日本では葬儀に参列した方に対して感謝を表す機会が設けられています。香典返しは感謝を表すしきたりのひとつですが、他にも精進落としがあります。精進落としとは参列者に食事を振る舞うことです。

仏教の教えのひとつですが、食事を提供する際にもマナーがあるので事前にチェックしましょう。ここでは、精進落としの基礎情報を紹介します

精進落としとは

精進落としとは俗世のけがれを捨てて、一生懸命に修行に励むという意味です。仏教が語源ですが、神道にも同じ漢字で「そうじ」と読み、神に仕える時期として使われています。

大切な人を失ったときに故人が仏様の元へたどり着けるように法要をしますが、四十九日の法要は特別な日です。故人が仏様になる日とされており、仏様に仕える期間が終了します。

精進落としとは、精進した期間が終わったことに対する感謝を持って食事を取ることです。最近では仏教の教えの他にも、参列した親族や友人に感謝を伝える機会という考えも広まっています。つらい時期を乗り越えて前向きに生きていくための大切な儀式と言えるでしょう。

仏教ではお斎という言葉があります。斎という字は仏教用語の斎食から取られた漢字で、もともとは決まった時刻に食事を取るという意味です。

精進落としは火葬場から戻ったときに僧侶や参列者の感謝を表すために設ける食事の席を意味しますが、お斎は法事や法要で振る舞う食事全般のことです。浄土真宗の場合は、通夜振る舞いも精進落としもお斎と呼びます。

キリスト教と精進落とし

精進落としは仏教の考えに基づいたものです。キリスト教には精進落としという概念はありません。同じように、日本では通夜振る舞いが行われますが、キリスト教では通夜振る舞いは存在しません。キリスト教でも葬儀で食事が提供されることがあります。

メニューはさまざまでサンドイッチやお菓子などの軽食の場合もありますし、すしやオードブルなどの料理が提供されることもあるでしょう。

アルコールについても、遺族が望む場合には提供されます。キリスト教では食事についての制限はありません。ただし、故人を思う場所なので静かに食事を取るのがよいでしょう。

神道と精進落とし

神道にも精進落としと同じような概念があり、直会と呼んでいます。直会とは奉仕した神主と参列者が、神前にささげた供え物を分け合う儀式のことです。神道では直会によって神と人が一体になれると信じられています。

現在の直会では神酒と呼ばれる酒を飲んだり、餅を食べたりするのが一般的です。酒は神に供えた米から作られたものなので、ふさわしいと考えられています。

神道では、葬儀や法要の際に提供される食事に関しての制限がありません。仏教の場合は肉や魚を提供しない場合がありますが、神道の場合はメニューを気にせずに提供できるでしょう。

沖縄の場合

本州では葬儀後に精進落としをするのが一般的ですが、沖縄では精進落としをしないケースがあります。沖縄での葬儀は遺族、家族、友人、知人などの多くの参列者を招くため、精進落としまでのフォローが難しいからです。

沖縄では精進落としが一般的でない地域もあり、葬儀が終わったらすぐに帰宅する参列者もいます。そのため、沖縄の葬式や法要に参列する際には、どのような流れなのかを把握しておくとよいでしょう。

一般的な精進落としでは、葬儀や法要が一段落したことで普通の食事に戻るという意味を持っています。しかし、沖縄では葬儀にお世話になった人を慰労するために開かれるものです。喪主や遺族は感謝の気持ちを込めて仲間を接待します。

枕飯と枕団子

精進落としの際は故人の食事にも気を配りましょう。葬儀に関係する食事は枕飯枕だんごです。枕飯とは故人があの世に旅立つ前の最後の食事です。亡くなってから用意をして枕元にお供えしますが、茶わんにご飯を盛り付けてから箸を立てます。

故人との未練を断ち切るので、ご飯は高く盛るのが一般的です。茶碗と箸は故人が使っていたものを使いましょう。枕飯は火葬する日まで毎日作ります。火葬が終わったら茶碗を割って処分しましょう。枕団子とはメイドの旅路の途中で食べられるようにお供えする食事です。上新粉を使って団子を作ります。枕団子は棺の中に置きましょう。

ペットの精進落とし

愛する家族の一員でもあるペットですが、亡くなった際には葬儀や法要を執り行う方がいます。精進落としに関しても、ペットの葬儀を手伝ってもらった友人に食事を振る舞いたいという方がいるでしょう。

精進落としの席では、一緒に食事をしながら、ペットの思い出を語り合います。ペットの葬儀は歴史が浅いので細かい規定はありませんが、ペットの葬儀を扱っている業者と相談しながらペットの精進落としの準備を始めるのがよいでしょう。

精進落としでの香典

精進落としは招いた遺族だけではなく、招かれた参加者が遺族を慰める機会です。仕事や個人的なことで忙しいときでも、遺族のために出席したほうがよいでしょう。

精進落としに出席するときに、香典を用意したほうがよいのか悩む方がいます。ここでは、香典の目安や渡し方のマナーについてまとめましたので参考にしてください。

香典は基本的には不要

葬儀とは異なり精進落としは友人や親族に食事を振る舞う機会です。香典は故人に対して花や線香を備えていたことを由来としており、故人に対しての供養を意味しています。

精進落としは出席者に対して食事をもてなすことを目的としており、供養の機会ではありません。基本的に香典は不要と考えてよいでしょう。

出席者の中には遺族の準備に対して感謝を表したいという方がいますが、精進落としで香典を渡すのはマナー違反ではありません。

葬儀で香典を渡すときの目安

葬儀で香典を渡す際には、どのくらいなら失礼にあたらないのか悩む方がいます。ここでは葬儀で香典を渡すときの目安を表にしました。

故人の立場 金額
知人や友人 3,000円~1万円
知人や友人の親 3,000円~1万円
恩師 3,000円~1万円
近所の人 3,000円~1万円
3万円~10万円
兄弟姉妹 3万円~5万円
祖父母 1万円~5万円
叔父や叔母 1万円~5万円
義理の家族 3万円~10万円

精進落としのメニュー

遺族の場合は精進落としのメニューを早めに決めなければなりません。しかし、精進落としを用意する機会は少ないので、どのようなメニューがふさわしいのか悩む方もいるのではないでしょうか。

ここでは、精進落としの適切なメニュー選びをまとめました。葬儀に適していない食べ物も詳しく紹介していますので参考にしてください。

適切なメニュー

精進落としは、精進料理から普通の食事に戻すという意味があります。和食を主体としたメニューが一般的ですが、肉や魚などを取り入れた通常のメニューでよいでしょう。懐石料理をはじめ、サンドイッチ、すし、弁当など、予算や規模に合わせて選びます。

葬儀の際の料理として適していない食べ物は伊勢エビ、タイ、かつお節です。お祝いのときに登場する食材は、故人をしのぶ精進落としには不向きです。精進落としで弁当を提供する際には、食事の目的を伝えておきましょう。精進料理であることを伝えておけば、不適切な食材を避けてもらえるでしょう。

精進揚げとの関係

精進料理のメニューのひとつは「精進揚げ」です。野菜などの食材に衣を付けて挙げたもので、魚介類を揚げる天ぷらと区別する用語として使います。精進揚げも精進料理と同じように仏教を歩む人が食する料理です。

忌中となる四十九日までは魚介類の天ぷらを食べず、精進揚げを食します。地域によっては作り方にもこだわりを持ち、衣に卵を使わない、だし汁を使うときにはカツオは使わないなどの配慮を示す場合もあるでしょう。

現代の精進落としでは通常の天ぷらも提供しますが、日本の伝統料理のひとつとして精進揚げの由来を知っておくのはよいでしょう。

精進落としの時間帯・所要時間について

精進落としを計画する際には、時間帯や所要時間を決めておきます。短すぎると参列者への感謝が表しにくいですし、長すぎると疲れさせてしまうでしょう。

ここでは精進落としの適切な時間や流れに関して分かりやすく解説します。また、精進落としを計画する際に抑えておくべきポイントもまとめました。スムーズに執り行うために前もってチェックしましょう。

精進落としの時間

精進落としの時間は地域によって異なりますが1時間~2時間です。予定に葬儀が組み込まれているときは、火葬が終わった後に執り行います。法要のみのときは、法要後に開くのがよいでしょう。

仏教の教えに基づいたものですが、時間についての細かい決まりはありません。遺族や親族で相談して、適切な時間を決めましょう。

精進落としでは、食事の前に献杯のあいさつをします。献杯とは故人に対して杯をささげることで、通常の乾杯とは異なりコップを打ち合わせません。献杯が終わった後は、自由に食事を楽しみましょう。食事中には喪主や遺族がお酒をつぎに回ることがあります。

精進落としのタイミング

精進料理を出すタイミングは火葬場から戻り、法要を済ませた後です。準備が整ったなら速やかに精進落としの支度をしましょう。

・席に案内する

精進落としでの席は決められており、上座に僧侶や世話役が座ります。喪主や親族は接待する側なので末席に座りましょう。

・宴席の開始

全員が席に着いたら、宴席を開始しましょう。最初に喪主があいさつをして、参列者への感謝や故人への思いを語ります。

地域や宗派によってはあいさつの後に献杯をします。献杯とは、葬儀で使われる乾杯のあいさつです。献杯のあいさつは主に年配の男性や故人と親しくしていた友人によって行われます。スムーズに宴席が行われるように前もって依頼しましょう。

・宴席中

宴席中は友人や家族でさまざまな話をします。喪主や遺族はそれぞれの席を回って、お酒を注ぐのがマナーです。参列者に丁寧に感謝を述べましょう。

宴席は家族全員がそろう機会なので、次回の法要の日程をチェックします。親族間のトラブルを避けるためにも早めの準備を心掛けましょう。

・宴席の終了

精進落としでは終了のあいさつをします。食べ終わった後に散会しても失礼には当たりませんが、喪主があいさつしてお開きにするほうがよいでしょう。引き出物を用意しているときは宴席中か宴席の終了後に渡しますが、早めに準備をしておきましょう。

準備をする

地域や宗派によって異なる場合もありますが、精進落としの一般的な準備の流れは以下の通りです。

・精進落としの準備をする

精進落としでの最初の準備は会場の選定です。参列者の数や葬儀の規模を考えながら、適切な会場を決めます。葬儀場と火葬場が一体化している場合には、火葬中に精進落としを行う場合もあるので事前に決めておきましょう。

・出席者をチェックする

精進落としの会場を選定したら、出席者のチェックです。会場の広さや予算を考えて、誰を招待するのかを決定します。参列者の中には、仕事の合間に来られる方や遠方から来られる方がいます。それぞれの状況を考えて、招待してもよいのかを慎重に検討しましょう。

精進落としでは僧侶を招待するのがマナーです。ただし、僧侶との縁が浅い場合には、僧侶が辞退する場合もあるでしょう。僧侶が出席を辞退した場合には、お膳代という名目でお金を渡すのがマナーです。精進料理の席で弁当を提供する場合には、折り詰めにして渡すとよいでしょう。

・引き出物の用意

地域によっては精進料理を提供する際に引き出物を渡すことがあります。前もって引き出物の有無を検討しておきましょう。

・料理の選定

精進料理のメニューを考えます。会場に合わせて料理を決めるのがベターです。料理の手配では万が一のときを考えて、人数分よりも多めに注文しておきましょう。

精進落としにかかる費用・相場

葬儀では車の手配、葬儀場の確保、僧侶へのお布施などの費用がかかります。精進落としに関しても、食事代や土産代などの費用がかかるので、前もってチェックしておきましょう。

ここでは、精進落としを行うときの費用の目安をまとめました。また家族葬、一日葬、直葬において精進落としが必要なのかも分かりやすく解説します。

費用の目安

精進落としの相場は手配する料理によって変わります。また出席者の数が多くなれば、費用もかかるでしょう。金額の目安は以下の通りです。

項目 費用
食事代 1人あたり3,000円~8,000円
土産代 1人あたり2,000円前後

上記を合わせると、1人あたり5,000円~1万円の費用がかかります。30人で精進落としをする場合には21万円、50人の場合は35万円です。

上記の他、ジュース、炭酸飲料、ウーロン茶、アルコールなどの飲み物代もかかります。自宅以外で精進落としをする場合は場所代も予算に加えましょう。僧侶が精進落としを辞退したときにはお膳代を渡しますが、5,000円~1万円が目安です。

家族葬の場合

日本では核家族化が進み、最近は身内のみで故人を送り出す家族葬が増えています。家族葬の場合精進落としを用意するのかは個人の自由です。基本的には小規模で行う葬儀のため、金銭的な負担を減らすためにも精進落としを省略できるでしょう。

家族葬で精進落としを提供する場合は、故人が好きだった料理がよいでしょう。家族が一緒に料理を食べることで、より鮮明に故人を思い起こせます。

別の方法は、故人が気に入っていたレストランへ行く方法です。家族葬は少人数なので貸切をせずに食事ができるでしょう。レストランを使用する際は、遺影を携えておくと故人を喜ばせられます。

もうひとつの方法は斎場への持ち込みです。故人の好きだった料理を自宅で作り、家族で一緒に食べます。自分たちで作るので費用は抑えられますが、持ち込みを禁止している斎場もあるので事前にチェックしましょう

一日葬や直葬の場合

最近では葬儀に関する考え方が変わり、通夜や告別式などは行わずに火葬だけを執り行う直葬、通夜は行わずに火葬の日に告別式を執り行う一日葬を選ぶ方がいます。

直葬の場合は告別式をしないので精進落としも執り行いません。葬儀に掛かる費用を抑えたい方やコンパクトに済ませたい方におすすめです。

一日葬の場合はケースによって食事を提供します。参列者が少なく食事の場を設けやすいので、親族のみで執り行う場合は食事を用意してもよいでしょう。

精進落としの挨拶について

精進落としでは食事の前にあいさつをします。時間を割いて出席したことに関する感謝の気持ちや故人に対する気持ちを言い表しましょう。あいさつは食事の前、献杯、食事の終わりの3回です。

ここでは、精進落としのあいさつについて例文を交えながら紹介します。出席者に喜んでもらうためにも、前もってチェックしておきましょう。

基本的なあいさつ

精進落としは喪主によるあいさつをします。他の人があいさつをしても構いませんが、故人との関係などの自己紹介を加えましょう。一例として以下のあいさつが可能です。

「本日はご多忙の所会葬くださり、誠にありがとうございました。皆様のおかげで葬儀を無事に終えることができました。ひとえに皆様のご厚意とお力添えのおかげでございます。

今後は生前の故人に接したのと同様、残された遺族にもご厚情を賜りますよう、ひとえにお願い申し上げる次第でございます。

慰労と感謝の意を込めまして精進落としをご用意いたしました。故人の思い出話などをしながら、ゆっくりとお過ごしいただきたいと存じます。本日はありがとうございました。」

あいさつは地域によって異なる場合もあります。地元の風習や習慣に合っているのか、事前にチェックするとよいでしょう。

献杯のあいさつ

精進落としを開始するにあたり、献杯のあいさつをします。開始のあいさつと同じ人が献杯のあいさつをしても構いません。

ただし、喪主や遺族に限らず、生前に故人と親しくしていた友人にお願いするのもよいでしょう。依頼する場合には、事前に尋ねておきましょう。献杯のあいさつは以下の通りです。

「皆さま、お手元のグラスをお持ちください。私が献杯の音頭を取らせていただきます。安らかなご冥福と皆さまのご健勝を祈念しまして、献杯。」

喪主や遺族以外の人が献杯をする場合には、出席者のために故人との関係を加えるとよいでしょう。

締めのあいさつ

精進落としでは締めのあいさつをします。1時間程度のタイミングを見計らって締めのあいさつをしましょう。一例として以下のようにあいさつをします。

「本日はお忙しい中、最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。皆さまの温かい真心のこもったお見送りをいただき、故人もさぞかし喜んでいることと思います。

故人の思い出話をもっとお伺いしたいところですが、皆さまも大変お疲れのことと思いますので、この辺で終了させていただきたいと思います。十分なおもてなしもできずに申し訳ありませんでした、本日はありがとうございました。」

精進落としの締めのあいさつをする際には、納骨や法要のスケジュールを伝えるのもよいでしょう。

精進落としのマナー

葬儀や法要と同じように精進落としにもマナーはあります。しかし、仏教に関係したマナーも多いので、どのようなことに注意すべきかが分からないという方もいるのではないでしょうか。

ここでは精進落としでのマナーを詳しく解説します。遺族と出席者のそれぞれのマナー、服装に関するマナーをまとめましたので参考にしてください。

精進落としをしないのはマナー違反

葬儀をするには多額の費用がかかりますが、精進落としをしないのはマナー違反です。精進落としは参列した親族や友人に対する感謝の気持ちを表す機会ですので、精進落としは行うようにしましょう。

精進落としを行わないことがマナー違反と分かっていても、何らかの理由で行うのが難しいケースがあります。例えば、喪主が高齢で体力的に難しいケース、小さな子連れの参列者が多い、遠方のために遅くまで引き止めるのが難しいケースなどがあるでしょう。

精進落としが難しい場合には、弁当などを用意するか、お膳代としてお金を渡すのがマナーです。

精進落としを断る場合

精進落としに招かれたものの、仕事などの用事があり出席が難しいケースがあります。精進落としは葬儀や通夜などの一連の儀式でお世話になった人を、喪主や遺族がもてなす機会の場です。

通夜振る舞いとは異なり席位置が決められています。最も身分の高い上座には僧侶が座り、世話役、会社の関係者、友人や知人の順番に座るでしょう。最も身分の低い末席には喪主や遺族が座ります。

精進落としに招待されたら、出席するのがマナーです。途中で退席せずに最後まで精進落としに加わるのがよいでしょう。なお、僧侶が精進落としを辞退するのはマナー違反に当たりません。

出席する際のマナー

精進落としでは遺族や親族に失礼な態度で接しないようにマナーを守りましょう。主なマナーは以下の通りです。

・遺族から勧められた席に座る
精進落としは遺族、親族、世話役、僧侶が出席します。事前に席が決まっていることもあるので、遺族から勧められた席にすぐに座りましょう。上座を避けて座る方もいますが、遺族に勧められたときは遠慮せずに着席するのがマナーです。

・死に結びつくような話は避ける
精進落としでは、さまざまなテーマが飛び交いますが、故人の最期や病気に関する話は避けましょう。また、出席者と話をする際には、声のボリュームに注意を払い、お酒はほどほどにします。

・励ましの言葉を用意する
精進落としではお悔やみは言いません。葬儀や通夜で疲れていることもあるので、遺族を励ましましょう。「元気を出してください」といった言葉は、遺族を力づけるでしょう。

・スマートフォンは電源を切る
最近ではほとんどの方がスマートフォンを持っていますが、精進落としのときは遺族に不快な思いを与えないために電源を切りましょう。

仕事などでどうしても電源を切れないときは、マナーモードにしておくと迷惑をかけずに済みます。メールに関しても食事中の返信は避けましょう。

精進落としの服装

葬儀や法要と同じように、精進落としにも服装のマナーがあります。状況にもよりますが、精進落としで食事を取る際には、以下の服装を心掛けましょう。

・男性の場合

男性は葬儀と同じように、黒のスーツが望ましいでしょう。靴下、ネクタイ、ベルト、革靴も全て黒色で統一すると品位が保たれます。ワイシャツはカラーシャツではなく白色を着ましょう。ジャケットの場合も黒色がおすすめですが、ダブルとシングルについてはどちらでも構いません。

・女性の場合

女性の服装に関しても葬儀や法要と同じようにつつしみのある服装にしましょう。スーツやワンピースは黒色でそろえるようにします。

ストッキング、髪飾り、パンプスも全て黒色がよいでしょう。アクセサリーは婚約指輪、真珠、オニキスだけにします。服装に迷った場合には、喪服がおすすめです。

・子供の場合

子供が学生の場合は、スーツやジャケットではなく学生服を着用するのがよいでしょう。学生服がない場合にはブレザーとズボン、ブレザーとスカートにしてつつましい服装にします。靴は白、紺、黒などの落ち着いた色にしましょう。

コロナウイルス対策を施す

2020年からはコロナウイルス感染症による広がりの影響で、葬儀や法要においても3密の対策が求められています。精進落としで食事を提供する際にも、コロナウイルスの対策をしましょう。

食事を取るときには換気の対策をして、こまめに窓を開けるようにします。また、広々とした場所で精進落としをすれば、感染を防げるでしょう。

状況によっては持ち帰られる食事を提供したり、公共の交通機関を利用する予定の方にはクラスターを避けるために参列を控えてもらったりする方法もあります。いずれの場合も、親族間のコミュニケーションを取りながら慎重に検討しましょう

スムーズに執り行うには小さなお葬式へ

葬儀では適切な準備が求められます。参列者に失礼な態度を取らないよう基本的なマナーも把握しておきましょう。初七日法要や精進落としをスムーズに済ましたい方は、葬儀会社の利用がおすすめです。

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まとめ

葬儀では仏教に基づいた決まりやルールがあるので、前もってチェックしておきましょう。初七日は亡くなった日から7日目に行う法要です。精進落としは参列者をもてなすための食事を意味しています。費用やマナーを前もって把握しておきましょう。

葬儀には手間がかかりますが、小さなお葬式では初めて喪主を務める方でも安心のプランをそろえています。知識やスキルを持ったスタッフをそろえており、適切なサポートが可能です。初七日や精進落としでお悩みの方は、小さなお葬式へご相談ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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